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インフィニット・ストラトス~IS学園に技術者を放り込んでみた~

作者:壬生咲夜
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本編
  第09話「上級生からの贈物(後編)」

 
前書き
前編と後編を分けました 

 
<生徒会室>

???
「わ~、凄いわね」
助手(仮)
「はぁ、してやられました…」

私はいま、生徒会室で主である楯無お嬢様と共に窓から見える景色を眺めています。
そこには音楽に合わせて色鮮やかな花火が次々と打ち上がっては夜空に綺麗な花を咲かせており、恐らく女子寮や食堂でも皆同じようにこの様子を見ているのでしょう…。

どうやらこの半年のオラクルの動き全てが囮だったみたいですね…。
私のあの苦労は一体なんだったのでしょう…。

???⇒楯無
「いいじゃない虚ちゃん。皆を楽しませるためにやってるんだから♪」
助手(仮)⇒虚
「まぁ、そうですけど…」

オラクルは機械の製造・複製・修理を行っているところで、彼らの技術力は学園に留まらず、外部の人間にも認められています。
彼ら(オラクルに入部していない一部のメンバーも含む)の行動理念は幾つかあり、そのうちの一つが“皆で楽しい学園生活を送ること”で、その為なら努力を惜しみません。
もっとも、少々やり過ぎるところがあってその後始末が大変なのですが…。
お嬢様はたまに仕事をサボって何処かへ行ってしまいますし…。

楯無
「あ、アハハハ……」

「…お嬢様、笑って誤魔化してもダメですよ」

それにしても気になる点が幾つかあります。
特に外部への手配などどうやって………


「…まさか、知っていましたか?」
楯無
「……ソンナコトナイワヨ」

「目をそらさないでください」
楯無
「…ソラシテナイワヨ」

「…お嬢様」
楯無
「ヒッ!? ご、ごめんなさい。知ってました!! 協力もしました!! だからそのハイライトが消えた眼で見ないでぇ!!」

アタリですか…、ということはこの計画はオラクルでも一部の人間…設立メンバーのみが知っていたみたいですね…。
……私一人だけ蚊帳の外ですか…。
最近はこちらの方ばかり優先してましたが、一応私も設立メンバーの一人だというのに……フフフ

楯無
「……(ガクガク」

「……はぁ、安心してくださいお嬢様。何もしませんよ」
楯無
「…本当?」

「ええ、せっかくのサプライズなんですから、今はそれを楽しみます」
楯無
「ほっ……」

もちろん、“今は”ですけどね……。
それと、この件に着いてあとでしっかりと話し合いましょうねキョウ(・・・)……。



後日、茶色の髪を持つIS学園3年の男女が片方はやや疲れた様子で、もう片方はイキイキとした様子で街を歩いているのを生徒に目撃されることとなる。



<食堂>

もう、いくつ花火があがったのだろうか…。
いや、何分たったのかもわからない。
それだけ夢中に眺めていた。

だけど、この光景ももうすぐに終わってしまう。
その証拠に、流れている音楽が終わりを迎えていた。

やがて音楽が止まり、かわりに一つの花火が打ち上げられる。
それは、白煙を隠れ蓑に空高く登り、

[パァーンッ!!]

と鳴ると花を開くのではなく、


『 入 学 お め で と う !!』


と書かれた文字が夜空に現れた。


一夏
「すげぇ…」

おそらく10分にも満たない時間だったが、食堂から惜しみない拍手が聞こえてくる。

鏡也
「IS学園へ!!」
生徒十数名
「「「「「「「「ようこそ~~!!!!!」」」」」」」

[パンッ、パンッ]
[パパンッ]
[パーンッ]

拍手が止んでくると、食堂の中央付近にスポットライトが当てられ、そこには鏡也先輩たちがいて、大きな声でそう叫ぶと食堂全体に明かり灯り、何人かの生徒が先輩の声に応じて声を出しながらその手に持っているクラッカーを鳴らした。

鏡也
「皆、サプライズは楽しんでもらえたかな?」
ケイン
「俺たちIS学園上級生は、お前達新入生を歓迎する!!」

またもや、食堂に拍手が鳴り響く。
今度は歓声も混ざっており、「オラクル最高!」とか「そこに痺れる。憧れるぅ!!」って聞こえる。

鏡也
「どうだった? 俺らからのプレゼントは?」

自分たちの役目を終えたのか、俺たちの席に帰ってきた鏡也先輩。

癒子・ナギ・本音
「「「すっごく良かったです!!(よ~)」」」

すぐに反応を返したのは仲良し三人組。
俺も本当にキレイで良かったと思う。


「………」

箒も口には出さないけど、凄いとか良かったって思ってるんだろうな。
その証拠にさっきまでの雰囲気は無くなってるし……。

鏡也
「ありがと。それだけ喜んで貰えたなら、こっちもやったかいがあったよ♪」

そう言って、先輩は悪戯が成功した子供みたいな顔を浮かべていた。


―――が、


[キュィィィイインッ!]
≪保有スキル【心眼(偽):B】が発動しました≫


突如先輩のアホ毛(?)がアンテナのように逆立った。
なにあれ、妖怪レーダ?
てか、何いまのテロップ…。

鏡也
「まずいな…」
癒子
「どうかしたんですか先輩?」
鏡也
「いや、ちょっとね…。シャノン、パターンB ルートαだ」
シャノン
『わかったわ』

なにやら先輩が耳元のイヤリングらしきものに声をかけてるけど…なんなんだあれ?


鏡也
「織斑少年、俺らはこれで失礼するよ。あとは頑張りな」
一夏
「あ、はい、アドバイスありがとうございます!」
本音
「またね~、きょ~ちゃん」
鏡也
「おう、またな!」

そうして鏡也先輩は足早に立ち去って行った。

でも、あっちは出入り口とは反対になるんだけどな…



千冬
「おい、織斑」
一夏
「え、千冬姉!?」
千冬
「学校では織斑先生だと何ど言えばわかるのだお前は…」

鏡也先輩が立ち去ってからすぐに背後から千冬姉の声が聞こえ、いつもの癖でそう呼んでしまった。
やべっ、また殴られる…。

千冬
「まぁ、いい。ここに茶髪でアホ毛の男子、もしくはオレンジのウニ頭の男子に金髪のロングか水色のショートヘアーをした女生徒は居なかったか?」

と思ったけど、何もされなかった。

茶髪にアホ毛って鏡也先輩でオレンジのウニ頭はケイン先輩のことか?
後半の女生徒のことはわからないけど、先輩方に用があるのか千冬姉?

本音
「きょ~ちゃんとケイ君なら、先ほど逃げました~」
千冬
「ちぃっ、逃げられたか…。揃いもそろって優秀な奴らばかりが騒ぎを起こして……」

のほほんさんがそう答えたら、忌々しそうに舌打ちしてブツブツと呟く千冬姉。
なんでそんなに怒ってるんだ?
それに良く見ると、さっきまでクラッカーを持っていた生徒まで消えている。
もしかして、さっきのアレ(アホ毛)は千冬姉を感知したのだろうか…。

千冬
「…いつまでここにいる。もうすぐで食堂を閉めなければならない。食事を取り終えた者はすぐに寮へ帰れ。私は1年の寮長を務めている。明日遅刻したらグランドを10…いや20周させるぞ!!」

今日の昼も思ったけど、若干私怨も交ざってるよな…って、寮長!?
そっか…、だから滅多に帰ってこないわけだ…。

千冬姉の言葉に、食事を終えた者から姿を消していく。
その殆どがさっきの花火の事を話しているようだ。


さて、俺もメシ食い終ったから帰りますかな。
部屋に戻ったら早速勉強だ。
協力してくれる皆の為にも頑張らないと…。


―――
――


<IS学園にあるどこかの廊下>

鏡也
「ん~成功成功っと♪」

いや~上手くいって良かった良かった。
轡木理事長に『明後日の入学式、綺麗な花が咲くといいですね~(笑)』とか言われたときはどうなるかと思ったけど、どうにかなったな…。

にしても、虚があちら側に着くのはある程度予想してたけど、まさかダミーを含めて全部見つけられるとは思わなかったな。
ダミーとはいえオラクルメンバーが作った悪趣味な代物(最高の出来具合)なんだ。
あのまま仕掛けておいて、別の機会に使おうと思ってたのに…あ~あ、もったいない。

まぁ…、ナニをドコに仕掛けたのかは正確に把握して無いんだけど。
みんな好き勝手に作っては仕掛けてたしな……

[ビビビ]

鏡也
「っと、どうやら他のメンバーも無事に撤退できたようだし、俺もさっさと部屋にかえりますk――」

ミツケタ…

[ゾクッ]
≪保有スキル【心眼(偽):B】が発動しました≫

鏡也
「っ!? 誰だ!!!(バッ」←咄嗟に飛びのいて臨戦態勢に入る

俺が気配に気づかなかっただと?
一体誰が…

[コツッ]


「…私よ」
鏡也
「う、虚!?」

「今晩はキョウ (ニコッ」

闇から現れたのは、クラスメイトにして幼馴染の布仏虚でした。
やっべ~…

鏡也
「や、やぁコンバンワ」

「あら、どうしたの? 後半のセリフが片言になってるわよ」←優しげな声
鏡也
「ソンナコトナイヨ。イタッテボクハヘイジョウダヨ (ダラダラダラ」←冷や汗をかいている音

「嘘だ♪」←満面の笑み、ただし眼は笑っていない
鏡也
「は、ハハハ……ところでどうやってここが?」

「とても親切なオレンジ頭の方が教えてくれたわ」
鏡也
「あのウニ頭め…」


ケイン
「へっくしっ!! あ~、誰か俺の悪口言ったな。ま、多分キョーヤだろうけど…。悪く思わないでくれよキョーヤ、俺はまだ死にたくないんでね」


さて、裏切者(ケイン)をどう仕返しするかは後にしてだ。
この状況どうしたもんかな…。

[チラッ]

楯無
「ハイライトコワイ、ハイライトコワイ、ハイライトコワイ………(ブツブツ」←膝を抱えて虚ろな状態

こりゃヤバいな…

鏡也
「…さらb[ヒュンッ]ぁ、うをっ!??」←飛んできたナイフを避けた

「逃がさないわ」

[チャキッ]←左手に数本のナイフを構えた音

鏡也
「……あの~虚さん。話し合いって大事だと思うんだ俺 (ダラダラダラ」←冷や汗が止まらない様子

「ええ、だからちょっとそこの空き部屋でO・HA・NA・SHIしましょう♪」
鏡也
「お話のイントネーションが違うっ!?」

「そんなの些細な問題よ (ガシッ!!」←右手で鏡也の肩を掴んだ音
鏡也
「えっ、ちょ、嘘!?…うわぁぁああああああ!!!???(ズルズル」←男女差があるのに関わらず引きずられている音

[バタンッ…]

オワレ



 
 

 
後書き
【後書き】 
というわけで、対セシリア戦に向けての話はこれでお終いです。
何かご指摘やご質問がありましたら宜しくお願いします。


最後のくだりは別のサイトで投稿したさいに10分程で書いた本編とはあまり関係ないエピソード(?)を鏡也視点に変更してみました。

 
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