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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第28話 春休み

 
前書き
ご都合主義です 

 
 色々と問題もあった学年末試験も終わり、1週間もせずに春休みとなる。
 あと1年過ぎれば、結果はともかくこの麻帆良学園とも離れられる。

 さて、春休みまでの残り少ない日々をどう過ごすかというとネギ教育実習生の代わりに2-Aの担任をやらされることになった。

 何故こんな目にあったかと言えば、3-Aの担任は新田先生に決まったが、今現在新田先生は2-Hの担任であり、来年からの学年主任の引き継ぎ作業もあるので、2-Aの春休みまでの残りの1週間を担当する先生がいなかったのだ。

 ちなみにネギは1週間の謹慎処分という名目で、学園長直々に教師の心得とやらを指導されるらしい。
 学園長に指導できるのかというのは甚だ怪しいが。

 源先生は来年度から別のクラスの副担任をすると言う名目で、色々な雑務をやらされている。ぶっちゃけ降格というか、2-Aを任せられんと皆から言われているのと変わりない。なお、ネギの指導教師からも外れた。
 高畑先生は今日もまた出張。というか、ネギの(あら)が注目されるに連れ、高畑先生の粗も気にされ始め、まともな先生からはかなり白い視線を向けられている。気付いているんだろうか? ちなみに来年度は担任どころか副担任も任されず、3-A(ひと)クラスの英語のみを担当する。そしてそれをネギ教育実習生が担当する。これは、英語の教科担当の先生らが相談し合い、学園長に認めさせた案件だ。外部進学もある3年生の英語を出張続きの「なんちゃって先生」に任せられないというわけだ。
 高畑先生は気付いているのかいないのか、それとも都合よく考えているのかも知れないが、ネギ教育実習生が仮に昇格し先生になった場合、高畑先生の受け持ちクラスは無くなってしまうのだ。
 ま、これが英語教科担当の先生方の総意と言うことだ。

 先生じゃなくなったら?

 それこそ、用務員か学園長の秘書になればいいんじゃね? 今でもそんな感じだし。



 さて、2-Aだが、クラスの雰囲気がすごく暗い。
 主に停学組の生徒が暗いんだが、それが他の生徒にも影響しているようだ。

 元図書館探検部の面々。全員停学組なわけだが、木乃香に話しを聞く分には、図書館探検部の無期限の活動停止を知らせるために集められた席で、綾瀬と早乙女が図書館探検部の面々から、かなりつるし上げをくらったらしい。木乃香と宮崎は成績的にも性格的にも「魔法の本」などを探しに行く必要が無いことは、同じ部の面々には周知のことらしく、図書館探検部の無期限の活動停止の原因がこの2人のせいだとなったわけだ。とりわけ、灰色の受験生活が終わり、新学期から大学部として活動できるはずだった高等部の現3年生からがひどかったらしい。当然と言えば当然か。綾瀬らが持ち出したという図書館探検部の地図は本来大学部生以上のみ使える地図で、もう1月もすれば彼ら彼女らが合法的に使えるようになるはずだったものなのだから。
 なお、停学組の4人は図書館探検部を退部させられたとのことだ。まあ、一応無期限停止ということは、明日にでも期限が切られ、活動再開になる可能性は無いこともない。実際はゼロだが。ケジメみたいなものなのだろう。それもあって元図書館探検部の4人は鬱々とひたすら暗い。

 長瀬と(クー)の格闘組と運動部組の佐々木は、部活動を禁止され、自主鍛錬も自重しているらしく、元気がない。特に一角の責任感がある長瀬と古は、状況に流されクラスメイトや先生に迷惑をかけたことを度々の説教により理解したらしく、かつて見ないほど真面目な雰囲気を漂わせている。

 そして、神楽坂だがつい先程も雪広と大喧嘩をしたらしい。
 木乃香や千雨の念話や、他のクラスメイトの話しを聞く限り、ショタコンをこじらせている雪広がネギのことに関して色々と神楽坂のせいだと言ってしまったらしい。
 で、元々アルバイトも辞めさせられイライラしていた神楽坂が、売り言葉に買い言葉でキレたらしい。

 いつものようなカラッとしたケンカではすまないレベルだったので、仕方なく神楽坂を生徒指導室に連れて行く。
 ちょっと今のままだとシャレにならんレベルでまずいので、拙いながら話を聞くことにする。

「ねぇ。アンタもネギと同じ魔法使いなんでしょ」

 ネギと同じ扱いされるのは甚だ心外だ。

「なんのことです?」

「しらばっくれないでよ! ネギから聞いているんだから!!」

 知ってはいたが、他人の情報を勝手に教えるネギにあきれはてる。

「だから、何言っているのかわかりませんよ。魔法使いなんているわけないじゃないですか。ホント神楽坂さんはバカレッドですねぇ」

「な、な。なんですってぇ!」

 うーん、どうも情緒不安定だなぁ。というか、ネギの奴魔法の秘匿について、ちゃんと説明してんのか?

 ………。

 してるわけないか。

「いーい。アイツにはホント迷惑かけられてんだから!」

 出るわ。出るわ。愚痴の大嵐。うわぁ、かなりストレスたまってたんだなぁ。

 10分程ひたすら愚痴を続けたら、ある程度すっきりしたのか、ようやく落ち着いた感じだ。

 しかし、寝床に潜り込んで反省もしないとかどこが英国紳士何だか。しかもなんだかんだ許しちゃう神楽坂も大概お人好しだなぁ。
 あぁ、そう言えばオレやネギとも血が繋がってんのか。
 叔母なのか、ご先祖なのかよくは知らんが。

 なんにしろ不憫な子だな。恐らく学園長の思惑もあるから新学期もネギと同じ部屋だろうし。少し労ってあげるか。

「あぁ、あれだ。スプリングフィールドと関わった時点でご愁傷様としか言えませんが」

 と言って、魔法に関わらない範囲で学園に来る前にあったネギの常識はずれなことやネギの周りのことを話す。神楽坂は話しを聞いて頬をヒクヒクさせているが、追い打ちをかけるように、ナギ・スプリングフィールドの育児放棄や無責任なことなど、ネギが見ていないナギ・スプリングフィールドのことについて話しておく。

「ネギの言ってることと全然違うじゃない!」

「あー、あれは自分の見たくないものを絶対に見ない人間なので」

「アンタも苦労してんのね………」

 なんだろう、同情されてしまった。

「なんにしろ今回の件は神楽坂達が全面的に悪いからな。雪広やクラスメイトには誠心誠意あやまっとけよ。行方不明だってのを告げた時、本当に心配してたぞ」

「………。わかったわよ。ちゃんとあやまっとく。ネギと違って先生してるのね」

「いや、ネギと比べられても意味無いな。そもそもネギは先生じゃないし」

「………。結構キツイこと言うのね、サギ先生」





 愚痴をはき出し、ストレスを発散できたせいか、いつもの調子に戻った神楽坂。なんやかんやで、春休みを迎える頃には2-A自体もいつもの雰囲気に戻りつつあった。





  ☆  ★  ☆  





 2週間ちょいという私立にふさわしい少し長い春休み。3月末を当直と補修生徒の相手をして過ごし、30日に静岡へと里帰りする。

 なお、3月の間に女子寮を出るため、手頃な借家を見つけて契約した。契約者はリニス・T(テスタロッサ)・遠坂である。もちろん、事前に戸籍等は中部魔術協会を通じて揃えてある。オレとの関係は義姉となっている。

 まぁ、あれだ。神楽坂にあまりにもストレスが溜まっており、可哀想になった。オレが管理人室を空ければ、とりあえず、教員寮が空いていないなんていう学園長の言い訳は封殺できるだろう。ネギが管理人室に住めば、雪広始め誰か彼かが世話するだろうし。

 リニスには直ぐに引っ越しができるように生活用品や敷地内の魔法的セキュリティを頼んでいる。

 本当は、分身符(わけみのふ)を駆使して、木乃香や千雨を月村の皆や中部魔術協会の面々に紹介したかったが、木乃香の春休みの補習三昧でボツになった。



 一通り師匠方や中部魔術協会の幹部の方に報告をし、月村邸に帰る。

 麻帆良市や魔法使いについては、予想以上に酷い結果で、早急に関東魔法協会の副理事長-理事長はバリバリの魔法世界の紐付きらしい-と会談を設け対応を始めるとのこと。

 なお、この際と言うことで弟子を2人採ったことも報告した。併せてミッド式魔法についても説明・報告し、「魔導師」という術派の登録も申請した。この辺は忍義姉さんが事前に根回ししてくれていたので、すんなり通った。ちなみに一線から退く構えの忍義姉さんは根回しだけで、「魔導師」として登録しておらず、オレが「魔導師」第1号となる。不思議に思って聞いてみると、なんでも「表の研究が~」と言ってたとか。なんにしろ、これで緊急の折には堂々と魔導師として行動可能だ。





 月村邸に帰るとオレはまったりと、リニスは忍義姉さんやすずかとマッドな研究な話しなどをして過ごす。3人は宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツの理論について話しているようだ。ようだというのは、難しすぎて全然わからないからだ。
 なお、リニスが言うにはミッドチルダを中心とした文明は、宇宙空間に飛び出し惑星を開発するよりも、次元を越えて新たな次元世界を開発する方が断然コストが良く、宇宙空間を行き来するのはいわゆる次元航空艦ぐらいで、宇宙開発自体「大変興味深い」とのことで、目をキラキラさせている。
 なにやら話しを聞いていると小さい時、オレが宇宙開発についてプッシュしたせいで、バニングスさんとこの財閥やらと組んで開発者にかなり資金援助したらしい。

 ………。

 そんなこと言ったかね?

 ………。

 ………。

 ………。

 あぁ、そういえば「原作で火星をテラフォーミングするから、今からその辺に投資しておけばウハウハだ」とか考えて、プッシュしたような………。

 そうか、もう宇宙服が開発されてんのか。

 上手くいけば上手くいくかも知れん。ニヤリ。




 そういえば、すずかが3年生だからもうすぐジュエルシードが落ちてくるかもなぁ………、とか寝る前にぼうっと考えていた真夜中、月村がセカンドオーナーをしている海鳴市に15の魔力的反応があった。というか、偶然なのか必然なのか、地脈的に強く流れている箇所に反応があり、地脈が酷いダメージをくらった。
 後日リニスに確認したところ、次元転移的に地脈が強く流れているところに転移しやすいとのこと。

 ちなみに一番近くに落ちたのは月村邸の森の近くで、偶然にもオレが最初に転移させられた池の近くだった。



 落ちてきたのは、寝る前に考えたのがフラグだったのか、ジュエルシードだった。 
 

 
後書き
遂にジュエル・シードが落ちてきました。 
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