| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

遊戯王GX-音速の機械戦士-

作者:蓮夜
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

-冬休み-

 
前書き
ちょっと時系列がズレましたが、冬休みです。

後書きにて重要なアンケートがあります。
ご協力ください。 

 
side遊矢


冬休み。
学校の長期休暇の一つであり、生徒が待ち望むものだ。
当然だが、世間一般の学校と同じようにここ、デュエルアカデミアにも冬休みというものはある。
デュエルアカデミアは、デュエルが授業に入っているだけで他は普通の学校となんら変わることはない。
(錬金術を除く)
生徒たちは、学校に残るグループと家に帰るグループに別れて冬休みを楽しんでいた。
十代に翔、隼人は居残り組で、明日香に三沢、亮は家に帰るそうだ。
俺か?俺はもちろん…
「ただいまー。」
家に帰るグループだ。
レイにも、冬休みには帰ってくるように言われたしな。
久しぶりに自分の家に帰ってきた。
俺の家は、機械の修理・改造を担当する店だ。
結構田舎町なこともあり、需要はある。
そこで俺の父、黒崎遊輝はいつも通りに機械をいじくっていた。
「父さん、帰ったぞ。」
「んー、遊矢か。どうした、退学にでもなったか。」
いきなり笑えない冗談を言うな父上。
「冬休みだ。休み中は店を手伝うぞ。」
ここでの経験があり、自分は機械が得意になったんだろうな。
「いや、いらんよ。それより早乙女さんのところに行ってやるんだな。」
「は?なんで?」
そりゃあ、レイのところには行くつもりだが…
「昨日早乙女さんと娘さんが来てなあ。
『お宅の息子さんを冬休みが終わるまで預からせてください』
って言うもんだからよ。」
言うもんだから…何だ!?
「二つ返事でOKしちまったよ。」
「息子を売ったなこの馬鹿親父!!」
恋する乙女の行動力を再びなめていた。
「親に向かって馬鹿とはなんじゃい!?」
そう言いながらスパナを投げつけてくる。
「危ねぇ!」
ひらりと避ける。
「分かったら、速く荷物をまとめて早乙女さんのところに行ってこい!!」
こうして俺は、久々の我が家を堪能する暇も無く、レイの家に泊まりに行くこととなった…
俺の、せっかくの休みが…消えていく…



ピンポーン
泊まり込みの荷物を持ち、俺は早乙女家のチャイムを押した。
はぁ…
『あら、遊矢くん。何の用かしら?』
早乙女ママ、登場。
チャイムから聞こえてくるその声は、明らかに彼女の声だった。
「何の用、じゃないですよ。流石にあれが嘘だったら怒ります。」
『分かってるわよ。
入って頂戴。』
早乙女ママの許しを得て、早乙女家のドアを開ける。
そこには。
「遊矢様~~!!」
ホーミングミサイル(レイ)が用意されていた。
避けるわけにもいかず、体で受け止める。
「お帰りなさいませ遊矢様!」
「俺の家はここじゃないし様は止めろ!」
久々に会って数秒後に二回もつっこませないでくれ…
「それじゃようこそ!」
早乙女家は普通の一軒家で、家族は3人。
そのうち父親は単身赴任しているため不在だ。
「久しぶりね遊矢くん、元気だった?」
早乙女ママ。
優しい母であり、レイの目標である。
しかし、かなりの危険思想である。
例えば。
『女の子はみんな恋する乙女』
『恋する乙女は何をやっても大丈夫。』
『恋する乙女には不可能はない。』
などだ。
これを俺は
『恋する乙女教』
と呼んでいる…
「まあ、数週間お邪魔しますよ。」
「もちろんよ。それより、お昼ご飯にしましょう?」
俺が来るのに合わせたように、ちょうど昼ご飯だった。


「遊矢くん、学校で彼女とか出来た?」
「いや、そういうのはまったく…」
昼ご飯を食べながらの会話である。
「え、あの胸だけ女は?」
「明日香は只の友達だ。」
俺の一言に二人がアイコンタクトをする。
…なんなんだ…?
それから他愛もない会話を続けるなか、ふと、レイがこんなことを言った。
「遊矢様。私、来年にデュエルアカデミアに入ろうと思ってるの!」
「様は止めろ…だいたい、お前はまだ小学五年生じゃないか。」
「飛び級するもん!」
デュエルアカデミアには飛び級の制度がある。
あるにはあるが、とても狭き門だ。
「フッフッフッ…合格できたら、出来ることならなんでもお前の言うこと聞いてやるよ。」
俺の一言にレイは顔を輝かせる。
「ホントに!!」
「ああ。約束だ。」
「しゃあ指切り!約束しよう!」
レイと指切りをする。
こんな他愛もない冗談が、まさかあんなことになるなんて…
その時の俺は、知るよしもなかった…

いや、マジで知らないんだけど。



和気あいあいとした昼食が終わると、レイがデュエルを申し込んできた。
「あの胸だけ女に負けてから、また特訓したの!」
「明日香だって…」
いい加減名前を言えよ。
家のちょっとした庭で二人でデュエルディスクを構える。
「久しぶりに遊矢様に勝ってみせるんだから!」
「様は止めろ。手加減はしないぜ、レイ。」
両方ともデュエルディスク、セット。
「「デュエル!!」」
俺のデュエルディスクに、『後攻』と表示される。
「楽しんで勝たせてもらうわ!私のターン!ドロー!」
レイの先行。
というか、それは俺の台詞だ。
「私はシャインエンジェルを守備表示で召喚!」
シャインエンジェル
ATK1400
DEF800
「更にカードを二枚伏せてターンエンド!」
レイの基本戦術だな。
いつもならここで恋する乙女が来るが…
「楽しんで勝たせてもらう!俺のターン、ドロー!」
シャインエンジェル…光属性のリクルートカードか…
「俺はジャスティス・ブリンガーを攻撃表示で召喚!」
ジャスティス・ブリンガー
ATK1700
DEF1000
「ジャスティス・ブリンガーで、シャインエンジェルに攻撃!ジャスティススラッシュ!!」
ジャスティス・ブリンガーの剣がシャインエンジェルを切り裂く。
「シャインエンジェルの効果を発動!攻撃力1500以下の光属性モンスターをデッキから特殊召喚する!来て!!薄幸の美少女!」
薄幸の美少女
ATK0
DEF100
「恋する乙女じゃないのか?」
「ジャスティス・ブリンガーは特殊召喚したモンスターの効果を無効にする…ここで恋する乙女を召喚したらやられちゃうよ!」
驚いた。
十代あたりより頭良いんじゃないか?
「ちゃんと勉強してるんだな。」
「うん、だって本気だもん!絶対デュエルアカデミアに飛び級してやるんだから!」
本気だな、レイ。
最早何も言うまい。
「カードを一枚伏せてターンエンドだ。」
「私のターン!ドロー!」
レイが勢いよくカードを引く。
「薄幸の美少女を守備表示にして、恋する乙女を召喚!」
恋する乙女
ATK400
DEF300
来たか、レイのフェイバリット!
「女の子は恋をすると強くなる!その力を遊矢様に見せるよ!!永続魔法、強者の苦痛を発動!遊矢様のモンスターはレベル×100ポイント攻撃力がダウン!」
ジャスティス・ブリンガー
ATK1700→1300
「とりあえず、様は止めろ…」
強者の苦痛よりそっちが大事。
「私はこれでターンエンド!」
「俺のターン、ドロー!」
恋する乙女は怖いが、攻撃をしなければ良い話。
「ジャスティス・ブリンガーで、薄幸の美少女に攻撃!ジャスティス・スラッシュ!!」
「させないわ!トラップ発動!ディフェンス・メイデン!!」
もう伏せてたのかッ…!!
「このカードは、相手モンスターが攻撃して来た時、攻撃目標を恋する乙女に変更出来るカード!さあ、恋する乙女に振り向いて!!」
ジャスティス・ブリンガーの攻撃が恋する乙女へ変更される。
「そこで更にトラップ発動!ガード・ブロック!!戦闘ダメージを0にし、カードを一枚ドロー!」
ガード・ブロック…恋する乙女には効果抜群のカードだな。
戦闘ダメージは無いが、ジャスティス・ブリンガーは恋する乙女に攻撃した…
つまりは。
「これでジャスティス・ブリンガーに乙女カウンターが乗ったよ!」
「くそ…ガントレット・ウォリアーを守備表示で召喚してターンエンドだ!」
ガントレット・ウォリアー
ATK400
DEF1600
ただの時間稼ぎだが、いつまで持つかな?
「私のターン!ドロー!」
レイの手札にはあの装備魔法があるか、否か。
「私は通常魔法、アームズ・ホールを発動!私の通常召喚を封じてデッキの一番上のカードを墓地に送る代わりに、デッキ・墓地から装備魔法を手札に加える!私が手札に加えるのは、キューピット・キス!!」
…手札には無かったようだな。
代わりにサーチカードがあったが。
「キューピット・キスを恋する乙女に装備して、バトル!恋する乙女でジャスティス・ブリンガーに攻撃!秘めた想い!!」
キューピットの矢がジャスティス・ブリンガーに刺さるが、剣を振って恋する乙女を払う。
「きゃっ!」
レイLP4000→3100
「だけど、キューピット・キスの効果を発動!ジャスティス・ブリンガーはもらうよ!」
ジャスティス・ブリンガー
ATK1300→1700
強者の苦痛の効果が切れて攻撃力が元に戻る。
しかし、何度見てもえげつねぇ…俺もあんな風にレイに…いや、言うまい。
「いくよ!ジャスティス・ブリンガーでガントレット・ウォリアーに攻撃!ジャスティス・スラッシュ!!」
奪われたジャスティス・ブリンガーがガントレット・ウォリアーを斬る。
「カードを二枚伏せてターンエンド!」
楽しいな。
「俺のターン、ドロー!」
レイ…本当に強くなってるな…明日香とのデュエルで何か思うことがあったのか。
「俺はラピッド・ウォリアーを召喚!」
ラピッド・ウォリアー
ATK1200→800
DEF200
「ラピッド・ウォリアーの効果を発動!このターン、このカード以外のモンスターの攻撃を封じることでダイレクトアタックが出来る!」
元々、俺のフィールドにはラピッド・ウォリアーのみだ。
「ディフェンス・メイデンの効果は、相手モンスターに攻撃した時のみに発動できるカード…ダイレクトアタックには無力だ!」
「流石は遊矢様…良く知ってるね。」
レイが関心したように頷く。
いやいや。
「様は止めろ…俺とお前、何回デュエルしたと思ってるんだよ?レイのことなら何でも分かってるさ。」
そんな俺の何気ない一言にレイが赤面する。
「私だって、遊矢様のことなら誰にも負けないんだから!」
「様は止めろって…更に装備魔法、融合武器ムラサメブレードをラピッド・ウォリアーに装備する!よって、攻撃力は800ポイントアップ!」
ラピッド・ウォリアー
ATK800→1600
「そして通常魔法、拘束解放波!自分フィールドの装備魔法を選択して発動する。選択した装備魔法と、相手フィールドのセットカードを全て破壊する!」
「え~っ!?」
レイのセットカードが破壊される…ホーリージャベリンにディメンション・ウォール…破壊して正解だったな。
「だが、俺の装備魔法、融合武器ムラサメブレードは効果では破壊されないため、拘束解放波の効果を受けない。」
これでレイのフィールドは、恋する乙女、薄幸の美少女、ジャスティス・ブリンガー、ディフェンス・メイデン、強者の苦痛だ。
「バトル!ラピッド・ウォリアーで、レイにダイレクトアタック!ウイップラッシュ・ワロップ・ビーン!!」
「きゃああっ!」
レイLP3100→1500
「カードを一枚伏せ、ターンエンドだ!」
さあて、面白くなってきたな。
「私のターン!ドロー!…強欲な壺で二枚ドロー!」
強欲な壺が砕ける。
「やったぁ!これが私の夢のカード!装備魔法、ハッピー・マリッジを発動!!」
…レイのデッキの、切り札だ…
「このカードは、自分のフィールドに相手のモンスターがいる時のみ発動出来るカード!装備したモンスターは、奪ったモンスターの攻撃力分攻撃力がアップする!!」
発動条件は厳しいが、それに見合った強力な効果だ。
「装備するのは恋する乙女!夢が叶うとき、女の子は更にパワーアップする!!」
恋する乙女
ATK400→2100
「更にもう一枚ハッピー・マリッジを発動!ジャスティス・ブリンガーに装備させるよ!」
ジャスティス・ブリンガー
ATK1700→3400
二体ともジャスティス・ブリンガーの攻撃力分アップした。
「バトル!恋する乙女で、ラピッド・ウォリアーに攻撃!秘めた想い!!」
「速攻魔法発動!ダブル・サイクロン!!俺の魔法・トラップと、レイの魔法・トラップを破壊する!俺が破壊するのは、強者の苦痛!」
二対の竜巻が二枚のカードを破壊する。
「強者の苦痛が破壊されたことにより、ラピッド・ウォリアーの攻撃力は元に戻る。」
ラピッド・ウォリアー
ATK1600→2000
ま、恋する乙女には勝てないけどな。
「ダブル・サイクロンで破壊したリミッター・ブレイクの効果を発動!デッキから守備表示で出でよ!スピード・ウォリアー!!」
『トアアアッ!!』
スピード・ウォリアー
ATK900
DEF400
「だけど、恋する乙女には適わない!攻撃を続行するよ!秘めた想い!!」
「くっ…」
遊矢LP4000→3900
「ジャスティス・ブリンガーで、スピード・ウォリアーに攻撃!ジャスティス・スラッシュ!!」
マイフェイバリットカード…助かったぞ。
攻撃力3400のダイレクトアタックはごめんだ。
「私はターンエンド!遊矢様!恋する乙女は強いのよ!」
「様は止めろ…俺だって負ける気はない…俺のターン、ドロー!」
こっちのフィールドは0だ。
「俺はレスキュー・ウォリアーを召喚!」
レスキュー・ウォリアー
ATK1600
DEF1700
「更に通常魔法、死者蘇生を発動!レイの墓地のシャインエンジェルを特殊召喚!」
シャインエンジェル
ATK1400
DEF800
「レスキュー・ウォリアーとシャインエンジェルじゃ、恋する乙女には勝てないよ!」
その通りだ。
手札に装備魔法も無い。
だが。
「バトルだ!レスキュー・ウォリアーで、恋する乙女に攻撃!」
レスキュー・ウォリアーは恋する乙女に攻撃するが、矢に当たってやられてしまう。
「そっか…レスキュー・ウォリアーの効果は…!」
思いだしてももう遅い!
「レスキュー・ウォリアーは、俺への戦闘ダメージを0にする!そしてレスキュー・ウォリアーが戦闘破壊された時、元々の持ち主が自分のモンスターを奪い返す!戻ってこい!ジャスティス・ブリンガー!!」
恋する乙女に奪われたジャスティス・ブリンガーが俺の元へ帰ってくる!
「ハッピー・マリッジの効果を発動!レイのシャインエンジェルの攻撃力分、ジャスティス・ブリンガーの攻撃力がアップする!!」
ジャスティス・ブリンガー
ATK1700→3100
レイのモンスターの攻撃力をもらい、ジャスティス・ブリンガーの攻撃力がアップする。
「このためにシャインエンジェルを…」
「まだだ!レイのフィールドに俺のモンスターがいなくなったため、恋する乙女の攻撃力は元に戻る!」
恋する乙女
ATK2100→400
「ジャスティス・ブリンガーで、恋する乙女に攻撃!ジャスティス・スラッシュ!!」
「きゃあああああっ!!」レイLP1500→0

「また負けちゃったぁ…」
「いやいや、強くなったなレイ。これならデュエルアカデミアに入れるかも知れないぜ?」
半分嘘じゃない。
レイには、頑張って欲しい。
「ほんと!?じゃあ遊矢様約束守ってよね!」
約束?
「様は止めろ…」
いつもの受け答えをしながら、思いだしてみると。
-合格出来たら、出来ることなら何でも言うこと聞いてやるよ。
……しまった……
俺は自分の迂闊さを呪いながら、
「遊矢様、勉強教えて!」
というレイの笑顔に応えるために家に入った…

まあ、とりあえず。
「様は止めろ!」 
 

 
後書き
レイとデュエルしたかっただけの話でした。

前書きに書いた話ですが、議題はこうです。
『シンクロを出すか?』
皆さんの感想などで
【機械戦士】がなかなか好印象何ですが、もしかしたら
【シンクロ無し遊星】
が良いんですかね?
そんなわけでアンケートです。

1.シンクロも出して良い。
2.このままで。
3.ご自由にどうぞ。

シンクロが出る場合、ウォリアーと名のついた戦士族モンスター+αになる予定です。
あくまでも参考にするだけなので、あしからず。

セブンスターズ辺りから出そうと思っているので、それまでには。

ご協力お願いします! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧