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遊戯王GX-音速の機械戦士-

作者:蓮夜
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-希望と絶望と-

 
前書き
最初に言っておく!!
…ごめんなさい。

ところで、近々SAOの二次を書こうと思ってます。
こっちと同じ、自己満足の駄文ですが、よろしかったらどうぞ。 

 
遊矢side


オベリスク・ブルーに昇格してから数日後。
何とかオベリスク・ブルーには慣れたけども、豪華すぎてむしろ困る。
ファミレスみたいなラー・イエローの食堂の方が良かったな。
ラー・イエローのカレーが懐かしい。
樺山先生も、
「いつでも食べに来てくれて良いですよ。」
と言ってくれたからな。
決めた。今度から食事はラー・イエローにしよう。
そんな話はともかく、明日香から聞いた話では、オシリス・レッドに転校生が来たらしい。
転校生は、入学テストより難しいテストに合格し、その時の成績に関わらずオシリス・レッドに配属され、数日後にテストの成績に応じたクラスに配属される。
つまり、入学組より難しいのだ。
そんな狭き門をくぐり抜けてこのデュエルアカデミアに入って来るのはすげぇなぁ。
などと思っただけだった。
今のところは…


3日ぶりに授業を受けた後、集会があった。
壇上にはクロノス教諭が立っている。
「そろそ~ろ、我がデュエルアカデミアと、デュエルアカデミアノース校の友好デュエルが行われるノーネ!!」
デュエルアカデミアノース校。
文字通り、この学園の北にあるデュエルアカデミア。
その学園と、ノース校の選ばれた者同士が競い合う友好デュエルがそろそろらしい。
「去年はカイザー亮が見事にノース校の代表を倒し、我がデュエルアカデミアの威厳を保ったノーネ。」
威厳って何だよ。
「あなた方も、今年の代表になれるように頑張るノーネ!!」
クロノス教諭が壇上から降りると同時に、
「やっぱり今年もカイザーだろ。」
「他のデュエルアカデミアの奴とデュエル出来るなんて面白そうだぜ!」
「機械族メタ作っとくか…でも勝てない気がする。」
などという言葉が聞こえ、皆諦めモードだ。
…約一名を除いて。
声だけで誰だか分かるな、十代よ。
「どうだ三沢。お前はどうする?」
「もちろん挑戦するさ。カイザーと君に勝ち、トップに立つのがこの頃の目標だからな。」
三沢は、こう見えて意外と熱い奴だ。
高い壁に当たったら、力を高め、対策をたてて突破する。
冷静に熱い奴。
「ま、俺も挑戦するつもりだけどな。三沢に亮…今のところはお前らがオベリスク・ブルーのトップだからな。」
二人を倒し、学園代表になりノース校の代表とデュエル。
良い展開じゃないか。
「…ところで三沢。なんだか殺気を感じないか?」
この集会が始まってからずっと感じている。
「殺気?…いや、感じないな。気のせいじゃないか?」
「気のせい…いや、確かに感じるんだが…」
「…君、誰かに恨まれているんじゃないか?」
「そんな覚えはない。」
明日香ファンクラブの奴以外には。
何だろうな……
変な感じのまま集会が終わり、オベリスク・ブルーに帰った。



オベリスク・ブルーに戻ると、殺気は消えた。
まあ、そもそも気のせいかもしれないのだが。
しかし気になる。
どこかで感じたことがあるようなあの視線…どこだったかは忘れたが…
やはり気になったので、再び寮の外に出て、視線の主を探すことにした。



ブラブラ歩いても特に感じず、オシリス・レッドの寮まで歩いて来ていた。
「…久し振りに十代たちの部屋にでも寄ってくか。」
また視線の主には会えるだろ、と半ば諦めかけて今日は十代たちと過ごすことにした。
「十代~いるか?」
ドアをノック。
「おお!いるぜ!!入って来いよ!」
「おじゃまします。」
部屋の中には、十代と翔がデュエルをしていて、隼人がベッドでそれを見るといういつもの光景があった。
「行け!フレイム・ウイングマン!!スーパービークロイド・ジャンボドリルに攻撃!スカイスクレイパー・シュート!!」
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
翔LP0
「ガッチャ!!楽しいデュエルだったぜ!!」
「また負けたぁ~」
十代の勝ちか。
「惜しかったな、翔。」
「なんで勝てないッスかー!?…ところで、遊矢くんはなんか用ッスか?」
「いや、只の暇つぶしだ。」
どっさりと床に座る。
…なんかいつもより狭い気がするな…
「隼人。結局あのデザインはどうしたんだ?」
隼人の、太陽が昇るエアーズロックのデザイン。
かなりうまかったので、インダストリアル・イリュージョン社のデザインコンテストへの応募を薦めたのだ。
「ああ、あの絵なら書き直してコンテストに送ったんだなぁ。」
「更に上手くなってたぜ、隼人の絵!」
そりゃ良かった。
「遊矢くん!」
翔がデッキを持って話しかけてきた。
これは、つまり。
「僕と、デュエルして欲しいッス!!」
「へぇ、前に俺から言った時は断らなかったか、お前?」
そのせいで、俺はまだ翔とデュエルをしていない。
「僕はアニキとお兄さんに勝つために、修行をしているッス!遊矢くんにも、修行相手になって貰うッス!!」
「よし、分かった!どうせやるならデュエル場でやろうぜ?」
外の目立つところで。
翔が「上等ッス!!」というかけ声と共に立ち上がる。
俺も立ち上がり、そこでベッドがもう一つあることに気がついた。
「…あれ、なんでベッドがもう一つあるんだ?」
「これは転校生のレイのベッドだ。部屋が無いらしくてこの部屋で寝泊まりしてるんだよ。」
…レイ?
「…転校生って、どんな奴なんだ十代?」
「ああ、早乙女レイって言ってさ、いつも帽子をかぶってる女の子みたいな奴だぜ!」
早乙女、レイ。
朝の集会での視線の主が分かった。
「翔、悪いがデュエルはまた後だ。急用を思い出した!」
オシリス・レッドの寮から飛び出す。
「えっ!?ちょっと、遊矢くん!?」
翔の声をスルーし、俺はオベリスク・ブルーに向かってダッシュした。



オベリスク・ブルーの寮へ着くと、予想通り木登りをしようとしているオシリス・レッド生を見つけた。
一回、深呼吸。
「何やってるんだレイ!!」
「この声は…遊矢様!会いたかった!!」
「様は止めろといつも言ってるだろう…」
こいつの名前は
『早乙女レイ』
小学五年生で、俺の……幼なじみだ。
自分のことを恋する乙女と自称し、一回デュエルでいじめっ子から助けたのがきっかけで、俺に懐いてつきまとっている。
ま、その話はいずれおいおいと…話したく無いが…
「な・ん・で小学五年生がここにいる!?」
「遊矢様に会いたくなったから…」
ダメ?と首を傾げるレイ。
…騙されるな…ここで可愛いから許したくなるのがこいつの罠だ…
「…レイ。お前んちの電話番号何だっけ?」
「xxxxx-xxxxxだよ。それが何?」
「あー、もしもし。黒崎遊矢ですけど。早乙女さん?」
早速電話だ。
『あら、遊矢くん?どうかしたの?』
早乙女ママの声だ。
久し振りだな。
「こっちにレイがいるんですけど?」
『ええ。私が行かせたもの。』
即答。
「何でですか!?」
『レイが恋する乙女だからよ?決まってるじゃない?』
恋する乙女教の教祖様は言うことが違うなァ…
「レイは!まだ!小学五年生ですッ!!」
『…相変わらずお兄ちゃんしてるわねぇ、レイも可哀想に。』
は?可哀想?
『…いいわ、明日デュエルアカデミアへの船が出るから迎えに行きます。』
「…それはどうも。」
『ところで、遊矢くんは彼女とか』
プツッ。
強制的に電話を切り、PDAをしまう。
「聞いてたな、レイ。明日帰れよ。」
「え~…仕方ないかぁ…」
おや、今日はいつになく素直だな。
自分でも無茶している自覚はあるのだろうか。
「あら、遊矢。どうしたの、こんなところで…って、この子は?」
明日香、登場。
「明日香。こいつは…」
「早乙女レイ。遊矢様の恋人よ。」
「こ、恋っ!?」
爆雷投下ァ!!
「嘘をつくなレイ。明日香、こいつは俺の幼なじみのレイで、これこれこういうことでここにいる。」
「そ、そう。幼なじみなの。…良かった、恋人じゃなくて…」
最後の呟きは聞こえなかったが、どうやらホッとしているようだ。
「遊矢様、この人は?」
「様は止めろ。こいつは天上院明日香。友達だよ。」
明日香を見てフームと探偵のようなポーズをとる。
「分かったわ。明日香さん、あなたと私はライバルみたいね。」
「「ライバル?」」
何だそりゃ。
「とぼけないで!明日香さん、あなたと私は遊矢さんを狙うライバルでしょう!!」
「…明日香。狙うって何だ。俺はハンティングされるのか?」
「このバカっ!!ちょっとあっち行ってなさい!!」
いきなり明日香に怒鳴られて(理不尽だ)俺はちょっと離れて明日香とレイの争いを見学することにした。

最初は明日香ばかりが顔を真っ赤にしていたが、次第にレイも興奮してきて問答していて数十分。
そろそろ欠伸が出そうになった頃、明日香とレイがこちらに向かって歩いてきた。
「遊矢、私たちデュエルすることになったわ。」
何でだよ!!
「遊矢様!私、絶対この胸だけ女に勝ちます!!」
胸だけ女…確かに明日香のはデカいが…
「遊矢?『妹』さんを負かしても怒らないでね。」
やたら『妹』を強調していた。
その後、二人はバチバチと火花を散らしあった。
「…なんだか良く分からんが、デュエルするなら速くしてくれ。」
いい加減疲れた。
デュエルディスクのセットがお互いに完了する。
「行くわよ『妹』さん!」
「負けないわよ胸だけ女!」
「「デュエル!!」」
女たちの戦いが始まった。
「楽しんで勝たせてもらうわ!ボクのターン、ドロー!」
レイの先行。
あの「楽しんで勝たせてもらうわ!」は俺が言っているのをレイが真似したのだ。
「ボクは、裏側守備表示でモンスターを召喚して、カードを三枚伏せてターンエンド!」
レイのデッキは…二人で組んだいつものデッキか。
「私のターン、ドロー!」
明日香のターン。
カードが三枚伏せてあると攻めにくいだろうな。
「私は、ブレード・スケーターを召喚!」
ブレード・スケーター
ATK1400
DEF1500
「更に永続魔法、連合軍!このカードの効果により、ブレード・スケーターの攻撃力が200ポイントをアップさせる!」
明日香の基本戦術は、戦士族のサポートカードで強化しつつ、癖はあるが強力なサイバー・ガールで攻めるデッキ。
サイバー・ガールの数が揃ったらキツイ戦いになるぞ…レイ。
「ブレード・スケーターで、裏側守備表示モンスターに攻撃!アクセル・スライサー!!」
「裏側守備表示モンスターは、見習い魔術師!このカードが破壊された時、デッキからレベル2の魔法使い族モンスターを裏側守備表示で特殊召喚できる!」
来たな。
レイのフェイバリットが。
「くっ…また裏側守備表示…私はカードを二枚伏せてターンエンド。」
明日香は守りを固めるようだ。
「ボクのターン、ドロー!裏側守備表示モンスターを反転召喚!来て!ボクの恋のキューピッド!恋する乙女!!」
恋する乙女
ATK400
DEF300
「こ、恋する乙女!?」
「そう!ボクのフェイバリットカード、恋する乙女!更に装備魔法、キューピッド・キス!!」
恋する乙女にいわゆるキューピッドの矢が装備される。
「恋する乙女で、ブレード・スケーターに攻撃!秘めたる思い!!」
「なんですって!?」
攻撃力の差は歴然。
恋する乙女が撃った矢をサラリと避け、反撃するブレード・スケーター。
レイLP4000→2800
「きゃっ!…だけど、そのモンスターには乙女カウンターが乗ったよ!」
「乙女カウンター?」
明日香…恋する乙女の効果を読まなかったな。
せっかくパックで再録されたカード、当たったのに。
「そして、キューピッド・キスの効果…ボクから攻撃してダメージを受けた時、乙女カウンターが乗っているモンスター一体のコントロールを得る!!」
乙女カウンターが乗っているモンスターは、ブレード・スケーター。
「さあこっちに来て、ブレード・スケーター!!」
レイの呼びかけに応じ、ブレード・スケーターがレイのフィールドに行く。
「ちょ、ちょっと!」
「ブレード・スケーターで、胸だけ女にダイレクトアタック!アクセル・スライサー!!」
「きゃあっ!!」
明日香LP4000→2600
「ボクはこれでターンエンド。」
えげつねぇ…相変わらず、えげつねぇ…
「私のターン、ドロー!…強欲な壺を発動し、二枚ドロー!」
二枚ドローしたと同時に、壺が砕ける。
「私は、サイバー・ジムナティクスを守備表示で召喚!」
サイバー・ジムナティクス
ATK800→1000
DEF1800
「サイバー・ジムナティクスの効果を発動!手札を一枚捨てることで、攻撃表示モンスターを破壊する!私は、恋する乙女を破壊!」
「あ~っ!!」
恋する乙女、爆散。
「そしてリバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!今墓地に送った、サイバー・プリマを特殊召喚!」
サイバー・プリマ
ATK2300
DEF1600
「連合軍の効果で、サイバー・ガールたちの攻撃力は400ポイントずつアップするわ。」
サイバー・プリマ
ATK2300→2700
サイバー・ジムナティクス
ATK800→1200
「バトル!サイバー・プリマで、ブレード・スケーターに攻撃!終幕のレヴェランス!!」
「トラップ発動!ドレインシールド!相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃を無効にしてそのモンスターの攻撃力分ライフを回復する!!」
恋する乙女はライフの消費が激しいデッキ。回復系カードは必須だ。
サイバー・プリマの攻撃力は2700。
レイのライフは2700ポイント回復する。
「させないわ!リバースカードオープン!トラップ・スタン!!このターン、このカード以外のトラップカードを無効にする!!」
チェーンの逆順処理により、明日香のトラップ・スタンが最優先。
その後、レイのトラップカードが無効にされ墓地に送られる。
「わあああっ!!」
レイLP2800→1500
「私はこれでターンエンド。」
「ボクのターン、ドロー!」
気合いが入ったレイのターン。
「ボクもリバースカード、リビングデッドの呼び声!恋する乙女は、恋が実るまで何度でも蘇る!!」
恋する乙女
ATK400
DEF300
「そして装備魔法、キューピッド・キスを恋する乙女に装備!」
キューピッドの矢を持った乙女、再び。
「そして、薄幸の乙女を守備表示で召喚。」
薄幸の美少女
ATK0
DEF100
「行けっ!恋する乙女で、サイバー・ジムナティクスに攻撃!秘めたる思い!!」
レイのライフは1500。
ギリギリだ。
レイLP1500→100
「キューピッド・キスの効果で、サイバー・ジムナティクスはこっちのモンスターになるわ!」
サイバー・ジムナティクスもレイのフィールドに寝返る。
「そして、サイバー・ジムナティクスのモンスター効果!手札を一枚捨てることで、サイバー・プリマを破壊してターンエンド!!」
サイバー・プリマが破壊され、明日香のフィールドには連合軍のみ。
レイのフィールドにあるトラップは、恐らくホーリージャベリン。
明日香が攻撃してきた時、攻撃モンスターの攻撃力分ライフを回復するカード。
さて、どうする明日香。
「私のターン、ドロー!」
この状況を打開するカードを、明日香は持っている。
それは。
「私は手札から、戦士の生還を発動!墓地のブレード・スケーターを手札に加えるわ。」
ブレード・スケーターを手札に加えた…なら、明日香の勝ちだ。
「手札から融合を発動!手札のエトワール・サイバーと、ブレード・スケーターを融合し、サイバー・ブレイダーを融合召喚!!」
サイバー・ブレイダー
ATK2100
DEF800
明日香のエースカード、サイバー・ブレイダー。
俺も何度となくあいつにやられている。
「サイバー・ブレイダーの第三の効果を発動!相手モンスターの数が三体の時、相手フィールドの効果を全て無効にする!パ・ド・カトル!!」
「えぇっー!?」
これでレイはホーリージャベリンを発動出来ない。
「これがサイバー・ガールたちの力よ!サイバー・ブレイダーで、恋する乙女に攻撃!グリッサード・スラッシュ!!」
「きゃああああっ!!」
レイLP100→0
決着。


「二人とも、楽しいデュエルだったぜ!」
「遊矢様…私、負けちゃいました…」
レイが本気で落ち込んでいる。
「まあ、妹さんも良く頑張った方よね、遊矢。」
逆に笑顔だな、こっちは。
「そうだぜ、次は勝てる!」
慰めついでに頭を撫でてやって、レイは元気になった。それから、校長先生にレイのことについて謝りに行き、オシリス・レッドの寮で十代たちに謝りに行った。
で、俺の代わりにレイが翔とデュエル。
翔が油断している隙に、スーパービークロイド・ジャンボドリルを奪ったレイの勝利だった。
明日香、レイと共に学園中を周り、釣りをした。途中で三沢や亮に会ったりしては、レイの言う
「私は遊矢様の恋人」
を否定して回った…
所詮は一日。レイを迎えに来た両親と共に、レイは本土へ帰ることとなった。
「…帰りたくなーい!」
「無茶言うなレイ…」
嫌がるレイを無理やり船に乗せる。
「またなレイ!今度は俺とデュエルしようぜ!!」
「今度は負けないッス!」
「また何だなぁ~!」
短い間だったが、レイは俺たちの仲間に入れたと思う。
「遊矢様~冬休みに帰ってきてね~!待ってるから~!」
「様は止めろ!!」
-こうして、俺の幼なじみである、早乙女レイの襲来事件は終わった。 
 

 
後書き
…レイへのフラグの立て方が分からず、遊矢とレイは幼なじみになりました。
カイザーにも、十代にも惚れてません。
感想・アドバイス待ってます!!※遼さんの感想で気づきましたが、恋する乙女の効果を勘違いしていました。
今更修正するとデュエルの結果も変わってしまいそうなのでそのままにしておきます。
すいません。 
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