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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~

作者:biwanosin
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ハーメルンの笛吹き

北と東の境界壁。
四〇〇〇〇〇〇外門・三九九九九九九外門、サウザンドアイズ旧支店。
四人が店から出ると、熱い風が頬をなでた。

「へえ・・・!980000km離れてるとなるとずいぶんと文化様式が変わるんだな。」
「ああ。歩くキャンドルスタンドなんて、実際に見る日が来るとは思わなかったぜ。」
「?探せば意外といたぞ、俺のいた世界には。」
「・・・普通にいるの?」
「妖怪が普通に現れたからな。」

陰陽師がいる世界なのだから、当然といえば当然である。

「今すぐ降りましょう!いいでしょう白夜叉?」

飛鳥はとてもハイテンションだ。

「ああ、構わんよ。続きは夜にでも・・・」
「見ぃつけたのですよおおおおおおおおおおおお!」

黒ウサギが降ってきた。

「ようぉぉぉやく見つけたのですよ、問題児様方・・・・・!」

淡い緋色の髪を戦慄かせ、怒りのオーラを振りまく黒ウサギ。
なぜ黒ウサギが怒っているのかを知らない一輝はキョトンとし、知っている十六夜たちは逃げ出す。

「逃げるぞ!!」
「逃がすか!!」
「え、ちょっと、」

十六夜は、逃げられるだけの身体能力を持たない飛鳥を抱きかかえ、展望台から飛び降りる。
耀は旋風を巻き上げて空に逃げようとするが、黒ウサギに捕まる。

「後デタップリ御説教タイムデスヨ。」
「りょ、了解。」

一輝は黒ウサギに怯える耀を見て、逃げることにする。

「ええっと・・・。二人とも!また後で!」

一輝は水を取り出し、走り出すが・・・

「“奈落の穴”!」
「おわ!」

目の前に真っ暗な穴が現れたので、立ち止まる。

「“茨の檻”!」

その隙に、茨でぐるぐる巻きになる。

「逃がさないわよ、一輝!」
「おとなしくして下さい!」

気づくと、目の前にメイドが二人、鳴央と音央がいた。

「おとなしくしてもいいが、なぜこうなってるのかを教えてくれ。」

捕まった以上、抵抗は無駄だと判断して冷静になる。

「あんな手紙を残しておいて、よくそんなことが言えたな。」

もう一人のメイド、レティシアも来ていた。

「何のことだか解らないが・・・説明をお願いしても?」

今の状況に一切ついていけないので、説明を求める一輝であった。



          ==============



「せめて説明してから巻き込めよ・・・。」

耀から巻き込まれただけだと証言してもらった一輝は、鳴央たちから説明を受け、状況を理解した。

「急に縛り上げたのは謝るわ。」
「面白がって参加してるとばっかり・・・」
「そう思われてもおかしくないことをばっかりしてたからな。気にするな。」

一輝はシュンとなる二人に買ってきたクレープを渡す。

「それに、せっかく来たんだから楽しもうよ。食い物や展示品もたくさんあるみたいだし。」
「・・・ん、それもそうね。」
「めいいっぱい、楽しみましょう。」

三人ともクレープを食べながら歩く。

「にしても・・・さっきから何回か似たようなステンドグラスを見てる気がするんだが・・・。」
「いくつか種類はあるみたいよ?」
「笛を吹く男に川辺、嵐、あと・・・これは何を表してるのでしょう?」

鳴央が指さすステンドグラスには、子供達が苦しんでいるような姿が描かれている。

「・・・解らん。お手上げだ。」
「私にも解らないわ。ただ苦しんでいるとしか・・・。」
「まあ、この四種類だけですね。」
「四種類で一つの作品なのか?」

一つが解らないせいで、他の作品とのつながりが見つからず、首を傾げる三人だった。



       =========



一輝たちは暗くなってきたのでサウザンドアイズの旧支店に戻り、来賓質に集合している。

「それでは、ただいまより第一回、黒ウサギの審判衣装をエロ可愛くする会議を」
「始めません。」
「始めます。」
「始めません!」
「ちなみに、第十回まで予定して」
「いるわけ無いでしょう、この御馬鹿様!」

ちなみに、一輝は音央の着ていた妖精の衣装を押す予定だった。

「審判というのは本当だぞ?実は明日から始まる決勝の審判を黒ウサギに依頼しようと思ってな。」

どうも、十六夜と黒ウサギが町で暴れまわったせいで“月の兎”が来ているということが公になり、明日以降のギフトゲームで見れるのではないかと期待が高まっているそうだ。
なにやってんだ、オイ・・・

「分かりました。謹んで、承らせていただきます。」
「うむ、感謝するぞ。」
「審判衣装は音央が着てた妖精の格好なんてどう?」
「それだ!」
「それだ、じゃないです!」

黒ウサギ、相変わらず絶好調である。

「白夜叉。私が明日戦うコミュニティってどんなコミュニティ?」
「すまんが、言えるのはコミュニティの名前だけだ。」

白夜叉が指を鳴らし、一枚の羊皮紙を取り出す。
そこには“ウィル・オ・ウィスプ”“ラッテンフェンガー”と書いてあった。

「こやつらは六桁の外門からの参加、格上じゃ。覚悟をしておいたほうがよいぞ。」
「解った。」

耀がコクリとうなずく横で、十六夜は物騒に笑う。

「“ラッテンフェンガー”ってことは、明日の敵はさしずめ、ハーメルンの笛吹きってとこか?」
「ハーメルンの笛吹きだと?小僧、どういうことだ?」

なんでも、“ハーメルンの笛吹き”というのは昔いた魔王の下部に属するコミュニティで、その魔王はすでにこの世を去っているんだそうだ。

ついでにこの二つの関係性だが、“ラッテンフェンガー”とはネズミ捕りの男という意味で、これはグリム童話中の“ハーメルンの笛吹き”をさす隠語。

この物語の原型となった碑文にはこう記されている。

―――一二八四年 ヨハネとパウロの日 六月二六日
   あらゆる色で着飾った笛吹き男に一三〇人のハーメルン生まれの子供らが誘い出され、
   丘の近くの処刑場で姿を消した―――

この碑文は実際に起こった事件を示すもので、後に“ハーメルンの笛吹き”という物語となる。

「ふむ・・・それだと、滅んだコミュニティの残党が此度の祭りに忍んでおる可能性が高くなってきたのう。」
「白夜叉様の“主催者権限”により“主催者権限”が持ち込めない以上、その線はとても有力でしょう。」
「へえ、そんなことをしたんだ。」
「うむ。“主催者権限”を持つものは、私の許可無く入れず、参加者の“主催者権限”の使用を禁じるよう設定した。」
「なるほど。それなら魔王が襲ってくるのは不可能だな。」
「だね。押さえるべきところは押さえてある。」

一輝に十六夜は納得したように頷く。

《さて、これならそこまで心配は無いだろうけど・・・なんか重要なことを忘れてる気が・・・》

今聞いた話にかかわる、何か大切なことがあったきがする一輝だが、結局思い出せず、そのまま解散となった。
 
 

 
後書き
こんな感じになりました。



では、感想、意見、誤字脱字待ってます。 
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