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少年は魔人になるようです

作者:Hate・R
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第51話 前夜祭にキャストが揃うようです

Side 愁磨

「全人類の抹殺……?正気か?」

「モチロン、正気じゃないから出来るネ。」


なるほど、そりゃそうだ――と納得しながらも混乱していた。

俺だって考えもしない事を、あの(チャオ)が言ったのだから。


「……分かった。理由云々では協力させてもらう。」

「なに、簡単な話ヨ。あなたの計画が成就した未来、そこで戦争が起こったネ。

旧世界と、魔法世界の戦争が。」

「―――な、バカな!?俺の計画上、そんな事は有り得ない!!」

「それがあったのネ。

ゲートを全て壊し、世界を繋ぐ魔法をも消したあなた達(魔法世界人)は安心してたネ。

でも、人間(旧世界人)の科学の発展力を甘く見てたヨ。」

「……つまり、魔法世界側は完全に奇襲をかけられ、挙句旧世界に侵攻も出来ず、

迎撃しか出来なかった、と?」


俺の言葉に頷き、『また世界転移の魔法をあなたが創ったガ。』と付け加えた。

小難しい未来歴史は置いといて、だ。要するに―――


―――俺達のせいで超は完全に復讐の鬼と化した訳か。


なら、仕方あるまい。俺達のエゴのせいでこいつは傷つき、多くの同胞が殺されたとなっては。

その責任は果たさなければならない。


「……分かった、その計画乗った。」

「―――スマナイ、ありがとうアル。」

「いや、謝るのはこっちだ……と、堂々巡りは無しだ。俺の家で詳細を頼む。」

「分かったアル。」


この話、分かってくれるかな?―――いや、無理でもやらなければならない。

・・・だが、完全に果たす気もないぞ?超。

Side out


………
……



Side ネギ

「えーと、『閃海』は完全にマスター出来た。『郷紅』も5割方終わったけど『銀龍』がなぁ。」

「ネギ?何ブツブツ言ってんのよ。修行のし過ぎで頭おかしくなったの?」


いつもの修行の帰り、学園祭の準備が終わった明日菜さんと寮に帰っていた。


「そ、そんなことありませんよ!

それより、学園祭の方の準備はどこまで進んでますか?」


もう二週間後に迫った学園祭。

愁磨さんが女装で出る代わりに、一切手伝いはしない!と方針を決めてしまったので、

教師側には全然進捗状況が伝わって来ないんだ。


「どこまでもなにも……。

食べ物とか食器、果ては机に椅子まで。いいんちょが全部そろえちゃったわよ。

衣装も皆でやったから、先週までで追加の一種類も終わったわよ。」

「す、凄い気合ですね。でも、それを言ったら学園祭自体凄い熱の入れようですよね。

教室の飾り付けの為に、授業は全部特別教室でやってるんですから。」


この制度自体は、数年前からのものらしい。

・・・愁磨さんが新田先生を説得したから、もう止められなかったって。

学園長先生がいつか泣きながら言ってた。


「私、あの頃の事よく覚えてないのよねー。まぁ小さかったし。

でもビックリしたのは覚えてるわよ?

いきなり『今から学園祭の準備です!』って先生が入って来てさー。」

「あ、アハハハハ。それは大変でしたね……。」


・・・それにしても、愁磨さんが静かすぎる気がする。

一か月以上、普通に学園生活をしてるだけ・・・。動くんなら、もう動いてるは―――


「誰だ!?」

「へ?」

「………………おやおや、我輩とした事が見つかってしまったよ。

いやいやしかし、ふぅむ。先のある少年だ。」


地面から音もなくスゥ、と出てきた男性。

半分が白、もう半分が黒と金の妙な服を着て、長めの太刀を持ってる。

なんだか派手だけど、あれは・・・・・鎧?


「驚かせたのならすまなかったね。君たちに危害を加えるつもりはないのだよ。

どうも祭りに目が無くてね、つい地獄から来てしまったのだよ。」

「は………地獄?」

「いやいや、気にしないでくれたまえ。

では、失礼するよ。ネギ・スプリングフィールド君。」

「え、待て!!」


当然呼び止められるはずもなく、現れた時と同じように地面に消えてしまった。

地獄・・・・・・って、まさか愁磨さんの仲間?


「にしては……。」

「ちょっと、アレよね。怖いって言うか、なんて言うか……。らしくない?」

「ですね……。僕も同じ気持ちです。」


とにかく―――学園祭で、また何か起こるのは確かだ。

それまでに、もっと強くならないと!


―――――――――――――――――――――――――――――
subSide 超


「くぉら!出ちゃダメ言うたアルヨ!」

「いやいや申し訳ない。久方ぶりの現だったのでね。私とて気持ちが幾分か高まってしまってね。」


クツクツと嗤う偉人。

魂だけで、肉体は完全な世界樹の魔力を持ってしテ、ようやく維持出来るだけの存在。

仮初とは言え感覚のある肉体が崩れ落ちつつも嗤っていル・・・・・。

流石は"創造主"の友ネ。


「とにかク!世界樹が完全ニ働くまでここを離れちゃだめヨ!!」

「ああ、ああ、分かったとも。肉体が崩れるなど、私とて我慢ならん感覚なのでね。」

「ふゥハハハハハ!!ぅおぉちたモノよなぁ、松永ぁ。

こぉぉんな小娘に叱り飛ばされるとはぁ!」

「全く……。絶対、愁磨殿に笑われてしまうよなぁ、信長公。」

「まぁぁったく持ってその通りであるなぁ!!ふゥハハハハハハハハハ!!」


対近衛門用悪魔・・・いや、魔王。第六天魔王・織田信長。師団長・松永久秀。

これだけで勝てるとは思ウが・・・。"創造主"は気まぐれだからネ。更に用意をするネ。


「おお、そうだ。先ほど見た月が綺麗でね。月でも見ながら一杯やらないかね?」

「よぉいではないか!地獄の月には負けるだろぉぉうがなぁ。」

「行くなテ言ってるアルーーーーーーーーー!!」

Side out



Side 愁磨

「ク、フフ。クフフフフ……。

クハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!出来た!ついにできたぞ!!

これで勝てる!これは最高に盛り上がる!最ッ高にCOOLだ!!」

「………これ、私達が乗るの?ホントに?」

「あぁぁったり前だろうが!!既にジジイにも渡してきた……。

ああ、楽しみだなぁ、ネギ、超!俺はお前らの創造と想像を凌駕する!!」


Side out
―――――――――――――――――――――――――――――


『みィィィィィィィなさま元気ですかァァァァァァ!?』

「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーー!!」」」」」」」」

『うるせエェェェェェェェェェェ!!だがそれでこそ麻帆良生だ!!

ではこれより!!麻帆良生による麻帆良生の為の麻帆良前夜祭をォォォォ!

――――開始します!!』

「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーー!!」」」」」」」」


教師すら手を上げて盛り上がっている、異様とも言える光景。

プロペラ機が綺麗な弧を描き、花火が上がる。

今日は、明日から始まる麻帆良祭前の前夜祭。

教師陣からは前夜戦とも呼ばれていて、僕達夜間監視員が前面に立ち、ある程度の魔法使用すら

許され警備に努める事になっている。と、言うのも―――


「んっっしゃんなおるぅぅらぁぁぁぁぁ!?」

「オンドゥルルァギンタンディスカァーーーー!?」

「(ピピピピピピ!)そこ!今すぐやめんと明日の外出禁止にするぞ!!」


テンションが上がり切ってしまっていて、一種暴徒と化している生徒の鎮圧のため。

まぁ、そういう生徒の始末はあの人達がやってくれるんだけど。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!?

俺の熱いパトスはてめェら教師程度の炎じゃ止めらんねぇんダぜえええええええ!?」

「けがぁしたくなかったら引っ込んでろや狗ぅ!?」

「……はぁ、仕方ありませんね。お願いします。」

「はぁーい♪行くぞ、カオス!」

verstehen wir(了解しました) Herr(我が主)

「コホン。

『翼の力を秘めし鍵よ 真の姿を我の前に示せ 契約のもと、我が命じる』"レリーーズ"!」


予想通りの人が来て、明らかに過剰な魔法を使用する。

だって、いつも着ているスーツが・・・魔法世界に居そうなファンシーなものに

変化していくんだから。


罹罹狩る(リリカル)真剣狩る(マジカル)!魔法少女☆アカたん、惨 状!!」(ギュピィィィン


杖・・・にしては機械的な杖をくるくる回し、

見ているだけで効果音が分かるくらいにポーズを決める。


「や、やべぇやべぇやべぇ!!散開!さんかあああああい!!」

「捕まるな!捕まってもゲロるな!」

「出たああああああああああああああああああああ!!

『|赤点魔法使い《デスペナルティ・マジシャン≫の織原』だああああああああああああ!?」

「アッハッハ、じゃあ十秒待って上げるねぇー♪じゅー、きゅー、8765432」

「「「「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!?」」」」」」


にしてもこの人ノリノリだなぁ・・・。て言うか、いいの?これ。魔法使いって言われてるよ?

別の意味ではあるんだけれど・・・。


「織原先生、ご苦労さまです。ではこいつらは引きとりますね。」

「あーい。ご苦労さまぁー。お?ネギせんせい、こんにちはぁーー☆」

「や、やめてください……。」

「なんだよ、そんなどん引きしなくても良いじゃんか。」


僕を見つけ、変身?を解く愁磨さん。そんな事言われてもなぁ。

見た目的には凄く似合ってるんだけど、僕としては違和感しか感じない訳で・・・。


「と言うか、良いんですか?そんな派手な魔法使って……。」

「ああ。俺達は全域指導だから、魔法使って堂々と転移でもしないと、

カバーしきれんからな。だから、ほら。麻帆良全域に隠蔽結界を更に張ってるんだ。」


そう言われてみると、確かに・・・。僕にすら多少の隠蔽が掛かってる気すらする。

あれ?と言う事は・・・。


「僕も使って大丈夫なんですか?」

「まさか。と言っても人を選別してる訳じゃなく、許可が下りてるやつにのみ、

効果が適用される結界だ。流石に全域結界を3日間張り続けるのは疲れるんでな。」


『どうせ許可は下りないし、節約だ』と言う愁磨さん。

確かに、そうだよね。許可を下せるのは学長会だけだろうし。


「っと、じゃあ俺はまた行ってくる。」

「あ、ハイ。気をつけて……?頑張ってください。」

「フッ。ああ、お前もな。折角初めてなんだ。楽しんだモン勝ちだぞ?」


愁磨さんに笑って頭をくしゃくしゃにされ、本当に転移を使って移動してしまった。

な、なにか可笑しい事言ったかな・・・?


「と言うか、楽しめって言われても仕事が―――

そっか、ホントに聞き分けのない人達は愁磨さん達が対応するのか。」


無駄な事なんてしてる暇無いのか・・・。うーん、僕はどうしようかなぁ?


「あ、そっか。クラスの方見ないとな。」


何の気無しにクラスを見に行く事にした。

・・・・・・・少し考えれば、あの惨劇は想像出来たのに・・・。

―――――――――――――――――――――――――――――
subSide 超


「「超。」」

「うわぁ!?い、イキナリ2人も来る事無いネ!!」

「それもそうか。じゃ、俺はクラスの方に行くか。話は聞いておくよ。」

「えー、俺も若干行きたいんだが……仕方ない。警備行くわ。」


もう一人の"創造主"は文句を垂れながら、警備に戻っタ。

こうして定時に"空いてル創造主"が来て、計画の話をする事になっていル。


「にしても便利だな、これ。」

「五回連続で使った上、自立・共有思考を持たせとくなんテあなたしか出来ないけどネ。」


彼に渡したのは『カシオペア』――俗に、タイムマシンと呼ばれるものアル。

学園祭中、つまリ世界樹の魔力が満ちている時のミ使え、

その莫大は魔力を媒介にしてテ時間を移動出来るネ。

・・・この人だけは、自分の力だけで使えるケドネ。


「さて、昨日まで話した事を整理しようか。

1、魔法の公表。これは世界樹の魔力が頂点に達する明後日決行。

2、人類掃討。これは俺達に一任。

3、これに対する阻止戦力への戦闘。茶々丸率いるガイノイド部隊並びに、ノワールとアリカ率いる

鬼神()部隊が担当。」

「過剰戦力ダとは思うけれどネ。でも、これで勝利揺るがない。」


私の方にも、隠し玉として魔王が二人顕現しているしネ。

・・・人類掃討を一任したのは、単純。私にハ無理だからネ。

世界樹の魔力は何故カ、攻撃的な現象への利用が不可だったアル。

核による攻撃は簡単だけド、汚染の問題が残った。故に、任せるしかなかったネ。


「さて、進捗状況だガ―――」


今は、この気まぐれな魔人を信じるしカない。


Side out
―――――――――――――――――――――――――――――

「「「「「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」

「イケる、イケるわネギ君!!」

「いやむしろ最高よ!愁磨先生グッジョブ!!」


クラスを見に来ただけの筈だった。なのに女装させられた。

・・・わ、訳が分からないと思うけど、僕も何が起こったのかわから――


「いや、当然だろ。『男装"女装"喫茶』なんだから。」


そう、ここは『男装"女装"喫茶』。女子校であるここで何故"女装"なのか?

女性が女装をしてもそれは女装とは言わない。

すなわち女装とは男性が女性の恰好をするから女装な訳であって・・・・・・。


「あの時の衝撃が強すぎて、脳が理解を拒否していました……。」

「俺は嫌いじゃないから良いけどなー♪」

「愁磨先生!こっち!こっちも着て!!」

「だめよ、シュウには絶対こっちが似合うわ!」

「ネギ君にはこれよ!絶対!!」

「それも良いけれど、私はこれを推すわ!」


すっかり着せ替え人形と化している僕と愁磨さん。

いつの間にかノワールさんも参戦していて、もうどうにも止まらない。

と言うか店は良いんですか!?


「いいのよ、メイン二人を妄想しながら待たせてあるから。」

「僕達がメインなんですか!?」

「まぁ、31:2じゃこっちがメインだろうなー。お、流石ノワール。よっし、これに決めた!」


それにしてもこの人、ノリノリである・・・・・・。

ああ、そうか。楽しんだ者勝ちって言うのはある意味、諦めろって事なのか。


「じゃあ僕は、こっちにします!!」

「のって来た!?良いよネギ君、その調子だ!!」


ああ、お姉ちゃん、スタンさん・・・僕はもうダメみたいです・・・。

Side out

―――――――――――――――――――――――――――――
Side ???

「やっとついたわ……。」


ノワールさんに後押しされながらも、決心するまで一か月以上かかってしまいました。

門を見上げるとそれはまるで凱旋門のようで、中はパレードとか出店とか飛行船まで飛んでいて。

ネギの手紙に書いてあったお祭りが始まってしまっているようでした。


「まえ、よる、ま……つり。

えーと、これって関係者だけでやるお祭りだったわよね……。」


外部の人間は入っちゃダメらしいけれど・・・・。ここまで来たからには、待てないわ!!


「ネカネ、参ります!!」


目指すのは、手紙に書いていた―――3-A。


Side out
 
 

 
後書き
相も変わらずアンチさんが頑張るので、非会員からの感想のみ取り敢えずシャットアウト。
困ったちゃんはどこにでも居ますね、まったく・・・。 
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