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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第23話 ネギ来日

 
前書き
アンチ成分高めです。お気をつけ下さい。 

 
 2003年2月18日、遂にネギ・スプリングフィールドが来日する。

 なお、2人の弟子の修行だが、エヴァから借りた別荘も返し、10倍速の魔法球へと移っている。
 体力作りは本体が行わないと成果がないため、そんなに時間がかけれず、効果はそこそこだが、素の体力で一般の女子中学生の運動部員程度には上がっている。

 念は四大行を修め、応用技も一通り使えるようになり、それぞれの熟練度を上げ、系統別修行に入った段階だ。
 ちなみに水見式をやったら、木乃香は強化系、千雨は操作系だった。「発」は4人で相談したが、系統別修行で「堅」が2時間続くようになったら開発に入ることにした。まずは基礎上げということだ。

 ミッド式魔法は順調に使えるようになっている。
 リニスの最初の教え子であるフェイト程ではないが、才能があり将来的には、木乃香がSランク、千雨がAAランクの魔導師に成れるんじゃないかと言うことだ。

 木乃香はその膨大な魔力量が災いし、制御が甘いところがある。そして、変換資質「回復」というレアスキルを持っていることが判明した。ぶっちゃけ普通に魔法を使うと、シューターにしろ、バインドにしろ、回復属性が付いてしまうのである。遠距離へもシューターを使って回復魔法を届けさせるというなかなかない使い方をできる反面、純粋な攻撃としては成立しないということもあり、特殊インテリジェンスデバイス「建御雷(タケミカヅチ)」を与え、雷気変換という工程を加えることによって、リニスの魔法を継承している。ちなみに普通の魔導師ならこんな面倒な工程を加えると出力・精度・速度が使えるレベルにならないのだが、その膨大な魔力でごり押ししている。タイプ的には直感型で、術式なんかの過程を「なんとなく」すっ飛ばして魔法を発動している感じだ。今は、回復のための人体構造や治療技術を学ぶのに四苦八苦しているが、本人の本質的にもあっているのかめきめきと実力を上げている。

 千雨はその制御能力の高さと術式構造の理解に高い適性を持っている。将来的には「集束」技術にまで届きそうな感じだ。インテリジェントデバイスは「天鳥船(アメノトリフネ)」を渡し、主に空戦適性の低い彼女の飛行魔法を補助している。



  ☆  ★  ☆  



 その日、通常通り朝の職員会議を終え、2-Bのホームルームも担任の瀬流彦先生がすることから、ちょっとした気の抜けた休憩時間になるはずだった。

 そう言えば朝の職員会議で紹介もなかったな、と思っていると、

「(大変や、(あきら)くん、この子、なんやのー!?)」

 と木乃香から念話が入る。ちなみに木乃香や千雨には師弟関係になったことから、ある程度事情を話し、プライベートや修行時には、遠坂(とおさか)(あきら)の名前から呼ぶように伝えてある。

「(どうしたー?)」

 と十中十ネギのことだろうと、隠密性に特化したサーチャーを木乃香の元へ飛ばす。

 と、そこには、制服を破壊され、下着姿にされた神楽坂と上着も貸さずに煙草を吸って見ないことにしている高畑先生がいた。

 ああ、早速やったのか………。

 そういうある意味、達観の境地に達してとりあえず木乃香にアドバイスを送る。

「(とりあえず、高畑先生に上着を借りるかして隠せー。下着姿は可哀想だろ)」

 少々投げやりかも知れないがしょうがないよね、と自己弁護完了。

「(せやな)」

 木乃香が話しを先導し、高畑先生から上着を借りて、ロッカールームに神楽坂を連れて着替えに走る。その際、「着替えたら学園長室に2人とも来てくれ」と、高畑先生は2人に声をかけ、ネギと共に学園長室に向かってる。
 歩きながら話すのは、前にあってからの話しやネギの修行の今後の話しだ。ネギには神楽坂を下着姿に剥いた材悪感もなければ、魔法を暴発させたという認識もなさそうだ。ついでに言うと、曲がりなりにも師匠から預かり面倒を見ている()を裸に剥かれたことへ怒りに類する感情や魔法を暴発させていることへの不審や注意といった行為も高畑先生からは見られず、ひたすら懐かしいといった類の話をしているだけだ。

 倫理観も何もあったもんじゃなく、別れた半年前からまったくの成長もない。

 どうやら前途多難なようだ………。



  ☆  ★  ☆  



 学園長室に着くと程なく、木乃香と神楽坂の2人も入って来る。
 入れ替わりに高畑先生が出て行くと、早速神楽坂は学園長にが責め立てる。

 が、そんなものは一切スルーして、学園長はネギとだけ話している。途中木乃香にトンカチで殴られながらも話を続けるのはある意味立派か? そんなこともないか。勝手に入ってきたならともかく、学園長が連れてこさせているのに話しをまったく無視するのは人として教育者としてどうなんだろう?

「(暁くーん。この2人、普通に修行とか言ってるけどええんかー?)」

「(よくはないが、2人が気付かないんなら大丈夫とか思ってんじゃね?)」

「(そ、それでええんか………)」

 念話でそんなくだらない話しをしているとネギと学園長の話は進み、源先生が呼ばれ入って来る。

 すると、ネギが源先生の胸に埋まるというハプニングが。

「(ラッキースケベや!)」

 ………、木乃香さんどこでそんな言葉を覚えたんですか?

「(千雨ちゃんからや!)」

 あれ? 今のは念話で伝えてないよね?!

「(なんとなくや!)」

 ………、そうですか。

 なんて、木乃香に戦慄していると、学園長が木乃香と神楽坂にネギと一緒に住むように話している。

 下着姿にされたことはわかっていないようだが、神楽坂はネギを嫌っているようで、学園長にがなりたてるが一向に聞きはしない。

「(暁くん、どうしたほうがええかな?)」

 学園長と神楽坂の話し合い? の横で木乃香に相談される。

「(あぁー、なんとも。オレ的には面倒なことに巻き込まれるから辞退した方が良いよ、と言いたいけど、前にも言ったとおり、ネギとオレとは色んな問題があるから、正直偏った意見だというのは自分でもわかっているからなぁ)」

「(せやったなぁ。でもアスナをこっち関係に巻き込むのは嫌やしなぁ)」

 ………。学園長はそもそも神楽坂と木乃香を巻き込む気満々なんだよな。証拠はないし、不確かな原作知識が根拠だからなぁ。

「(そういや、アスナが言ってるとおり、なんで準備がしてないんやろ? 暁くんが来てから随分経つし、そもそも教育実習の話しがあったのなんかだいぶ前やろ)」

 珍しく神楽坂が学園側の準備の不備とかを指摘して、学園長を責めてるらしい。

「(身内の木乃香には言いにくいが、はっきり言うと「学園長が無能」か、「木乃香と神楽坂を巻き込む気満々」のどちらかじゃないか?)」

「(そっかー。ならお祖父ちゃんには悪いけど断った方が良さそうやな。けどそうするとネギ君は暁くんと住むん?)」

「(冗談。ネギと住むなら管理人室明け渡して、さっさと寮を出て行くよ。多分、別の裏に関わる人のとこに住むんじゃないかな?)」

「(別の?)」

「(2-Aだと………。龍宮と桜咲のとこじゃないか?)」

「(あかん。せっちゃんのとこはあかんでー!)」

 てな感じで話しているとなし崩しに学園長と神楽坂の話しが終わり、教室へ向かって源先生と3人で歩いて行く。

「あんたなんかと一緒に住むのなんてお断りよ!! サギ先生とでも暮らせばいいでしょ!」

 いかにもな捨て台詞を吐いて神楽坂が木乃香を連れて早歩きで去って行く。
 ちなみに神楽坂は学園長室を出て直ぐに、源先生が持ってきた制服に空き教室で着替えている。

 ………覗いてないよ!

 後、木乃香と話している間に、一応オレと一緒に住まわせる案も出ていたようだ。

 ま、断るがな。そもそも、ネギの方も一緒に暮らしたいなんて思わないだろうし、メルディアナの校長から連絡が来ていれば、ネギに余計な知恵を与えて悪い影響を与えそうだと、ここ数ヶ月の反抗的な態度で学園長もわかっているだろうしな。

 さて、どうするつもりなんだか。



  ☆  ★  ☆  



 さて、ネギの最初のホームルームだが、いきなり黒板消しが落ちて来る悪戯を魔法障壁で一瞬止めるなど早速魔法バレの危機だ。

 千雨からも「(なにやってんだ………)」とあきれた念話がオレと木乃香に入って来る。

 一通り2-Aを見回すと、エヴァと(チャオ)はあきれた表情で、桜咲と龍宮、長瀬が警戒の視線でネギを見ている。

 ちなみに「あらあら」とだけ言って、副担任の源先生がまったく2-Aを叱らないのも、2-Aがまともなクラスにならない原因だ。
 源先生は優しさと甘さをはき違えているタイプなので、なあなあな感じで生徒と仲は良いが、まともな教師からは苦い目で見られ、出張が多いとかいうレベルでない高畑先生の替わりに、2-Aの担任にという声が上がらないのもそんな理由があるからだ。
 もっとも実際に学園長へ「高畑先生を変更して、源先生以外の別の先生を担任に」という声は上がっているが、全てもみ消さてれているのが麻帆良の中等部の現状だ。

 放課後に臨時の職員会議があるか、明日の職員会議でネギについては紹介されるだろうが、学園長はまともな一般の教員がどう考えるか、考えているんだろうか?

 まさか麻帆良大結界があるからどうとでもなると考えているのか? 考えていそうだな………。



 テンパっていたのか自己紹介で「まほ…英語を教えることになりました」とか、キャーキャー言われて生徒にもみくちゃにされたり、神楽坂に黒板消しの件で追求されたり、神楽坂と雪広のケンカを止めれなかったりで、ネギの初授業は終わった。

 なんというか、無惨だな………。
 「人の振り見て我が振り直せ」じゃないが、うん、授業がんばろう………。



   ☆  ★  ☆  



 そして、放課後。

 臨時の職員会議が行われ、全体にネギの紹介がされるはずだったが、肝心のネギがいない。

 一応、授業の合間合間に職員室で会う教師に源先生と挨拶をしていたので、職員室の出入りには問題ないだろうが、「本当に大丈夫なのか?」という思いがほとんどの先生の顔に出ている。珍しくと言ってはあれだが、魔法先生の中にも浮かんでいるのは興味深い。

 ちなみに仲の良いというか親しい先生方及び魔法先生には、「ネギ・スプリングフィールドとは血がつながっているが、故あって、4歳になる前から別々に暮らしており、ほとんどまともに話したこともない」と話してあり、ネギとは無関係ですよー、とアピールしてあるので、ネギ関連で愚痴られる以上の被害は無いはずだ。というか、無いとイイナー。

 一応、学園内をサーチャーで探すと、魔力を隠そうともしないネギは直ぐに見つかる。

 で、2-Aの宮崎がヨロヨロと大量の本を抱えて何故か階段の手摺りの無い隅を歩き、足を滑らすのを魔法で助ける。
 まぁ、それはしょうがないんだが、それを見られた神楽坂に詰め寄られ、魔法バレし、ろくに説明もしようとせずに記憶を消そうとする。
 で、何故か今度は下着を中心に、ブレザーだけを残し消してしまう。
 神楽坂はニーソにブレザーというある意味マニアックな姿を、思い人の高畑先生に見られてしまう。

 ………。合掌。ホント自称英国紳士とか笑わせてくれる。

 なんとかかんとか高畑先生も協力して誤魔化し、替えの制服を調達し、とりあえず、説明。

 「立派な魔法使い(マギステル・マギ)」を魔法界でも最も尊敬される立派な仕事とか説明してるが、仕事じゃないだろうに………。生き方とか目標とか尊称とかそういった精神的なモノで、仕事なんて思ってるからネギはズレてるのか。

 そんな風に考えていると、結局ネギも高畑先生も来ずに職員会議も終了。

 やるせない思いをしつつ、帰り支度をしていると木乃香と千雨からネギの歓迎会をするうんぬんが念話で連絡が。

「(あんまり近づかない方がいいぞー)」

 とだけアドバイスしておく。

「サギ先生、済まなけど、帰る前に学園長室に寄ってもらえるかな」

 瀬流彦先生からそう声をかけられる。

 さすがに「嫌です」と答えるわけにもいかず、「わかりました」と答え、帰り支度のまま学園長室に向かう。

 学園長室では、ネギについての周りの印象なんかを聞かれる。一応学園長も仕事をしているんだなぁ、と思い、正直に「朝と放課後の2回の職員会議に出席せず、高畑先生共々あきれられている」と答えておいた。
 「フォ?」とか予想にない返事だったのか驚いていたが関係ない。「連絡の不備とか理由があるなら伝えておいた方が良いですよ」と忠告もしておく。
 「そうじゃな、ネギ君にはしっかりと時間や連絡をしてなかったかの」とか言っていたので、「相変わらず、無能ですね。私が来た頃を思い出します。話しがそれだけなら帰らせてもらいます」とさっさと帰ろうとする。
 「いや、ちょっと待ってくれんかのぉ。実はネギ君の住むところが決まってなくての」とかのたまう。朝、木乃香達に良い返事をもらえなかったので、一緒に住まわそうというのか?

 「ホント無能なんですね。ネギの教育実習が決まって何日あったと思っているんです? それも私という前例があった上でこれですか。あれですか、メルディアナの卒業試験の準備や協力に割く時間は無いってことですか。ちなみに一緒に住めとか言う話しならお断りです。管理人室を直ぐに明け渡して出て行くので、ネギをそこに住まわせたらどうですか。こっちは適当に住むところを探しますので。まぁ、少なくとも、一月前には伝えて欲しかったですが。一応このことはメルディアナの方に伝えておきますね。」

 怒りにまかせた風に一息で言う。

「ふぉ? い、いやそんなことはないぞい。」

 余程、メルディアナには伝えて欲しくないらしい。

「いや、そうじゃな。木乃香達の部屋に住まわせるから心配いらんぞい」

「そうですか。ネギは1人で暮らすなんてできないでしょうから保護者代わりに誰か必要でしょうしね」

「そうじゃぞい。まぁ、ネギ君はまだ9歳じゃしな」

 そんな9歳児に先生をやらせるなよ、と思ったが今更なのでそれは言わず、適当に挨拶して部屋に帰る。

 なお、帰る前にネギのせいでオレについて魔法バレした場合、どのように対処するのか、言質を取っておく。
 「ネギ君は優秀だから魔法バレなんかするわけない」とか、現実を知らない幻想を話すので、くしゃみによる魔法の暴発とかの半年もいなかった魔法学校時代の例を出し、「しかるべき処置を執る」と言質を取った。

 ちなみに、ネギを監視しているサーチャーと学園長室ではスサノオに直接、一部始終を録画させており、証拠物件として提出できるように準備してある。

 何事も前準備は大切である。



 そんなこんなしてる内に、ネギは神楽坂に連れられ、2-Aの教室で歓迎会をされている。

 魔法バレした神楽坂に言われ、高畑先生に読心術をかけるネギ。

 ………。わかっているんだろうか? 一部を除いて対象の承諾もなく心を覗くのは、人としてのマナー違反はもちろん魔法の私的悪用として処罰の対象になることを。
 わかってないんだろうなぁ………。

 あげくに「わしらの魔法は万能じゃない。わずかな勇気が本当の魔法だって」とか真顔で神楽坂に話すが、多分自分が一番わかってないって気付いてないんだろうなぁ。

 そうして、結局桜咲と一緒に住まわせたくない木乃香の考えと神楽坂がなし崩しに許すことでネギは木乃香と神楽坂の部屋に住むことが決まった。





 なお、この件は月村を通して関西呪術協会に伝えた。

 詠春殿は問題ないように振る舞っているそうだが、見習い魔法使いと一緒に住まわせる暴挙で「木乃香に魔法を触れさせない」という約定を破っていると中立派にまで否定的な意見が広がっているそうだ。

 ついでに言うと「護衛は何やっている! 役立たずが!!」という意見も多いらしい。なお、オレは前回の会合で木乃香の護衛任務は外されており、師弟関係についても伝えてないので、この意見はオレのことではない。 
 

 
後書き
文章を打ちながら原作も見ているが、脱がされたアスナの服がいつの間にか直っててびっくりだ。
このへんコメディ色が多い当初の作品傾向が大きくでてますね。
千雨のデバイス名が自分でも微妙。芸能の神から「アメノウズメ」を使おうと思ったら、「芸能≒お笑い」らしく、芸能の方向性が違うことが判明。踊りとか歌とかネットアイドル向けの日本の神さまをご存じでしたら是非教えてください。 
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