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黒子のバスケ 無名の守護神

作者:stk
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第十四話 王者、秀徳高校

「やっと決勝か~。長かった。そう思わない?」
「水野くん。まだ予選だからね。」
「分かってますよ。」
あんな話をしたあとなのにみんなは普段とかわりなく接してくれている。
そもそも僕のことを元本当の天才なんて呼ぶのはいない。
そう言う状況に陥っただけである。
「スタメンは日向くん、伊月くん、二戸部くん、火神くん、黒子くんの五人よ。」
「りょうか~い。僕は残念だけどベンチにいるよ。」
本当に残念だよ。
練習試合のときに言われたことの仕返しが出来ると思ったのに。
でもここから応援するのも悪くないかな。
「水野。お前はどおしたいんだ?」
「なにがですか?」
小金井先輩の言っていることが分からない。
「なにをですか?」
「そりゃあ、赤司だっけ?そいつの言いなりでいいのか?」
それはもちろん
「いやです。」
「だったら自立しろよ。」
「えっ?」
いま自立って言った?
僕が自立か~。
あんまり有り得ないよね。
でも自立したいよね~。
「小金井先輩。僕は自立出来ますかね?」
「きっと出来るよ。」
「そうですか。」
自分自身もなんとかしないといけないとは思っているからいい機会ではある。
僕は試合を見るとクロちゃんの回転式超長距離パスでコートの端から端までボールが飛んでいくのが見えた。
「久し振りにあのパスを水野見たな~。」
「水野。今のは一体どうなってるんだ?」
「あれは~。う~ん。何て言えばいいのかな?」
何て言えばいいのか思い付かない。
でも確実なのは、
「緑間くんのスリーポイントシュートを封じる一手だと思います。」
「黒子。スゲー。」
「予想ですけどあのパスは軸回転をすることでボールの速度を増し、それを適格なタイミングで放ったのだと予測します。」
でもコートをぶったぎるなんてヤバいパスだよ。
敵だったらと思うと本当に厄介だよ。
「まだ流れは変わってないわ。」
でももうそろそろだよ。
そろそろクロちゃんは通用しなくなる。
相手にいる高尾(ホークアイ)がクロちゃんのマークにつくはずだから。
なんで知っているかと言うと緑間くんとの会話で名前が出てきたからである。
僕が情報を教える前に、
「こっちには高尾がいるから黒子にかんしては問題ないのだよ。」
と言っていた。
そうなると伊月先輩と僕と似た選手がいるはず。
そしてクロちゃんに対してはその高尾くんに全てを任せている感じからして僕らより広範囲を見渡せる(ホーク)(アイ)の可能性が高い。
「高尾。11番につけ。」
やっぱり。
でもクロちゃんは何があっても最後まで諦めることはしないから絶対になにかをしてくるはず。
絶対になにかを仕掛けてくるはず。
例えばずっと自分だけを見るように仕向けるとか。
そう言えば帝光時代にもこんなことあったっけ。
その時は「逆のミスディレクションをします。」とか言っていたよね~。
「クロちゃん。頑張って~。」
頑張って高尾くんに勝ってくださいね。
心のそこから応援してるよ。
しかしそこから誠凛は秀徳に点差を広げられていった。
第1Q終了時点で14対21。
7点差。
追い付こうと思えば追い付けるけどクロちゃんが高尾くんにマークされている以上クロちゃんあてにできないはず。
ここが監督も腕のみせどころですよ。
「二戸部くん。第2Qは水野くんと交代(チェンジ)してもらうわ。」
「・・・・・(コクり)」
「任せてください。」
やっと出番か~。
でも思ったよりは早かったよね~。
「水野くんは火神くんと一緒に緑間くんにマークしてちょうだい。」
「了解です。」
なるほど。
火神くんでは取れないから僕も一緒になって緑間くんをマークするのか~。
別に問題ないけどね。
「水野くん。第2Qはこっちも攻めていかないといけないからどんどんシュートを撃ってちょうだい。」
「わかりました。」
そろそろインターバルも終了のはず。
そうしたら景気付けに一本決めて見せれば流れを変えられるかも。
入んなかったら火神にリバインドしてもらえばいいし。

「その程度の奇策でひるむと思うか!」
本当の狙いはこのあとだよ。
でも高尾くんに止められて失敗することを考えて。
「始めっから緑間くんに付いていれば問題ないよね~。」
「水野。」
火神も抜かれたんだ。
予想はもちろんしていたけどね~。
シュートをやろうとしていたけど
「ための時間が長いんだよ。」
中学時代よりための時間は短くなっているけどまだ見えるよ。
だってそれが緑間くんの癖なんだもん。
他の人にない個人特有の癖。
三年間一緒にいたからちゃんと覚えているよ。
「本当にやりにくいのだよ。」
「そうですか~。」
緑間くんは僕のことが少し苦手みたいなんだよね~。
同じチームなら問題ないみたいだけど。
でも僕は緑間くんのおかげでシュートが入るようになったから苦手と言うよりも尊敬してるんだよね。
「僕はここからでも入るようになったんだ。」
僕はセンターラインまで戻ってマークを振り切りシュートを撃った。
「緑間くん。僕のシュートも落ちないんだよね~。」
第2Q一本目のシュートを決めた。
ここからが本番ですよ~。 
 

 
後書き
訂正

前回の話で元と言うことが有りましたが、それを知っているのは極一部の帝光レギュラーメンバーのみでした。
それ以外の選手は水野のことをキセキの世代として認識しています。


感想に罵倒する書き込みが有りました。
自分に文才の無いことは今一度思い直し、今後も執筆していきます。
 
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