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吾輩は猫である

作者:古々
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無印
  吾輩、巻き込まれる

なのは嬢のクロノ少年への拷問を見てから約1時間、トランプしながら一哉の使い魔を待った。


「ふぇふぇふぇふぇ、20だこれで俺のかt」

「21」

「」


ブラックジャックでボコボコにされ……。


「速さには自信があるz」

「はい! はい! はい! はいっ!!」シュババババ!

「」

「ふぅ……久々に本気出したぜ」


スピードじゃカードを出せずにすごい速さで負かされ……。


「神経衰弱なら……」

「これとこれとこれと――」

「」8枚

「ん~、さすがに全部は無理だったか」44枚


ミスをすると一気に10枚くらい持っていかれ……。


「8」

「ダウト」

「なんで分かるんだよぉぉぉぉぉ!!」

「いや、嘘をつくと髭が動くからな」

「え」


自分でも気づかなかった癖を見つけられボロ負けし……。


「うへへ、革命じゃぁぁぁぁぁ!!!」

「じゃあ、ジョーカー2枚と9を2枚でもう一回革命」

「/(^o^)\」

「そういやA以上無いんだよな? Kが2枚、Aが2枚、2が3枚あるんだがまだやる?」

「\(^o^)/」


得意だった大富豪では圧倒的戦力で敗退した……。
こいつイカサマしてるんじゃね? ってくらい強い。こんなにトランプで負けたことなかったんだがな。これは些かひどすぎるでしょう。


「お、やっと負けを認めるか? 全戦全敗なんだそろそろ諦めろ」

「認めん! こんな終わり方なんて認めん!」

「じゃ次は何をする? 俺はなんでもいいぞ」

「バ、ババぬきじゃ! ババぬきならきっと勝てる! ……多分」


負けを認められず、ババぬきで再戦することにした。


「このババぬきの帝王と呼ばれた吾輩の本気を見せてやる!」

「はいはい帝王(笑)帝王(笑)」


完全に鼻で笑われた。悔しいですッ!
だが結局――


「」

「弱いなおい」

「ゴハッ!」


無慈悲な罵倒で心に傷ができていくのが分かる。何故勝てんのだ……10回やって全部ジョーカーを取られることなく終わってしまった。
癖を見られないように尻尾、耳、髭を引っ込めてドラ○もんみたいになったのに。


「もう一回……もう一回だ」

「そろそろ飽きたんだが、てかあいつ遅いな」

「頼む、後一回でいいんだ……なんでもしますから……」

「ん?」





「今なんでもするって言ったよね?」


必死すぎて自分が何を口走った気づかなかった。やばい、あいつの目が今非常にやばい。さっきの実験中の目に戻ってる。もうケツを掘られるのは嫌だ!


「よし、これで最後の一回にしよう」

「お、おう」

「――切っ――抜き――炙って――」ブツブツ


ああ、もうなんか怖いこと呟いてるよ。勝たなきゃもう一生ここから抜け出せなくなるかもしれない。とにかくこの勝負に集中しよう。


「そうだ! サイボーグに改造すればいいんだ!!」


吾輩、この戦いが終わったら久遠と一緒にいなり寿司喰うんだ……。


なんとか一哉の猛攻に抵抗し、お互い後数枚。しかし、依然としてジョーカーは吾輩の元にいる。てかこいつ取るとき全く躊躇がない。悩んで悩んで選んだ吾輩に対して自分の番になった瞬間吾輩の手札から取っていく、ジョーカーをうまく回避して……。


「ぐぬぬぬ……」

「どうした? 早く引けよ」ニヤニヤ

「ぬぅぅぅぅッ!」


これをミスったら負ける。確実に負ける。勝つにはノーミスで2回当たりを引かないといけない。考えるんだ吾輩! 灰色の脳細胞フル活動させて! ……吾輩の脳細胞は真っ黒なんだがな。
右か左かはたまた真ん中か……一体どれがハートの2なんだ! 思い出せ、カードの傷と歪みを!
そうだ、たしか右上の角が少し歪んでた! さっそくm――


「マスター、只今帰りました。今日スーパーで特売g「うっせぇ! 黙れこの牝猫!」ひぃ!」


まったく気が散ったじゃないか。さてハートの2でペア完s――


「全然違うカードだと……!」


あの突然現れた女に叫んだときミスったのか!


「なんだ揃わなかったのか。次は俺の番だな、ほいっと」


やめてぇぇぇぇ! そっち取っちゃ嫌なのぉぉぉぉぉ!


「後1枚だな。くくく、お前の負けだな」

「まだだ! まだ終わってない!」

4枚中1枚が当たり、ハズレは2枚とも俺の元にある。もう自分の運に賭けるしかない。これだ!


「参りました」ドゲザー

「うちのペットも帰ってきたし、いろいろ説明するぞ」

「ペットって私ですか!? せめて使い魔って言ってください!」


土下座を止め、一哉と話してる女を見る。
そこにはジーンズに茶色い縦セーターを着た綺麗な女性がいた。その手には桃子さんや耕介さんも利用してるスーパーのビニール袋を持ち。その中には人参、玉ねぎ、じゃがいも、牛肉等の匂いがする。はは~ん、今夜はカレーか。いいな~、吾輩も明日耕介さんに頼んでみるか。
てかこの女が邪魔しなければ勝ってた可能性があったのに……!!!


「ギギギギギギギッ!」

「あの~マスター、そこにいる中国製ドラえも○みたいなのは一体……なんかすごく睨まれてるんですが……」

「気にするなただの負け猫だ」

「は、はぁ……」


負け猫ってなんだよ負け猫って、たしかに吾輩は猫だけどそれはあまりにもひどい言い草だろ。


「今度は涙目でこっちを見てるんですが……」

「スルーしとけ」


畜生!


「それにしてもこの毛色にこの声、どこかで会ったことあるような」


奇遇だな、吾輩もその顔と胸と匂い、どこかで会った気がするんだが……どこかな?


「なんだ逆ナンか? それとも発情でもしてるのか? 猫同士ニャンニャンするのは構わないが、TPOを考えろよ」

「発情してません! それにこんなとこでするわけないじゃないですか!」


この綺麗なねーちゃんとならニャンニャンしたいね。


「なぁ、スケベしようや……おっちゃん優しくするで……げへへへ」

「すいません。あなたみたいな不思議な造形の生き物タイプじゃないんです」


撃☆沈!


「ど~せ吾輩はマスコットキャラになれないゲロ猫ですよ~」

「いじけんなよ」


いじけてねーし。ただちょっと床の溝を穿りたくなっただけだしー。


「それでマスター、用事とは一体……」

「ああ、こいつに例の計画を手伝ってもらおうと思ってな」

「え!?」

「え? 計画って何? 初耳なんだが」

「お前を拉致ったのはある計画の成功率を上げるためでもあるんだよ」


そうだったのか……でもこいつも転生者なら強力な特典とか持ってるんじゃないのか?
研究者みたいだし、アクセロリータみたいなのとかかな? 後で聞いてみよ。


「ですが彼、使えるんですか?」

「何言ってるんだ? 前こいつに倒されただろ?」

「私、彼に負けた思い出なんてな……あ」


前に倒した? ………………あ。


「「思い出したぁぁぁぁ!!!」」


あの時の牝猫!


「ななななななんであなたがいるんですか!? 見た目が全然違うから分からなかったじゃないですか!」

「うっせ! あの時は良くもあんなキチガイバムを投げやがって、吾輩じゃなかったら死んでたぞ! いい乳と尻してるからってなんでも許されると思うなよ! クソ、エロいなおい!」

「ど、どこを見てるんですか! この変態!」


変態とは失礼な。吾輩をあんな奴らと一緒にしないで欲しいぜ。


「吾輩は変態ではない! 紳士という名の変態だ!」

「結局変態じゃない!」

「ミスっただけだ。だから引かないで!」


目の前の女が自分の体を抱きしめながら高速で後ずさる。
くっ! 誤解を解きたいがあの腕に潰されて変形した胸から目が離せねぇ……欲求不満が溜まりすぎだろ吾輩。


「はいはい落ち着けお前ら……落ち着かないと実験するぞ?」

「「サー! イエッサー!」」

「よろしい」


さっきまであんなに距離があったのに今じゃお互い抱き合ってガクブルする仲にまでなった。
いや~お互い同じ接点があるとすぐに仲良くなれるよね。その接点が実験台にされるトラウマじゃなかったらなお良かったのに。


「とりあえずお前ら自己紹介しとけ」


実験されるのが怖いのでここは素直に従うことにしよう。


「えっと、私からしますね。私の名前はリニスと言います。前のマスターに捨てられて死にかけてたとこをマスターに拾われました。趣味は料理と裁縫です。あ、素体は山猫です」


女らしい趣味だことで。


「次は吾輩の番だな。吾輩の名前はカオスと言う。海鳴中の猫のボスでもある。特技は喰うこと、趣味は喰うこと、好きなことは喰うこと」

「食べる以外に何もないんですか!?」

「我が生涯食が全てなり!」


喰わずしてなんのためのオラクル細胞だ! ……あとグルメ細胞。


「自己紹介は終わったみたいだな。それじゃ計画について説明するぞ」


一体どんな計画なんだ? 人類補完計画的な何かとか?
こいつならエヴァを作れそうで怖い。


「計画とはリニスの前マスターのプレシア・テスタロッサとその娘のフェイト・テスタロッサを救済するものだ」


あら、意外とまともな計画だった。


「プレシアは病魔に体を蝕まれてもう既に手遅れに近い、そして現代の治癒魔術でもおそらく間に合わない可能性が高いだろう。だからジュエルシードの願いを叶えるその性質を利用しようと思ってる」


だからジュエルシードを集めてたのか。


「けどジュエルシード自体が何故か願いを歪んだ方法で叶えるんだ。だから願いを叶える性質だけをコピーできないか試したが無理だった、さすがはロストロギアってとこか」


へー、これってそんな欠陥品だったのか。こんなにも美味しいのにモグモグ。


「ほ、本当に食べてる……なんともないんですか?」

「とっても濃厚でうまいが?」

「いや、そういうことじゃ……もういいです」


おかしな奴だなゴリゴリ……ゴックン! ( ゚Д゚)ウマー


「そこでだ、サーチャーでお前のことを監視していて閃いたんだ。カオス、お前のその再生力を利用すればプレシアを治せるんじゃないかってな」


なるへそ。けど――


「そんな面倒なことしなくっても吾輩の体内にあるジュエルシードの能力を使えば一発なんじゃないか?」

「え」


あれ、なんか判断間違えた? てか言ってなかったっけか?


「言ってなかった……かな? 許してヒヤシンス」ペロ

「それを先に言えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「待て! 落ち着つくんだ! その手に持った黒光りする逞しいドリルをs」











アッーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!










~ アースラ館内 ~

「あの~」

「は、はい、なんでしょうかなn、高町さん!」

「え、えっと、私はこれからどうすればいいんですか? 後なのはって読んでください」

「はい、なのはさん!」

「さん付けしないで欲しいな……」


たしかにいっぱい砲撃を撃ち込んだのは悪いと思うけど、年上にさん付けされるのはなんか嫌だよう……。


「これから先は私たちに任せて、なのはちゃ……さんは元の生活に戻るといいわ」


元の生活に? でも戻ったらフェイトちゃんとお友達になれない……決めた!


「リンディさん!!」

「ひぃ! な、なん何かしらなのはさん……」プルプル

「私にも手伝わせてください! あの子を……フェイトちゃんを助けてあげたいんです!」

「わ、分かったわ。正式に民間協力者として登録させていただきます。エイミィ」プルプル

「はい、分かりました艦長。少し待ってくださいなのはさん」


やっぱりさん付けされるの嫌だな。もう一回お願いしてみよう。


「あの…さん付やめて欲しいのですが……」

「「「ひぃ」」」


普通にお願いしたら怖がられました。解せぬ。


「ユーノ君、どうしてこうなっちゃったのかな」

「なのは様のカリスマだと思いますはい」


本当にどうしてこうなったのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!



今回の食事

ジュエルシード
 
 

 
後書き
遅くなったな……許せ!


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