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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第40話:男と女と不条理と……

(海上)
リュカSIDE

う~ん……いきなり騒ぎを起きちゃったから、水夫達を中心に俺を見る目に不信感が存在する。
特にこの船の持ち主らしいおデブ……トルネコだったかな? 彼が俺をチラチラ見るのが鬱陶しい。
でも(リューラ)がお世話になったみたいだし、大人としてご挨拶した方が良いのかな? 面倒いな……

リューラに惚れている狐君が言うには、『トルネコはリューラを利用しただけだ!』って事らしいし、挨拶しなくても良っか!?
大人としてとか俺らしくないし……何よりめんどくせーし!

でも挨拶は兎も角、商人として周囲の人々を利用する輩には注意が必要だろうなぁ……
ましてや幼女(リューラ)までも利用するんじゃ、利用価値が無くなった途端ポイ捨てされる危険があるし……
今のうちに何かを巻き上げてやろうかな?

重い雰囲気を払い除けようと双子姉妹(主にマーニャ)をからかっているウルフに、トルネコの事を訪ねようと視線を向けると……
「え~っと……俺も早くマリーと会いたいなぁ」
と言って、俺との会話を避けようとする。
どうやらウルフ自身は、トルネコにあまり良い印象を持ってない様だ。

良い奴だったら率先して良いところを言ってくるだろうし、極悪人だったら一緒に行動してないだろう。
商人として強かなだけで、人としては……
う~ん……やっぱり面倒い。挨拶はいいや!


悩み事がスッキリ解決すると、俺の目の前にシンと呼ばれる勇者君がやって来た。
ウルフもマーニャ・ミネアも、彼の事を勇者だと言っているのだから、間違いなく天空の勇者様なんだろうけど……これまた若いなぁ。

うちの勇者様も8.9歳で魔王を倒したけど、彼も14.5だろ!?
何で世の中は若人に運命という重荷を背負わせるんだ?
ヒゲメガネの所為か? あの馬鹿が若人を苦しめているのか?

「あ、あの……リュ、リュカさん……」
とっても緊張した面持ちで俺に話しかけてくる若き勇者。
リューノ・リューラが揃って俺の事を大きく話したのだろう。『私のパパは、強くて、格好良くて、頼りになって、面白くって、etc.』てな感じで……それともウルフが『面倒臭いから話しかけない方が良いよ』とか言ったかな?

「何すか? 『娘さんを僕にください』って言っちゃう?」
緊張を解してやろうと思い、凄く軽い口調でおちゃらける。
ここで『くれるんなら貰いますけど?』とか言ったら、面白い奴認定でブッ飛ばすね……勿論軽くだけども、笑いながらね(笑)

「……あ、貴方は何時もそうやって周囲の人々に迷惑を掛けてるんですか!?」
あれ……もしかして説教タイム?
勇者と呼ばれる者の必須事項は“真面目”って事かな?
だから俺は勇者になれなかったんだね。ちょ~納得(笑)

「聞いてますかリュカさん!?」
「ん~? 聞いてませんでしたぁ~! だぁって面倒いしぃ~」
ウルフの奴は教えてないのかな? 俺に対して真面目に接すると疲れるんだぞって!

「早朝から皆さんに迷惑を掛けたんですよ! 大人として……いや、人としてその態度で良いんですか!?」
あれ……俺の心を読まれたかな? 先程まで『大人として……』って考えてたの読まれたかな?
「……僕がどんな迷惑を皆さんに掛けた?」

「健忘症ですか貴方は!? 朝っぱらから大騒ぎを起こして、皆がリュカさんの部屋に集まったじゃないですか!」
「僕が皆を呼び寄せた訳じゃない! 勝手に集まってきただけだろ?」
おや……あの騒ぎの原因を押しつける気か!?

「そ、そりゃ……あんな大声を上げりゃ、誰だって集まるでしょう!」
「大声を上げたのは僕じゃない! マーニャちゃんが錯乱して大声を上げたんだ。僕は命じてないし、導いてもいない」
あぁ……若き頃のティミーと会話しているみたいで楽しい。

「マーニャさんが大声を上げる原因を作ったのは貴方でしょ!」
「はぁ? マーニャが大声を上げたのは彼女の妹愛が原因であって、僕に起因する事は何もない!」
リーダーとして俺を叱っておきたいのだろうけど、そうは問屋が卸さないゼ☆

「僕は大人の男として、大人な女性であるミネアを口説き、そしてベッドを共にした。決して力尽くで押し倒してはいないし、嘘偽りで騙し犯した訳でもない! ミネアの自由意思の結果、互いに合意のセッ○スをしただけだ! だが、妹は“純真無垢な生娘”と思い込んでいたマーニャには寝耳に水で、ガッチリ僕のをくわえ込んでいる様を見てしまったら、混乱して大声で叫んでしまっただけだ! 誰の所為でもない!」

う~ん……我ながら凄い言い訳をしてるよ。
ウルフなんか呆れ顔のニガワラ状態。
娘二人は“相変わらず……”って感じ!

「んなぁ……」
シンは目を見開き何も言えなくなっている。
これ以上この話はしたくないので、この辺で有耶無耶にするのがちょうど良いだろう(笑)

そんな訳で俺は歌い出す。
ギターを弾きながらJAYWALKの『何も言えなくて…夏』を……

リュカSIDE END



(海上)
シンSIDE

俺のクレームを遮って突如歌い出すリュカさん……
コイツ何考えてんだ!?
全然常識が通じない……

「あはははは、どうだ凄い人物だろ!? 凄い不条理さだろう!」
歌い続ける奴を睨んでいると、爆笑のウルフさんが話しかけてくる。
笑い事じゃないっての!

「その状態の其奴に、これ以上何か言っても無駄だから……」
そう言って俺を船首の方へ(いざな)うウルフさん。
まだ話は終わってないのに!



「ウルフさんは奴の何処に尊敬したんですか!? ダメ人間の生きた見本じゃないですか!」
ウルフさんがリュカさんを尊敬している事は、これまでの会話から十分理解出来ている……
それでも声を荒げてバッシングしてしまう俺は心が狭いのだろうか?

「いや解るよ、解るけどさぁ……アレはアレで良いんだよ!」
「良い訳ないでしょ! これから共に冒険して行く間柄になるというのに、早々に女性問題で修羅場を迎え、その点について反省してないなんて……」
とてもじゃないが共に旅する自信がないよ。

「あれ……お前は何について怒ってるの? リュカさんが不倫している事か? それともリーダーのお前に(こび)(へつら)わない事か?」
え、何についてって……そりゃ……

シンSIDE END



 
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