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中二病が世界を救う (序盤のみ)

作者:神ノ平原
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日常Ⅲ

ピピッ 指紋認証が完了しました。葵様おかえりなさいませ。ご友人の光殿もご一緒に。
「…なんて言うか…ハイテクだな」
「まぁね」
葵は苦笑する。
「さてと…じゃあ僕は着替えてくるよ。君は?」
屋敷に入るとともに口調が柔らかくなる葵。こちらが素である。
「…とりあえず真剣が要る。せめて木刀。竹刀は不可。後は制服だと動きにくいから」
「スポーツトレーナーで良いかい?」
「ああ。できれば袴が良いが、汚したくないのでな」
「…袴…ない…かな?まぁトレーナーで許して」
「ああ」

葵家多目的室。
「…葵」
「どうしたんだい?なにか問題があったかな?」
「…お前…20m×30mって言ったよな」
「…あー…うん」
「どー見ても50m×70mであることについて言うことは?」
それだけに天井もかなり上だ。
「…広過ぎた?」
「…いや、なんでもない。お前の距離間隔が違っただけだと思っておこう」
「まぁ問題ないならいいでしょ?それよりも、はいこれ。真剣」
鞘ごと真剣を放り投げる葵。
事も無げに受け取る光。
「じゃあとりあえず一人でやってて。準備が終わり次第襲いかかってあげるよ」
「…そうか」
一言。光は言い捨てて刀を構える。
葵は部屋の端に移動する。
その姿を確認し終えると光は刀を抜き放つ。
ガシャリ
藁でできた人形が飛び出る。
タンッ
前回転をしながら人形の動きに合わせて光の手元がブレる。
光が降り立つと人形は真っ二つに割れる。
その断面は繊維がけば立つこともなく完全に真っ直ぐ切りおろされていた。
そして人形が回収されると新たな人形が次々に飛び出てくる。
事も無げに全てを切る光。
「いいぞ」
それは葵に言った合図だ。もう襲いかかってきてもいいと。
「よし」
葵も同じように真剣を鞘からゆっくりと抜き放ち、光にきりかかる。その方向は出鱈目だ。
シャァァァ…
光は葵が振った方向に擦り合わせる。
光の刀が葵に触りそうになった途端に葵の刀を跳ね上げる。
「お前…何で出鱈目に振ってんだよ」
「えー…剣道やってるけどー…」
「俺の目的の一つに剣道にどれだけ張り合えるか、があるんだよ」
少し怒った様子の光。
「…わかった。まぁやってみるよ」
「頼んだ」
葵は姿勢を正して剣道の構えを作る。
「行くよ」
「おう」
葵の腕から下が残像を残しながら刀が光に迫る。
「…っ」
キンッ
葵の一太刀を刀を横にして受け止める光。
二人の視線は一瞬の交差の後刀を収める。
少しの無言が流れる。
「…中二病舐めてた」
「…剣道舐めてた」
どちらも友人の腕を正確には知らなかった。 
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