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ソードアート・オンライン~黒の妖精~

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16

 
前書き
レオ視点
φφφ
はい。レオです。非常にヤバい状況に立たされています。





別にキリアをフろうとしたわけではない。
寧ろ、嬉しかった。
だから俺は、ありがとう、と言おうとして…腰を屈めた。
キリアは涙目になっていて、俺はそれに困って、暫し無言となってしまった。
それが悪かったみたいで。
キリアは返事を聞く前に、走って行ってしまった。
俺はキリアに叫んだけれど、聞こえなかったらしくて。

      …らしくて。
(何で!?何で俺この人と歩いてんの!?)
俺の隣にいるのは、キリアの双子の兄、キリトーー黒の剣士だ。
僅か15歳が発するには強すぎる殺気(?)を纏い、彼はいつの間にか俺の前に立っていた。
(何なの!?俺還らされちゃうの!!)
キリアがあの性格ならば、彼女の兄はもっとすごいのでは…?

俺はヒヤヒヤしながら、無言の笑みを張り付かせるキリトと並んで歩いた。
 

 
「な」
キリトに話しかけられる。
俺は一瞬肩を震わせてから、「何ですか…?」と返事をする。
「妹が、世話になってるみたいで?」
「はいっ?」
「キリアに告られたって?」
「へ…」
「本当なのかな、レオさん?」
…冒頭に戻る。
そう、今、この質問に頭を悩ませているのだ。
簡単に簡潔に、はい、と言ってしまえば楽だろうけど…
キリトから噴出する訳のわからない殺気(?)がソレを拒ませている。
「うー、あー、そのぉ」
俺はもごもごと口ごもる。
「はぁ」
すると、キリトが大きくため息を吐いた音が聞こえた。
「ごめん遊びすぎた」
キリトから感じていた殺気(?)は跡形もなく消滅する。
「自己紹介が遅れて悪い。俺はキリトだ」
「あ、レオだ。宜しく」
さすが攻略組と言うか、何というか。
年に不釣り合いな落ち着きと貫禄がある。
「キリアがさ、フラれるかも、って言ってた」
「勘違いだな…」
「だと嬉しい。妹だけ悲恋とか酷いし…。俺も勝手にけっこ……」
ここまで言って、キリトが手で口を塞ぐ。
まるでいつかのキリアの様で、笑ってしまった。
けっこ…の先が気になるが、そっとしておこう、うん。

 
 

 
後書き
φφφ
俺は走っていた。
早く、早くと。
キリトの言葉で、反射的に立ち上がった。

「伝言だ。




         始まりの町で待ってる」 
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