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ソードアート・オンライン~黒の妖精~

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13

 
前書き
レオ、少年という表現はおかしかったですね。
青年か・・・
 

 
「ハァッ!!」
「ッ・・・・!」
私たちは、75層のフィールドでただひたすらに剣を振り続ける。
理由はもちろん、レベル上げ。
レオのレベル上げの手伝いだ。
「らあああっ!」
私は、目の前のモンスターにとどめを刺す。
モンスターは青白く光ると、ポリゴンとなって舞って行った。
私は後ろへ跳び(この場合、ポリゴンを避ける為ではなくレオに元へ行くため)、レオの横に着地。
「おー・・・改めて思うけど、金属装備してないとそんなにジャンプできんの?」
「いやー、これは単なる敏捷度と筋力値の問題かな~」
「両方上げてるのか?」
レオの質問に、「えーっと」と言いながらウィンドウを開く。
ステータスの振り分けは、最近結構適当なのだ。
「うん、両方上げてるけど、敏捷のほうが筋力より高いかなー お兄ちゃんと正反対のビルド、って言った方がいいね」
「へーーぇ・・・・」
レオは呟くように声を漏らした。
「さて・・・レオ、レベルいくつあがったの?」
「俺?俺は・・・80ピッタリだ」
「おおっ!じゃあ行こうか!」
80という言葉を聞き、私はニヤリと笑う。(兄の受け売り)
「行くって何処に?」
「ボス戦出たいんでしょ?なら迷宮区の攻略♪」
「迷宮区!?未踏破なのに!?」
「うん?」
レオは声を大にして私に詰め寄ってくる。
私は後退りをしながら言った。
「迷宮区の方がモンスター強いからっ レベル上がるって事だよ」
「・・・危ないだろ」
「まもったげる」
「男が女に守られて嬉しいかフツー」
「えーアスナさんはお兄ちゃんのことまもっ・・・・・・」
ってあげてるよ、と言おうとした私は、自分の手で自分の口をふさぎ、空いているほうの手で頭をグーで叩いた。
「・・・何やってんだよ・・・」
「イヤ、何でもございません、さあ行こう、私迷宮区10階まではマップがあるのさ」
私は、レオを引っ張って迷宮区の方角へと早足で歩いていった。
ΦΦΦ
「到着」
「う・・・ぉぉぉ・・・・」
迷宮区10階。
ひんやりした空気が私たちを撫でて通っていく。
まあこれは迷宮区のお約束のようなもので、慣れてしまえば、「あ、すずしーぃ」とか思えるようになる。
「少し寒くね?気配むちゃくちゃするんですけど・・・ボス部屋近いの?」
あたりをキョロキョロ見回しながら、私に聞いてくるレオを一瞥し、私はスタスタと歩を進める。
「んー・・・言っとくけど残り10階あるからな。生ぬるいこと言ってんなよ」
「へっ?」
間抜けな声を出し、私を凝視してくるレオ。
あー、そうか。
迷宮区に一人で潜ってるときは、私は大抵、兄命名バーサーカーモード。
つまり口が非常に悪くなる。
なんでレオの前でなったのかって・・・気を許してるから、かな
「よし行こう」
「おー、待ってくれよ」
私たちは並んで、迷宮区の最奥へと近づいていった。
ΦΦΦ
「・・・・ここ・・・・ボス部屋、か・・・?」
「間違いないね。っしゃ開けるか、逃げるなら今のうちだねもしかしたらボスが部屋から出てきちゃうかも~、そんじゃ還っちゃうね?」
にっこり笑いながら、私は扉をばーんと開け放った。
レオがあたふたと焦っている。
「うぉおおおおい!?」
「黙れ」
ボス部屋には、ボスの姿が見当たらない。
「・・・・何処に、居んだよ?」
隣で、レオが囁くように聞いてくる。
「・・・・・・・・・・・・上だ!!」
私は即座に上を見上げ、ボスの姿を確認する。
偵察というのは、本当にハラハラするものだ。
「百足ぇぇぇ!?」
「・・・「ザ・スカル・リーパー」・・・・見たところ防御力が半端無い・・・・よし、レオ」
「うん!?」
「逃げよう」
私は言うなり、鍛え上げた敏捷度にものを言わせ、いつかのように大疾走していった。
後ろには、辛うじてとでも言うように追随してくるレオ。
「レオー このまま迷宮区の外まで出ようか」
「OK!OKだから早く帰ろう!」
そのまま二人で迷宮区の外まで出た私たちは、顔を見合わせ、ひたすらに笑いあったのだった。
ΦΦΦ
「いやー、あれは硬いね、絶対」
所変わって、ここは私のホームタウン、アルゲート。
「ああ・・・・」
レベル上げ手伝いのお礼に、今日は私が奢ってもらっているのだ。
「・・・疲れた?」
「・・・正直」
私はレオを見つめ、少し無理をしたかな、なんてことを考えた。
レオはテーブルに頭を突っ伏し、今にも寝そうである。
「もー、レオー?寝ちゃ駄目だよー」
「うー、んー・・・・・・」
「え・・・・?」
いや、ちょっと待って?
うー、んー・・・・・って・・・・
「寝てるの!?」
「zzz・・・・」
正真正銘、レオは寝ていた。
私は大きく溜息をつく。
だって、ここはアルゲートなのだ。
レオのホームタウンが何処かも知らないし、第一そんな長距離、運べないし。
私は、溜息をついてから数秒、考えた。
このままここに放っておいたらPKの可能性も出てきて危ないし、かと言ってホームタウンがわからない上に運べない。
ここまで揃ってしまうと、残った選択はやはり一つ・・・。
「私の部屋でいっかぁ・・・」
という物だった。
「よ・・・・い、しょっ・・・・」
私は鍛え上げた筋力でレオの肩を自分の肩にまわす。
何故あって二日目でここまでしてやらにゃならんのだ。

幸いここは、私の宿屋の一階。
周りの目線が痛いけど、今は仕方ない、緊急事態。
私はそそくさと階段をあがり、自分の借りている部屋へ入った。
「zz・・・z」
どうやらレオという人は、一度寝ると起きないタイプの人らしい。
私はレオをベットに寝かせると、ソファに座る。
そのまま私はウィンドウを開き、モンスターからドロップしたアイテムを整理し始めた。




どうやらそのまま眠ってしまったようで。
目を擦りながら、私は部屋をぐるーっと見回す。
ベットには、レオの姿。
頭の片隅で、「いつだったか、おんなじ様なことがあったなー」と、一人の女の子の姿がが思い浮かんでくる。
「・・・」
私は息をつくと、ソファから立ち上がる。
ソファで寝たからと言って、筋肉痛になるわけでもなんでもない。
「おーい、レオ~・・・おきろ~・・・」
正直自分も起きていないのだが、レオの肩を揺すって起こそうとする。
「・・・・・」
「レオー・・・・何時まで寝れば気が済むの?そんなに迷宮区疲れちゃった?」
私は言いながら、さらに揺すり続ける。
「う・・・・ぅ・・・・」
レオが若干目を開く。
「お、レオ!おはよ・・って・・・きゃ!?」
「・・・・・zz」
悲鳴のあがった理由を説明しよう。
簡単なことだ。
レオが寝ぼけてる⇒私が目の前に居た⇒レオに抱きかかえられた⇒今レオの腕の中
ということ。
「ちょ・・・レオ?レオ?」
顔が赤くなっているのが解る。
不思議とイヤな感情は無い。
なんとなく、自分の心の奥底の感情に気付くが。

今やるべきことはひとつ。

「レーオー!!!おきろー!!!」
レオを起こすことである。
仕方ない最終手段。
「こ・・・の・・・・ヤローっ!!!!」
犯罪防止コードに阻まれるのをわかっていながら、私は、レオのお腹を全力で殴った。
「グフッ・・・・・・・・何?何事?」
レオが、腕の中の私に気づかず言う。
「ねえレオ」
「え?」
「離してもらえる、かな?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
レオは自分が一体どういう状況で、私がどれだけ怒っているかを察知したのだろうか。
顔面蒼白になっていく。
「ゴメンっ!寝ぼけてた!?」
「寝ぼけてた・・・・もうありえないくらい。殴っちゃった」
「殴ったんだー・・・」
私は赤い顔を隠すように、クルリと後ろを向く。
「・・・他の人だったら許せなかった・・・」
ボソリと、呟く。
「うぇ?なんか言った?」
「何もっ!昨日の続き!なんか奢ってっ!」
「うへ・・・・仕方ねー・・・」
「・・・解ったら早く出てってー・・・・」
「ハイ!解りました!さーせんした!じゃ!」
レオはドタバタと騒がしく部屋の外へ出て行った。

私は、気づいていた。

レオだったから許せた。

レオじゃなかったら許せなかった。

私は・・・・レオが好きなんだって。

たった二日で、好きになるなんて、どうしちゃったんだろう。

会ったことがあるわけでも無いのに。

「・・・・ズルイよ、レオ・・・」

私は呟いて、支度を始めた。 
 

 
後書き
キリアのキャラが崩壊って?
今に始まったことでは無いですよ~

グダグダ、読みづらくてスミマセン。 
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