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魔法少女リリカルなのは 〜光の戦士〜

作者:ユキアン
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「よく来てくれたねウルトラマンティガ」

「出来ればそっちで呼んでほしくないんですけどね。あっ、これウチの喫茶店のシュークリームです」

「これはどうも。娘が大層気に入ったらしくて気になっていたのだよ。まあ、入ってくれたまえ」

「お邪魔します」

居間に案内されるとお約束のごとくちゃぶ台が鎮座していた。用意されていたちゃぶ台を挟んで座ると目の前の人物の姿が一瞬で変化する。赤く細長い上半身と青い下半身を持ち、頭頂部から背面が黄色。後頭部と思われる部分には吸盤のような突起が存在し、胸から腹にかけて黄色い縁取りがある。手はチューリップのようなくせに意外と物を持つ事が可能という宇宙人。まあぶっちゃけるとメトロン星人だな。
前回のスペースビースト襲撃から既に1ヶ月、原作通りなのはとアリサとすずかは友達になった。オレとサキもその中に含まれているが些細な事だろう。そして今日はサキの家族に招待されたのでサキの家を訪ねている。
ここでいきなり話がずれるが説明しておかなければならない事がある。怪獣とは怪しい獣と書くように動物である。つまりは繁殖期や休眠期間という物が存在する。そして、今の時期、5月中旬から6月下旬までは繁殖期を迎える為に巣作りを行ったり、休眠している怪獣が多い時期であり結構平和だったりする。宇宙人も出来れば迎撃されたくないのか怪獣が少ないこの時期は地球に来ないので(バルタンは除く)安心して出歩けるのだ。

「それで、今日は一体どういう用件でオレを招待したんです?」

「そう慌てなさんだ。今娘が来るから。これでも飲んでなさい」

そう言って既におなじみになってしまった眼兎龍茶を出されたので、それを飲んで待つ。しばらく待っていると、寝ぼけ眼でパジャマ姿、その上デフォルメされたピグモンのぬいぐるみ(なのはも同じ物を誕生日プレゼントに貰っている。ちなみにオレはベムスター。可愛い顔をしてるいるのでそこそこ人気があるみたいだ)を引きずりながらサキがやってきた。

「おはよ~」

「おはよう。ほら、顔を洗ってシャキッとしなさい。今日は休みだけど、ティガが来てるんだから」

「うん。うん?」

眼をごしごしとこすってから眼兎龍茶を飲んでいるオレの方を見てから自分の姿を見てメトロン星人の姿に変わる。

「来てるなら来てるって言ってくださいよ」

「オレもいきなり呼ばれたんだがな。とりあえず、おはよう」

もう昼だけどな。まあ、なのはも今頃起きだしているはずだから何も言えないが。

「あっ、おはようございます。じゃなくてですね」

「ウチのシュークリームも持ってきてるから」

「ゆっくりしてってください」

変わり身早いな。

「それにしても意外だったよ。ティガがサキと同じ位の子供だったとはね」

「歳は関係ないですよ。この美しい地球を守りたいと思う気持ちさえあれば」

「確かにこの地球(星)は美しい。特に日本の夕暮れは」

「私は夜明けが好きですね」

さっそくシュークリームを食べながらサキも答えてきた。

「まだまだ美しい物はあるさ。ゆっくり見てくれれば良い」

「そうさせてもらうさ。あっ、そうだ。今度、知り合いが同じ任務で地球に来るんだけど構わない?」

「悪事を行わないのならオレは何も言いませんよ。まあ、あとは出来るだけ地球人に化けて混ざってもらう方が良いですね。それかGUYSに直接交渉してください」

「分かった。そう伝えておこう」

「用件はそれだけですか」

「概ねはね。まああとは仲良くやっていきたいと思ってるからね。何か聞きたい事ない?」

「聞きたい事ですか?そうですねぇ」

「サキのスリーサイズが知りたいって、上から「死ね!!」のおぅ!?」

聞きもしていないサキのスリーサイズを言おうとした父親がサキの光弾を食らって吹き飛ぶ。オレは念力を使って家具に被害が行かないようにだけしておく。

「おおぅ、痛いじゃないか」

「乙女の秘密を勝手に調べて、それをばらそうとするのが悪いんです」

「娘の事を気にかけるのが悪いというのかね。どう思う、ティガ」

「気にかける事自体は悪くないと思いますけど、その度合いによりますね。メトロン星人の感性的にさっきのはアウトなんですか?地球人的にはアウトですけど」

「メトロン星人的にもアウトです。この事はお母さんに報告させてもらいます」

「それは勘弁してくれないか」

「許しません!!」

そんな親子喧嘩を微笑ましく見ていると、嫌な感覚が広がる。懐からエボルトラスターを取り出して確認すれば光が明滅している。そして、オレに大まかな位置を知らせてくれる。

「すまん、急用が出来た!!」

急いで飛び出し、エボルトラスターを利用してバリアジャケットを展開する。認識阻害の結界を張りながら光を纏って現場に急行する。スペースビーストが現れたのは隣の県のキャンプ場で既に多くの人がペドレオン・クラインに捕食されている。

「これ以上はやらせない!!」

エボルトラスターに魔力を流し込み、ジュネッス形態に変化しキャンプ場上空からメタフィールドを展開、ペドレオンのみを選別してメタフィールド内に突入する。そしてエボルトラスターを引き抜き、掲げる。エボルトラスターから発せられた光を身に浴び、オレは銀色の巨人、ウルトラマンネクサスに変身する。オレの姿を確認するとペドレオン・クラインとペドレオン・フリーゲンが集結し、ペドレオン・グロースに変化し始める。残念だが、その変化を待ってやることは出来ない。ネクサスと他のウルトラマンはエネルギー源が異なる為にウルトラコンバーターでは活動時間を伸ばすことが出来ない。更に言えば他のウルトラマンよりもシンクロ率が高いのかダメージや疲労が色濃く残ってしまう。おかげで気楽に変身出来ない。なんとかティガの状態でもメタフィールドを形成出来る様になりたい物だ。ウルトラダイナマイトとかスペースQ位なら無理矢理使えるけど、コスモスのフルムーンレクトやコズミューム光線の様な物はコスモスでなければ使用できない。カオスヘッダーは今の所確認されてないが覚えておいて損は無いと思う。それはさておき、メタフィールド内にいたペドレオンが全てグロースに集ったタイミングでオーバーレイ・シュトロームを叩き込んで消滅させる。やはり変身中や合体中の攻撃は反則だな。回避出来ないものな。でも楽したいから許してくれ。メタフィールド内にペドレオンが完全に消滅したのを確認してから変身を解き、認識阻害の結界を纏いながらメタフィールドを解除する。元の空間に戻ればGUYSがようやく到着したようでキャンプ場に居た生き残りに事情を聞いているようだ。帰る前に生き残っている人達に頭を下げてからキャンプ場を離れる。全てを救えるなんて傲慢な考えは持っていないが、それでももう少し早く駆けつけれればと思ってしまう。そもそもを言ってしまえばオレがウルトラマンの力を望まなければこの事件は起こらなかったはずだ。だが、現実には起こってしまっている。オレの我が侭で多くの人の命を奪ってしまった。その一方で科学力は前世よりも進歩している。なにせ人類は火星にまで進出しているのだ。月にも採掘基地があるし、火星は移住出来る様なドーム型コロニーの建設も始まっている。義手義足義眼などの技術や、どんな環境でも逞しく育つ穀物類の開発。そして共通の敵を前にして人類同士の争いはほぼ集結した。少しでも被害を抑える為に、少しでも誰かを救える為に、少しでも生き残れる為の力を人類は身につけてきた。

前世と今世、どちらの方が良いのかは分からない。だけど、オレの力で救える者がいるのなら救える限り救おう。再びそう決意してオレはキャンプ場を後にした。

 
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