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環の理

作者:三島 渓山
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鋼の錬金術師
  密談2

 
前書き
この小説で『鋼の錬金術師』編が終わったらFate/stay night(マスター)かめだかボックスに行く予定です。どっちが先がいいですかね? 

 






 翌日、出勤すると隊舎内は何故か慌ただしかった。



 「何しとるん?」

 「さあ?私は何も知らないアルよ」



 何か事件でも起こったのかな?



 「あー大佐だー」

 「ぐーぐー(どこ行ってたんですか?)」

 「どこって……そりゃ家に決まってるネ」

 「そうそう」



 出勤したてなんだからね!(謎ツンデレ)



 「何かあったの?」

 「傷の男(スカー)が生きてたんだってー」

 「……は?」



 マジで?



 「ぐーぐー(マジです)」

 「ジョリオ・コマンチ含む三人が死んじゃったよー」

 「コマンチ爺さんもか……これじゃ私の前に現れる日も遠くはないかもね」



 コマンチ爺さんは確か中央暮らしだった筈。それにイシュヴァール経験者も殺して見せるなんて……傷の男(スカー)の腕は確かのようだ。



 「お前達は錬金術師じゃないから大丈夫だな」

 「寧ろ大佐が大丈夫アルか?」

 「一対一なら一発でやられそうだよ」

 「情けなーい」

 「うるせー!」



 私は非力な女(笑)なのよ。



 「って誰が女(笑)よ!?」

 「ぐーぐー(?)」

 「一人芝居ネ」

 「あながちー間違ってないかもー?」



 部下にそう思われてるなんて……orz





 ~~~~~~





 そんなこんなで夕日が落ちそうになっていた。私はずっと部署に宛がわれた部屋内で仕事をしていたよ。



 「今まで何もありませんでした。でも、明日―――ていうか夜にでも襲ってくるかも?」



 私と一緒にいると逆に危ないので部下とは別々で帰る事にした。そして今、寂しく帰宅途中なのだ!



 「……なのだ!」

 「さっきから何をしているのかね?」

 「む、誰だ……ってマスタングか。私は今一人楽しく宇宙と交信してるんだ」

 「……(なんかこの人キャラがぶれまくってるよな)」

 「……(そういうのは口に出してはいけないよ兄さん)」



 聞こえているぞエルリック兄弟。



 「何か用か?」

 「今暇か?」

 「暇だけど」

 「付いて来てくれないか?」

 「デート一回―――よ?」

 「ぼったくりにも程があるぞ……」

 「嘘よ嘘。この車に乗ればいいのね」

 「狭いと思うが我慢してくれ」



 確かに狭いわね。錬金術でこの鎧をスタイリッシュに出来ないかな……。



 「……!?」

 「どうしたアル?」

 「寒気を感じたんだ」

 「……師匠が物騒な事呟いてるんだろーよ」

 「否定出来ないのが怖いよ……」



 君の師匠は一体どんな存在なんだよ?向こう見ずな君が震える程強いのか?



 「……って、ノックス先生じゃん。元気?」

 「シルバーバーグか。お前の錬金術もイシュヴァールじゃ随分と世話になった」

 「下らねー実験でしたけど上の命令には逆らえないってね。軍属の悲しい所ですよ」

 「それについては私も同感だ。あの戦いは二度と繰り返したくないものだ……」

 「「……?」」



 微妙な空気が場を包み込んだ。その空気は目的地に着くまで続いたのであった。





 ~~~~~~





 デートかと思いきや、郊外の空家へと連れられた私達一行。ノックス先生とエルリック兄弟は早々と中に入って行った。



 「湿気た場所ね。ここに何があるの?」

 「人造人間(ホムンクルス)だ」

 「……マジで?」

 「マジだ」



 あんな化け物を捕まえられるなんてどんな手を使ったんだ?



 「そういや何でノックス先生連れて来たんだ?」

 「怪我人だと。右腕ぶった切ったらしい」

 「そりゃまた……」



 勇ましい。そして……、



 「強いな」

 「ああ自慢の臣下ダ。ええト……」

 「ああ挨拶が遅れたな。国軍大佐ロイ・マスタングだ。ほら君も」

 「国軍大佐メイザース・シルバーバーグよ」

 「シン国皇帝の第十二子リン・ヤオ。医者を手配してくれて感謝すル」

 「此方こそマリア・ロスの件では世話になった」

 「いや、内密ではあるけれどアメストリス国軍大佐との繋がりが出来て幸いダ」

 「こちらこそ未来の皇と繋がりが出来て嬉しいよ」



 マリア・ロス……シンに亡命させていたか。



 「それで?人造人間(ホムンクルス)はどこにいるの?」

 「こっちダ。ワイヤーで雁字搦めにしてあル」



 ……本当に捕まえてたんだな。肉に食い込んでる所を見ると再生途中に結んだみたいね。



 「……おい何だこれは?」

 「『グラトニー』と呼ばれる人造人間(ホムンクルス)ダ」

 「グラトニー……暴食か。変身する奴とかいなかったか?」

 「いたゾ。確か『エンヴィー』と呼ばれていたナ」

 「多分そいつがヒューズ殺害未遂の実行犯だ」

 「何だと?」

 「私は一回だけ人造人間(ホムンクルス)と対峙したんだが犯人がグレイシアに化けていたのよ。ヒューズによるとその前はロス少尉だったから何か姿を変えてるんじゃないかと思ってな」

 「……そうか」



 冷静にながらも静かに燃えている。今のマスタングはそんな感じだった。



 「話についていけんな。この国はどうなってるんだ?」

 「人造人間(ホムンクルス)が軍の裏側に潜んでいる。上層部も何枚か噛んでるだろうよ」

 「上層部だト!?それどころじゃないゾ!」

 「何!?」

 「キング・ブラッドレイ、あいつも人造人間(ホムンクルス)の可能性がある!」

 「「「「……は?」」」」



 その発想はなかった……が、そうなると辻褄が合うかもしれないわね。



 「眼帯の下……眼球に奴らのマークがあっタ!グラトニーと一緒になって俺達を追い詰めタ!」

 「馬鹿な!」

 「この国のトップが人造人間(ホムンクルス)!?」

 「何が目的「目的ならあるよ」……何!?」

 「ヒューズが殺されかけたのはそれに気付いたからだ」

 「何が目的なんだ!?」

 「端的に言うと……この国の民全員を生贄とした賢者の石を作る事だ」



 私は何の感情を込めず、その言葉を発した。
 
 

 
後書き
モバマス・・・特になし。 
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