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ソードアート・オンライン~黒の妖精~

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5

 
前書き
いっそのことキリアを誰かとくっつけようかと・・・
オリキャラですね。その場合。 

 
本当に。・・・・本当にまずい事になった・・・。
「何なの!?お兄ちゃんの二刀流がなぜか50連撃で私が何で60連撃!?話が盛り上がりすぎだよぉお・・・!」
「全く同感だ。これじゃお前の性格も考えて、転移結晶一つ消費だな」
「うぐ・・・」
今この部屋の前には、ありえないくらいの剣士やらなんやらが詰め掛けてきている。
そんな中に私が出て行ったら、どうなるかなんて想像するまでも無いことだ。
「はぁ・・・・転移してどこにいくの」
「どこって、あれだろ。エギルの店」
「同じ層じゃん!もったいないー」
「だってアスナに呼び出しくらったから」
「仕方ないなぁ・・・・」
私と兄は転移結晶を取り出し、同時に言った。
「「転移、アルゲート」」
転移しても、結局同じ層の”転移門”前に転送されるだけで、本当にもったいない気がする。
私たちはフィールドでもないのに、隠蔽スキル全開でエギルさんの店まで走った。


「アスナさ~ん・・・・?」
店の二階。
アスナさんにここで待っているように兄が言われたらしいのだが、本人がこの場にいない。
どうしたのだろうか。
兄も首を傾げている。
そのとき、ドアが思いきり開いて、アスナさんが飛び込んできた。
「アスナさん、どうしたんですか?」
「いきなり飛び込んできて・・・」
「キ、キリトくん、キリアちゃん・・・・」
「「?」」
「大変なことに・・・・なっちゃった・・・・」
∮∮∮
ワーワーと大きな歓声が聞こえる中(ところどころ物騒な声も聞こえる)、私と兄は撃沈していた。
「ヒースクリフと立会いって・・・・」
「二対一って・・・」
馬鹿にされているのだろうか。
二人掛りで来ても、勝てるという絶対的な自信?
そんな物持たれちゃ困る。
こっちにだってそれなりのプライドがあるし。
兄も勝つ気満々のようだ。
「じゃーお兄ちゃん・・・私が暴走したら止めてください。」
「無理だな。逆に俺がやられそう」
「そんなコトしないよー」
「どうだか」
私と兄は、言い合いながら舞台へと上がった。


観客が多すぎる。
多すぎる。
戦い前から違う意味で緊張してきた。
「キリア・・・戦う以前の問題だろ、これ」
「うん・・・・チケット売った奴誰?」
「血盟騎士団の奴。」
「そっかぁ、あとで逝かせて上げないと」
「おい・・・」

一際歓声が大きくなる。
ヒースクリフが舞台に上がってきた。
「人が多すぎだろ。コイツがニガテなのしってたか?」
「生憎だが知らなかった。すまない」
(悪いなんて思ってないよねヒースクリフサン?)
「条件は先ほど聞いただろうが、私が勝てば君たちは血盟騎士団に入る。
君たちが勝てば、アスナ君を好きにしてもかまわない。良いか?」
「「問題ない」」
どうせ、負ける気なんてないんでしょう?
言って置くけど、私は薄々感づいてるんだからね・・・?

アンタが・・・・・・・。





カウントダウンが始まる。
兄はエリュシデータと、ダークリパルサーを構える。
私は両手剣を、私独自の構えで持つ。
3
2
1

私たち三人は同時に間合いを詰めた。
一番最初にヒースクリフと打ち合ったのは兄。
兄の二刀流の速さに、ヒースクリフは驚きもせず盾ではじき返している。
「はあっ!!」
私は単発ソードスキルを、高速斬撃を交えてヒースクリフの背後に打ち込もうとした。
でも。
「!!」
ヒースクリフは、兄の二刀を盾で、私の高速斬撃を剣で防いで見せた。
もうこれは反則級だろう。
「チッ!」
「ヤロー・・・」
私と兄は、アイコンタクトで意見を交わす。
用はフェイントだ。
兄が二刀流ソードスキル、ダブルサーキュラーを発動する。
二刀は盾だけで何発も防ぐのは厳しい。
その間に、私が高速斬撃で攻撃する。
取り合えず、2割減らせば勝敗が決まるのだ。
私はスッと息を吸った。

兄のダブルサーキュラーが、ヒースクリフを襲う。
ヒースクリフは予想通り、盾と剣で応戦。背後を取られると覚悟してのことだろうか。
それさえも防ぐ術がある?

今はそんなコト、どうでもいい。
思考が加速されて、時間の流れがゆっくりに見える。
「散れええぇえ!!!」
2割減らすだけなのに、ずいぶんな掛け声だが、これが今の私の温度、ということだ。

取れると思ったのだ。
勝てると思ったのだ。

でも。



世界がブレた。


ヒースクリフが、兄と私の間から、瞬間移動でもしたかのように移動した。
ヒースクリフを構成するポリゴンさえも、一瞬ブレていた。
「ぬんっ!」
驚きに目をむく私たちに、ヒースクリフは攻撃をくらわせる。
体勢を崩していた私と兄は、とっさに反応できる筈もなく。
「うわああっ!」
「きゃああ!!」
HPを2割ずつ減らされて、負けた。

ヒースクリフの顔には、厳しさが浮かんでおり、私たちを一瞥すると嵐のような歓声の中、去っていった。 
 

 
後書き
負けましたよキリアさん。
散れとか言ってます。

そしてヒースクリフさんの正体に若干気付き始めてます。
キリトよりもカンはいいのです。 
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