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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第五章 StrikerS編
  第百二十四話  『故郷話、そして捜査の進展と』

 
前書き
後半部分になります。
祈願者トーマス様の感想意見を取り入れまして少し追加修正しました。 

 




Side スバル・ナカジマ



訓練終了後に食堂へと向かうあたし達。
食堂ではテーブルの上にあるお皿に山盛りのパスタが乗せられていた。
それを囲んでいるのはあたし達フォワード陣とシャーリーさん。
士郎さんはいい仕事をしたとばかりの顔になり調理場に戻っていった。
それから全員で食事をしながら話はあたしのお父さん達の話題になる。

「…なるほど。スバルさんのお姉さんとお父さんは陸士部隊の方なんですね」

キャロがそう聞いてくる。

「うん。八神部隊長も一時期お父さんの部隊で研修していたんだって」
「そうなんですかぁ…」
「しかしうちの部隊って関係者繋がりが多いですよね。
隊長達も幼なじみ同士なんでしたっけ?
そしてなのはさんとシホさんは血が繋がっていないけど苗字からして義理の姉妹同士だっていう」
「そうだよ。なのはさんと八神部隊長は同じ世界出身で、フェイトさんも子供の頃はそっちの世界で暮らしていたんだとか…」
「確か…管理外世界の97番、でしたっけ?」
「そうだよ」
「97番って、あたしのお父さんのご先祖様がいた世界なんだよね」
「そうなんですか?」
「そういえば名前の響きとか似ていますよね。なのはさん達と」
「そっちの世界にはあたしもお父さんも行ったことないし、よく分からないんだけどね」
「そうですか」
「そういえばエリオはどこ出身だっけ…?」

なにげなくあたしはエリオに聞いてみた。
でもちょっと声のトーンが落ちて、

「あ、僕は本局育ちなんです」
「管理局本局…? 住宅エリアってこと?」
「スバルさん…!」
「ん、なに? ラン?」
「…いえ、本局の特別保護施設育ちなんです」
「あ…」

いけない。聞く内容を間違ったかもしれない。
ティアからも「バカ」と念話が聞こえてきた。

「あの! 気にしないでください! 皆さんには本当に良くしてもらっていましたから。
全然普通に幸せに暮らしていましたんで…。
それにランさんとレンさんもいましたし…」
「え? ランとレンも!?」
「あ、はい…。
私達の故郷は第72管理世界『アトラス』だったんですけど、魔術事件で両親と住む場所を失いエリオと同じ場所で少し過ごした後、それからシホさん達に引き取ってもらったんです」
「そうそう。その頃からエリオはフェイトさん。ランとレンはシホさんが保護責任者だったのよね」
「はい。物心ついた時からフェイトさんに色々と良くしてもらって魔法も僕が勉強を始めてからは時々教えてもらってて…。
本当にいつも優しくしてもらってて…僕は今もフェイトさんに育ててもらっていると思っています。
フェイトさん、子供の頃に家庭のことでちょっと寂しい思いをしたことがあるって…だから寂しさや悲しさを抱えた子供の事を放っておけないそうです。
自分も優しくしてくれるあったかい手に救ってもらったからって…」
「そっか…」
「…僕達もシホさんがいうには昔の自分にかぶったって言っていました。
シホさんも昔に家族と過去の記憶とかごっそりと大火災で失ったって聞きましたから…」
「記憶も…?」
「はい。詳しくは教えてもらえなかったんですけど一度心が壊れてしまったらしいんです。でも養父の人に救ってもらったって…」

なんかやっぱり色々と抱えているんだね。
隊長達は。

「あの、ところで僕達もまだ聞いたことがないんですけどシホさんはどこの出身なんですか…?」
「ランとレンはまだ聞いたことがなかったんだね」
「はい。シホさんは過去の話はあまり話しませんから…」
「うん」

それで二人は少し寂しそうな表情をしていたのが印象に残った。
でも、シホさんの出身地か。どこなんだろう…?
でもシャーリーさんがそれを答えてくれた。

「シホさんはちょっと特殊かな…?」
「と、いいますと…?」
「みんな、平行世界っていうのを信じる…?」
「平行世界、ですか…? えっと次元世界とは意味合いが異なって似たような隣り合わせの世界みたいなものですか?」
「うん。近からず遠からずだね。
シホさんと、後ついでに士郎さんはね…そのまったく別の魔導が存在せず魔術というものが存在する異世界から来た所謂次元漂流者みたいなもの。
なんでも二人共自身の魔術の異常性の為に世界中から追われる羽目になって師匠さん達の手によってその世界からこの世界に逃げてきたんだって」
「そんな事が…」
「うん。それで詳しくは分からないんだけど、二人は一度離れ離れになって、それでシホさんは紆余曲折あってなのはさんの家の養子に。
士郎さんも色々な事情があってアインスさんと結ばれて八神家の家族になったっていう話なのよ」

シホさん達、世界から追われるほどの事があったんだ。

「追われる原因に関しては…?」
「うん。シホさんと士郎さんの魔術は“転送”魔術というもので様々な武器防具をどこにあるのか分からない武器庫から取り出せるというものでその武器一つ一つがチート臭い威力を発揮するらしいの。
ここ最近は使っていないらしいけど、もし本気で使ったら機動六課全員で挑んでもきっと敗北は必至かもしれないね」
「なのはさん達でもですか!?」
「うん。そもそもなのはさんに戦い方を一から叩き込んだのはレイジングハートさんやシホさんなんだよ?」
「「「「「「ええー!?」」」」」」

驚きだ。そんな裏話があっただなんて。
それならシホさんも教導隊に入るのも必至だったのかもしれない。



◆◇―――――――――◇◆



Side シホ・E・S・高町



…スバル達と少し離れた席ではなのは達と一緒に食事をとっていた。
料理をわざわざ士郎が運んできてくれて、

「ふむ、それでシホ。最近のフォワード達の動きはどうかね?」
「まぁ、いい感じだと思うわよ。ね、アルトリア」
「はい。個人訓練に入りましたらそれぞれの目指す分野がさらに見えてきた気がすると言っていましたから確かでしょう」

アルトリアは三人前くらいはある料理を丁寧に食べながら返事を返してくれる。
ユニゾンデバイスだから太らないのは羨ましい…。

「でも、ちょっとなのはのティアナに対する訓練に一言物申すわ」
「…え? な、なにかいけないことがあったかな?」

それでなのはは久々に体をビクビクと震わせている。
別に怒るわけじゃないんだからそう構えなくてもいいわよ。

「別に、なのはの教導は別段いけないというわけじゃないわ。
でも、ティアナにはもう一つの道も示してあげたらいいかなと思うのよ」
「もうひとつの道…?」

それでなのはは少し首をかしげる。

「そう。なのはの教えるセンターガードの心構えはなのは基準で行っているけど、ティアナはなのはと違ってまだそんなに長距離が得意というわけでもない。
いまのところは中距離で力を発揮するタイプね。
そしてもう一つは防御がなのはと比べるとティアナは薄いから足を止めて精密射撃をするのはチーム戦なら有効だけど、いざ単体戦闘になったら一気に狙われて袋の鼠になってしまうわ。
言葉で表してみると分かるとおり、なのはは『射程が長く、防御も堅い重砲撃型』。
それに対してティアナは『射程も短い上に一発の被弾で致命傷にもなる恐れがある防御の薄い軽射撃型』ってところかしら…?」
「お! シホの嬢ちゃん、なかなかいいところをついているぜ」
「ランサーに同意してもらえると私も嬉しいわ。
それでね。なのはの教導と一緒に私もティアナに私流の教導を教えたいんだけど、いいかしら?」
「たとえばどんなものなのだ? 奏者よ」
「うん。常に動き続けながらも標的を正確に狙える集中力や持久力に命中率の精度の向上、そして射程距離も伸ばせる方向性も示したらいいかなと思って…。
せっかくクロスミラージュのサードモードである長距離特化型のロングレンジ戦闘用であるブレイズモードがあるんだし。
なのはの教導がある程度身に付いて、サードモードも解禁になったら今言ったのも本格的に教導も行なっていったらティアナはもっと強くなると思うわよ。
それに銃の使い手であるヴァイスにも教わるのも一つの手でもあるわ。
最近、「腕が錆び付いていないか見てくれませんか?」とか相談をヴァイスに受けているからちょうどいいと思うしね」
「うーん…さすがシホちゃんだね。ティアナの事を色々と考えているのがわかるよ。
…うん、それもティアナがスキルを上げていったらお願いしてもいいかな? シホちゃん」
「任せて、なのは。みんなでティアナをセンターガードにふさわしい子に育て上げましょう。
そして他のフォワードのみんなもしっかりとついてこれるように頑張りましょう」
「「「「「うん(はい)(おう)」」」」」

みんなも快く返事を返してくれたのでこれからのティアナだけじゃなくみんなの成長が楽しみだわ。
まぁ、それはそれとして、

「…さて、真面目な話をした後でなんだけど…士郎~…少しいい?」
「なんだね、シホ? 急に猫なで声を出して…」
「いやね。最近、料理を作る機会がなくてなんか禁断症状が出ているのよ。
こう、料理を作りたいって…。
だからそのうち厨房を借りてストレス発散させてもらってもいいかしら…?」
「なんだ、そんな事か。ならば時間が空いている時に来るがいい。
シホになら一角を任せても安心できるからな」
「ありがとう、士郎…」
「シホちゃんの料理かー…そういえばここしばらく食べていないよね?」
「シホの料理ですか…楽しみです」
「うむ、余も奏者の料理は好きだぞ!」
「私も食べたいです! お姉様!」
「作る時はみんなを呼ぶわね」

それで近々、私はみんなに料理を振舞う約束をしたのだった。



◆◇―――――――――◇◆



Side 八神はやて



今108部隊の隊舎で私はナカジマ三佐と話している。

「新部隊、なかなか調子いいみてぇじゃねーか」
「そうですね。今のところは」
「しかし、今日はどうした? 古巣を見に来るほど暇な身でもなかろうに」
「愛弟子から師匠へのちょっとしたお願いです」
「―――失礼します」

そこにブザーが鳴り中にギンガとリインがお茶を持って入ってきた。

「ギンガ! 久しいな!」
「はい八神二佐、お久しぶりです!」

それで二人で話し合いながらも、ナカジマ三佐に本題を振られる。

「で…? なにをお願いしたいんだ?」
「はい。お願いしたいのは、密輸物のルート捜査なんです」
「お前のところで扱っているロストロギアか?」
「それが通る可能性がいくつかあるんです。
詳しくはリインがデータを持ってきていますのでそちらを後で渡しますが…」
「ま、うちの捜査部を使ってくれるのは構わねぇし密輸捜査はうちの本業だがな、だが本局や他の捜査部で頼まないのにはなにか理由があるのか?」
「捜査自体は彼らにも依頼をしていますが地上の事はやっぱり地上部隊の方がよく知っていますから」
「ふっ。まぁ、筋は通っているな。いいだろう、引き受けた」
「ありがとうございます!」
「捜査主任はカルタスでギンガはその副官だ。
二人共知った顔だしギンガならお前も使いやすいだろう」
「はい。ウチの方はテスタロッサ・ハラオウン執務官が捜査主任ですからギンガもやりやすいでしょう。
すみません…スバルに続いて、ギンガまでお借りすることになっちゃいまして、ちょっと心苦しくあるんですが…」
「なに、気にするな。
スバルは自分で選んだことだしギンガもハラオウンとのお仕事は嬉しいだろうよ」
「はい」
「しかし…まぁ気がつけばお前も俺の上官だもんな。
魔導師キャリア組の出世は早いなぁ」
「魔導師の階級なんてただのお飾りですよ。
中央や本局にいったら一般士官からも小娘扱いを受けるんですよ?」
「だろうな………おっと、俺もそういえば小娘扱いしていたな」
「ナカジマ三佐は今も昔も私が尊敬する上官ですよ」
「ふっ、そうかい。ならこれからも小娘扱いをしていくとするかね」
「それはひどいですよ」
「はははッ!」

それで二人で笑い合いながら話しているとモニターが映りだし、

『失礼します。ラッド・カルタス二等陸尉です』
「おう。八神二佐から外部協力任務の依頼だ。ギンガ連れて会議室で打ち合わせをしといてくれや」
『了解しました』

それでラッド二等陸尉との通信は切れる。

「と、そういうわけだ」
「はい。ありがとうございます」
「打ち合わせが済んだらメシでも食いにでも行くとするか」
「はい。ご一緒します!」

それからリインと合流して、

「ギンガもこちらに協力的ですし新デバイスの件も喜んでいました」
「そうか。ならええな」

ギンガも出向してくればウチの部隊はかなりの強化がされるだろう。楽しみや。
まぁ、ウチはもう十分強化されまくっていて異常といってもええけどそこは言わないお約束ということで…。



◆◇―――――――――◇◆



Side フェイト・T・ハラオウン



私は現在、シャーリーと一緒に首都中央地上本部まで赴いて調べ物をしていた。

「レリック自体のデータは以上です」
「封印はちゃんとしてあるんだよね?」
「はい。それはもう厳重に………でも、よくわからないんですよね。レリックの存在意義。
エネルギー結晶体にしてはよくわからない機構がたくさんありますし、動力機関としてもなんだが変ですし…」
「ま、すぐに使い方がわかればロストロギア指定なんてされないもんね」

それからシャーリーは破壊したガジェットの映像を映し出す。

「はい。こっちはシグナムさん達が捕獲してくれたのと変わりはないですね」

それから色々な残骸映像が映されたがそこに見逃せないものが映っていた気がした。
それですぐにシャーリーに映像を戻してもらい、発見した。

「ジュエルシード…ずいぶん昔に私となのは、シホが集めていたもの。
今は局の保管庫で管理されているはずのロストロギア…」
「おー、なるほど…って、なんでそんなものが!?」
「シャーリー。ここ、ここの部分を拡大して! なにか書いてある!」
「は、はい!」

そして拡大してもらうと、

「これ、名前ですかね?」

そこに書かれていた名前は…。

「ジェイル・スカリエッティ…」
「誰です? その人…」
「Dr.ジェイル・スカリエッティ。
ロストロギア関連事件を初めとする数え切れないくらいの罪状で超広域指名手配されている一級指定の次元犯罪者だよ」
「次元犯罪者…」
「ちょっと事情があってこの男は何年も前からずっと私が追っているんだ」
「そんな犯罪者がなんでこんなにわかり易い手がかりを残すんですかね?」
「本人だったら挑発。他人だったらミスリード狙い。
どっちにしても私やなのは、シホが関わっていることをきっと知っている。
だけど本当にスカリエッティだとしたらロストロギア技術を使ってガジェットを製作できるし、レリックを集めている理由も想像できる」
「理由…?」
「シャーリー。このデータを集めて隊舎に戻ろう。隊長達を集めて緊急会議をしたいんだ」
「はい。わかりました」

それでシャーリーにデータを全部まとめてもらう。
これでスカリエッティの事に少しでも近づければいいけど…。



◆◇―――――――――◇◆



はやてはナカジマ三佐達と食事をとっている時にフェイトからその連絡をもらい、

「わかった。すぐに戻るから対策会議をしようか。ちょうど捜査の手も借りられたところやから。うん。そんなら後で」

フェイトとの通信を切り、

「なにか進展ですか?」
「うーん…事件の犯人の手がかりがちょっとな。
というわけですみません、ナカジマ三佐。私はこれで失礼させていただきます」

それではやてが伝票を取ろうとするとナカジマ三佐に取られてしまった。

「そんなっ!?」
「さっさと行ってやんな。部下が待ってるんだろう? 勘定は俺持ちで払っといてやるよ」
「…はい! ギンガもまた私かフェイトちゃんから連絡するな」
「はい。お待ちしています」

それではやてはナカジマ親子に後を任せて店を出ていった。






…フェイト達も車の中で、

「Dr.スカリエッティでしたっけ? あの広域指名手配犯の。その人がレリックを集めている理由って例えばどんな?」
「あの男は、Dr.の名の通り生命操作とか生体改造に関して異常な情熱と技術を持っている。
そんな男がガジェットみたいな道具を大量に作り出してまで探し求めるからには………なにかとんでもない事を起こすかもしれない。それだけは言えるよ」
「そうですか…」



◆◇―――――――――◇◆



Side シホ・E・S・高町



「それじゃ夜の訓練も終了ね」
「「「「「「おつかれさまでした!」」」」」」

そう言ってフォワードの六人はその場を後にしていく。
ヴィータが「ちゃんと寝ろよ!」というとなんとか返事が返ってくる。

「…しっかしなのは達も頑張るよな。朝から晩まで連中に付きっ切りだよな」
「そうね。私もだけどなのはは少し働き過ぎなところがあるわね」
「はいです。私達も同じ戦技教官の仲間なんですから頼ってください。なのはさん」
「うん」
「それともっと厳しくしねーでいいのか? あたしらが昔受けた新人教育なんて歩き方から挨拶までもうなんでもかんでも厳しく言われていたじゃんか?」

ヴィータの言うとおりね。
私も初めてまっとうな教育というものを受けたけど疲れるものだったから。

「戦技教導隊のコーチングってどこもだいたいこんな感じだよ」
「そうねぇ…」
「はい…」
「細かいことで叱ったり怒鳴りつけたりしている時間があるなら模擬戦で徹底的にきっちり打ちのめしてあげる方が教えられる方が学ぶことが多いって…教導隊ではよく言われているしね」
「確かに…私も模擬戦でよく叩きのめしているし」
「私もです」
「おっかねぇな…」

ヴィータが少し引いている。
ま、それはそうだろうね。

「私達がするのはまっさらな新人を教えて育てる教育じゃなくて、強くなりたいって意志と熱意を持った魔導師達に今よりハイレベルな戦闘技術を教えて導いていく。戦技教導だから」
「ま、なんにしても大変だよな。教官ってのは」
「でも、ヴィータちゃんもちゃんとできているよ」

そう言ってなのははヴィータの頭を撫でる。

「なのは! あたしの頭を撫でるな!」
「立派立派~」
「微笑ましいですね」
「そうね」
「奏者よ。余も頑張っているから頭を撫でてくれ!」
「はいはい。わかったわ」

それでネロの頭を撫でると犬のように喜ぶ。
ああ、やっぱり癒しだ。

「シホもネロに甘いですね」
「ん? アルトリアも撫でてもらいたい?」
「いえ、私はいいですよ。シホ」
「そう、残念ね…」

そこにオリヴィエ陛下がやってきて、

「ですが、なのは。あなたも少し休んだほうがいいですよ? 体は一つしかないのですから無茶をしたら倒れてしまいます」
「うん。わかっているよ。オリヴィエさん」

それから隊舎まで歩いていく中で、ヴィータに話しかけられて、

「フォワードの連中は自分たちがどれだけ幸せか、気づくまでかなり時間がかかるだろうな」
「そうね…」
「自分勝手に戦っている時もいつでもなのはやシホ達に守られていて幸せに…。
あたしはスターズの副隊長だからな。なのはの事はあたしが守るんだ」
「そっか。でもなのはの前でも素直に言えたらいいわね」
「うるさい! 恥かしくて言えるか!」
「…ん? どうしたの、みんな?」
「いえ? なんでもないわよ。ね、ヴィータ?」
「お、おう…なんでもねぇよ!」
「ふふふ…」

私は微笑ましくてついつい笑みを浮かべるのだった。


 
 

 
後書き
後半はそれぞれの故郷やシホの話。
それとゲンヤ、ギンガ登場回。
シホと士郎の魔術はいまだに真実を知る者以外は投影魔術ではなく転送魔術として管理局には認識されています。

そしてついにお気に入り登録者数が1400人を突破しました。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。
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