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ワンピース*海賊と海軍、七武海と白髭。

作者:斎藤海月
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第一部
縮まる距離。
  甘ーい日。喧嘩。2

いつもみたいに朝も昼も夜もなかなかこの街の住民と会えないあたし達は、


なかなか次の街に出航する事が出来なくてずっとこの街に留まったままだった。


けどそれから十日後の朝の事だった


リノ『はぁぁぁぁ!!!!!????』


朝から情報収集に向かうと言いだしたエースとマールがいない宿部屋にはあたしとレオンがいたけど


心地良さそうに寝ていたレオンがあたしの声を聞いた途端に飛び起きた


リノ『んなバカな事があってたまるかアホォォ!!!』


センゴク『アホとはなんじゃアホとは!!』


リノ『何で!?は!?一体何があってそうなんのアホ!!』


センゴク『じゃからアホと連呼するんでない!!』


レオン『リノどうした?』


リノ「最悪な事になった・・・」


朝っぱらから電話する事だけが嫌で電話に出たら、


この大仏男が出るし電話に出たら出たで…


バカにも程があるだろ?!


リノ「エースは?」


レオン『マールと一緒だ』


リノ「絶対にこの部屋には近づけないでね」


レオン『・・・承知』


大仏男に聞かれないように胸に当てていた受話器を口前に持って行くと、


レオンが部屋を出て行くのが見えて電話に出直した


リノ『一体どうしたらそうなる訳!?』


センゴク『お前がわしからの電話を無視しとるからじゃろう』


リノ『約束の三ヶ月はまだ経ってないんだけど』


センゴク『二ヶ月もやれば十分じゃろう』


リノ『二ヶ月とは言ってもまだ一ヶ月と五週間だけなんだけど』


センゴク『それでも良い方じゃろう?!』


リノ『は?お前ざけんな』


センゴク『わしらはお前の条件を飲み込んでやったんだぞ!?

ボア・ハンコックを連れて一度でも良いから会議に来んか?!』


リノ『あたしは言ったはずでしょ?蛆虫どもが集まる場所には絶対に行かないって』


センゴク『それでもお前は七武海か!?』


リノ『違うわ!!』


センゴク『今更否定する事か!?お前は七武海の中でも強い海姫と呼ばれているんじゃぞ!?』


リノ『だからそういう根拠も無い事言うんじゃねーよ!!

誰かに聞かれたらどうすんの!?ていうか名前は伏せろっつっただろーがアホ!!』


センゴク『喧しいわい!!根拠じゃと!?

ドフラミンゴにも鷹の目にも勝ったじゃろーが!!』


リノ『そ・れ・は!!

あたしじゃなくてレオンたちだっつーの!!』


センゴク『ペットが勝った事に変わりはない』


リノ『テメェーぶっ殺すぞオイ!!

レオンたちはペットじゃねェェよ!!仲間だ!!友達だアホッ!!』


センゴク『知るかッ!!』


リノ『テメェーのヤギと一緒にすんじゃねェーよ!!』


センゴク『ヤギとは失敬な!!』


リノ『テメェー文句だけ言いに来たのかよ!?』


センゴク『違うわい!!・・・あ、そうじゃのう・・・それを忘れていた』


・・・・・・オイ、お前まじで次に会った時はぶっ飛ばすからな


絶対にぶっ飛ばすからな!!絶対の絶対に!!


センゴク『今度、ルーキー海賊団を沈没させる為の会議があるんじゃ』


リノ『へーえ』


センゴク『王下七武海の全員を召集しようと思うんじゃ、じゃからお前も来るんじゃ』


リノ『だ・か・ら!!あたしは蛆虫がうじゃうじゃいるとこには行きたくないの!!

第一ルーキーとかそこら辺の弱い奴らでしょ』


センゴク『今、名前を上げ始めているのが・・・たくさんあるんじゃがどれから知りたい?』


リノ『んー・・・賞金金額が高く上がった海賊』


センゴク『麦わらの一味じゃのう一億六千万ベリーじゃ』


リノ『・・・・・・・。』


・・・ちょっと待てよ。


「「ガチャン」」


電話を切ると、胸ポケットの中に小でんでん虫を閉まって


混乱する頭を落ち着かせようとベッドの上に倒れた


・・・・・・・いやいや。一億六千はさすがに・・・・・・・・


いやでもアイツがたかだか懸賞金を読み間違える事は無い


だって懸賞金はアイツがやってるんだし、張本人が間違えるはずが無い・・・


いや、絶対に・・・


「「バタンッッ」」


顔を埋めていたから誰が来たのかは分からなかったけど


エース「おいリノ」


いつもとは違う雰囲気のエースの言葉に、エースの後ろに居るレオンたちの青ざめた顔


・・・・・・嫌な予感だけしかしなかった


リノ「何?」


エース「今の電話どういう事だよ!?」


リノ「!!」


レオン達の方を見ても、レオンとマールは申し訳なさそうな顔して俯いた


・・・・・・となると話は、聞かれちゃったのか。


エースだけには知って欲しくなかったのに


エース「今の話、本当なのか!?

お前は・・・・海軍じゃなくて・・・・・海賊なんだろ・・・!!?」


リノ「・・・それは・・・」


エース「なぁ・・・違うって・・・言ってくれよ・・・」


この反応からして・・・エースは、海軍を嫌ってるって訳なんだよね、やっぱり。


・・・でもここまで来たんだったら隠す事もはぐらかす事も出来ないし、


エースはそこまでバカじゃない・・・


リノ「・・・あたしは・・・海軍の人間。」


エース「?!・・・・・・・それじゃあ・・・・・・ずっと・・・騙してたのか・・・?」


リノ「騙してた訳じゃない!!」


エース「じゃあ何だよ!?」


リノ「っ」


会ってから今日まで見た事も無い顔して、


エースがあたしの上に乗って両手を抑えた


エース「前に俺に言ったよなァ!?海賊だって!!自由に生きたいから旅人かもって!!

なのに海軍ってどういう事なんだよ!?」


リノ「っ・・・・・・」


エース「何でだよ!?ずっとずっと・・・騙してたのかよ!?」


何も言えなかった。


言葉が見つからなかったのもあるけど、エースが・・・


・・・エースが泣いていたから、何も言い返せなかった


マール『エースお前・・・リノの事・・・』


リノ「っ・・・」


自分が可笑した過ちに気付いた時はエースは、レオンとマールの前を通って


ドアの前に立ってドアノブを持っていた


エース「・・・これからは一人で黒髭を捜しに行く。

リノ、お前ともここで・・・・・・・・・お別れだ」


全然予想してなかった別れ。


リノ「っ・・・」


全く予想してなかった。


エースが部屋のドアを閉める時でもまだ追いかけてれば間に合ったのかもしれない


でも追いかける事が出来なかった


枕に顔を埋めて、枕を思い切り抱きしめて


外から聞こえるエンジン音に息を殺して泣くしか出来なかった


レオン『・・・リノ』


分かってた。分かってたよ、エースが海軍を嫌ってる事。


・・・それをずっと隠してたあたしが一番悪い


・・・・・・・・・・・男なんて、好きにならなければ良かった。


男なんて・・・蛆虫なんて・・・好きにならなければこんな事にはならなかったのに・・・


マール『・・・・・リノ、こんなとこにいても意味はねェ・・・。

オレたちの仲間が待つ女ヶ島に帰ろうぜ?』


リノ「っっ・・・」


レオン『女ヶ島に戻って、残りの時間で心を休ませるんだリノ』


レオンとマールがあたしの元に来ると、


あたしは枕に顔を埋めたまま頷く事しか出来なかった 
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