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少年は魔人になるようです

作者:Hate・R
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第7話 少年達は知り合うようです

Side 愁磨



さて、エヴァを助けて数時間。俺は大ピンチだ。

殺されかけている訳じゃない。痴情の縺れで「誠君、死んでください」

になっている訳でもない。


あの後、眼を覚ましたノワールにキレられて、第一次殲滅事件(俺命名)を説明し終わった後、

「なんで私を気絶させたんだ!!?」って言われて、あまりの剣幕に仕方なく、


「覚悟が出来てなくて、止め刺すのに邪魔になると思った。」


的な事を言ったら、

それ以降、怒るでもなく、泣くでもなく、口を利かないでムスッとしておられる。

はぁ、悲しませないって言って舌のね乾かない内に、何してんだか俺は。

泣かれてないから大丈夫だとは思うんだが・・・・・・。


どうでもいいけど、ずっと頬を膨らませてると、風船膨らませた時の

内頬がキーンって感じになるよね~。ノワールは大丈夫なのかな?


・・・・・話を逸らすのはやめようか。


さて、どうしたら良いんでしょうか?エヴァも居心地悪そうだし・・・・

そ、そうだ!自己紹介しようか!!

人が自己紹介するってのに、自分は自己紹介しないなんて

失礼なことはしない子だしな!!では早速行こうか!!

断じて遅く無い!!遅くないぞ?!


「コ、コホン。の、ノワール?こちらはエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。

ほら、さっきの吸血鬼の子だよ。(行けエヴァ!!頼む!!逝ってくれ!!)」

「(字が違いますよ?!)ん、んんっ。は、初めましてノワールさん。

私はエヴァンジェリン。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルって言います。

長いので、どうぞエヴァって呼んでください。よ、よろしくお願いします。」


エヴァはビビりながらも、恐る恐るノワールに手を出す。


「………………………………。」


僅かな・・・沈黙・・・ッッ!!き、きついぞ、これは!?

そばに居る俺ですらこの重圧ッ!!相対しているエヴァの負荷は図り得ない!!!

一秒も経ってないのに冷や汗をかいているッッ!!!


「……ノワール。ノワール・P・E・織原だ。……よろしく。」


その言葉を聞くと、俺とエヴァはホッと息を吐く。


「あ、あの。ノワールさんはアーカードさんとどう言う関係なんですか?」

「…アーカード?……一体誰の事だ、それは?私は知らんが。」

「え、ええっと……。あそこの人です。私を助けてくれた……。」

「さぁ!?舌の根も乾かない内から裏切ってくれた奴の事など、私は知らないが?!」

「あは、あははははは……。」


キッ!と俺を睨んでくるエヴァンジェリンさん。


「(何をしたか知りませんが、後はあなたがなんとかしなさい!!!)」

「(………うう、分かりました………。

悪いが、離れててくれ。1km以内なら結界あるから。)」


ふぅ、とため息をついて離れていくエヴァ。

そして俺はノワールの背後になんとなく正座で座る。


「ノワール…その、悪かった。

…言い訳だが、目撃者を残すわけにはいかなかったんだ。

今賞金首になるのは面倒だったんだ。せめてエヴァが力を付けてからじゃないと、

何かあった時、エヴァにもしもってことがあったから……。」

「……人間如きの力であったなら、リミッターを着けているとは言え、

お前なら対処出来るだろう……?」


そう、俺はまだ、感情が昂ったりした時の力の制御が完璧でないから、

リミッターをかけているのだ。――いや、そんな事はどうでもよくてだな。


「い、いや、確かにそうかもしれんが、イレギュラーが起きた時の事を考えた場合、

皆殺しにした方が危険が低かったんだ。」

「しかし、その程度のイレギュラーなんて、私がエヴァを守っていれば問題ないだろう?」


言いつつ、ノワールが俺の方を向く。


「う、その通りだ………。」

「…た、確かに私はあの時、お前が全員殺すと確認した時、覚悟が出来てなかった。

お前なら連れて逃げる事など雑作も無いと思ったし、そこまでする必要も無いと思ったからだ



私も、追われながらの生活など勿論嫌だし、そう言う事は極力避けるべきだと思う。

……だから、お前のあの時の行動は正しいのだ………。」


あ、あれ?意外と納得してた?ならなんで拗ねてたんだ?


「だが、私は悲しいのだ……シュっ、シュウに、信じて貰えなかった事も……。」

「いや!?俺はノワールを信じてるぞ?!ただあの時は―――」

「そうでは無い!そんな事は分かっている!!

お前が私の事を思ってやってくれた事も……!しかし、わっ、私は嫌なのだ…。

こんなモノ、駄々を捏ねているだけだと分かっている…。

私が起きた時、そこがお前の創った『闇』の中だと分かった。しかし、不安なのだ……。

寝る時に、起きた時に、シュウが居ないのが、不安なのだ………ック…。」

「(また!?)の、ノワール。」


「何時もそっ、傍に、シュウが居なぃ、と、不安なのだ……!!

こっ、んな、女、面倒だと、思うぅ。だけど、だけどぉぉ………

わっ、私は、弱くて、弱く、なっ、てしまって………

私には、私には、シュウしか、居ない、から、だか、ら、だから…………。」

「もういい。もういいから。ごめんな。

ごめんな、ノワール。こんな奴で、ごめんな……。」


俺は正面からノワールを優しく抱きしめてやる。

最近頻繁すぎないか、これ?ふぅ、もっと精進しないといかんな。。


「シュウ、は悪くない、のだ…ィック。こんな、こんなことっ、でっ、

泣いてしまうような、私が、いけ、なッい、のだ……!」

「いや、俺が悪いんだ…ってこれじゃ終わんなくなるな。」

「だから、私が―――」

「もう良いってば。な?落ち着くまで黙ってろ。」

コクリと頷くと、ノワールのすすり泣く声だけがしばらく続いた。


Side out



Side エヴァンジェリン


私は、アーカードさんに離れていろと言われましたが、近くの茂みに隠れる事にしました。

だって、結局分かったのはアーカードと言うのが偽名という事と、

ノワールさんの名前、そして二人がある程度近しい関係という事だけです。

ああ、あとはアーカードさんが強く、残忍だけど優しい(?)という事。


結局殆ど何も分かっていません!!

と言う訳で、二人の話を聞いていれば何かしら情報を聞けると思ったのです。


幸い、50m程離れていますが、二人の会話は聞き盗れます(誤字では無いです)。

吸血鬼になったからでしょうか?



「―、、いや、確かに――れんが、イレギュラーが起きた時の事―――合、

皆殺――――険が低かったんだ。」

「し―、――程度のイレギュラーなんて、私がエヴァを守って―――問題ない――――?」


むむ?神父、いえ、吸血鬼(魔女)を助けたのですから、教会の魔法使いが派遣されるはずです



普通の人なら泣いて逃げる所を、あの人たちはイレギュラー、しかも多分「そんな程度」って

言ってますから、やはり相当強いのでしょう。

しかもあの口調から、ノワールさんがアーカードさんと別で、

しかも私を守りながら戦うと言ってますから、ノワールさんも強いのでしょう。



「―――、私は悲し――――…シュっ、シュウに、信じて貰えなか―――も……。」

「いや!?お―――ルを信じてるぞ?!ただ―――――」



むむむ!?『シュウ』とは?!おそらくアーカードさんの本名ですね!!

これだけでも聞いていた価値があります。

でも、アーカードさん、ノワールさんの尻にしかれている様な・・・・・



「何時――――――ュウが居なぃ、と、不安なの――――!!

こっ、んな、―――――――うぅ。だけど、だけどぉぉ………

わっ、――――――――く、なっ、てしまって………

私には――――には、シュウしか、居な――ら、だか、ら、だから…………。」

「もういい。もう――――めんな。

ごめんな、ノワール。こん――――な……。」



あわわわわ?!ノワールさんが泣きだしたと思ったら、アーカードさんが

ノワールさんを抱き締めました!!あの二人、雰囲気からすると、恋人なんでしょうか?


・・・・・ちょっと、残念です。アーカードさんは、私のピンチを救ってくれた、

白馬の・・・・いえ、見た目はお姫様みたいですし怖かったですが。

私にとっては、白馬の王子様だと思っていましたのですが、先を越されていた様です。

・・・・・でも、これで良いのかも知れません。


私は吸血鬼で、あの人達は強いと言っても人間です。私より、遙かに早く死んでしまいます。

ちょっと、・・・かなり、絶対に諦めきれませんが、この思いは封印しておきましょう。

永遠を生きるであろう私が、恋なんてしても、ダメなんですから。



Side out




Side 愁磨



ノワールが落ち着いたので、エヴァを呼び、これからの修業とか

いろいろ方向性を決めようとなった。


「さて二人とも、俺の案は二つ。エヴァの各地を回りつつエヴァの修業をするか、

それとも一か所に留まってするか。この二つだけど、どうだ?」

「それしかないだろうな。しかし、私は一か所に留まるのは反対だな。

幾ら私の結界と云っても、留まるだけ危険になる。」

「わ、私もその方が良いかと…。

それに、色んな所に行ってみたいし……。」


エヴァがなんか、いきなり敬語使わなくなったけど・・・・まあ良いか。そっちのが楽だし。


「OKOK。んじゃ諸国漫遊しながらエヴァに地獄をたいけ「え!?なっ、何それ!!?」

うるさい。一緒に来るなら地獄を見せてやると言ったろうが。

んで、行く場所はどこが良い?」

「お前の故郷はどうだ?今なら武勲は立て易いと思うぞ?」

「日本か?ダメダメ。戦国は1467の応仁の乱か、1493の明応の政変から始まると

言われてるから、最低後50年は待たないと。…って、あ。」

「日本?ってどこの事?後、今の言い方、まるで先の事が―――――」

「ちなみに日本はえっと、ジパング、ジャパン、黄金の国、東とかそんな感じの

呼び方をされてる、小さな島国だ。で。」


ガシィ!!!


「あとは忘れてくれ。な?(ニッコリ」


俺の誠意ある説得にガクガクガクガクガク!!と首を縦に振るエヴァ。

良かった。説明すんのはいいけど、信じられんだろうしな。


「と言う訳で日本は却下。遠いしな。行くなら他んとこ回りながら行こうぜ。

で、俺は欧州を南下、アフ……暗黒大陸を回り、北東に。中ご……そのまま緩やかに

東に向かい、日本へ。こんな感じでどうだ?」

「私はかまわんぞ(然し魔法世界に行かなくて良いのか?)」

「(ああ、これは建前。エヴァはアフリカ居る内に完成させる。

後は俺とノワールでトンズラこいて魔法世界に入る。)」

「(むぅ、騙すみたいで申し訳ないが。まぁいいだろう。)」

「私もそれでいいと思うけれど。(二人で何コソコソやってんのよ…?)

でも、まさか歩きながら修業する訳じゃないわよね?」

「ああ、だから、これを使う。」


そう言いつつ取り出すのは、何の変哲もないダイオラマ球。しかしこれは、俺の特別製。


「ダイオラマ球……?そんなの使ったら、二人は―――」

「心配無用です奥さん!!このダイオラマ球、私の特別製!!

外部との時間齟齬はなんと1時間につき96時間!しかも老化防止も付いているため、

歳をとるのは外の時間の半分!!今ならたったの5万円!!

しかも魔法指南書低・中・上級用が付いてくる!!」

「きゅ、96時間!?うそ?!だっ、だって、最新式でも6時間が限界だって……」

「そ、そこは、俺は天才だからな。で、旅の休憩中にこの中で休憩と修業をする。

時間はこちらの時間で5時間ずつ。

流石にその位ならノワールの結界でバッチリ守れるだろ?」

「ああ。5時間だったらこちらの…創造主だったか?

でさえ気付けない物を張っていられるぞ。」

「流石俺のノワールだ。愛してるぞ!!」

「きゅっ、急に何を言うか!!///からかうな!!」

「いいや、俺は真剣(マジ)だぜ……?」

「コホンコホン、そう言う事は人の居ない所でしなさい!!

行き先が決まったなら行きましょう。さあ!!」

「ククク、分かった分かった。行こうぜ、ノワール。」

「う、うん。わかった。(もう少しだったのに・・・・・)」

「ん?んんん。どうした?ノワール。」

「い、いや、なんでもないぞ!?///」


全く、何時まで経っても素直じゃない。まあそこが―――――


「は!や!く!何やってんの?!置いてくよ!?」

「わーかった、分かったって。全くもう。」


―――こうして、のんびり旅行とエヴァの地獄の修業は始まった。


Side out








――――100年ほどたったある日。




Sede愁磨


俺達は今、あの喜望峰あたりを旅してる。

・・・うん?なんで暗黒大陸過ぎたのに

なんでまだ旧世界に居るかって?そりゃあんた、エヴァが居るからだよ。

――それこそなんでだ、だって?

・・・確かにエヴァの修業は殆ど終わり、後は自己研鑽の時期だ。

それなのになぜ一緒に居るのかって?

うん、ぶっちゃけさ、親心付いちゃったんだよね!!―――痛い痛い!物投げんな!!



50年――

と言っても、実際はダイオラマ球内で300年くらい修業してだな。

で、ある日、全く成長も老けもしない俺達に、

流石に疑問抱いたらしく、真剣な顔で聞いて来たから、

そこで、俺の本名と不老超長寿、あと『創造』について軽く教えた。

教えてやったら「良かった、良かったよぉぉぉぉ……」って

泣き崩れたから、焦った焦った。

その頃にはもう原作通りの性格になってたからなぁ。


抱き締めて慰めてる時に「まだチャンスはある!!」って

言ってたけどなんなんだろうな?


原作通り?のエヴァだが、俺とノワールには素直で、俺には偶に甘えて来たりもする。

・・・性格が少々違うが、きちんと『悪の魔法使い』にはなった。

・・・そうでないと修業で死ねるように教育したからな。


それで、そろそろ良いだろうとある日、エヴァに言わずに旅に出ようとしたのだが、

300mも離れると俺とノワールは原因不明に胸が苦しくなって息が出来なった。

寝どこまで戻って、エヴァの寝顔を見るとなぜか治った。

数日後、エヴァに話してから行こうとしたのだが、俺は、「お前としばら――」まで言ったら



泣きそうな顔になったエヴァに、それ以上何も言えなくなり、

「なんでもない!なんでもないんだ!!」と言って抱き締める事になった。


ノワールに至っては、

「エ、エヴァ。はっ、話があっ、るんだ、う、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

と泣き叫び、俺とエヴァにより「もういい!!もう良いんだ!!お前は頑張った!!」

と慰められる事となった。

エヴァは終始和訳が分からないと言った顔をしてたが。

こんな感じで俺達はエヴァと離れられずに旅行を満喫する事となっていた。


ちなみに、やはり不老不死関係で各地で戦闘になり、

目撃者を全て消すことは出来なくなっていった。

流石に助けた農民とか商人まで殺す気にはなれなかったのだ。ノワールに止められたし。

そして、下手なモンタージュ程度の手配書が回るようになり、微妙な二つ名も付いた。

『吸血鬼の親』だの『黒の魔女』など、厨二さの欠片も無いモノだ。一つだけ、

『不死の白雪姫』(ノスフェラトゥ・スリーピング・ビューティー)と言うのがあったが、聞いた時は

「俺は男だあああああああああああああああああああああああ」って叫んだのは言うまでも無

かろう。

女の格好するのに抵抗は無い俺だが、女扱いされるのは嫌いだ。


懸賞金は俺が100万、ノワールが45万、エヴァが150万。

ノワールは殆ど戦闘に参加しない(俺がさせない)から低めだな。

主に戦闘しているのは俺だが、エヴァの方が高いのは吸血鬼補正だろうか。



「なあ、兄さま。一つ相談があるんだが。」


と、俺の隣から、エヴァの声がかかる。エヴァは聞いての通り、いつからか

俺を『兄さま』、ノワールを『姉さま』と呼ぶようになった。


「おう、どうした、エヴァ?」

「そうそう、遠慮しないで言ってみなさい。」

ノワールは、エヴァのいる所では女の子言葉になった。

姉さまって呼ばれてるからかな。


「私は魔法世界に行こうと思うんだが、いいか?」


ズガァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!と、俺達に雷が落ちる。


俺達は寸分たがわない動きで、

フラ、フラフラ、ユラ、ビュン!ガシィ!

とエヴァに迫る。


「ど、どどどどどどどどどどどうしたんだエヴァ!?お、俺達の事が嫌いになったのか??!

お、俺が何かしたのか?!!不満があるなら言ってくれえええええええええええええ!!!」

「そそそそ、そうなの、エヴァ?!!わ、私達の事がき、きr、きぃぃぃ、

うああぁぁあぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!!エヴァァァ!!行かないでえ゛え゛え゛え゛え゛」


俺達は半狂乱になりながらエヴァに縋りつく。


「うぉあ?!?!

な、何を勘違いしてるか分からんが、

私は、魔法世界に行きたいから行き先を日本では無く、

魔法世界にしても良いか、と聞いているんだ!!」


その瞬間、俺とノワールはザ・ワールド。

・・・・・・・・・つまりあれか?


「俺達と、エヴァで、魔法世界に、行こうと。そう言っているんだな?」

「あ、ああ。勿論、兄さまと姉さまがいいなら、だk――――」

「ノワール。俺達は一番の基本を忘れていた様だ。」

「ええ、私も今そう思った所よ。

一番の基本を見失っていたようね、シュウ。」

「え、えーと、な、なにが……?」

「そうだよ!!

傍にいなければ俺達が死んでしまうくらい狂おしいのなら、

一緒に行けばいいだけじゃないか!なぁノワール!!

アーーッハッハッハッハハッハハハハハハハハッハハハハッハッハ!!」

「ええ、そうよ。今まで気付かない方がどうかしてたのよ!!

ねぇ、シュウ!!

あはははははははははははははははははははははははははははは!!」

「い、一体何―――」

「「エヴァンジェリン!!」」

「ひゃいいぃぃぃいいぃぃ!!??!?!?!?」



と、俺達の声に素っ頓狂な声を上げるエヴァ。


「さぁ!!魔法世界に行こうじゃないか!!殺したり殲滅したりしよう。

死なせたり撃滅したりしよう!!」


※殺されたり死んだりはしないが大丈夫か?


「大丈夫だ、問題無い!!そんな結果は見えないしなぁ!!HAHAHAHAHA!」

「ね、姉さま?兄さまは一体誰と話をしてるんだ?」

「ダメダメ、キャラが崩壊していたわ……。冷静に、冷静によ、私……。

ああ、あれは多分宇宙意志と話しているのよ。アブナイ意味じゃなくてね。」

「ほー、流石兄さまだな!!集合意志と話が出来るとは!!」


※的外れなエヴァの愁磨への称賛と、愁磨の笑い声がしばらく街道にこだましていた。


その後十数分、愁磨が咽た事をきっかけに冷静になり、三人は魔法世界に旅立ったとさ。

めでたし、めでt―――


「まだだ!!まだ終わらんよ!!」

「ぅえ?!に、兄さま?何が終わらないんだ?」

「気にしてはダメよ、エヴァ。ちょっと頭の中に春が来てるd―――」

「もう良いからそれ!!全く。さっさと魔法世界に行くぞ、二人とも。」

「はぁ。了解だ、兄さま。」

「Yes、mymaster。フフフ、楽しみねぇ。」


―――こうして、未来の魔法世界のなまはげ三人は旅立ったのだった。


Side out
 
 

 
後書き
タイトル少々変更。
"知り合う"と言うのは、お互いの事を理解し合う、的な意味で。 
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