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少年は魔人になるようです

作者:Hate・R
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第4話 少年は力の使い方を学ぶようです


side ―――



――光が収まると、そこは森の中だった。


恥ずかしいからという理由で急かした愁磨だが、転生するのは二人一緒だったので、

当然雰囲気はそのままである。

先程の初々しい雰囲気を引きずっていた二人だが、それは一端置いておくことにした。


「とっ、ところで、ここは本当に『ネギま!』の世界なのか?」

「あ、ああ、問題無い。――と言ってもここはオリジナルではないがな。」


と言うと?と愁磨が問いかける。


「修正力がほぼ無い世界、と言うのかな。

勿論、物語の根本たる大筋、つまり主人公や周囲の人間を物語から退場させるようなことは

出来んが、主人公たるネギ少年の仮契約者を奪ったとしても、

他のクラスメイトが仮契約するだろう、から?ハーレム、とか…やりたいならばやればいい。

そして、原作を外れんようにはなっているが、

主にお前サイドの人間の行動で徐々に未来が代わる。

お前の行動により原作知識が役に立たなくなるかもしれんのでな。注意しろ。」

「まぁ、当然だな。森羅万象。物事は因果によって繋がれてる。

これに関係ないのはお前の言う創造主神くらいだろうな」

「…シュウは頭が良いんだか抜けてるんだかわからないな。」

「とある黒真珠の船長は言った。『不思議な事にその二つは必ずしも矛盾しない』と!」

「……確かにその通りだな。そいつは余ほど頭がキレるのだろうな。」


少なくとも頭がキてはいるな、と思ったのは愁磨しか知らないことである。


「ゲフン!!…さて、能力の確認の前に言っておくぞ。俺がしたい原作ブレイク?は三つ。

一、エヴァの魔女狩りの歴史を粉砕する。だが、真祖と『悪の魔法使い』にはなってもらうがな。

二、見解が『一般人』である原作メンバーの魔法介入の阻止。

三、野菜小僧を粉砕する。」

「……好きにやってみるのはいいがな、それで修正が起これば恐らくシュウも私も消されるぞ。

それに、驕りと言うのは持つべきではない。」

「いいや違う、これは自信だ。俺は自分の限界は見極められるし、出来ない事も分かっている。

まぁ、いざとなってもお前と一緒だしな。」

「ふっ、ふん。まぁいざとなったら止めるくらいはしてやるから、頼りにしろ。」


少し照れているノワールを満足げに見た愁磨は、先を促す事にした。


「じゃあ、能力の特訓を始めるぞ。」

「あ、ああ。しかし現状の把握はしなくていいのか?こういう時はまず置かれた状況を分かっていた方が……。」

「ああ、問題無い。創造でそういう能力創ればいいから、状況把握はしなくていい。

……何より面倒だし。楽できる分にはした方が良いしな!!」

「…………」


そんな愁磨を先程とは裏腹に冷めた目で見るノワール。


「と、取り敢えず能力説明頼む。」

「はぁ…、まあいいか。じゃあ説明するぞ。

使い方はいたって簡単だ。魔力解放後に『創造』の詠唱で能力使用が始まる。

次に『付加』で創造物に付加したい能力を単語を並べて行く。これは文で構成してもいい。

付加する能力が強力になるに連れて創造にかかる時間が長くなるから注意しろ。

そして付加したい能力が決まったら『Briah』で創造が」


と、そこでとある聞き覚えのある単語に、愁磨が吹き出してしまう。

冷めた状態のノワールは更に青筋を追加し、愁磨に静かに近寄っていく。


「ハハハハハ!やっぱり創造神とやらも厨二病患者なのか!?

自分はロンギヌスとか使っちゃうんですかぁ!?」

「……少し、頭冷やそうか。」


愁磨の脳天にノワールのアイアンクローが決まり、掌に魔力が溜まりだす。

   ギリギリギリ
「ごめんなさいごめんなさい、もうふざけないので説明を続けてください!!」

「全く……で、『Briah』で創造が始まる。まぁ大まかな説明はこれで終わりだな。」

「ホントに簡単だな。細かい説明もしてくれんのか?」

「言っておくが、私は能力のすべてが分かる訳ではないぞ?あくまで簡単な、初歩の初歩くらいだ。」

「……ああ、なるほど。あくまで能力をくれたのは創造主神だからな。」

「まあそういうことだ。私が分かるのは全体の能力に共通する所だけだ。

ああ、因みに開始キーは私が決めたモノだが、変更はできないぞ。

決めたと言っても、お前の記憶にあったモノを使っただけだがな。

補足だが、命を直接創ったり、能力で創りだしたのもから創ることも不可能だ。」


創造神が同類でない事を残念に思いながらも、以外に分かり易い説明に安堵している愁磨。

と言うのも、自分は新しい事をするには些か以上に理解力が無いと思っているからである。


「なるほどな。使い方は分かったが、しかし魔力って言われてもな。

俺は魔力なんて使ったことないから分からないぞ?」

「ああ、そうか。じゃあ今魔力を流すから、まずはそれを感じ取ってくれ。」


そう言うとノワールは、愁磨の胸に手を当てて魔力を流しだす。

初めは何も感じなかった愁磨だが、急に快感に似た強い痺れが体中を駆け巡る。


「ひゃっ……ンッ、あぅ……ッふ、んんっ!!」

「へっ、変な声を出すな!!!///こっちまで変な気分になるだろうが!!

コホン、取り敢えずこれで魔力が分かったか?」

「あ、ああ……。反応が肉体に引っ張られるってのは本当だな。

あとはこの魔力を解放?すればいいんだなよな?」

「ああそうだ。それを体の外に出すイメージなんだが……―――!!」


瞬間、世界を飲み込み、潰すかのような魔力が放出される。

攻撃の意思が無い魔力波ではあるものの、ノワールでさえ感じた事の無い量の解放。

周囲の木々が徐々に変異を起こしているにも拘わらず、愁磨自身はあっけらかんとした様子である。


「ん?これでいいのか?」

「あ……あ、ああ。」

「……もしかして、魔力が多すぎて辛いってやつか?すまんが止め方が分からんのだが。」

「あ、ああ。体の中に丸めて纏める様なイメージだ。

まずは、体の周りに密着させる感じで、そう――――」


ノワールに教えられて、5分ほどだろうか。

漸く解放されていた魔力は再び愁磨の中に納まり、周囲も元の穏やかな森へと姿を変えた。。


「あー、なんだ。ごめんな。……まだ顔色が悪いけど、これで大丈夫か?」

「ふぅ……ありがとう、もう大丈夫だ。

しかし、基本を一度で成功させるとも思っていなかったが……魔人の魔力量を侮っていたよ。

まさかこれほどの魔力を持っているとは思っていなかったよ。」

「魔王すらビビるってどんな魔力だよ俺は。

……まぁいいや、続けようぜ…って、座り込んでどうした?」

「あー、いや、その………正直、まだ、その…、震えが止まらないし、それに、腰が抜けて……

あの…だからその……だな///」


涙目になりながら顔を赤くし、上目使いで見てくるノワールを愁磨は神速で抱きしめる。


「ああ、もうお前はかわいいなぁ♪これでいいのか?なに、髪も撫でて欲しいのか?このいやしんぼめ!!」

「いや///まあ、これはこれでいいのだが///」


そう言うとノワールは愁磨を一度剥がし、逆に後ろから抱きしめる。


「ああ、こちらの方が落ち着くよ……。」

「まぁ別にこれはこれでいいけどさ?でも、魔力の制御方法とかまだ教えて貰ってないんだがどうするんだ?」

「も、もう少しこのままで……///」

「……………」


好きにしてくださいとでも言わん顔で、ノワールのされるがままになった愁磨であった。

・・・・人の温もりと言うのを久しぶりに感じた愁磨も、密かに心を満たしているのであった。

Side out




Side ノワール


―――――1時間後


「さて、魔力の制御方法だったな(ツヤツヤ)」

「ああ、よろしく頼む……(グッタリ)」


その後、一時間に渡り抱きしめられたシュウはなぜか疲れていたが、顔はどこか満足げだ。


「さて、もう自分の中の魔力は掴んだな?

後はその魔力を少しだけ放出したりするだけなんだが。」

「イメージ的には全身の細い血管通して出す感じでいいのか…?」

「イメージは人によって違うから一概には言えんが……、ああ、そうそう。そんな感じだ。いいぞ。」


言っている間にもシュウは魔力解放を最低限出したり徐々に増やしたりしている。

・・・・こいつは本当に生前魔力に触れていなかったのか?魔力の扱いが上手すぎる気がするんだが・・・

いや、単にこちらの才能があるだけか。


「すごいな。もう制御もできるようになったか。」

「ああ。前の世界じゃ、イメージだけはしていたしな。使えたらこんな感じかなってさ。」


・・・想像力だけでここまでできるようになるのか。シュウのいた日本のオタクとやらは皆こうなのか?

ならば、素晴らしい魔法使いの軍団を作れそうだな。


「で、後は『創造』『付加』『――Briah』でいいんだよな?」

「あ、ああ。最初は簡単な物から創造すると良い。解放量も最低限でな。」

「了解了解。んじゃ行きますか!!」


そう言うとシュウから魔力が僅かに流れ出す。と言ってもそれですら一般魔法使いの10倍はあるのだがな。



「『創造』『付加』属性は光と斬、姿はアーサー王の剣、理想郷の鞘に収まり、故に破壊不可能。

担い手を守護する、天をも貫く騎士王の剣を我が前に!

『――Briah』約束された勝利の剣!」


徐々に創られていたそれが、名を紡がれた瞬間、急速にその生成速度を速める。

・・・・って、なんだこれは!?

付加の内容を見るに、最低数十時間はかかる筈の創造がもう完成しそうだと!?


―――――パリィン!!



と言う音と共に光が砕け、シュウの目の高さに一振りの西洋剣が顕れ、重力によって地面に突き刺さる。


「おおお!すっげぇぇぇ!!適当に言ってみたらマジでエクスカリバーできたじゃん!!」


そう。シュウの前に顕れたのは見た目・中身共に本物とほぼ同じ、騎士王の剣だった。


Side out




side 愁磨


「おおお!すっげぇぇぇ!!適当に言ってみたらマジでエクスカリバーできたじゃん!!」


いや、まさか本当にできるとは思わなかったんで、ハイテンションなのは許してほしい。

しかしすげえな。って、セイバーはこんなでかい物振り回してたのか。流石騎士王だな。

と、俺がテンションを上げていると、ノワールは不思議そうな、難しそうな顔をしていた。


「ん?どうした、ノワール?なんか変だったか?言われた通りやった筈だが……。」

「…ん、あ、いや、そうではないのだ。やり方は正しかった。しかし妙なのだ。」

「……妙って何が?いきなり伝説の剣出せたことがか?」


俺がそう言うとノワールは首を曖昧に横に振り、続けた。


「いや、創造できるのは当然なのだ。別次元の伝説の剣だとしても創造主神の創ったモノだ。

シュウの『創造』で創れるのは当然だ。問題はそこではない。

言っていなかったが、モノを『創る』と言うのは存外難しく、

先に説明した神の中にも一人『創造』の真似事ならできる者が居るんだが、

そいつでさえ天使用の武装を一つ創るのに一週間はかかるのだ。

いくら主神の力の一部を貰ったとしても、伝説の剣を創るのなんてそれこそ最低数十時間、

いや、一週間程度ならかかっても当然。なのにそれがただの数分で創れてしまうのはおかしいのだ。」


なるほどな。確かに強い方が創造にかかる時間多くなるって言ってたもんな。

エクスカリバーこんな短時間で創れたら戦神的な殲滅ゲーになりそうだしな。


「で、なんで俺はそんなルール無視な『創造』が出来たんだ?何かしら抜け道ってないのか?」

「ふむ、確かにそれはどんな能力にもある。逆に隠し制限もあるがな。

この能力で考えられるとすれば………うーーん………。」


ふーむ、どんな能力にもあるのか。確かに連載開始時は最弱の能力だと思っていたら、

実は一番強かった、ってのも一応隠し要素の一つだろうしな。・・・ん?


「…なぁノワール。この能力って創造主神?から貰った能力なんだよな?」

「ああ、そうだぞ?私は仲介しただけだ。ついでに言うなら初元の魔法と全ての固有能力は、

全て主神から貰ったものだ。」

「そして、それらの『名前』を決めてるのも主神さんなんだよな?」

「む、その言い方だと分かったのか?」

「憶測でしかないけどな。

俺の紡いだ『付加』と主神の創った時に『付加』したモノが似ていた。

で、俺が何となく言った最後の『創造物の名』。

そして『名=魂』って言ってただろ?で、これを決めたのは主神。

そしてこれらを繋ぐのは主神の能力だ。仮に、主神は想っただけでそれを創り、名を与えるとしたら?

俺があとは主神と同じように名を与えると、真似事ではあるが魂を与える。

これでおおよそ全ての条件が揃う。後は主神さまの補助が入って、瞬間創造が出来る、と。

ほら。多少の時間を吹っ飛ばして『創造』出来るのは無しじゃ無いと思うんだ。

と言っても、時間を短縮出来るのは『付加』の内容と『名』が合っている時だけだろうから

自由になんか使えないだろうけど。」

「ふむふむ、分かり難い上に穴だらけな気もするが、確かにそうだな。

では、これを重点的にやっていくか?」

「いや、これは確かに便利だけど、全然条件が分からない。

だが、俺の考えたモノがあると確実に分かるようになるし、他のを創る場合にも役に立つ。」

「そうか。ではそれからやって行こう。ちなみに私は何をすればいい?」

「ああ。これを創るのだけは穴が無い様にしたいから、意見出してくれ。

あと、この世界の魔法の知識も欲しいから、教えてくれ。」

「了解だ。さあ!とっととやってしまおう!!最初の目的まで余り時間が無いしな。」

「Ok。まずだな―――――」



――――――――こうして俺はノワールと一緒に特訓を始めた。




「アハハハハハハハハハハハハ!!!さあ、しっかり避けろよ!!」

「ちょ、おま!!無理だって………!!!」



・・・・先は長そうだが。



Side out
 
 

 
後書き
いきなり騎士王さんの剣作れちゃったのはとある理由。
その理由はおいおい出て来る…はず。 
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