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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダムSEED
  番外編014話 0215.5話

 アークエンジェルがマスドライバーで宇宙に打ち上げられ、それを追うようにしてクサナギも打ち上げられてから数日。オーブの最大戦力であるシャドウミラーが現在宇宙にいると知った連合軍の動きは存外に素早かった。

「ウズミ代表」

 ウズミは通信モニタに映った人物の顔を良く見る。桃色の髪をショートカットにし、露出の激しい格好をしているその姿。
 その状態で軍施設の中を平気で歩く為に、エキドナに見とれる男が続出して微妙に作業効率に響いているとの話も聞いている。……たまに女でも見とれているとか何とか。

「ウズミ代表?」

 エキドナの声に我に返り、口を開く。

「すまない、ちょっと考え事をしていた。話は既に聞いていると思うが、連合軍がまたこのオーブへと侵攻してきた。幸い前回の被害を受けてか数自体はかなり縮小しているようだが、戦艦・巡洋艦・イージス艦・駆逐艦等合計12隻だ。もちろんMSや戦闘機等も積んでいると思われる。同盟条約に基づき、敵の迎撃をお願いしたい」
「了解した。同盟条約に基づき迎撃を開始させて貰う。尚、敵の数が少ないので陽動の可能性も考慮し、随伴するメギロートは200機として残り300機はオーブ防衛の為にここで待機させるが構わないか?」
「うむ」
「では、ギャンランドとシーリオン、メギロートで直ちに準備に入らせてもらおう」

 それだけ言って通信が切れる。

「メギロート、か」

 オーブの主力MSであるM1アストレイをものともしないその性能は、この世界の人々にとっては驚愕の一言だ。そして……
 ウズミは苦笑を浮かべて自分の執務室に飾られている人形へと目を向ける。

「めぎろーと君、か」

 それは明らかにメギロートをSD化したヌイグルミだった。前回の地球連合軍がアクセル達シャドウミラーに蹂躙されたあの映像で、連合軍のMSを圧倒した姿にインスピレーションを受けた国内企業が売り出したところ、爆発的な売り上げを叩き出したのだ。今やメギロートはオーブやシャドウミラーの象徴的な存在になっているらしい。
 噂によるとアスカ家の長男であるシスコンSEED持ちも、妹へプレゼントする為にコーディネーター特有の身体能力を使い、店にある数少ない品を争奪戦で手に入れたとかなんとか。

「シャドウミラーと敵対しなくて何よりだったな」

 一部の家――セイラン家――が何やら蠢いているようだが、技術力や戦力・諜報技術等あらゆる意味でシャドウミラーの方が上なこの状況ではセイラン家としてもどうしようもないだろう。
 もっとも、今回連合軍がまた出てきたのはそのセイラン家から情報が流れたせいらしいが。
 その事に溜息を吐くウズミ。

「セイラン家の馬鹿共は分かっているのか? シャドウミラーを敵に回した時点でオーブは……いや、この世界は破滅しかない事に」

 ウズミの脳裏をよぎるのは連合軍とシャドウミラーとの戦いの映像。あの連合軍を相手にまさに蹂躙としか言えないような戦いをしたシャドウミラーの機体の数々。あれは既に戦いではなく一方的な狩りと言うべきだろう。そんな戦力を持っている相手に下手なちょっかいを掛けるというのは自殺行為以外の何物でも無い。

「せめてもの救いは、アクセル君がこちらに友好的な事か」

 ウズミの下に侵攻してきた連合軍が壊滅したとエキドナから連絡があったのは、それから数時間後の事だった。 
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