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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OGs
  番外編006話 0071.5話

 オペレーションSRW、それはラグランジュ5宙域に突如出現したエアロゲイターの前線基地と目されるホワイトスター攻略の為の作戦名だ。
 
 フェイズ1:PT・AM部隊と宙間戦闘機部隊で敵機を陽動しHOSジャマーでかく乱を掛ける。
 フェイズ2:第2次防衛線上の戦艦からホワイトスターに向けてMAPWとAMARVを搭載した核ミサイルを発射。
 フェイズ3:艦隊で可能な限りホワイトスターへ接近しヒリュウ改の超重力衝撃砲、ハガネのバスターキャノンを含む艦砲射撃。
 フェイズ4:ヒリュウ改とハガネ搭載機でホワイトスター内部へと乗り込む。

 以上が、オペレーションSRWの全容だ。
 そして現在は最終段階のフェイズ4。ホワイトスターを覆っていたエネルギーフィールドは破壊され、最後の希望とも言えるヒリュウ改・ハガネ所属のPT・AM部隊がホワイトスターに乗り込み、しばらく経っていた。

 ペレグリン級の艦長であるその男は、エアロゲイターの無人機に対して対空機関砲、ホーミングミサイル、連装ビーム砲による弾幕を張りつつも吉報を待っていた。エアロゲイターは基本的に無人機を主戦力とする故に、物量では自分達は勝てない。勝てるとするならそれは質なのだ。

「そして、その質を極めた部隊があのヒリュウ改とハガネの2艦なのだ」

 呟いた、その時。待ちに待った報告がオペレーターよりもたらされる。

「艦長! ハガネからの連絡、ホワイトスター内部にいたエアロゲイターの指揮官を倒したそうです!」
「本当か!?」
「はい!」

 待ちに待った報告であったとは言え、思わず問い返す艦長だったが、オペレーターは喜色満面とでも言うべき笑みと共に肯定した。
 そしてその証拠にふと周囲を見回すとエアロゲイターの無人機は動きを止めている。

「待て。無人機? 報告にあった有人機と思われるアンノウンはどうした?」

 少し前、友軍機がバグスと戦っていた時に突然姿を現した人型機動兵器。見慣れない機体であり、人型という事からどう見ても無人機には見えなかった為所属を尋ねたのだが、それに答えずに攻撃をしてきたと報告が入っている。

「こちらの機体を攻撃した後の消息は不明です」

 むぅ、と艦長が自慢の口髭を撫でながら考えを纏めていると、ヒリュウ改とハガネが急速にこの宙域を離脱していくのが見える。恐らく追加で何らかの任務が入ったか、あるいは補給でもしに戻ったのだろうと考えていたが、次の瞬間に聞こえてきた報告に耳を疑った。

「か、艦長……ホワイトスター、消滅です」
「何?」

 モニタを見てみると、確かにホワイトスターの姿がどこにも無い。あるのはただ宇宙空間のみだ。

「…………馬鹿なっ!? 衝撃波も何もなしに爆発したとでも言うのか!? オペレーター、各艦に連絡! ホワイトスターが消えた瞬間を見ていた者がいないかどうか至急確認を!」
「その、艦長。私ずっと見てましたが……本当に、ふっと、突然消えたんです」

 オペレーターの声が震えている。

「転移装置か何かではないのか?」
「いえ、ホワイトスターが出現した時に検出した反応は一切ありませんでした。本当に何の前触れもなく消えたんです」

 ホワイトスターが出現した時、偶然その現場にいた機体から得られたデータは全軍が閲覧可能だ。本来ならその機体のパイロットがいればもっと詳しい事が分かったのだろうが、機体自体はその時に破壊されておりデータのみが送信されてきたのだ。

「何だと言うんだ、一体……」

 呆然とした艦長の言葉が、静寂に包まれたブリッジに響き渡る。
 結局、ホワイトスターの突然の消滅の謎は解明されず、勝利したにも関わらずその実感を得る事の出来ないままオペレーションSRWは終了したのだった。 
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