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インフィニット・ストラトス 黒剣の死神と謳われた天才

作者:マンモス
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帰郷と墓参り

Side:真理
俺達は四時間、新幹線に揺れながらようやく目的地に到着した。

「やっと着いたか。…新幹線の四時間乗り続けると尻が痛い」

「けど、ようやく着いたじゃない。私の故郷に!」

刀奈は長期休みとかに帰郷しているから慣れているかも知れないが、俺や
満月さん、水月は新幹線に慣れていない。

「簪は新幹線に慣れてるの?」

「…乗り物酔いはする方だけど…新幹線は慣れてる」

水月は簪と手を繋ぎながら嬉しそうに話してる。刀奈はすごく羨ましそうな顔をして水月を見ていると、本音が簪達をちゃかし始めた。

「かんちゃん、すごいお似合いだよ~」

「…やめてよ、本音…」

簪は顔を赤めながらこっちを見る刀奈と目が合い、すぐに別の方向を向いてしまい、刀奈は悲しそうな顔で簪を見ている。虚さんはそれに気を使って全員で駅を出た。

「遅かったねみんな、待ってたよ」

駅から出るとメガネを掛けた1人の男が立っていた。

「虎鉄か。ひさしぶりだな!」

「満月に水月、それに真理も三年ぶりだね!」

彼は虎鉄、更識四天王の最後の1人で、俺達の参謀担当だった人だ。年は満月さんと一緒の十八歳。

「虎鉄さんひさしぶりですね。何か老けましたね!」

「真理も、性格が変わったね。冷徹非道なクールキャラから飄々とした性格になってるよ」

この人に何か余計な事を言うと、すぐに言い返されるからな、俺だけ!けど、良い人ではある。

「社長という重い仕事をしますからね。敵を作らない性格にしないといけないから、すっかり板について。」

「天緋ちゃんから聞いてるよ、あまり様になってなかったって」

確かに俺は普段通りに話していたが、いつもはちゃんとやってるよ。

「虎鉄。頼んでおいた迎えの車は?」

虚さんが虎鉄さんに迎え車に対して聞くと、

「迎えの車なら、駅の横で待ってるよ。暑いし、早く行こう」

「ああ、俺は寄りたい所があるから、先にいといて下さい」

「寄りたい場所って?」

車に向かおうとした水月が不思議そうに聞いてきた。

「鷹継の墓参りに行きたいんだ」

「なら、俺も行こう」

俺の言葉に満月さんも行くことにしたらしい。

「私も行くわ。虎鉄も行きましょ」

「そうだね。なら、虚。迎えの車のお願いするよ」

「分かったわ。なら、お嬢様をお願いします」

虚さんはそれだけ言って他の三人を連れて車え向かって行った。俺達は車を見送った後に目的の墓がある集合墓地に向かった。

「それにしても、こうして更識四天王が全員集まるのもひさしぶりね」

「そうだね。三年前に不良三人が家出して以来だね」

刀奈と虎鉄さんが後ろで歩きながら、昔の事を出してきた。俺と満月さんはただ居心地の悪い顔をしながら歩くことしか出来なかった。俺達は墓地近くの花屋で備える為の花を買って集合墓地の中に入っていって、目的の墓の前に立った。

「三年ぶりですね。鷹継隊長」

俺はそう言いながら、墓に花を供えた。鷹継は俺達更識四天王の隊長で俺達の良い友だった人だ。

「こうして思うと、あの日からもう三年が経っただね。隊長が死んで、真理が『黒剣の死神』と呼ばれるようになったのわ」

「ああ、そして、俺が武器のもとに自由と平等の世界を作ろうと考えた日から三年が経ったんだ」

俺は手を合わせながら、刀奈のセリフに付け足した。

「やっぱり、その野望は無くなってなかったのね」

「真理は本気でそう考えているんだ楯無」

満月さんがそう言ったのを最後に俺達は墓の前でこういう話は良くないと思い、墓参りを済ませ、墓地から出て虎鉄さんが呼んだ迎えの車を待った。

「真理、君が造る、『武器のもとに自由と平等の世界』が何なのかはだいたい理解できてる。けど、これから君はそれを当主達に聞かれるかも知れない。それをちゃんと言えるのかい?」

虎鉄さんの問いに俺は笑いながら、言い返した。

「言えないようなことじゃありませんよ。それに言う覚悟も無いのに家を出て会社は作りませんよ!」

「らしいよ、楯無。真理はちゃんと答えてくれるってさ」

「ちゃんと聞くから覚悟してね!」

刀奈を見ると真剣な顔になり、扇子を開いた。そこには、『視聴』と書いていた。

「ハイハイ!」

俺達はそれから昔話をしながら、迎えの車を待った。











 
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