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ワンピース*海賊と海軍、七武海と白髭。

作者:斎藤海月
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第一部
  無関心2

一気にシーンとなったこのお店に、


空気を読まないあたしだけがひたすらに手を動かす←


第一、蛆虫だって事は分かってんだからわざわざ見る必要ないじゃん


どうせそこらの有名な海賊が来てるとかでしょ


「ちょいと聞きてー事があんだけどよ」


・・・ほらね、声からして蛆虫だし。


レオン『・・・リノ』


リノ「んー?」


レオン『・・・この男』


〝男〟という名の蛆虫ワードが出て来た時点であたしは料理に目を向けたまま、


ひたすら食べる。


「あ、ああ・・・」


「こういう奴を捜してんだが・・・見かけなかったか?」


「・・・コイツは見かけなかったなあ」


「・・・そうか。お前さんに聞けば何かが分かるかもって言われて来たんだが・・・そうか」


「悪いな。」


「いや、気にするこったあねえ」


右を向いて、六歩でも歩けば蛆虫と至近距離になる遠距離であたしはひたすら自分の世界にいるってのに


レオン『・・・リノ、リノ・・・』


リノ「うっさいなあ!!」


レオンが右手であたしの左足のふくらはぎを突っついていた


リノ「アンタは何なの!?静かに食べさせてよ!!」


レオン『あの男・・・!!』


リノ「んなの知るかっての!男なんか興味ない!!」


レオン『違う!あの男、お前の・・・』


リノ「だからうるさいっての!!」


レオンが何かを言いたがっていたとしてもあたしはひたすらに無視して、


ポテトサラダを口に運ぶ。


別に声からして蛆虫確定は分かってんだから見なくたっていいじゃん。


無関心のレオンが興味を惹いた、って事に関しては大物だって認めてやろうじゃないの←


「お前さんはこの街じゃあ見かけねー顔だが・・・旅人か?」


「ああ。まあそんなとこだ」


「この街に寄ったのはこの男を捜す為なのか?」


「俺の弟でな。」



レオン『リノ・・・!リノ!リノ!!』


リノ「・・・・・」


レオン『リノッッッ!!』



「「「「ガッチャンッ」」」」



余りのしつこさにあたしが、綺麗に食べ尽くしたポテトサラダが乗せられてたお皿の上にスプーンを叩きつけると、


レオンの首元を掴んで電撃を流しまくる


リノ「だからうっさいっつってんでしょ!!

食事ぐらい静かに食べさせてよ!!!」


レオン『ち、ちが・・・!あの・・・男!!!』


リノ「はあ!?今度は何なの!?」


レオン『白髭の一味だ!!』


リノ「・・・は?」


自分の中でも思う程に、


浴びせた電撃の量が多かったなあとか若干、反省しつつ気絶したレオンが見ていた方を見ると


リノ「・・・死んでんじゃん」


上半身裸の蛆虫が、


あたしが食べていた物と同じポテトサラダの中に顔を突っ込んでいた


しかも右手には肉を持ってるし。


「「「キャァァァァァ!!!!」」」


「と、突然死よ・・・!!」


「奴は旅人なのか・・・!?」


「え、ええ・・・」


「どうやらマスターと話している最中に・・・」


・・・ああ、コイツ何処かで見た覚えがあるぞ←


確かニョン婆が言ってた・・・


「白髭二番隊隊長・・・ポートガス・D・エース」


・・・ああ、確かそんな名前だったわ←


リノ「・・・え」


って、∑海軍!?


しかも蛆虫増えてるし!?


レオン『これはマズい事になったな』


リノ「そうみたいだね。アンタのムカつくその口もなんとかしたいよ」


レオン『俺は炎でお前は雷、相性的に俺の方が上だ』


リノ「うっさい!見てなよ!?いつしか炎にも勝ってやるんだから!!」


レオン『無駄だ』



あたしたちは誰にも聞かれなさそうな程度に声を潜めて話し合う。


とは言っても人間がレオンの言葉を分かる訳がない。


あたしだってどうして解り始めたのかは不明だし←


でもまあ・・・こんなとこにあのバカの息子とやらがいるとはね~


蛆虫は害虫、害虫は蛆虫でしか無いと思うけども(笑)


その事をあのバカの前で言えば面倒臭くなるから嫌なんだよなあ


「「家族を馬鹿にするなあああ!!!」」


とか言って怒鳴られそう←


レオン『どうするんだリノ・・・ここでお前が七武海だとバレると色々と厄介だぞ』


リノ「確かにね~」


海軍とバカの息子とやらに向けていた身体を、


まだお皿にたくさん残っているおつまみ用のお肉にフォークを刺す


リノ「大仏男に通報されるかもだし?」


レオン『さすがは気楽だな・・・』


リノ「面倒事に首とか突っ込みたくないし」


そう思うのが普通の人←


あたしも普通の人なんだからそう思う←


レオン『だが・・・何かと厄介のような気がするんだが、この現場は・・・』


リノ「気にしすぎ。んなの糞を見てれば気にしないから」


レオン『・・・食事中だ』


一つ咳払いをしながらレオンがあたしに呆れてお肉を食べ始める。


そうしてあたし達は空気となるべく話は終わる




















「ん?・・・そこの女と獣、何処かで見た覚えがあるぞ・・・」


・・・・・・はずだったああああああ!!!!


一気に皆の視線があたしに集まると、


フォークを持っているあたしの右手が震える


怒りに震え始める


「・・・お前もこの街では見かけない顔だな」


レオン『他人だと思え。そうすれば気が楽になるぞ』


リノ「分かってる・・・」


フォークが十個あっても足りない程にフォークを握りしめている手を強める。


そうだ、あたしに話しかけてるのは雲だ。


煙だ、煙。そうだそうだ。煙って思えばいいんだ。


雲とも思いたいけど煙って思ったほうが速い・・・


「カタン・・・カタン・・・」


「おい、聞いてんのか?」


――――ポンっ


あたしの隣でレオンがお肉を口に加えたまま、


あたしの肩に乗っている手を見る


レオン『これはまずいな』


身体中から少しずつ、電撃が起き始める。


「!?」


蛆虫が慌ててあたしの肩から手を退かすと、


リノ「・・・あたしに・・・

触ってんじゃねえええええええええ!!!!!!」


「「「ゴロゴロゴロゴロッッッッ!!!!!!!」」」


今日、もっとも強力な落雷が海軍の蛆虫を直撃した



リノ「その汚れた手で!!触んじゃねーよッッッ!!!」


あたしの前で倒れているのは、


天井に出来た数メートルの大きな穴が空いた場所から落雷に直撃した蛆虫の残骸。


コイツは煙だし、そう簡単には死なない事だけは分かってた。


しかも・・・


リノ「・・・テメーらも見てんじゃねえええよ!!!」


「「「「ヒィィィィィ!!!!」」」」


リノ「コイツと同じ目に遭いてーなら出て来いやッッ」


あたしの周りの空気で、


微かに小さな電撃が生じる。


一人、除いた男以外があたしから視線を逸らすとまるで砂漠の中を何時間も歩いて出来た汗を流しているかのように


たくさんの汗が流れていた


レオン『リノ落ち着くんだ』


リノ「落ち着けるかッ!もうこんな店出てく!!」


レオン『待て!待つんだリノ!』


レオンが焦ったような声であたしの名前を呼ぶ。


けど完全に、頭に血が上ったあたしにはレオンの声なんて届かないし


振り返る気さえもなかった。


・・・けど、


―――パシっ


振り返らなくても分かる程に誰かがあたしの手を掴む。


掴んだ途端に全神経、身体中全て、鳥肌が立った


「なあ!お前、名前は――∑や、やめろおおおおおお」


リノ「触ってんじゃねええええええよおおおおお!!!!」


あたしを掴んでいた手から電撃を思い切り放つと、


あたしの目に入ったのは上半身裸の害虫、オレンジ色のテンガロンハットを被った害虫・・・


リノ「・・さ、触んないでよおおおお!!!!!」


まだ握り締められている手を通じてさっきの蛆虫よりも、


一段とつよく電撃を放つとやっぱり能力者で炎を持つだけの事だと思うけど・・・


数倍強くした電撃でようやく倒れた


レオン『リノ!!海軍が来るぞ』


リノ「誰のせいだと思ってんのッッ!!」


レオン『説教なら後で存分に聞いてやるから早くしろ』


リノ「はあ!?なにそれ!!」


レオンがあたしの元に駆け寄って来るとお店の中に入って来ようとした海軍に見つからないように、


いつもみたいに瞬間移動をする。 
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