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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第5話 修行の日々(7月12日改稿)

 
前書き
思うところあって、後半部分を改稿しました。 

 
「え~と。日本に来てからオレの体からこう湯気のようなモノが常に出てるんですけど………」

「サギ君、ごめんね。何言ってるのかわからないわ。というか、私にはその湯気のようなモノというのは見えないんだけど………」

「えぇっ! でも忍さんやすずかちゃんからもうっすら出てますよ!!」

「そう言われても………。そんなの出てないから」

 忍さんの言葉にうんうんと肯くすずかちゃん達。
 ナニソレコワイ。

「………。わかりました。コレについては危険性はナイようなので、とりあえず、置いておきましょう。それで今後のことですが………」



 とまぁ、そんな感じで色々打ち合わせる。

 で、これまたおかしなもので元々オレの髪の毛は金髪で、瞳の色はよく見ないと気付かないけど薄い蒼と深い翠のオッドアイという母親譲りの容姿である。この辺は『今と同じ性別で両親から容姿その他の性質を受け継ぐ』という特典が正しく反映されている。
 『努力すれば結果がついてくる才能(小)』については、『初期言語放棄』というマイナスの特典があるのにも関わらず、英語と日本語のバイリンガルなので、機能しているんじゃないかな、と思う。
 じゃなきゃ、こんな流暢に英語を話せるわけがない。

 おっと話が逸れた。

 つまり何が言いたいのかというと悪魔の襲撃の恐怖からか、実は髪の毛の色が白くなってしまったのだ。元々金髪だったせいか白色よりもくすんだ銀色に近い感じなのだが。

 そう、今のオレの容姿は、銀髪オッドアイという如何にも典型的な踏み台転生者の容姿なのだ。

 なので、形だけだが、銀髪オッドアイという容姿で、表でも裏でも捜索願いをかけてもらったが、そんな少年の捜索願は当然出されていなかった。
 まぁ、原作でもあの事件は秘匿されていたようなので、サギ・スプリングフィールドとオレを結びつけるのはかなり難しくなったはずだ。



 その頃、海を隔てた遠くイギリスでは、ネギを助けた時にナギ・スプリングフィールドが、「京都の詠春の元にサギを送った」ことについてうっかり伝え忘れていたため、サギ・スプリングフィールドの生存は絶望視されていた………。



 で、まぁ、なんやかやと相談した結果、5月2日の4歳の誕生日に、月村家の分家の遠坂(トオサカ)という名字と(アキラ)という新たな名前を贈られ、サギ・スプリングフィールドから遠坂暁へと名前が変わった。一応、月村家が親を亡くした遠い親戚の分家の子を引き取ったカタチになっている。

 なお、家族扱いということで、忍さんは「忍義姉さん」、すずかちゃんは「すずか」と呼ぶことになった。

 で、新しい名前を贈られ、新たな人生のスタートをきったオレは、日本に来てから顕れた体から出てくる湯気のようなモノについて考えてみた。



 こんな(神さま転生なんかある)世界なんだから、何かしらの能力な気がする。
 大方、『他の転生者無し』の特典が無効になった代わりに与えられたんじゃないかな。

 今わかっているのは、「日本に来てから発動した」「生死の境を彷徨ってすずかに助けられて発動した」「夜の一族の吸血行為とは関係がない」の3つぐらいか。

 「死ぬ寸前でパワーアップ」というと少年漫画の王道的展開で、「ドラゴン・ボール」のサイヤ人とかが直ぐに思い浮かぶな。

 そうか、これが「気」だとすれば、「ネギま!」的にもおかしくないのか? 村でサギとして学んだ魔力とは違うモノなのは確かだし。
 「ネギま!」的には「虚空瞬動」やら「杖に乗る」ぐらいしか空を飛べなかったので、「舞空術」が使えるとなると自由に空を飛べるので楽しいかも知れん。
 まぁ「リリなの」的には魔法でビュンビュン飛べるワケだが。

 しかし、こう何となく違う気もする………。
 一応地球人---ハーフだが----であるからにはサイヤ人的なパワーアップは違う気がするし。





 ………………………。

 ………………。

 ………。

 そうか、「念」だ!

 「HUNTER×HUNTER」だ!!

 思い出した。

 あの転生者が念能力者なら、オーラを込めて殴られてオレの精孔(ショウコウ)が無理矢理開いたということなんだろう。

 そうすると本来「(テン)」もできずにオーラを流れ果たし、衰弱死していたのを、無意識に「纏」がなんとかなるまで、すずかが生命を繋いでくれたということか。

 すずかさま、マジ救いの女神。



 つまり、この湯気のように自分の体の周りをたゆたっているモノがオーラなのか。

 確か、熟練者になればなるほどきれいに纏うような感じになるんだよな。
 せっかく手に入れた能力(チカラ)だ。
 モノになるまで鍛えてみよう。



 ………。鍛え方がわかりません。

 残念ながらこの世界では、「幽○白書」が始まったばかりで、大好きだった原作のげの字も無い状態だ。

 覚えているのは、
 「纏」「絶」「練」「発」の四大行。
 「堅」「円」「凝」「周」「隠」「硬」「流」の七つの応用技。

 そして、水見式。

 強化系、変化系、放出系、操作系、具現化系、特質系の六性図。

 これぐらいしだ。



 なので、毎日早起きをして、30分ほどのトレーニングをすることにした。
 「幼少の頃から筋肉をつけるトレーニングをすると背が伸びない」と聞いたことがあるので、ランニング・腹筋・腕立て伏せ・ストレッチを適量する感じだ。まあ、前世ではもっぱらスポーツはやらずに見るか、ゲームの中でする派だったので、他のトレーニング方法なんか知らないんだが。
 この辺はノエルさんがどこからか調べてきてくれ、トレーニングメニューを教えてくれた。

 それで、普通にトレーニングが続けられるようになれば、それらを「(テン)」をしながらする。名付けて「纏」トレーニング。

 「纏」というのは、自身のオーラが拡散しないように体の周囲に維持する技術だ。
 「纏」を行うと「体が頑丈になり」、「身体能力も格段に上がる」念能力の基本中の基本だ。

 まぁ、最初は5分でバテた。「纏」は念ができるようになってからずっと続けて来たのでもっとできると思ってたんだが、「纏」をしながら各トレーニングするというのはかなりキツイ。

 なので、バテたら休憩がてら「(ゼツ)」をする。

 「絶」というのは、自分の体から発散されるオーラを絶つ技術だ。
 「纏」がオーラを体の外・表面に維持する技術なのに対し、「絶」は体の内でオーラを維持する技術だ。オーラを体の内部で維持することにより「気配を絶ったり」、「疲労回復を促進させる」ことができるようになる。

 「絶」をして疲れがとれたら、「纏」をしながらトレーニング。
 後はまぁそれを繰り返す。
 少しずつ「纏」の時間を延ばすのが目標だ。

 3ヶ月ほど続けると30分の「纏」トレーニングを「絶」することなく、つまり休まずにできるようになった。

 「纏」で身体能力が上がるので、30分で走れる距離やスピードは見違えるほどになった。

 ただ、たまにすずかも一緒にトレーニングをしたりするんだが、どう見ても「念」を使ったオレよりも彼女の方が身体能力がはるかに高いってどうなのよ………。



 「纏」「絶」は引き続き修行を続けるとして、新たな修行として、「(レン)」でオーラを増やす。
 そして、その増えたオーラで「纏」をする「(ケン)」の修行に移ることにする。

 「練」というのは、体内でオーラを練り上げ、通常以上にオーラを生み出す技術だ。

 「堅」というのは、「練」で増幅したオーラを維持する技術だ。
 通常、念での攻防は「堅」で行うので、「堅」の維持時間が「継戦時間」になる。

 つまり、「練」で使用可能なオーラを増やすことと、「堅」の維持時間を増やすことの2つが必要となる。

 最初の日、「堅」ではなく「練」が5分続かなかった自分の才能の無さに「俺、才能無いんじゃね?」と凹んだのはいい思い出だ。



 結局、「纏」でトレーニング可能な30分間を「堅」でトレーニングすることができるようになるのに半年かかった。

 念の修行を始めて9ヶ月になるけど、素の身体能力もめきめきと上がっている。

 最近やっと「堅」で強化すると、すずかの身体能力と同じ域に達してきたような気がする。
 鬼ごっこやかけっこも互角に遊べるようになった。



 これでようやく身体的なトレーニングとは別に行う修行に入れる。
 やはり男の子としては女の子に負けたままなのは悔しいからな!
 
 それでやるのは、「(エン)」「(ギョウ)」「(シュウ)」「(イン)」「(コウ)」「(リュウ)」の修行だ。

 「円」というのは、体の周囲からオーラを広げる技術だ。「円」内部の「モノの位置や形状を感じ取る」ことができるようになる。

 家の中や敷地内の林の中で、少しずつ「円」を広げ、周りの人や動物が何をやってるか、見なくてもわかるようになる。

 なにより、この能力を使えばかくれんぼの鬼になったときにすぐに相手を見つけることができる。
 ちなみに隠れるときは「絶」を使って気配を消している。

 「凝」というのは、オーラを体の一部に集め、増幅する技術だ。
 オーラを集中させた箇所はオーラの濃度(攻防力)が飛躍的に上昇し、集中させた分、身体能力の上昇効果も上がる。例えば目に「凝」をすることによって、視力が上がり、隠されたオーラを見ることができるようになる。
 
 が、実際には隠されたオーラなど「凝」を使わないと見えないモノが周囲に無いので、目にオーラを集中しても精々視力が上がるぐらいしか実感できない。

 「凝」なのに成果が見えない、とか言ったりして。

 「周」というのは、物にオーラを纏わせる技術だ。
 「対象物の持つ能力を強化する」ので、刃物なんかは切れ味が強化される。

 今のところ、強化すべき対象物の当てがないので、特に修行の成果を実感することがない。

 「隠」というのは、自分のオーラを隠し見えにくくする技術だ。

 「隠」の修行は1人だとできてるのか、できてないのかがわからない。

 なので、修行相手にぬこを選んだ。

 月村家は姉妹両方があちこちでぬこを拾ってくるので、有り体に言ってぬこ屋敷だ。
 中には、人の気配に敏感でナデさせてくれないぬこもいる。

 そんなぬこを「堅」により身体能力を上げ、その身に纏ったオーラを「隠」で隠し気配を絶ち、一気に近づき捕まえてモフモフしたり、肉球をさわったりするのだ。
 精神(こころ)も癒され『こうかはばつぐんだ』。

 「硬」というのは、練ったオーラを全て特定の部位に集め、オーラ濃度(攻防力)を飛躍的に高める技術だ。
 「練」でオーラを増やし、「纏」でオーラを維持し(「堅」)、集める部位以外の箇所を「絶」でオーラを絶ち、「凝」以上にオーラを集中させる複合発展形の技術と言える。

 「硬」は、「堅」「絶」「凝」と順にやっていくと、割とすぐにできた。
 「オレって才能あるんじゃね?」と思った瞬間、「硬」が切れた。

 つまり、「硬」は時間をかけてれば誰にでもできる技術で、できるできないではなく、如何に短時間で「硬」を発動するか、「硬」で発動するオーラの量をどれだけ増やすか、「硬」を維持する時間をどれだけ延ばすかが重要だったのだ!

 ………要修行だ。

「流」というのは、オーラを体の各部に意識的に振り分ける技術だ。
 全体で100というオーラがあれば、必要な箇所に不必要な箇所のオーラを移動させることにより、必要な箇所のオーラの量を変化させる。
 残す量や箇所、増やす量や箇所、増減の速度など念の「基本であり、最終」ともいえる技術だ。

 原作のように「オーラの量を○%」とか、自分ではわからないので、オーラをスムーズに動かすというのを目標に、「凝」で集めたオーラの塊を体に這わせて動かす修行をしている。
 亀のように動くオーラを感じるのはかなりせつない。

 こうしてオレは日々修行の毎日を過ごしていった。

 すずかと遊びながら。 
 

 
後書き
とまぁ、本来「念」による攻撃で死ぬはずだった主人公は、すずかに血を吸われることによって言わば強制的に生き延びさせられたので、無意識に「(テン)」を成功させることができ、念能力者として生き延びられたと言うわけです。
で、「念」能力を鍛えることに。 
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