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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第20話:温泉は心も体もリフレッシュさせる

(アネイル)
マーニャSIDE

私達はアネイルの宿屋へ……各自に割り当てられた部屋へと向かう。
宿屋内に併設された食堂で夕食をすませ、町のメイン施設でもある温泉へと繰り出すつもりなのだ。
着替えやらタオルやらを用意し、再度フロントへ集合!

聞いた話では混浴温泉だとの事……
いけしゃあしゃあと男のシンとホフマンが集まっているのが気に入らない!
「おいキサマ等、私達は女性だけで温泉を楽しむつもりなんだよ! 覗く事は勿論、一緒に入る事など許さんからな!」

「ち、違いますよマーニャさん! 俺達は貴女達の後で入る予定なんですが、リューノちゃんが『おい野郎共……絶世の美女が入浴している間、不埒な者が覗かない様に見張ってろ! お前等が覗いたらブッ殺すゾ!』って強引に……」

この()の良いところは、不必要なまでの上から目線だ。
どんなときでもお願いするのではなく、命令をする女王様体質だ!
「なるほどね。でも何でウルフが居ないの? アイツが一番見張りに適してると思うんだけど」

「ウルフは昨晩の見張りをしてから眠ってないし……集合前に部屋を覗いたら、ベッドで横になってたし……」
あら珍しい……この()が気を遣うなんて。
私としてはウルフには一緒に温泉へ入ってもらい、誘惑攻撃を仕掛けたかったのだけど……

まぁ仕方ない!
見張り二人を従えて、絶世の美女軍団は温泉でリフレッシュしましょうか!

マーニャSIDE END



(アネイル)
シンSIDE

「シ、シン君……この直ぐ後ろで、美女達が全裸で入浴してるんですよね」
「まぁ温泉だからね……服は着てないだろうね」
「覗いたら……殺されますかね?」
「多分ね……そう言ってたし」
何時の世も、どんな時でも女性は主導権を握るのか……

俺も村にいた頃は、シンシアの命令には逆らう事が出来なかった。
基本的に理詰めで追いやられ反論を封じてからの命令……
仮に辛うじて言い負かせても、伝家の宝刀『泣き落とし』が待っている!
アレをやられて強硬手段に出られる男が居るわけない。

強硬手段といえば、昼間のウルフさんは凄かった!
俺もマーニャさん達も、完全に騙され観光案内の男について行くところだった。
あの悪質な勧誘を回避した手腕……凄いと思う。
でもお金を払わせる事なかったんじゃないかな?

あれではカツアゲに等しいよ……
まぁ……宿代が浮いたけどね。
食事も豪勢に出来たけどね!!

そう言えば、リューノちゃんがウルフさんの手腕(カツアゲ)を見て『凄~い! まるでお父さんが居るみたい!』と喜んでウルフさんに抱き付いてたな。
あのリューノちゃんが抱き付くなんて……相当凄い事なんだろうなぁ。
でも、リューノちゃんのお父さんでウルフさんのお師匠さんって……一体どんな人なんだ?

シンSIDE END



(アネイル)
ウルフSIDE

どうやら温泉に行ってた女性陣が各々部屋へと戻ってきた様だ。
正直現在、ミネアさん以外の女性陣には気まずくて会いたくないので、俺の部屋にやって来る前に温泉へと向かいます。

町に騒ぎは起きて無いみたいだし、シン君達は覗いたりはしなかったんだな。
こう言う時はリュカさんが居た方が面白くなるんだろうなぁ……
現状の俺では、率先して覗きを促す気になれないけど。

しかし困ったな……
まさかリューノに告白されるとは……
あれがツンデレってヤツだったのか?
昨晩以前にデレられた記憶が無いから分からなかったよ。

正直言ってリューノは可愛い。
それは当然だろう……何せリュカさんの遺伝子が入ってるのだからね。
あの人の子供で水準以下の子は居ないだろう!
100点満点中、低くて90点だ!(しかも無理矢理低く見積もって)


宿屋を出て温泉まで歩き考える……
俺は自分でロリコンじゃないと思ってる。
その証拠に、マーニャさんやミネアさんに欲情する事しばし……
勿論手は出さないけども、あのボディーは魅力だよ。

しかし考えると、まだツルペタ時代のマリーに欲情していた前科がある……
あの頃は“マリーの内面に惚れた”って自分でも思ってたけど、まだ膨らみかけのリューノに対し、あそこまで盛り上がれる自分に疑いを持つね。
今『お前……ロリコンだろ!』と言われたら、完全否定する自信が無いッス!


時間は既に深夜帯……
開いている商店などはなく、静寂が耳を刺激する。
そんな静けさの中、目的の温泉が見えてきた。

すると中から、シン君とホフマンさんが湯上がり姿で現れる。
女性陣の後で温泉に入ったはずだから、まだそんなに時間は経過してないのに……
随分と早いのだな!? 温泉を満喫すれば良いのに……勿体ない。

「あれウルフさん、お目覚めになったんですか?」
シン君が気遣う様に俺に話しかける。
あぁそうか、リューノが部屋を覗いた時に寝たふりをしてたから、俺が疲れ切っていると思ってたんだ。

「ん……うん。一眠りしたら温泉に入りたくなってね……俺の事は気にせず、二人は宿屋で休むと良いよ」
そう言って心配げな顔をするシン君と擦れ違い、俺は温泉へと入って行く。


服を脱衣所で脱ぎ、浴室へ入って直ぐに身体を洗い清め、無色透明な湯が張る大きな湯船に身を沈め寛ぐ俺。
時間も時間なだけに、客は俺一人……
実に開放的で気分が良い!
悩み多き年頃の俺には、この開放感は格別である!

とは言え、悩み多き年頃の俺には、まだ悩まねばならない事が多々ある……
俺のロリコン疑惑は置いといても、リューノの事をどうするかだ!
正直、好意を寄せてる女性を無碍にする事は出来ない。

きっとあの()の性格からして、今まではマリーに遠慮してツンケンしてたんだろう。
妹が連れ帰ってきた彼氏を羨ましがる訳にはいかないだろうからね。
それに、あの二人は仲が悪いからね……“マリーの彼氏に手を出して、二人の仲を破滅させようとした”なんて言われたくないだろう。

では何で今更告白してしまったのか?
それはやはり……この非日常的時間の所為だろう!
家族(特に父親)とはぐれ、身を寄せた村は滅ぼされ、久しぶりに再会できた相手が密かに恋心を寄せる俺であった……

邪魔な(気を遣う)マリーも今は居ないし……
気付かずに俺は口説いちゃうし……
きっと我慢が出来なくなったんだと思う。
はぁ~……参った!

(ペタ、ペタ)
気付くと俺の背後(脱衣所への扉がある方)から、他の入浴客の足音が近付いてくる。
貸し切り状態は終わりかと、ガッカリ気分で振り返ると……

何とそこには裸のリューノがタオル一枚で身体を隠して立っていた!
温泉の熱気か、それとも恥じらいなのか、頬を赤く染めて湯船に入り、俺の真横で腰を下ろす。
勿論その際は湯船にタオルは付けません。
温泉ルールを守ってらっしゃる!

「リュ、リューノさん……眠ったのではないのですか?」
緊張で声が上擦る。
「うん。ウルフが温泉に行くのが見えたから、後を付けてきたの」
出遅れたか!? もっと早く……そして密かに出るべきだった!

「あ、あの……夜更かしは美容に悪いと思うよ……」
俺は右横に来たリューノを見ない様に、真っ直ぐ正面だけを見て話しかける。
すると彼女は俺の腕に柔らかい何かを押しつけ答えた……

「うん。美容には気を付けてるよ。我慢する事も良くないと聞くし、こうやって思いをさらけ出してるの」
一体俺の腕には何が押しあたっているんだ!?
柔らかい膨らみの中に、ポチっとコリコリの何かが存在する。

ああ、俺の暴れん坊ソードが眠りから覚めちゃった……
タオルとかで隠せないから、それを見たリューノが「うわ、すごっ……」って呟いてる!
この温泉は何で乳白色とかの濁り湯じゃないんですか!?
それとも俺が頑張って乳白色に換えろって事ですか!?

ウルフSIDE END



 
 

 
後書き
以前はニット帽の貴公子だったのに成長したものよのぉ…… 
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