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連邦の朝

作者:連邦士官
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第二十六話 技術者

 
前書き
トリステインの未来は… 

 
「私は、コルベール家の人間です。」
その言葉はこの会議室を支配した。

「それは、本当なのかな?コルベール君?」
ワイアットは、冷静だった。何故ならばこれまでの感触でコルベールは、トリステインに対して悪い感情を懐いていないようだし、やりようによってはコルベール家の残党がトリステインに組み込まれ、ワイアットの死亡確率が減ると言う事だ。更には、ワイアットの情報にはコルベール家は、防衛戦にギリシャ火薬や連弩等の未だに各国が達していない科学水準と魔法では、複合魔法を使ったり魔力効率を良くしたり研究をしていたらしい。未確認情報だが、初期の簡易的なロケットと紙等を使った小さな天灯や缶詰等を使っていたらしいと言う話があったのだった。何故未確認かというとコルベール邸は火薬で吹き飛んでしまったからだ。

そんなワイアットの思惑をよそに(話さなくなったワイアットに注目しているマリアンヌとジャンヌ以外)話が進んでいくのだった。

「グリーン様!聞いていますか?」
ワイアットが珍しく思考の海に沈んでいると、マリアンヌがワイアットを揺さぶっていた。

「何だ、マリアンヌ?」
ワイアットは聞いていなかったが冷静に対処しようとした 。

「ですから、聞いていらしたのですか?」
マリアンヌはワイアットにもう一度聞いた。

「いや、皆のものすまないもう一度聞きたい。」
ワイアットは詫びた。

「つまり、要約すると研究費とコルベール家の復興をしたいと言うことらしいです。」
マザリーニが告げるとワイアットは

「ふむ、そう言うことか…コルベール君!」
と言いコルベールの名を呼んだ。

「ハイ!」
ワイアットに返事をするコルベール。

「君の願いを聞き入れよう。更には、君たちコルベール一族が集まるならば、その費用もトリステイン持ちとして、コルベール家の人間専用の研究所を創設して多額の予算をあげよう。コルベール君、早く一族に伝えたまえよ。」
ワイアットから破格いや夢のような条件が飛び出しコルベールは

「有難うございます、有難うございます。」
と泣きながら繰り返してから、会議室を後にした。

「マリアンヌ、自分の部屋に帰りなさい。」
ワイアットは、まるで娘にするかのような優しい手つきでマリアンヌの頭を撫でながら言った。

「グリーン様!そんな、多くの人が見ている前で…」
マリアンヌはワイアットに撫でられながらクネクネして、頬を赤くしていた。
それに対してワイアットはマリアンヌが言った事を少し前の自分自身にいってほしいと思った。

それから、ワイアットは何とかマリアンヌを帰した。

「それでは、会議を再開しよう。」
ワイアットの一声で会議を再開した。

「陛下、農薬や肥料開はは順調です。土壌改良も成功しました。収穫量は昨年度の3,3倍程度と予想します。」 リッシュモンが席から立ち上がり報告した。

そうこうしている内に会議が終わり、ワイアットはジャンヌとリッシュモン、マザリーニを呼び止めた。

「すまんな、呼び止めてジャンヌ、君に任務を与える。大丈夫だと思うが、コルベールを監視するために彼の護衛に就いてくれ。頼むよ、ジャンヌ。」
ワイアットにそう言われたジャンヌは

「わかりました!任せてください!」
と自信たっぷりに答え、準備するために帰っていった。

「陛下、私たちは?」
マザリーニの問いにリッシュモンは頷きながらワイアットに聞いた。

「君たちは、私が一番信頼し最初から手伝ってくれたからこそ聞くが、私が今ま見せた物を君らは知らないか?」
ワイアットの問いに

リッシュモンは
「初めて見ました。知っていたら研究して、トリステイン軍の装備にしています。」
と答えて、マザリーニは

「噂ですが、ロマリアのどこかにあのような物を大量に保管しているらしいです。私も目にしたことがあります。」
そう言われたワイアットは

「マザリーニは、ロマリアに探りを入れてくれ。だが、派閥が崩れそうだったらしなくて良い。」
と言いマザリーニは

「わかりました。お任せください。」
早速、マザリーニは動く為に素早く帰っていった。

それを見届けたワイアットは残ったリッシュモンに
「そして、リッシュモンは、各地にこのような変わった物がないか諜報局を使ってくれ。一つだけ、条件がある。」

「その条件とは?」
リッシュモンがワイアットに合わせて聞いた。

「その条件はな、他国を刺激し過ぎるとまだトリステインには、まだ早い戦争になる。我が国が負け始めると他の国も我が国を攻めることになるだろう。国内を重点的に、国外は広く薄くな。」
ワイアットの話しにリッシュモンは

「元々、諜報局を考えた陛下が言うのであれば…まだ大国相手に二面作戦や同盟国と戦争は、辛いですからな、トリステインは…。陛下、このリッシュモンにお任せください。」
自信の笑みを浮かべながらワイアットに答えた。

こうして後年には、トリステインの天下を分けたと言う通称コルベール会議が終わったのだった。 
 

 
後書き
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