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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡

作者:紺碧の海
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序章 出会い
  第10話 心を閉ざした泥棒

 
前書き
ど~もど~も、紺碧の海でございます。
記念すべき第10話でございます。ここまで進んだのは読者様のお陰です。ありがとうございます!
今回はイケメンが登場しま~す♪
更に今回はエルザ様目線で書きたいと思います!
それでは、第10話・・・スタートです! 

 
マ「ねぇねぇ、ミラからこんなチラシもらったよ。」

マヤが持ってきたのは1枚のチラシだった。

ル「え~と、なになに、【Trick Wanderland あなたも有名手品師(マジシャン)、アテラス・カンクスの手品(マジック)の世界に入りませんか?】だって。アテラス・カンクスって、今話題のイケメン手品師(マジシャン)じゃない!」

マジックか。面白そうだな。

マ「ねぇねぇ、せっかくだから皆で行こうよっ!」

という訳で、新しくリョウとユモも加わった最強チーム、8人+2匹でTrick Wanderlandに行く事になった。

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会場に着くと、ほぼ席は満員だった。

リョ「す、すっげェ~人だな。」

ナ「そんなに人気なのか?テラス・スカンクっていう奴の手品(マジック)は?」

ル「アテラス・カンクスよっ!」

ミラとルーシィの話によると、週刊ソーサラーの「彼氏にしたい魔道士ランキング」というコーナーで、いつも上位をキープしている魔道士らしい。

グ「魔道士?そのアテラス・カンクスって奴、手品師(マジシャン)じゃねェのかよ?」

ルーシィの言葉に疑問を思ったグレイが首を傾げながら問うた。

ル「手品師(マジシャン)でもあって、魔道士でもあるのよ。でも今はあまり魔道士としては活躍してないけどね。」

確かに、アイツからあまり魔力を感じない。魔道士としての実力は、かなり衰えているみたいだな。

ウェ「あ、そろそろ始まるみたいですよ。」

ウェンディが言った瞬間、会場が暗くなり、ステージの上がスポットライトの光で照らされた。ステージの奥からスーツをピシッと着こなしたマイクを持った男が現れた。どうやら司会者のようだ。

司「Ladys and Gentlemans!今日はTrick Wanderlandにようこそお越し下さいましたっ!それでは早速登場してもらいましょう!今回の主役、今話題のクール&イケメン手品師(マジシャン)、アテラーーースッ!!!」

すると、ボワァァァン!とステージの上から煙が上がると、1人の男が観客に向かってお辞儀をしていた。

客1「アテラス~!」

客2「カッコイイーーー!」

客3「こっち向いて~!」

客4「キャーーーッ!」

す、すごい人気だな・・・私は観客たちの歓声に圧倒される。アテラスは観客に軽く手を振ると、

客全「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」

女性人の甲高い声が会場中に木霊した。

ナ&グ「うるせぇ~!」

マ&ユ「耳が壊れる~!」

ナツとグレイとマヤとユモは必死に耳を塞いでる。アイツが女性に人気なのは分かる気がする。アテラスという男は、そんじゃそこらにいる男とは比べものにならない。少し先のはねた黒髪に、鮮血のような赤い吊り目が特長だった。青い天馬(ブルーペガサス)にスカウトされる確立は90%以上ある。

リョ「へー、思ってた以上に男前の奴だな。」

リョウも私と同じ事を思ったのか、首の後ろを掻きながら言った。

ル「そりゃそうよ。週刊ソーサラーの「彼氏にしたい魔道士ランキング」で同じ、上位ランカーの青い天馬(ブルーペガサス)のヒビキと対立してるくらいだもん。ヒビキは女の子達を次々と口説いてくほど女の子慣れしてるんだけど、アテラスは口下手で女の事は一切関わらないのよ。」

リョ「今めちゃくちゃ関わってるじゃねェかよ。」

ル「これは仕事だから仕方ないでしょ?そのクールな一面が、女の子達の人気を集めてるのよ♪」

リョ「ふ~ん。」

ルーシィの説明にリョウは興味無さ気に返答する。これはあくまでも私の推測だが、リョウの奴、アテラスに嫉妬しているのかもしれないな。

司「さぁアテラス、準備OKかい?」

ア「いつでも。」

ピシッと着こなした黒いタキシードの襟と、赤いネクタイを整える。とても気合に満ちた赤い瞳が輝いていた。

司「OK!それじゃあ、It’s show time!」

司会者が腕を上に突き上げてパチン!と指を鳴らした。
こうして、1時間半に渡る手品(マジック)ショーが幕を開けた。

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1時間半後、マジックショーが終わり、観客達は全員帰って行った。多くの人はアテラスの華麗なる手品(マジック)について語り合いながら会場を出て行った。
私達も夕方のマグノリアの街を歩いて帰るところだった。

ウェ「すごかったね~、シャルル。」

シャ「えぇ。あんなに大掛かりな手品(マジック)は初めて見たわ。」

ル「楽しかったわね。」

ナ「そうか?」

ハ「あい。」

ル「あんた達は途中で寝ちゃったでしょっ!」

全く。恥ずかしいったらありゃしない。すると、

リョ「おい、アイツさっきのアテラスじゃねぇか?」

リョウが指差したところに、マヤの髪の毛と瞳の色のようなオレンジ色に光り輝く夕日を眺めているアテラスの姿が見えた。

ナ「お~い!アテラス~!」

ナツが呼ぶと、驚いた表情でこっちを振り返った。アテラスはタキシード姿から白いトレーナーに黒いベストを羽織り、今流行の青いジーンズを穿いていた。私達はアテラスに駆け寄った。

ア「え、えぇっと・・・」

エ「驚かしてすまない。私達は、君の手品(マジック)を見に来た者だ。」

ア「そ、そうか・・・」

反応が薄いが・・・まぁいい。

エ「私はエルザだ。こっちは私の仲間の・・・」

マ「マヤで~す☆」

ナ「俺はナツだっ!こっちは相棒の・・・」

ハ「ハッピーです。」

リョ「俺はリョウだ。ルーシィの」

ル「はいはいはいはぁ~い!私はルーシィよ。」

グ「俺はグレイだ。」

ユ「私はユモス。「ユモ」って呼んでね。」

ウェ「ウェンディです。こっちはシャルル。」

シャ「どうも。」

軽い自己紹介をすませると、

ナ「お前の手品(マジック)すごかったな!」

マ「うんうん。カッコよかったよ!」

手品(マジック)について、それぞれ思い思いの感想を述べる。私達の感想にアテラスは小さく微笑むと、

ア「ありがとうな。でも、手品(マジック)は全部嘘なんだぜ。」

ル「えっ?」

ア「「嘘つきは泥棒の始まり」って良く言うだろ?」

シャ「確かに、良く言う事だけど・・・」

つまり、アテラスは「自分は泥棒」だと言いたいのか?

ア「まぁ、簡単に言えばそういう事だな。それに、俺の本当の名前はアテラス・カンクスじゃないんだ」

ア以外「えっ?」

ア「この時点で、俺は嘘をついてるから、俺は精進証明の「泥棒」さ。」

という事は、「アテラス・カンクス」という名は偽名・・・という事か?

ユ「じゃ、じゃあ、あなたの本当の名前は?」

ユモが少し戸惑いながら問うと、

ア?「・・・俺の本名は、俺が信用出来る人間にしか言わない。この世界に生きる人間は、信じれる人間と、信じられない人間がいるからな・・・今日は来てくれてありがとう。じゃあな。」

そう言い残すと、彼は西の方角に歩いていった。

リョ「アテ・・・いや、アイツ、心を閉ざしてるな。」

エ「自分が認めた人間だけに心を開く・・・か。」

ル「何か、変わった人ね。」

あぁゆう気持ちを持った奴は、この世界にはたくさんいる。私も、ギルドに加入したばかりの頃はそうだったからな。

ナ「んな事より帰って飯でも食おうぜ。」

ハ「あい。おいら腹ペコだよ~。」

マ「魚手に持ってるじゃん。」

こんな他愛も無い話を交わしながら、私達は再びギルドに向かって歩き出した。 
 

 
後書き
第10話終了!
今回登場した新メンバーは信用できる人以外には心を閉ざしているんです。そして彼は、マジシャンでもあり、魔道士でもあるんです。その活躍はまた次回。
次回はマヤとエルザの恋話ですよ。お楽しみに!
それでは、さよなら~! 
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