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めだかボックス 〜From despair to hope 〜

作者:じーくw
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第23箱 「矯正し、強制し、改善し、そして改造してやるぞ!」

























この場所は……。


【1年1組】


善吉が身を挺して?劉一を救った後の事。 苦笑

「まあ、とりあえず人吉に救われたね〜 劉一!」

クラスで一緒に残っていた不知火が、笑いながらそういった。

「まったくだよ… 怖かったなぁ……。」

劉一は苦笑しながら答える。

実の所、その危険な状態にしたのは、他の誰でもない、目の前の不知火のせいなんだけど……。

口に出して言っちゃったら、何されるかわかったものじゃないから、劉一は、口を噤んだ。

「結局のところ〜 アンタって、ほんとにしらないわけ?あのお嬢様のこととかさー?」

不知火は不知火で、まだまだニヤニヤしながら聞いてくる。

危険なポイントをよーくおさえているようだ。


「しっ しらないよー!」


劉一は、こんなに直ぐに聞かれるとは思ってないし、突然のことだったから驚いてしまった。

「でーもさっ? 劉一ってあのお嬢様の話になる時結構関わるまいとするじゃん!なーんか あやしーんだよねー♪」

…不知火はかなりするどい。

善吉なんかと比べ物にならないくらいずっと。


「はぁ…何か食べたいものでもある?不知火……」


劉一はそう言う。

まるで、食べ物で釣るの?って思われるかもしれないが……。

「あひゃひゃ♪ラーメン!」

この一言で不知火はピタッと収まる。

釣れるんだよ。不知火は……。

だから、不知火は劉一にとってある意味めだかちゃんより厄介な存在とも言える…。

何せ、同じクラスメイトだと言う事も拍車をかけている。

だから、一番手っ取り早い方法で終息に向かったのだ。

即ち、今日は奢ると言う事。

今日()って言うか…今日()だ。

実の所、一回や二回じゃなかったりする……。





「OKだよ。さ、食堂いこ。」

「はぁーーい♪」



そう言い、2人は仲良く食堂に向かう。





その後たらふく食われて… 劉一の財布の中身が大変になっちゃったのは別の話だ…。





………ぐすん。


















食事が無事終わり。

2人はとりあえずブラブラと歩いていた。

「はぁ…一体 体の何処にあれだけの量が入るのかな?不知火は…」

呆れながら、そして、ほぼ空の財布をひらひらさせながら劉一はそう言う。

「えー☆何言ってんの~? そりゃお腹の中に決まってんじゃん☆」

不知火はと言うと、ただ あひゃひゃ♪と笑っていた。

でも、明らかに食べた方の体積の方が多いと思う。

それ聞いても答えてくれそうに無いけれど。


「ん?あれは…」


劉一はふと見てみると、ある人物が見えた。

「人吉だね〜 それにあそこは今は不良のたまり場になってる剣道場だね♪また巻き込まれてるみたいだね〜♪」

悟ったのか、不知火はすっごい笑顔でそういう。


「あははは…、不知火が助けてあげればいいのに…。」

「あたし?やだよやだ!あたしは親友が酷い目に遭うのを安全圏で眺めていたい人間だから!!」

不知火は全力でそれを否定!!

何ともまぁブラックな性格ですこと……。

「なははは… そこまで言い切ると清々しいものが… 随分と高尚なご趣味だね?不知火は……。」

ある意味凄い… 真剣な顔で言っているところも凄いな〜

本人の前でも言うんじゃない?平然と…

「そっそっ♪ん~ってな分けで?一緒に覗きに行こうよ♪劉一っ!」

そう言って劉一の制服を引っ張る不知火さん。

「え゙え゙!……なんで僕も??」

劉一はそう引きつった笑顔で返す。

しっかりと引っ張られるのを踏ん張りながら。

「えーいいじゃん♪ ほらぁ〜 じゃないとあたし、いろいろ喋っちゃうかもっ☆」

それは正に脅し!!

綺麗な笑顔でそう言うその笑みは悪魔の笑みだ。

「んーっ!えっとねーっ♪ 僕!剣道にスッゴク興味があったんですー。 行こーかなー!!」

「あひゃひゃ♪そうこなくっちゃ!」

この笑みは…

やっぱり、すっごい悪魔に見えちゃったりする……。


(うう……… 不知火の鬼…悪魔ぁ……)

「なぁ〜に?劉一〜〜??」

不知火は考えを読むかのようにニヤニヤ………っと。

「何でもないよ〜〜〜〜!」

劉一は苦笑いしかでないようだった。

そして、2人は剣道部へと向かった。



















【剣道場】





そして、異様な気配がするその中を覗いて見ると…






“タ タ タ タ タ タ タ タ タ タ タ タ ”






分身の術!!

そして驚いているヤンキー達のシーン!

(めだかちゃんが…たくさんいる…… )


……怖いッ



「見て!劉一!忍者がいるよ♪」


不知火なんだか楽しそうだ。

そして、劉一は懐かしさを…思い出していた。

「ははは… 久しぶりに見た…。随分と錬度が上がってるみたいだ……。」

劉一は、あまりに懐かしい光景についつい、 声に出てしまったようだ

「んー?久しぶりってぇ〜??」

その言葉を聞いた不知火は再びニヤニヤ…っと笑う。

「あ゙……。」

劉一は、思わず口を抑える。

あまりにも懐かしすぎたから、ついつい出てしまったようだった。

「甲賀忍者の時代劇でね〜それで 分身の術!があったんだよ!不知火!」

劉一は 笑いながら…なるべく自然に返す。

「ふう〜〜ん… まっ いーや☆今お腹いっぱい出しっ♪」

……要求は食べ物……のようだ。

(財布… どうしよう……)

劉一は…今後の財布を心配していた。





で…2人で馬鹿言ってる間に…。




「…それでもタバコは控えておけ 貴様達の健全な成長の阻害するし 何より将来の楽しみがなくなるぞ!」

めだかが持っていたセンスの上にピラミッドのように積み上げたタバコを見せそういった。



「………っ!!」
「え…オレのタバコ!!」
「何なんだ!今の!?」「忍法か!?」




不良たちは驚きながらざわめいていた。

(だよね…あれ見せられたら……)

「はは……あれは、一応剣道だよ。……送り足と継ぎ足を交互に使った……ね。でも、あれだけ早かったら、そうみえるだろうけど… ってか、僕も実際見えたし…。」

一通り解説をしちゃった劉一クン…。

「おっ!御神。よくわかってんじゃん。ってか何でココに?」

どうやら、傍に善吉がいたようで。

近づいてきた。

「あっ いや……その、不知火がね…?」

そう言って指を指す…。

でも、劉一が指したその先には……。

「あん?…不知火?どこに?」

いつの間にか不知火は影も形もなくなっていた…。

「あれれ… えー……不知火…… いなくなってるし………」

劉一は、ガクっっと肩を落としながらそういう。

誘ったのは不知火なのに……。

「あいつはアンタッチャブルな奴だってしってんだろ?テキトーに飯でも食わしてりゃ無害なんだからよ。」

善吉は苦笑いしながらそう言う。

同情してくれているようだ。

「十分にわかってるよ…でもね……その飯を食わせたばっかりなんだ……。」

劉一は更に更に肩を落とす。

「そりゃ… 気の毒に…」

善吉も苦笑していた。

そんな時…



「なんだよ!!セッキョーかよ!お呼びじゃねーんだよ!生徒会長さんよぉ!!」
「いい気になってんじゃねーぞ!」



何やら怒号が聞こえてきた。

そしてその次にめだかちゃんが……。



「…哀れなことだ貴様達もかつては《真っ直ぐな剣道少年》だったに《決まっている》何か《重大な理由》があって《挫折を経験し道を踏み外してしまった》としか《考えられん。》」




ず〜〜ん…

遥か上空から見下ろしているかのようなその姿。上から目線。

こういう人たちって…大抵は、木刀が好きでタムロしているヤンキーじゃ…? 苦笑


「これが… これこそが黒神めだかの真骨頂『上から目線性善説』…」

「なっ…ナルホド…よくわかるよ……。見てみたら。」


劉一と善吉、2人してず〜んな表情に…

めだかちゃんのその真骨頂は更に続く…。




「親に見捨てられたか?よき師に出会えなかったか?友に裏切られたか?安心しろ私が貴様達を更生させてやる 剣のこと以外 何も考えられないようにしてやる、矯正してやる強制してやる改善してやる改造してやる。」




え……?????


「ねぇ?善吉…… 僕、後半あたり凄いセリフが聞こえたんだけど…」

「きにすんな… オレは気にしない。」



そっかー!

それでいいの?

めだかちゃんは、さまざまなポーズを取りながら…そう言っているんだけど、

なんで?そんなポーズ?

更に続けた。

「二度とだらけようなどと思えないよう 泣いたり笑ったり出来なくしてやる」

(いや!それはひどいよ!)


劉一は、声に出して言わないけど心で思っていた。

絶対言ったら目をつけられる…っと思って。 苦笑


「まずは素振り1000回からだ!貴様達!今日は歩いて帰れると思うなよ!!」


めだかちゃんは、物凄い眼力で全員を睨みつける!!!

まるで、その目から光線が飛んでいるようだ!!!!




「ひええええええええ!!」
「ぎゃあああああああ!!」





不良たちの叫びが木霊した………。




「さあ!善吉!貴様もだ!」

そして、当然のように…善吉も呼ばれた!

「なんでだうぎゃああああ!!」

拒否する間もなく善吉はめだかちゃんに頭を鷲づかみにされて、剣道場の奥へと放り込まれる…

いきなりの事に固まっていた劉一は、当然放心しかけけていた。


「む… 御神同級生もいたのか…貴様も混ざりたいのか?」

めだかちゃんは、劉一の傍に来てそう言う。

(よかった… どうやら善吉だけのようだ。強制参加は…)

っと一瞬安心したが、今は危険な状況には変わりない。

「いっいえ!! 偶々酔っただけなんで!!シツレイシマス!!」

劉一は慌ててそう言う。


「おい!」


でも、めだかちゃんに呼び止められる!!

「ふえっ!」

ビキッ!っと固まっていたが……。

「よるの漢字を間違えておるぞ!」

どうやら、誤字の指摘をしたかったようだ。


……すみませんでした。















とりあえずその日は…

他に沢山改造?しなくちゃいけない人たちがたっくさんいた為…比較的簡単に抜け出れた…。


(前髪が取れたら最悪だからね…激しい運動は……。)


劉一はほっと胸をなでおろす。

今後、体育とかでも気をつけなければならない……と考えていた。
















翌日。



【食堂】


不知火と善吉、そして劉一も不知火に誘われて昼食を取っていた。

今回もおごりなのかな?


「前から思ってたけどさー人吉って頭悪くない?なんで毎回毎回お嬢様のシゴキに付き合ってんだよ〜部外者の癖にさ!」

「うるせぇ!」

何気に酷い事を言っている不知火。

いつも通りかな?

でも、劉一は不知火に言いたいことがあったようで……。

「不知火は酷いよね… 僕を巻き込もうとするし… 昨日もさ…」

昨日の事。

結構酷かったからね……。

不知火はニヤリっと笑いながら劉一を見る。

「あひゃ〜?何か言ったのー?劉一君〜?」

「なんでもないよー♪」

劉一は条件反射の様にそう返した。

不知火にかかればまた同じような目に合わされそうだと思ったから。

(やばぃ… 喋り方がちょっとうつっちゃったかな…?)

劉一は、不知火には頭が上がらないみたいだ。



「そういや、劉一は不知火にいっぱい食わされたっけか?」

「食わしてあげたのにね… 返されちゃったよ…」


善吉と劉一は苦笑いするしかなかった。


「そりゃー 食べさせてもらったんだから、劉一にはおれーはしないとさ☆」

不知火は笑いながら言っていた。



……不知火には、お礼の意味を辞書で調べて来いと言いたい…そして書き取り100回だ!




「そっれよっりさー! 人吉!」

不知火が口元を拭きながら言う。

「ん?なんだよ。」

「【劉一】って名前にさ〜 なーんか ご執着あるの〜?」

「!!!」

なんでこのタイミングで!!

「ん?ああ そのことか… そうだ。御神劉一わるかったな。この間は。」

善吉は劉一の動揺には気付いてなかったようだ。

そして、今までは名前で呼んでいたのに、なぜかフルネームで名前を呼んでいた。

「……え?」

「…劉一って名前で昔親友がいたんだ。あのめだかちゃんと張り合って、それも互角の戦いをするよーなややつがな、」

そう言うと不知火は笑いながら驚いていた。

笑いながら驚く?

随分 器用な驚き方をするみたいだった。

「………。」

劉一は黙っていた。

「そいつは…失踪してしまったんだ。突然な、前触れもなく、それで めだかちゃんは狂ったみたいに捜索をずっとしていたんだ。 でも…見つからなかった。手がかりすら0だ。 それでも、めだかちゃんはあきらめ切れなかったんだろうな。今でも学業…生徒会業務が終わった後、黒神グループで捜索しているアイツを探すために色々やってるみたいだな… だから、お前に…… 同じ名前の過剰に反応してんだろう。それに 何かお前は【アイツ】に似てる感じもするしな……。」

そういって善吉は外を見た。

善吉も…手伝っているようだ。

捜索に……。


「そう…なんだ……。」

劉一は……言葉にならなかった。

だから不自然な返し方をしてしまったようだ。

「へー ッ見つかるといいね☆」

何やら不知火は再びニヤニヤしながら劉一を見ていた。

悪い予感しかしないような笑顔でニヤニヤ…。

でも、この時は劉一はそんな事気にしていないようだった。

複雑な思いだったから……。

この後の善吉の言葉にも……動揺を隠せない。

「まあな… 見つかったら…とりあえずオレは一発ぶん殴る!オレの母さんも心配してんだ!何で音さなしなんだ!ってな!…アイツに……一発…重いのをな。」

善吉はそういって寂しそうな顔をする…。

(善吉…君…)

劉一はやはり…罪悪感があるみたいだ。

あの時は…劉一も本当に苦しかった。

毎日毎日悪夢で目が覚めた。

涙も……留まることなく流れ続けていた。

……本当に何もいえなかったんだ。


「…………。」

「わるいな!辛気臭くして とりあえずまあ めだかちゃんは昔っからどっかずれてたんだよ。捜索っつった話だって、幼稚園くれーの歳でそんなことするんだぜ… その上自分の優秀さをまるで自覚ないし… そのくせ周囲には自分と同じレベルを強要しやがる… でそれが今回はたまたま上手く行ったわけだ あんなひでぇ目に遭っちゃ、あいつらもう剣道場にちかよらねぇだろ。」

そういって 善吉は持っていたご飯を頬張る。

とりあえず… 本当のことを言うと、今すぐにでも謝りたい。

本当に皆にすごく心配かけたし… 本当に悪いと思ってる。

でも…それ以上に…

バレるの結構…と言うか、かなり怖いから…。

特に某生徒会長にバレるのが一番恐ろしい。

そのせいか…謝りたい気持ち…、それより強く!結構この場を離れたいって思うくらいの気持ちなんだ。

でも… 劉一の隣にいる者。

その者の存在が……。

「にやりん♪」

ってな感じなんだ。

この不知火半袖は…理事長の孫だから、劉一の事 知ってても不思議じゃない…。

……っと言うより、この不知火のキャッチフレーズは≪この世に知らぬことなし!≫

らしいから…。



怖いなぁ…




「まぁ それは置いといて〜☆ 人吉って案外分かってないよね〜〜♪あのお嬢様のコトさぁ〜♪」

善吉にグサグサッ!っと突き刺さる… 苦笑

「何を置いとくんだよ…」

刺さってる「→」?を抜きながら答える。

「ねぇ〜?劉一♪」

「え!?僕??」

なぜか不知火は劉一にそうふった。

付き合い浅いはず?なのに劉一に聞いていた。


「えー?わかるでしょ〜 「ワルい奴やっつけてめでたしめでたし」?あれがそんな簡単な女なの〜?」

「……じゃないと思う。」


劉一は、確かに、この部分は賛成していた。

「でしょでしょ♪そんなんだったらあんたも苦労しなくてすんでるでしょ?」

なにやら… 2人は良いコンビ?みたいだ。

「お前らオレを差し置いて仲いいなー!!」

「そんなこと…「にやっ…」あるよ♪」

下僕だよ… これじゃ…。

そして馬鹿騒ぎをしていたら。





「冗談じゃない… (めでたく)なってもらわなきゃ困るんだよ…」




後ろから、ボソッと声が聞こえてきた。

聞こえるように言ってない?ってツッコみそうになっちゃった。

それほど、近くで言っていたから。

「んん?今後ろに誰かいなかったか?後ろってか後ろの席?」

善吉が振り返る。

「え? うん同じクラスの日向がうどん食べてたよ〜〜♪」

「だね。なんだか怖い顔してたけど…それがどうしたの?」

とりあえず 聞く、

「…………いや 別に… 多分気のせいだ、」

そう言うと、食事が終わった事だし、片付けに…

「そだ♪とりあえずまーいーじゃない?あんたも、もうすぐお役御免なんだし。」

不知火が笑いながら言う。

「あ?」

善吉は意味が分かってないみたいだ、

「あれ?知らないの?今日の放課後学園側主催の役員募集かいがあるんだよ?2年3年の特待生を集めてね。っというか… 言ってたじゃん… HRでさ、」

「あ…寝てたからなぁ…」

だそうです…。



あんなに真面目そうな子供だったのにね〜 ≪遠い目≫



「……なんだよ劉一その目は?」

善吉はその視線に気がついたようだ……。

でも 聞こえないふり〜をしていた。

「まーまー☆ 人吉もよかったじゃん! 生徒会のメンバーが決まったら振り回されることなくなるしさ!」

それについては… 複雑そうだなぁ…善吉…

そして、 善吉は剣道場へと行く為別れた。



でも…この後……


【悪夢】が待っていたんだ…。









それは、善吉もだけど、実は……誰よりも劉一に………。














 
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