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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第18話:温もりと安心感……いいえ、俺は戸惑ってるッス

 
前書き
遂に訪れるウルフへの試練……
彼はこの状況を克服出来るのか!? 

 
(砂漠)
ウルフSIDE

新たな仲間ホフマンを加え、俺達は砂漠縦断へと乗り出した。
やる気満々のホフマンに導かれ、一休みもせず昼を回った時間に出立する……
当然、砂漠の真ん中で夜を迎える哀れな旅人……そう俺達ッス!

イシスでも体験したのだが、砂漠ってのは昼間の攻撃的な太陽光と輝く砂からの照り返しによって、強烈な暑さを醸し出している。
翻って夜は、日中の太陽熱を砂が即座に放出する為、寒さが尋常ではなく……寒暖の差が激しすぎるのである!

元気いっぱいで出立を促したホフマンを始め、冒険初心者のシン君達には辛く、日が暮れ幾ばくも歩かないうちに限界を迎えてしまう。
特にリューノには堪えたらしく、早々に馬車内へ下がりダウン状態であった。

俺は元より戦闘をしないでいたので、体力が有り余っている……ついでに言えば、荷物も馬車に入れて移動できる様になったので、荷物持ち要員としての役目もなくなった。
だからと言うわけでは無いのだが、皆が馬車内で眠っている間、外でたき火を囲い見張りをしています。

シン君はリーダーらしく『数時間したら俺が代わりますから、ウルフさんも休んで下さいね』って言ってくれた……
優しさに涙が出そうだが俺は彼を起こさない。
自ら起きてこなければ交代してやらない。

冒険初心者が偉そうにベテランへ指示を出してもらいたくない。
初心者は初心者らしく、しっかり休んで心身共にリフレッシュした状態で日中の行動に全力を尽くしてもらいたい。


俺は簡易ポットで暖めたコーヒーをコップに注ぎ、その熱さに耐えて飲みながら思い出す……
そう言えばリュカさんも一人で見張りをしてくれてたなぁと……
自分自身も今のシン君達みたいな時代があったなぁと……

「わぁ寒っ! 昼間とは大違いで寒いわね!」
満天の星空に義父の記憶を投影していると、その娘が馬車から起き出してきて呟いた。
見ると彼女はノースリーブのワンピース姿でこちらに近付いてくる。

「何だリューノ……起きたのか? 大丈夫か、昼間は辛そうだったけど?」
「あ、うん……ゴメンね迷惑かけて。一休みしたら大丈夫になった……っても、夜になって涼しくなったからだけどね」
そうか、そう言えばこの()はスノウさんの娘……雪の女王と言われた事もあるほど、寒い系が得意な母親の娘だったな。

「それにしても、その格好は寒いだろう!? ほら……こっちに来てたき火にあたれよ。暖かいコーヒーもあるから……」
そう言って俺はリュ-ノを手招きし、もう一つのコップにコーヒーを注いで掲げて見せる。

「うん、ありがとう」
珍しく素直に礼を言うリューノ……
小さな両手でコップを受け取ると、自然な動きで俺の膝の上にチョコンと座る。

うん。膝の上と言ったが、俺は胡座をかいて座っているので、ほぼ股座に収まる感じだ。
そのまま背中を俺の前面に押しつけ、俺のマントを俺ごと羽織る様に引っ張るリューノ……
グイグイ密着してくるので、彼女の柔らかいお尻が、俺の暴れん坊ソードを心地よく刺激する。
コレまずくね!?

「お、おい……何だよ急に……そ、そんなに寒いのか?」
「うん…寒いよ。それに家族と離れ離れで寂しいし……ウルフが居てくれて凄く助かってる」
何だ!? どういう事だ!?
リューノが素直で可愛いぞ!

「私ね……ウルフに感謝してるんだ」
「え!? な、何をかな?」
何か感謝される様な事したっけ?
いや……それより、あんまりソコを刺激しないで!

「あのね……裏切りの洞窟で私の質問に答えた後、『俺には質問などしなくても、仲間の事は理解できている。見ただけで偽者じゃ無いって判るさ!』って言ってくれたじゃない。私ね凄く嬉しかったの……私の事を理解してくれてる人が居るって事に」

あれ~?
困ったな!
アレには裏があるんだけど……カッコつけてそれは言ってないんだよね。

「私ね……マリーの事が好きじゃないわ。でも、居ない方が良いとかて感情まででは無いの! ただアイツと会話していると苛つくだけなのよ。そんなマリーが連れ帰ってきた彼氏に、恋心を抱いてるって気付いた時に、私は自身で認められなかったの……」

何だって!?
絶対に俺の事が大嫌いだと思ったリューノだが……
まさかの告白に、お兄さんドキドキっす!
そして暴れん坊ソードがムックムクっす!

「私……勘違いされてるみたいだけどもファザコンじゃないよ。そりゃお父さんの事は慕ってるし、もし口説かれたら…………でも、私が恋してるのはウルフなの」
そんな可愛い事言っちゃいながら俺の両腕を自分の前面に回し、抱きしめる様促してくる。

まだ発育途中の胸が掌にあたり、何とも言えない幸福感を味合わせてくれる。
うん。無意識でモミモミしちゃってるけど、コレって絶対ダメだよね!?
だって俺には彼女(マリー)が居るのだから……彼女(マリー)を愛してるのだから!!

「ウルフは私の事……嫌いだよね……生意気だし……」
混乱で何も言えなくなっているのに、リューノは一方的に話しかける。
世の中の男に、美少女から告白されて(しかも乳揉みさせながら)嫌いと言える奴が居るだろうか?
居たとしてもソレは同性愛者だけだろう……

「馬鹿だなぁ……嫌いなワケないだろ! 俺はリューノの素敵な部分を知ってるんだから……嫌いになるワケないじゃないか」
違う! いや、そうなんだけど違う!

これでは俺がリューノを口説き落とそうとしてるみたいじゃないか!?
口説かないゾ! 落とさないゾ!!
俺はマリーを裏切りたくないんだから……

「本当?」
リューノは俺の言葉聞き、身体を反転させて顔を覗き込む。
彼女もリュカさんの娘……リュカさんが選んだ愛人の娘……そりゃ可愛いさ!
とっても良い匂いが漂ってきて、俺の理性を優しく取り去りそうさ!

「本当だとも……俺だってリューノの事は大好きだよ。……でもね、俺はマリーを裏切りたくないんだ!  マリーもリューノも同じに好きで、だからこそ傷付けたくないんだ」
俺は残り僅かな理性を総動員して、彼女を傷付ける事無くヤンワリ断りを入れる。
もう暴れん坊ソードはバッキンバッキンだ!

「そ、そうだよね……ウルフにはマリーが居るんだもんね……ゴ、ゴメンね! な、何か気を遣わせちゃったね」
そこまで言うとリューノは慌てて立ち上がり、一口も飲んでないコーヒーのコップを俺に返し馬車の方へと歩き出す。

折角勇気を振り絞って告白したのに、何だか悪い事した気になった……
何を言うつもりになったのかは解らないけど、俺の横を通り過ぎたリューノに視線を向ける為振り返ると……

「ん……」
狙ったかの様に俺の唇に自分の唇を重ねてくるリューノ!
小さい両手が俺の両頬を押さえ、甘やかな時間に引きずり込む。

一瞬か永遠か……違いが分からない時を経てリューノは唇を離すと、恥ずかしそうに馬車へと入っていった。
どうして良いのか判らなくなった俺は、唇と両手と股間に残った彼女の柔らかい記憶を糧に、収まりのつかなくなった暴れん坊ソードど落ち着かせる為、一心不乱に自家発電に励んだ!

もうコーヒーなど要らないくらい眠気とは無縁の俺……
マリー以外を思い浮かべての行為は、何年ぶりだろう……
本人が直ぐ側に居るのに情けないよ……

でも願わくば、シン君が起きてこない事を祈る。
こんな姿は見せられないし、どうにも止まらない実情が俺を困らせる。
あぁリュカさん……俺はどうすれば良いのですか?

貴方の娘さんの事で悩んでるのですから、『二人ともモノにしちゃえば!?』って言うのはヤメて下さいね。

ウルフSIDE END



 
 

 
後書き
実は驚きの新事実!
両手に花を満喫出来るかウルフ!?
どっちを選んでも親父は変わらんよ。 
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