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魔法少女リリカルなのはStrikerS ~賢者の槍を持ちし者~

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Chapter5「初教導と初生徒」

 
前書き
本話を初めて読む方もいらしゃると思いますので話しますが、
この回で原作キャラからルドガーに初生徒=弟子ができる事になります。

さぁ、誰が彼と師弟関係を結ぶのでしょうか? 

 
試験終了後シグナムと共にはやて達の元へと戻るルドガー。
その途中でシグナムから時間がある時に模擬戦をしたいと迫られ、このシグナムという人物が重度のバトルジャンキーだという事実を知る。今度は空中戦だとか単純に剣だけでやろうととにかく熱心語ってくる。どうやら烈火の将は余程ルドガーの事が気に入ったようだった。

「わかったよ。空中戦とかは俺は飛べないから無理だけど、たまになら運動程度に戦ってもいいよ」

「感謝するクルスニク。…というかお前飛べなかったのか?それに最後の一撃の布石の攻撃は何だったんだ?」

そう。シグナムはあの真上からの攻撃で不意をついたヴォルティクチェイサーをまともに食らうはめになったのだ。空から来ると思っていた相手が地上から攻撃してきた為見事にやられた。

「あれか?あれはなレインバレットって言う技でな、使い方は……ハッ!」

クランズオートを出し空に向けレインバレットを撃つ。
水色の光弾がある程度上昇すると急激に地上に向け落下し、地面に命中する。
ルドガーの丁寧な実演のおかげでシグナムが自分の敗因となった技を知り納得がいったようだ。

「シグナムにぶっ飛ばされた時にあの粉塵を利用してこれを撃ったんだ」

「成る程な。次お前とやる時はこれに気を付けておこう」

そう言うとシグナムの方から右腕を差し出しルドガーもそれに応じて右腕を出し握手に応じる。
ルドガーにとってこの短い期間で仲間が出来る事は嬉しい限りだった。

「お、来おった」

はやて達が待つ場所に着くとさっそくルドガーとシグナムの元へと集まったきた。
特に新人達の目はルドガーに好奇の目を向けてルドガーと何か話しをしたそうだった。

「まさかあのシグナムに勝ってもうたとはなぁ」

「シグナムに勝っちまうなんてお前中々やるじゃねぇーかよ」

はやてはともかくまさかヴィータが自分を評価してくれるとは思ってなかったので思わず目を丸くしてしまう。それでヴィータもルドガーが何を思ったのか理解し照れたようにそっぽを向いて口を開く。

「べ、別にお前の事が嫌いとかそんな意味であんな態度取ってたわけじゃねーかんな!そ、それに同じハンマー使いで色々わかる部分あると思ってだな…ってテメエ笑ってんじゃねー!!なのはもだ!ってはやてまで!」

ヴィータの分かりやすい反応にルドガーを始め隊長格のメンバーはクスクスと笑い始める。
流石にフォワードメンバーは笑えないがそれでも日頃つんけんしてる自分達の副隊長の新しい一面を見れて表では苦笑しながら、各自念話を使ってヴィータ副隊長が可愛いすぎるとか見た目は本当に子供など決して本人の前では言えない事を喋っていた。

「にゃはは、それにしてもルドガー君の戦い方って凄かったよね」

「うん、別に複数の武器を使う事はそれほど魔導師でも騎士でも珍しくないけど、あそこまで瞬時に切り替えて戦うのは驚いたな」

先ほどの戦闘を記録したのか、なのはがエアディスプレイを出してフェイトとルドガーの武器の切り替えについて称賛の言葉を送る。

「ですよね!しかもあんなにシグナム副隊長の攻撃を避け続けてましたし、何というか映画でも見てる気分になっちゃいました!」

目を輝かせてルドガーの詰め寄るスバルに昨日に引き続き少し動揺してしまう。
このオーバーリアクションにはレイアに通じる部分があると思い、彼女と接する感じでスバルと話すようにしようとルドガーは思った。

「本当に凄かったですよルドガーさん!!」

「私はあまり戦闘とか得意じゃないですけど、ルドガーさんの動きが凄いのはわかります!」

「あ、あははは……」

ちびっこ達にまるで憧れていたテレビのヒーローにでも出会ったかのようなあまりも純粋な瞳で見られ嬉しいのだが恥ずかしいような微妙な感覚でムズムズしてしまう。

「まぁ実際ルドガーはいかにも架空の話しで出てきそうな感じの仕事やってたかんなぁ」

「架空ってなぁ……」

状況に翻弄されて仕方なくなったとはいえ、一応自分が最初に成りたかったエージェントの事を架空扱いされると少し落ち込む。おまけにクランスピア社のエージェントとと言えばルドガーの世界では一流の職であり、各分野でトップの功績を修め、どれをとっても一流企業であり、それをこうも言うはやてはある意味凄い。というか魔法とかそのへんの力を使うはやて達の方が架空を通り越して子供向けの絵本なのではないかと思う。

「どんな仕事してたんですか、ルドガーさんって!」

「ルドガーはな、クランスピア社って言うルドガーの世界では知らない人はいないという大企業で、エリートと待遇で扱われるエージェントの戦闘職をしてたんやって」

ルドガーの前職を知り、それぞれの反応を示す。
スバルは憧れますなどと言って、更に目の輝きを増している。

「…別にやりたくてやってたワケじゃないんだけどな」

「ほう、何か訳がありそうだな?」

「その変はどうか追及しないでくれ…」

その一流企業に入った理由が二千万ガルドもの借金を返済する為と、世界を救う為に世界を壊す為だったとは流石に言えない。彼女達なら自分がやってきた事を話してもわかってくれると思う。

だがもし受け入れてもらえなかったら?

そんな不安がルドガーの心でぐるぐると駆け巡る。
自分はこんなにも彼女達と親しくなったのだと思えてくる。
これも彼女達が優しいからこそここまで仲良くなれたのだ。
図々しいが今さら失いたくはない。

「ふむ…まぁいいだろう。何にせよお前が信用できる男だと言う事は私が太鼓判を押してやる」

「随分ルドガーの奴に入れ込んでんだな、我らの烈火の将様はよー」

ちゃかした感じの口調でニヤリと笑うヴィータにシグナムはこめかみがピクッと一瞬動かし口を開く。

「…よかったなヴィータ。同じ武器を使う仲良く慣れそうなお友達が出来て」

「なっ!?」

お返しとでも言うかのようなシグナムの言葉により一気に立場が逆になり、首にかかっているアイゼンに手を掛けようとするが今は新人達がいる前で副隊長である自分が場を乱すような行為はできないと自身に言い聞かせ悔しそうな表情で押し黙る。

「はいはーい!これにてルドガーの実技試験は終わりや!で、なのはちゃんルドガーの事使ってくれるか?」

訓練の調整をしているのは基本なのはだ。
こればかりは部隊長といえど勝手に決める訳にはいかない。
現場の声を優先しなければ現場はパンクしてしまう。

そしてなのはの回答は…

「うん、採用だよ。最初は渋ってたけど、あんな戦い方見せられたら逆にこっちからスカウトしたくなっちゃったよ」

「左様か。ならさっそく今からルドガーには体験として訓練に混じってもらおか」

「訓練に参加するのはいいが、模擬戦は流石に今は無理だぞ?さっきの試験で大分疲れてるんだよ」

「わーってるって!ほんなら後は頼むよなのはちゃん」

「了解です、八神部隊長!」

にっこりと笑い敬礼する。
この笑顔を見てルドガーは思う……何故機動六課は美人ぞろいでおまけに女性ばかり多いのか…と。
ある意味ではハーレムだなと思うが、美しい物ほどトゲがある……それがルドガーがあのあの旅の中で悟った事であり、二度と味わいたくはない生き地獄だ。
……主にあの露天風呂での出来事は男性パーティにとっては軽く命に危機すら覚えたトラウマ物である。

それからはやては軽くルドガーを激励し、隊舎へ戻って行った。
個人的にはルドガーが新人と訓練する姿を見て見たいようだったが、部隊長としての仕事が山積みであり、今日ここまで試験を見に来たのも大分無理をしてきたようだった。
そんな彼女にルドガーは何だかんだ言って感謝の気持ちで一杯だ。
せめて何か彼女に何かをして上げたいところではあるが……

「行くよルドガー?」

「え?あ、ああ」

考え事をしている間にいつの間にかフェイトが目の前にいて驚く。
…こんな調子では恩返し以前に仇で返してしまいそうだ。
廃都市の街中に移動するとまずは隊長格+ルドガーとフォワードメンバーて別れて午前の訓練についてのミーティングが始まった。
余談だが今隊長格の中にはシグナムはいない。
ルドガーとの戦闘の最中、完膚無きまでにレヴァンティンの鞘を破壊されたので、今はデバイスルームに行ってシャーリーに修復を頼んでいるようだ。

「まずは訓練の割り分けだけど、いつもならライトニングをフェイト隊長が持って、ヴィータ副隊長がスバルとマンツーマン体制で、私がティアナを見るんだけど…」

「あ、ルドガーをどうするかまだ決めてなかったんだよね」

フェイトの一言でルドガーに視線が集中する。わかってはいるがやはりこの視線はどうも息苦しい。
それから数秒なのはは考え込む。ほかの隊長2人もなのはと目を合わせながら考えている様子が伺える。おそらく念話で話しあっているのだろう。
魔法って便利だな俺も使えたらなと思っていると、なのはがよしと言う言葉を発し新人達を見る。
どうやら訓練の方針が決まったようだ。

「じゃあ訓練の割り分けを発表するよ」

それが合図となりヴィータがスバルの前にフェイトがライトニング隊の前にそれぞれ立つ。
ここまでは今まで通りだ。

「で、ティアナが…」

「えっ?なのはさん、あの…」

ティアナの手を引きなのははルドガーの前にティアナを連れて行く。
これがどう言う意味なのかはその場の誰もが理解できる。

「ティアナは今日はルドガー君と2人で訓練してみようか?」

「えっ!?」

「ティアナは銃士だし、同じように双銃も使うルドガー君となら私が教えられない細かい所とか教えられるんじゃないかと思ったんだよ」

確かになのはの言う事は的確だ。
なのはは銃士でなく砲撃手。
ポジションが同じセンターガードでも勝手が違う。

「でもいいのか?俺は君の教導方針通りできるかわからないぞ?」

「その辺は心配いらないよ。教官が変わって動揺するようじゃこれから先の訓練にはついて行けないだろうし、もしルドガー君のやり方に疑問を持ったら私がちゃんとお話してあげるから♪」

うん、言っている事は反論しようがないほど真ともであり彼女が本当に新人達を大切にしているのがとても強く伝わってくる。
しかし何だろうか……最後になのはが口にした“お話”と言う単語には、身の毛が立つような感覚をルドガーは感じた気がした。

……まるで藪の中で獲物を狙っている獰猛な魔物に睨まれているような……

「…わかった。とりあえず今日はティアナの教導は俺が責任を持ってやらせてもらうから」

「ありがとう♪これで午後と今後の訓練のメニューを考えやすくなったよ。一応私もたまにサーチャーで様子を見るけど基本ルドガー君にティアナの事はお任せします」

「ああ、任せてくれ」

ユリウスのように上手くはできないだろうが、やるからには責任を持って最後までやり通す。
それが兄からルドガーが教わった事の一つだ。なのはがその場を離れるとしばらくしてフィールドの設定が廃都市から森林地帯に変わる。本当にこの次元世界の技術には驚かされる。

きっとまだ自分でも想像がつかない技術があるのだろうと思うが、今はそれよも……

「俺も至らない所があると思うけど、こんな俺からでもティアナが学べそうな事とか盗めそうな事があれば是非使ってくれ。だから…」

未だどう反応していいか分からないティアナにルドガーは優しく微笑み手を差し出す。

「よろしく頼むよ、ティアナ」

「えっ、あの…はい、こちらこそ…よろしくお願いしますというか…恐縮とい言いますか…えっと…」

「恐縮って…はは」

あと何故顔を赤くしているのかがルドガーには分からない。
今の会話で自分は何かティアナを恥ずかしくさせるようなセリフがあったのかと苦笑しながら考える。まぁその辺は人によって許容量が異なるので言っても仕方がない。

「じゃあ、早速訓練と行こう。まず最初に…」

こうしてルドガーとティアナの2人の双銃使いのマンツーマンの訓練が始まった訳だ。



結果はどうあれティアナの今後の成長に大きく関わるのは間違いない。



 
 

 
後書き
・ビズリー・カルシ・バクー
性別:男性/年齢:43歳
故人。クランスピア社社長であり、ルドガーとユリウスの実の父。
″精霊を道具"にするという願いを叶える為にカナンの地を目指していた。
自らの野望達成のためなら手段を選らばず、他者の命すら奪い利用する。
正史世界の最強の骸殻能力者に与えられる称号、ヴィクトルでもあった。
カナンの地でのルドガーとの決戦で、敗北を喫する。
満身創痍にも関わらず気力だけで、審判の門の前まで辿り着き、精霊へのクルスニク一族の怒りを
ぶつけ、そのまま絶命した。

・分史対策室
クランスピア社に存在する、分史世界とカナンの道標の回収を目的としたチーム。
前室長はユリウスで、その後任はリドウ・ゼク・ルギエヴィート。






ティアナ魔改造計画始動……というのはまだ決まっていません。 
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