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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第17話:本当は馬と馬車だけで良いんだけど……

(砂漠の宿屋)

ウルフ達は裏切りの洞窟で、モンスター達からの卑劣な罠をかいくぐり、『信じる心』と呼ばれる宝玉を手に入れた。
直ぐさま洞窟を抜け砂漠の宿屋へと戻り、疑心暗鬼に覆われたホフマンを説得しようと試みる。

彼の心を開かせて砂漠を安全に渡れる様、馬と馬車を借りる為……



(砂漠の宿屋)
シンSIDE

「こ、これが『信じる心』……あの洞窟の宝なのか? 不思議だな……何だか心が温かくなる……」
俺達は『裏切りの洞窟』で手に入れた『信じる心』を手に、ホフマンさんを説得しようと舞い戻ってきた。

リューノちゃんは『ソレ(信じる心)やるから、さっさと馬車を寄こしなさいよ!』と、ぶち壊しそうになる事を言い出したが、慌ててミネアさんが彼女の口を手で塞ぎ大事になるのを回避した。
ホフマンさんが自分の殻に閉じ篭もっていた為、リューノちゃんの台詞は聞こえなかった様です。

「で、でも……こんな宝玉が何だって言うんだ! 俺が親友だと思っていた奴等に裏切られた事実は変わらない……人間なんて信じられないんだよ!」
やはりこのアイテムだけではダメか……

「その事ですがホフマンさん……俺達も洞窟内で仲間だと思っていた奴に攻撃されました」
「何だって!? じゃぁ何でお前等は、今もなお一緒に行動しているんだ?」
俺の発言に驚くホフマンさん。

「それは……仲間だと思っていた奴が、実はモンスターの変装だったからです! 俺達は互いに離れ離れになり、仲間に偽装したモンスターが近付き攻撃をされたのです!」
「そ、そんな……あの洞窟には、そんな罠があったのか!? でも、よく無事だったんだな! ……あぁそうか、最初から仲間意識が薄いから、不意に攻撃されてもやり返せたんだな!」

「違います。俺達は仲間意識が強いから、モンスターが騙そうとしても直ぐに偽者だと判ったんです! 連中が不意を突いて攻撃してくる前に、偽者だと判るから先制できたんです! 俺達の絆を甘く見ないで下さい」

何とも不愉快な言い回しをしてくるホフマンさんに、俺は自慢気に仲間意識の強さをアピールする。
しかし俺の後ろではウルフさんとマーニャさんが笑いながら小声で『よく言うよ……』『私達に攻撃されて、半ベソかいてたんじゃないの?』とか言っている。
うるさいよ外野! 俺、良い事言ってるの……黙っててよ!

「あ、あの洞窟の本当の宝とは何か判りますか?」
俺は後ろの野次を極力無視し、賢明にホフマンさんを説得する。
ちょっとばかりカッコつけながら……

「ほ、本当の宝……? それは一体?」
「本当の宝……そう、それは仲間を信じる心! 巧妙かつ狡猾な敵の罠に、騙される事無く最後まで仲間を信じる強い心……それが本当の宝なのです!」

「そ、そうか! 俺は自分の事ばかり考えていて、仲間の事など思ってもいなかったんだ……だからモンスターの罠に易々と引っかかり、大けがをした上に疑心暗鬼に陥っていたんだね!?  ありがとうシンさん、俺間違っていたんだね!」

大分クサイ事を言った自覚はあるのだが、結果オーライって事で……
だって感動して涙を流しながら俺を見詰めてるもん……
鬱陶しいけど、これで馬車を借りられるよね。

シンSIDE END



(砂漠の宿屋)
マーニャSIDE

この子結構口が巧いわね(笑)
馬鹿丸出しのお人好しホフマンは、瞳を輝かせてシンの言葉に浸ってる。
これなら馬車を借りられそうね。

「シンさんお願いがあるんだ! 俺、また人を信じようと思うのだけど、その手始めにシンさん達を信頼したいと思うんだ!」
何を言ってるのだろうかコイツ?
私達を信頼するのなら、黙って馬と馬車を寄こしなさいよ!

(パトリシア)と馬車をお譲りするのは当然として、俺自身もシンさん達の冒険に協力しようと思うんだ!」
はぁ!?
冗談でしょ……どう考えたって足手纏いにしかならないと思うんだけど!?

「え!? で、でも……俺等の旅は危険なモノだし……ホフマンさんの身に何かあったら……ねぇ?」
どうやらシンも私と同じ事を考えているみたいね。

「そんな……俺の事は気にしないで下さい! 俺は少しでも皆さんに恩返しをしたいと考えてるだけなんですから!」
う~ん……思いこみの激しい馬鹿は厄介ね。
でも『馬と馬車以外でお前の存在意義は無い!』なんて言ったら、また殻に閉じ篭もって面倒だし……

「わ、解りました……で、では共に旅立ちましょう。こ、これからもよろしくです……」
あ~あ……目を輝かせて言い寄ってくる馬鹿(ホフマン)に負けて、一緒に行く事を了承しちゃったよ。
まぁ荷物持ちが増えたと思えば良いか!

欲を言えばもっとイケメン率が高い男が良いんだけど……
ウルフみたいな良い男って、そうそう存在しないわよねぇ……
シンはガキ過ぎて論外だし。

そう言えばホフマンが付いてくる事になって、リューノが冷静に呟いたわ、
『アイツの欠点は、自分がウザ()だって気付いてない事だと思う』
だってさ!

ウケル~(笑)
私、この()の口に悪さが大好きよ。
どっから仕入れるの……“ウザ()”なんて言葉を!?

マーニャSIDE END



 
 

 
後書き
リューノの口が悪いのは、姉(ポピー)か妹(マリー)の所為だと思う。
みんなはどう思う? 
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