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暗殺者の誇り

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第二章

 そうしながらだ、隙を窺いながらマルカーノに応えたのだ。
「あと少しだ」
「じゃあ仕事が終わったら」
「すぐにここを出るぞ」
 狙撃をしたならばその場所からすぐに去る、これは狙撃においての鉄則だ。
「いいな」
「はい、ただ」
「何だ」
「いえ、プリマッティさんいつもライフルですよね」
「仕事をするにはな」
 それだとだ、プリマッティ自身も答える。
「これを使う」
「やっぱり合っているからですか」
「俺にか」
「はい、だからですか」
「それがある、だがな」
「だが?」
「これはいい、殺す相手は獲物だけだからな」
 それで済むというのだ。
「だからこれだ」
「獲物だけで済むからですか」
「だからいい、ライフルはな」
「けれどライフルで狙撃っていうのもリスクが大きいですよ」
 マルカーノはここでこう彼に言った、当走路はマルカーノの方で作っているし今も撤退の用意をしている、そうした雑事を担当しているのだ。
 そうしながらだ、プリマッティに問うたのだ。
「狙撃したら場所がわかりますから」
「だからすぐに逃げる」
 プリマッティ自身もわかっていた、そのうえでの言葉だ。
「仕事をしたらな」
「一発に全てがかかっていますね」
 二度撃てばそれだけその場に留まる時間が多いししかも場所もはっきりと特定される、だからこれも出来ないのだ。
 そのリスクもある、だが彼はあくまでライフルにこだわる。マルカーノはこのリスクが気になって彼に問うたのである。
「本当に一発で全部じゃないですか」
「それで仕事が成功するか失敗するかな」
「全部かかってますよね、けれど毒とか爆弾なら」
「いつも言ってるな、俺は毒についての知識はないしだ」
 それにだというのだ。
「潜入や買収は専門外だ」
「毒を盛ることも盛らせることもですか」
「出来ない、毒を作ることも出来ない」
 その方面の知識もないというのだ。
「だからだ」
「毒は使われませんか」
「そもそも興味もない」
 毒についてのそれもだというのだ。
「大体な」
「そうですか」
「そうだ、それに爆弾はだ」
「それは絶対にですね」
「使わない」
 毒には無関心という態度だった、だが爆弾についてははっきりと答えた。
「俺はマフィアだ、テロリストじゃない」
「だからですね」
「そうだ、マフィアならな」
 それならというのだ。
「爆弾を使わずにだ」
「銃ですか」
「そう思っている、それに殺すのならな」
「仕事をするのならですか」
「殺すのは一人でいい」
 それでだというのだ。
「もうな」
「だからいつもライフルなんですか」
「そうだ、じゃあ今からな」
「来ました?議員が」
「ああ、来た」
 丁度今だというのだ。プリマッティの下に車が停まった、そしてそこからだ。
 恰幅のいい髪の毛が薄い初老の男が出て来た、マルカーノも窓のところに来てそのうえでプリマッティに言った。 
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