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魔法少女リリカルなのはViVid~英雄の意思を継ぎし子達

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十話~ルーテシアは容赦しない

 
前書き
ルー「ついに来た!私の時代が!」

キャロ「ふぅん。しかし貴様にエリオ君は渡さん!」

ルー「ならばころしてでもうばいとる!」

エリオ「二人とも、ノリノリだね…」

ルー・キャロ「まーね!」

三人「十話、ルーテシアは容赦しない、始まります!」 

 
side フェイト


私は士郎と打ち合いをしている。だけど、次々にスタイルを変えてくるのでやり辛いことこの上ない。
ちなみにライフは私が2500、士郎は2450とあまり減っていない。
そんな状態が続いていたのだが、突如士郎の足元に魔法陣……それも召喚魔法の物が現れた。
目的は士郎の後方への帰還だろう。


「ほう、準備が出来たみたいだな」
「くっ……させない!」


士郎の発言に只ならぬ危険を感じた私は妨害を試みようとするが、士郎の放った魔力弾に阻まれて妨害はかなわなかった。


「まずい……。ここで士郎を動かしたってことは、向こうは何か仕掛けてくる!」


私は対策を立てるために自陣へと戻ることにした。




side メガーヌ


「ありゃりゃ?いきなり陣形が崩れた?」


セインと共に観戦していた私は、ルーテシアがアクションを起こすならばここだろうと予想していた。
ここまでの戦いがあまりにも綺麗で型にはまり過ぎていたのもあるが、何よりも搦め手を得意としているあの子が静観しすぎていたからだ。
本来なら序盤から奇策を使ってくるようなあの子にしては大人しすぎる。
だからこそこの場面で仕掛けることが予想できた。


「ねー奥様。青組は何する気なのかな?」
「さあねぇ……。きっととんでもないことじゃないかしら?」
「とんでもないことかぁ……」


セインが考え込むのとルーテシアが行動に移ったのはほぼ同時だった。




side ルーテシア


「準備はできてるか?」


士郎さんは呼び戻されてすぐにそう切り出してくる。


「もちろんで~す!こちらはセッティング完了!いつでもOKですよ~」
「そうか。ではやるとしようか!!」


私達青組の必勝の策。それは圧倒的物量の支援射撃で動きを封じ、その間に前衛陣で後方支援組を潰す、というもの。まあ、別で保険はかけてあるのだが。
普通に考えると物量にものを言わせた支援射撃など机上の空論なのだが、こちらにはそれを可能にする規格外(衛宮夫婦)がいる。
さあ、赤組はこの大量の弾幕を避けきれるかな?




side アインハルト


ヴィヴィオさんとの拮抗した勝負。その拮抗を破ったのはこちらに向かってくる数百発の魔力弾だった。


「来た!」
「ッ……!あれは!」


襲いくる真紅と桜色の暴風。
すさまじい量だが、その分一発一発は大した威力は無いうえ、誘導性能などもないようだ。
だからと言ってこの数の暴力は脅威であることに変わりはない。


(アインハルト!今弾幕に穴を作ってもらうから士郎さんかなのはさんを抑えて!!)


退こうかどうか迷っているときにティアナさんからの指示が。
しかし、弾幕に穴を開けるってどういう事でしょうか……?
そんな疑問は後ろから聞こえた声が解決してくれた。


「ショートバスター!」


その声と共に私の横を群青色の光線が通り抜けた。


「行け!アインハルト!!」
「ッ……はい!」


声の主、ランスさんはヴィヴィオさんに対して砲撃を連射しながら私にそう言った。


「うげぇ……ランスさんと~!?」
「久しぶりだからって手加減はしてやんねえぞ、ヴィヴィオ!」


弾幕を抜けていくときにそんな会話が聞こえた。
ヴィヴィオさんの心底嫌そうな声が印象的だった。




…………………………………………………………………


「見えた!」


あれからさらに増える弾幕を何とか躱しながら(それでも数発被弾し、ライフが2200まで減った)敵陣へと乗り込むと、白いバリアジャケットを纏ったヴィヴィオさんのお母様が見えた。


「青組センターガード、高町なのはより報告。敵フロントアタッカーのアインハルトちゃんが接近中です」


そんな通信の声が聞こえるほどの近距離まで来た。


「ヴィヴィオさんのお母様!一槍お願いいたします!!」
「ごめんね。それは私じゃなくて……」


私の言葉を聞くと、すまなさそうに目を伏せる。
その行動に疑問を抱いた瞬間、真紅の魔力弾が目の前に飛んできた。
慌てて避けると、その先には……。


「私の役目なのだよ。では、一勝負と行こうか」


赤き外套を纏った無手の男性が待ち構えていた。
青組で一番強いであろうヴィヴィオさんのお父様と戦うことが出来る。
私はその事でテンションが上がっていた。


「君は格闘家だったな。ならば同じ土俵でお相手しよう」
「……手加減は不要です」


ヴィヴィオさんの剣の師匠である方ならば当然剣で来ると思っていた私は手加減されている、と思い少し苛立っていた。


「そんなつもりは……毛頭ないぞ!」
「!?」


しかし、お父様はそんな私にそう言うのと同時に踏ん張りの効かないはずの空中でのステップで一気に距離を詰められ、掌打を放ってくる。
咄嗟にガードするも、簡単に弾き飛ばされてしまった。


「ッ…今のは?」
「呆けている暇があるのか?」


食らった時の衝撃がガードの上からも襲ってきたことで怯んでしまった私に連撃を叩き込んでくる。
掌打、手刀、肘鉄、正拳と巧みに攻めて来るお父様相手に完全に防戦一方になる。
しかし、そこで隙を見つけた。
掌打を撃つ前の左半身。そこにカウンターを打ち込んだ。


(決まった……!)


そう思った。
だが、違った。


「あからさまな隙は誘いかもしれないぞ?」


決まったと思った一撃は避けられ、私は右腕を掴まれていた。
そのまま背負い投げの要領で地面に投げられる。


(……まずい!)


今の状態は完全に無防備。そして視界には弓を引き絞るお父様の姿。
避けられない。防御も出来ない。


「シャイニング・アロー!」


襲いくる光の矢。まともに食らえば持っていかれる。
そんな時私の脳裏をよぎるのは……


(脱力状態から、回転の力で拳を押し出す!)


水斬りのコツだった。その動きを空中で咄嗟に行ったことで僅かながら矢の軌道を変えられた。
だが、掠っただけなのにライフを大幅に持っていかれる。2200あったライフは一気に400になっていた。


(直撃していたら間違いなく0になっていた……!)


と、一安心したところで、


「はわわ!?」


背中に衝撃。落下中であったことを完全に忘れていた………
ライフは落下ダメージを合わせて残り100。
行動不能になった私は回収されるまで大人しくしていることしかできないのだった……。




side 士郎


「まさか防がれるとはな……」


私の魔法の中の最高クラスの一撃、先端に集中させた魔力を螺旋状に回転させて威力の底上げをする中遠距離狙撃魔法『シャイニング・アロー』を紙一重とは言え躱すその実力。
あの年にして相当なものだ。
相当な訓練をしたのだろう。だが、彼女はまだまだ自分の目指すものが見えていないようだ。
教導ジャンキーのなのはなら『将来が楽しみ』とか言うのだろうな……。


(士郎君、今失礼なこと考えなかった?)
(そんなわけないだろう。戦闘中だぞ?)
(ならいいんだけどね……?)


最近、嫁がエスパーに目覚めたのではないかと疑う私であった。




side ヴィヴィオ


「相変わらず、馬鹿げた威力、ですね!!」
「避けれてんだからいいだろ?」
「そういう問題じゃありませんよ!!」


ランスさんとの1オン1なんて本来なら絶対にやらない。
何故なら1対多を得意とするパパに対してランスさんは1対1では無類の強さを誇る。
だからかなり制約がかかっているのに現在のライフはと言うと。


私 1800
ランスさん 1800


一見対等に見えるが、ランスさんのライフの半分はママの援護射撃で減ったものである。
つまり、私自身の攻撃はほぼ当たっていないのだ。
パパの支援が止まって三分になる。そろそろパパの支援射撃も復活するかな?
そう思った時にやってきたのはティアナさんの放ったであろう魔力弾だった。


「間に合ったか、ティアナ」
「ええ。何とか!クロスファイアー・フルバースト、準備完了です!これでそっちの作戦は崩れたわよ!ルー!」


作戦が読まれてた!?これじゃあ形勢逆転されちゃう……。


「一体いつから弾幕で終わりだと思っていた?」
「え?……まさか!?」


ルールーの発言に焦るティアナさん。
一体何が?


「そのまさかですよ!!」


そう思っていたが、答えはすぐに出た。
ずっと姿の見えなかったエリオによるティアナさんへの奇襲。
それがルールーの狙いだった。
と言うか、ちょっと待って。


「ちょっとルールー!?私何も聞いてないよ!?」
「そりゃそうでしょ。エリオにしか言ってないし。敵を騙すにはまず味方から、ってね」


確かに完全に意表を着いている。
これでティアナさんが落ちれば状況は一気に有利になる!


「させない!」


しかし、エリオの一撃がティアナさんを捉えることはなかった。
ソニックフォームのフェイトさんによって阻まれたからだ。


「大丈夫?ティアナ」
「ええ。助かりました!」


これで状況は不利になってしまった。
と、思ったとき、私の足元に召還魔法の陣が現れた。


(ヴィヴィオは次の作戦の前にちょっと回復ね)


ルールーの念話を聞きながら私は転移した。




side ルーテシア


裏の裏を掻いたはずの私の作戦はフェイトさんによって失敗に終わってしまった。
だが、策がなくなった訳ではない。
こちらには固定砲台(なのはさん)脅威の命中精度(士郎さん)がいるのだ。
なればやることは一つ。


「でかいのをぶちかしますか!」
「だね!」
「仕方あるまいな」
「うわー、赤組かわいそー……」


ヴィヴィオが赤組に同情している。だが、止めるつもりは毛頭ない!
さぁ、赤組。命乞いの準備は十分か?




side ティアナ


エリオを相手にフェイトさんとヴィヴィオがいなくなったことで合流したランスさんが二人がかりで攻め立てる。
すでにライフが三桁になっているエリオはそろそろ落ちるだろう。
それなのに私はいやな予感が消えなかった。


(もしかして……)


エリオの戦い方は明らかに時間を稼ぐためのものだ。それの意味するところは……


「……まずい!」


私が気づいたのとほぼ同時にランスさんから念話が来た。


(今からそっちに向かうぞ、ティアナ)
(了解しました。ランスさん、エリオは?)
(フェイトに任せて来た。向こうはエリオで俺とフェイトを抑えさせて砲撃でまとめて潰しに来るだろうな)


ランスさんも私と同じ結論に至ったようだ。
ならばやることは一つ!


「「正面から撃ち合う!!」」




side スバル


開始からずっとノーヴェとの戦闘を続けていたあたしにルーちゃんから念話が入る。


(追加戦力としてヴィヴィオ送ったから2人掛かりでノーヴェを落として~) 
(了解!)


念話終了と共に近くに召還魔法の魔法陣が現れる。


「スバルさん!後方支援入ります!」
「げ!ヴィヴィオもかよ!?」


ヴィヴィオは剣士であり、格闘家であり、そして後方支援型の魔導師でもある。
早い話がオールラウンダーなのだ。
父親譲りの近距離、超遠距離。母親譲りの中、遠距離。
恐らくヴィヴィオ以上に多彩な間合いを持つ人物は居ないだろう。
後方支援をしてもらうのにこれ以上心強い味方はいない。


「今回は弓で行きますよ!!」
「オッケー!!」


今回は弓を使うらしい。
ヴィヴィオの弓を見るのも久しぶりだね!


「エクス、フォルムドライ!!」
[ボウフォーム]


新たに展開されるヴィヴィオの弓。
その見た目は青と銀の洋弓。
そこに番えられる三本の魔力矢。


「はぁっ!」


放たれた三本の矢はノーヴェの動きを制限するのが目的のようだ。
つまりあたしのやるべきことは……。


「そこっ!」
「……ッ」


ヴィヴィオが作るノーヴェの隙に的確な一撃を叩き込むこと。
ノーヴェはここで落とさせてもらうよ!!




side コロナ


「あれ……支援が止んだ?」


私が得意のゴーレム創成でリオと互角の勝負を繰り広げていると、ティアナさんから念話が来た。


(コロナ。今から収束砲対決が始まるだろうからなんとか逃げてね)
(え、ちょ、ティアナさん!?)


とりあえず、私は悟った。これ、逃げられないやつだ、と。


「リオ、生きてたら……この勝負の続きしようか」
「はい?」
「じゃあ、私隠れるから!!」
「え?ま、待ってよコロナ!!」


さて、私は生き残れるだろうか……。




side 士郎


「準備できた?」
「当然だ」
「流石私の旦那様♪」


なのはと共に収束砲を撃つのはかなり久しぶりだな。
恐らくは去年の合宿以来だろう。


「じゃあ、行くよ?」
「いつでもいいぞ」


お互いに目を見るだけでどのタイミングで動き出すのかがわかる。
そのため息はぴったりだ。


「「スターライトブレイカー、マルチレイド!!」」


向こうも同じタイミングで打ち出したらしく、繰り出した砲撃は陸戦場中央で激突することとなった。




side ティアナ


「準備は?」
「出来ました!」


ランスさんの問い掛けに答えながら、発射のタイミングを計る。


「さて、向こうは二人で一発放つらしいな。どうするよ?」


そんな事、決まっている。


「向こうが威力と範囲で来るなら、こっちは密度と貫通性で攻めます!」
「そうか、じゃあ派手に行こうぜ!!」
「はい!!」


さあ、勝負!!


「「スターライトブレイカー、ファントムストライク!!」」


そして目の前に爆風が広がった。 
 

 
後書き
あけましておめでとうございます。

新年一発目です。

新年の目標は月三回の更新……(やれる気しねぇorz)

また不定期な更新になってしまって来ていますが、今年もよろしくお願いします(^ー^)

 
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