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好き勝手に生きる!

作者:月下美人
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第二十六話「いわゆるダイジェスト? 面倒だから飛ばすとのことらしいよ」

 
前書き
一気に早送りします。 

 

 その後、起こった出来事は短いながらも濃密な時間だった。それらを細かく説明するのは【絶対神】(作者)が面倒だと口にするので簡潔に述べよう。


 あれから、激昂した木場はゼノヴィアとイリナへ喧嘩を吹っかける。それを受けた二人は同じく名乗り出たイッセーも含めて刃を交えた。


 結果は――惨敗。


 レイとの特訓が活きているのか、聖剣使いであるイリナを相手に善戦したイッセーだったが、惜しくも敗れた。


 そして、木場は己の特性であるスピードと魔剣の創造を活かすことが出来ず、ゼノヴィアの一撃により地へと沈んだ。奇しくも今の木場の原動力である憎悪が彼の剣を曇らせているのである。


「弱い剣だな。これでよくナイトを名乗っていられるものだ。リアス・グレモリー、眷属をもう少し鍛えたほうが良い。センスだけではいずれ限界がくる」


 ゼノヴィアの辛辣な一言が余程心に突き刺さったのか膝をつく木場だったが、なにかを決意した色を瞳に宿す。


 とある決断を下した木場はすぐさまその旨を部長に伝えた。それはリアス・グレモリーの眷属の脱退。彼女の手から離れることを意味していた。


 当然、リアスは反対し、他の眷属の皆も反対したが、聞く耳を持たなかった木場はその場から退散。


 以降、学校にも休み、姿を見せることは無かった。


 事態はさらに加速する。


 リアスと教会側との会談から、今回の一件には介入しない方向性で話を進めているとみたイッセーは独自に動き教会側と再度接触する。


 そこで持ち出した話は聖剣エクスカリバーの破壊許可。すなわち共闘の願い出だった。


 なぜか着いてきた小猫も交えての会談。帰ってきた返事は――是。


 三本のエクスカリバーを回収しコカビエルとも戦闘をするのは彼女たちからしてみても辛いらしい。一本だけそちらに任せるというゼノヴィアの言葉にイッセーたちは半ば驚きながらも承諾した。


 喜び勇んだイッセーは次に新たな人物へと接触する。木場だった。


 話しを聞いた木場は渋々ながらも提案を飲み込んだ。すなわち、教会側との共闘を承諾したのである。


 さっそく情報共有を願い出たイッセーにゼノヴィアが今回の一件の首謀者の名を明かす。


 その名はハルパー・ガリレイ。


『皆殺しの大司教』の二つ名を持ち、木場の過去に直結する【聖剣計画】の責任者でもあった。


 おぼろげながらも敵の輪郭を掴んできたイッセーたち。その場はいったん解散することとなり、教会側は退散した。


 残されたイッセーと木場、小猫は改めてわかり合うために話し合う。木場本人から己の過去を聞いたイッセーはまだ見ぬ敵に闘志を燃やし、小猫も無表情ながらも気合を入れている様子だった。


 木場も仲間の協力を得て心境に変化があったのか、復讐心を忘れてはいないがいつもの彼に戻りつつあった。





   †                    †                    †





 しかし、意気込んだもののそう簡単に足を掴むことはできず、時間だけが過ぎて行った。


 イッセーたちと木場は分かれて別れて捜索し、学校で互いの情報を交換し合うという日々が続いた。


 その日の放課後、表の部活動を終えたイッセーたちは今日も今日とて、敵の尻尾を掴むため深夜の街中を散策しいた。


 今日も収穫なし、気落ちした様子で公園にやって来たイッセーたち。


 そこに突然現れる人影。ローブを纏ったその者は問答無用で手にしていた剣でイッセーたちに斬りかかってきた。


 突然の事態に戸惑っていたイッセーたちだが、すぐに意識を切り替えると応戦する。しかし、その者の剣技は一流の域に達しており、さらには手にしている剣も名刀の域を超えていた。


 苦戦する一方のイッセーたち。しかし、唐突に訪れた事態はまたしても唐突に終わりを告げた。


 現れた第二の人影。その人物こそが、イッセーたちの探し人。ハルパー・ガリレイその人だった。


「なにを遊んでいる、イングリット」


 イッセーたちを路傍の石でも見るような目で一瞥したハルパー・ガリレイ。彼にとってこの世の人間など――否、自分以外の者はすべて等しく研究欲を満たすための道具でしかない。


 目の前に現れた仇敵。総じて戦意を灯すイッセーたちだったが、またしても第三者の声が戦場に割って入った。


「魔力や気の乱れが激しいから何事かと着てみれば……これはいったいどういうことなのかしら」


「あれは……『皆殺しの大司教』ハルパーガリレイ!」


 駆けつけた部長と副部長。さらには先日、顔合わせをした生徒会長までもがその場にいた。


 奇しくも今回の一件に何らかの形で関与している者たちが集結した瞬間だった。

 
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