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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第四章 空白期編
  第百十三話    『陸士訓練校の変わったトリオ(前編)』

 
前書き
今回はスバルにティアナ、そしてオリジナルの子の話を投入します。
この子も鉄龍王様からいただいたキャラです。
それではどうぞー。 

 




Side スバル・ナカジマ


去年の空港火災から一年。
あたしを助けてくれた高町なのは二等空尉…なのはさん。
それとシホ・E・S・高町二等空尉…シホさん。
あたしは二人を…特になのはさんを目指して魔導師になろうと思った。
魔法学校に行っていなかったけど、でも魔導師になりたいと思いギン姉にシューティングアーツを習って今年の六月に陸士訓練校に入学した。
それで入隊式も終わって各自部屋割りを見に行こうとしていた時に教官の一人から声をかけられた。

「スバル・ナカジマ訓練生」
「はい? なんでしょう?」
「お前の部屋割りと当分のパートナーの話なのだがな…」
「はい」
「普通なら二人で当面のコンビパートナーを組まされるのだがな…急遽一人飛び込みで入ってくる生徒がいてな。
一人余ってしまい、相性的にお前がいいと思いお前達の部屋は三人部屋でコンビではなくトリオという形になった。
だから少し環境が他の者と違うだろうと思うが、まぁ頑張れ」
「はい!」

あたしと一緒になるメンバーが二人もいるんだ。
楽しみだなぁ…。
そして改めて部屋割りを見に行くと、

「32号室…」

そこでは32号室の表示を見ている二人の女の子がいた。

「…あなた達も話に聞いているけど32号室なの…?」
「あなた達もですか…?」

オレンジ色の髪のツインテールの女の子と黒髪のセミロングの眼鏡をかけている女の子があたしを見てそう言ってきた。

「は、はい。あたしはスバル・ナカジマ、12歳です」
「“ティアナ・ランスター”…13歳よ。よろしく」
「えっと…話しには聞いていると思うけど私が急遽二人とトリオで頑張っていく事になった“リオン・ネームレス”…一応ですが12歳になっています。よろしくね」

ランスターさんにネームレスさんか。
ネームレスさんは同い年だけどランスターさんは年上だ。それに綺麗だし…。
それと、なんかネームレスさんは歳を言う時が変なアクセントだったけど、気にしたらダメかな…?

「それじゃ挨拶もなんだからさっさと着替えて訓練に向かうわよ」
「はいっ!」
「うん!」
「それとあたしは年上だといっても対等な立場なんだから敬語はいらないからそこのところよろしくね」

ランスターさんがそういうのでまた敬語で話しそうになったけど、

「うん!」

と、普通に話しかけた。


◆◇―――――――――◇◆


それから三人で着替えを済まして訓練用デバイスを支給されることになっているんだけどあたしは自前があるのでいらないんだよね。

「あなた達二人デバイスは…?」
「あたしは自前なの。近代ベルカ式で自分で組んだローラーブーツとリボルバーナックル!」
「そう。前衛なのね」
「うん!」
「それで…えっとネームレスだっけ? そっちは…?」
「私も自前なんだよ。“シルバー・ブレッド”。サーベルタイプの近代ベルカ式デバイス」
「あなたも前衛…それだと後衛タイプのあたしには少し二人をカバーするのが骨が折れそうだわ」

そう言ってランスターさんは銃型のデバイスを取り出す。

「わぁ! 銃型なんだね」
「ええ。カートリッジも積んでいるから。あたし達三人は自前のデバイスだから組まされたんでしょうね」
「そうみたいだね。あ、それと二人共、ちょっといいかな?」
「「…?」」

ネームレスさんがなにか改まってそうあたし達に話しかけてくる。

「私ね、ネームレスって苗字にはあんまり愛着がないの…。むしろ嫌いかな? だから名前で呼んで欲しいな、って…」
「うん! それならリオンって呼ばせてもらうね! あたしもスバルって呼んで!」
「そうね。本人が嫌がっているならあたしもリオンさんって呼ばせてもらうわ。ティアナで構わないわ」
「うん! スバルにティアナ! これからよろしくね!」

うん。なんか距離がぐっと縮まった感じがするよ。
なんかリオンさんって癒し効果でも持っているのかな?
そんな事を話している間に練習開始の時間となった。


「次! Bグループだ。ラン&シフト!」

教官さんからそう命令を受けたので三人で構える。

「この中でスバル…あんたが一番突進力がありそうだから先行して?」
「わかった!」
「―――あ…」

そこでリオンがなにか物思いにふけっている。
するとあたしに近寄ってきて、

「ねぇスバル。行く前にしっかりと魔力の制御はしてね。私達を置いて先行しすぎないでね?」

なんだろう? なにかのアドバイスなのかな?
でも、うん…それなら少し気をつけてみようかな?
それでいつもより少しこめる力と魔力を抑え気味でスタートする。

「いっくよー! ゴー!!」

それですぐにフラッグポイントを確保した。
するとなんとか二人も付いてこれていた。
でも、

「バカッ! あんた、もうちょっと力を抑えなさいよ! 吹き飛ばされそうになっちゃったじゃない!」
「ご、ごめん…」
「……………やっぱり言っただけじゃ無理だったかぁ」
「どうしたの、リオン?」
「え? ううん、なんでもないよ」

なんか呟いていたけどあたしのこの行動がもしかして分かっていたのかな?
さっきのリオンのアドバイスがなかったらもっとあたしだけで先行しすぎちゃったかもしれないし。
そして次は垂直飛越の訓練だった。
ここでもあたしが二人を持ち上げて上に飛ばす役目を担った。
だけどここでも、

「―――あ………スバル、力をセーブして私達を飛ばしてね? 馬鹿力を発揮しちゃダメだからね?」
「え。リオン、あたし力がかなりあるの教えたっけ…?」
「聞いていないけど、ちょっと知っちゃったって事もあるから…。だから気をつけてね?」
「う、うん…」
「二人共、さっさとやるわよ?」

ランスターさんにそう言われてあたしもとりあえず力をある程度絞って二人を上に飛ばした。
だけどやっぱりまだ力が込めすぎていたのか他のグループより二人は空高く飛んでしまっていた。
なんとか、二人共着地は出来ていたけど上から「飛ばしすぎよ!」とランスターさんの怒りの声が聞こえてくる。
うぅ~…力の制御がまだ完全にできないのがやっぱり問題点かな?
その後もなにかをやる度にリオンから指摘を受けてなんとか問題行動は起こさずに済んだけど、訓練終了後にランスターさんに、

「…ねぇ、ナカジマさん。あんたってもしかして力をしっかりと制御できていないでしょう?」
「あ、やっぱり分かった?」
「そりゃ訓練を一緒にしていれば嫌でも気づくわよ。リオンさん、あなたも分かってて言っていたんでしょ?」
「う、うん…分かっててっていうか瞬時に先のことを知ったっていうか…」
「? どう言う意味よ」
「うん…あまり周りには話さないでね? 私ね、たった五秒だけだけど先の未来が分かる能力を持っているんだ」

驚いた。
先の未来っていわゆる予知能力だよね?
それで聞く。
リオンが指摘していなかったら今頃あたしが先行しまくったり、ランスターさん達をかなりのバカ力で飛ばしていたりしていたんだという事を。

「はぁ~…そんなレアスキルを持っているのね、あんた」
「うん、五秒だけだからそんなに気前のいい能力じゃないけどね」
「それでもすごいよ! そんなスキルを持っているなんて…!」
「ありがと…それで少しだけ未来を変えて今回はなんとかミスもなくうまくいったけど…。
スバル? あなたはまず力をうまくコントロールする事を身につけたほうがういいと思う」
「同感ね。毎回リオンさんに指摘してもらっていちゃ身につかないから。当面のトリオとしてナカジマさんを鍛えることを念頭に入れていきましょう」
「うん。ティアナ」
「ありがとう。リオン、ランスターさん」


◆◇―――――――――◇◆


それから二ヶ月、二人にいろいろな指摘を受けながらもあたしの力と向かい合っていきなんとか制御できるようにまでこぎ着けてきた。
二人は朝晩と自主練に付き合ってくれるのでとても嬉しい。

「これで来月分までの予習は終了ね」
「そうだね。スバルもなんとかまともになってきたし私の予知能力も使う機会は減ったほうだし…」
「二人共ごめんね。ここまで付き合ってもらっちゃって…あたし、要領が悪いから」
「いいわよ。当面のパートナーが使えないんじゃ訓練にもならないからね」
「ティアナ、ちょっと辛辣だね…」
「なんとでもいいなさい。あたしは真実を言っているだけなんだから。
リオンさんも言いたいことがあったら素直に言ったほうがいいわよ? アンタ達二人共あたしにはない恵まれた魔力と体力を持っているんだから…」
「う、うん」
「ティアナ…ティアナも十分才能はあると思うよ?」

リオンがそう言っていた。
うん。それはあたしも思うよ。
あたしをここまで矯正してくれたのはほかならないランスターさんだし。

「褒めてもなにもでないわよ? それとデバイスもいいもの使っているんだからそれを使いこなせるように頑張りなさい。今のままじゃ宝の持ち腐れ状態なんだから」
「う、うん。使えないことに恥じないといけないね!」

せっかくお母さんの形見のデバイスなんだからしっかりと使いこなさないとね。
それから三人で遅れてシャワー室に入ったけどもう混みまくっていた。

「あちゃー…やっぱり混んでいたね」
「リオンさん。あなた、これももしかして予知していた?」
「うん、少しだけ…」
「そう…」
「あたしのために時間とってごめんね、二人共」
「いいわよ、気にしないで」
「うんうん」

それで服を脱いでいる時にランスターさんがある事を聞いてきた。

「そういえば、あんたっていつもその写真持ち歩いているわよね?」
「えっ?」

見ればランスターさんはあたしの雑誌の切り抜きであるなのはさんとシホさんの写真が入っているアクセサリーを見てそう言っていた。

「あ、この人達って戦技教導隊の高町なのは二等空尉とシホ・E・S・高町二等空尉の写真だね」
「うん。あたしの憧れの二人なんだぁ…」
「そうなの。でもあたしもシホ・E・S・高町二等空尉は目指す人の一人ね。
なんせ“魔弾の射手”って異名がついていて射撃型の魔導師からすれば高みの存在の人だしね」

ランスターさんはシホさんを目指す人だって言っている。
あたしはどっちかというとなのはさん寄りだからね。
それでリオンさんも、

「私もシホ・E・S・高町二等空尉は目指す人かな? 双剣使いってところが同じだし…」
「え? リオンさん、あんたってデバイス、サーベルよね?」
「う、うん…でもモード2は双剣形態なんだよ? 今は封印されていて使えないけど…」
「ふーん…結構高価なのね。そのデバイスは」
「うん…ちょっと昔にいろいろあってもらったんだ。ちょっとした制御のために」
「なんの制御よ?」
「これだけは言えないかな? 私の秘密なの。ごめんね」
「ま、いいわよ。話したくない事だってあるものよね」
「そうだね、ランスターさん」

それでシャワーを浴びながら、

「でも目指しているってことは空戦希望なの? ナカジマさんは」
「うーん…近代ベルカで空戦って今はほとんどいないしね」
「私も空戦はしたいけど色々と練習を積まないといけないしね」
「まぁ、近代空戦はミッド式の長射程&大火力が主流だしねぇ…」

ランスターさんがそうしみじみと言う。

「うん。飛んでみたいしミッド式も興味はあるんんだけどどちらも今のところ適性はないみたいだから自分で陸士を選んだわけなんだけどね」
「それは私もだよ、スバル。今はまだ色々手を出すのはあまりできないよね」
「そうだね。ところでランスターさんはやっぱり空隊希望なの?」
「まぁね。今はまだ飛べないけど、飛べなきゃあたしの夢は叶わないからね」
「そっかぁ…ね、ランスターさんは…」
「…ナカジマさん。それにリオンさんもだけど、悪いんだけどあたしはあなた達の友達じゃないのよ。
仮トリオだから世間話くらいはするし訓練も付き合う…けどね必要以上に馴れ合う気もないから、そのへんは誤解しないで欲しいわ。
…あたしってこういう嫌な奴だしね」
「ランスターさんはいい人だと思うけどなぁ…」
「うんうん…」
「でも、気をつける」
「そうだね」
「悪いわね、二人共…」

それは魔導師になりたいって言う子はいろいろな理由があるけど、それでも友達になりたいなぁ…って思ったりした。
リオンとは友達関係になれたんだからランスターさんともきっといいお友達になれると思うし。


………………
……………
…………


それから日にちはたって訓練成果の発表が張り出された。
それで三人で見に行くことにした。
こんなのもあるのにびっくりした。
ランスターさんが言うには競争くらいは当然あるから、らしい。

「っていうかなかなか混んでいて見えないわね」
「それなら私が見ようか? 視力には自信があるんだ。特殊な眼も持っているし…」

あたしが見ようかと提案しようと思ったが、先越された。
それでそう言ってリオンが掲示板を見る。
でも、特殊な眼ってなんだろう…?
それよりリオンは背はあたしたちより小さいのによく見えるな。
なんか背伸びしているみたいで微笑ましい。

「むっ、スバル。今失礼なこと考えたでしょう?」
「そ、そんな事ないよ? リオン」
「そう?…まぁ、いいけどね。それでだけど私達はー…32号室、ナカジマ&ランスター&ネームレス、総合三位だよ」
「ほんとだ…」
「やったね!」

それでランスターさんはあまり見せない笑顔を浮かべていた。
やっぱり綺麗だね。
そんな事を思っていた時だった。
どこからか陰口が聞こえてきたのは、

(あの子、士官学校も空隊も落ちているんでしょ?)
(一人は知らないけどもう相方の一人はコネ入局で陸士士官のお嬢だし…)
(格下の陸士部隊ならトップ取れると思ってるんじゃない?)
(恥ずかしくないのかしらねー?)

そんな言葉が聞こえてきた。
それで思わずランスターさんは振り向く。
ランスターさんはそれで拳を握りしめていた。
なんかこの空気は嫌だ。だから、

「ランスターさん、休憩行こう?」

あたしはランスターさんを引っ張っていった。
でもリオンはちょっと立ち止まっていたけどどうしたんだろう?

「リオンも行こう…?」
「先に行ってて。私はちょっとお話してくるから」
「あ、ちょっとリオン…!」

リオンはそれでどこかへと行ってしまった。
と、とりあえずあたし達は外に出ることにした。
それで少しランスターさんと話をしているとしばらくしてリオンが追いついてきた。
表情はすっきりとしていて、その拳にはなにやら赤いシミがついていたけど、あたしの気のせいだよね…?

「ちょっとすっきりしたかな?」
「あのさ、リオン…一体何を?」
「気にしたら負けだよ? スバル」
「う、うん…」
「それでどこまで話したの…?」
「うん。えっとね…」

それで説明する。
あんなのは軽口だ、とか。
本当は士官学校か空隊に入りたくて、ここなら楽勝だと思って入ってきた?とか。
など。

「ふーん…そこらへんまでは話したんだ。それじゃ私もスバルと同意見かな?
トリオとして仲間のプライドを守るのは当然の義務だからね」
「…そう」

それでランスターさんはポツリポツリと語りだす。

曰く、士官学校も空隊も落ちたのは本当。
だけど今いる場所を卑下するほど腐ってはいない。
いつかは空に上がる、だけど今は誇りを持ってここにいる。
一流の陸戦魔導師になって、ここをトップで卒業して陸戦Aランクまではまっすぐに駆け上がる。

…など、ランスターさんの本心はだいたい聞けた。
なら後は、

「そうだね、スバル!」

リオンもあたしの言いたいことを未来予知したのか、

「あとは証明するだけだよ。三人で証明して言ってみんなに実力を認めさせよう」
「そうだよ、ティアナ」

あたしとリオンでそう話す。
それにランスターさんは呆れながらも、

「ああもう、あんた達の好きにしなさい。あたしも実力を示すってのは反対じゃないから付き合ってあげるわよ。まったく…」
「あはは…!」
「ふふふ…!」

それで三人で笑いあった。
うん! いい雰囲気だね!
これからも頑張っていこう!


 
 

 
後書き
リオンのイメージはFate/prototypeの沙条綾香をイメージしているそうです。
やっぱり眼鏡をとると雰囲気と顔が変わったり変わらなかったりします。 
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