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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第9話:めんどうとか言うな!

(エンドール - ブランカ 間の平原)
シンSIDE

エンドールのカジノで、もう一人の仲間マーニャさんと合流した俺達は、早速お金をせびる彼女を無視して冒険の旅へと出立する。
俺がリューノちゃんのお陰で旅費を得る事が出来たと告げ、心からの感謝を彼女に告げつと、ウルフさんが優しくリューノちゃんの頭を撫で、彼女の気持ちを察してくれた。

だけどマーニャさんが……
『よっしゃ! 私がその旅費を数倍にしてあげるわ!』
って、カジノに注ぎ込もうと両手を差し出す。

さっきウルフさんが言っていた『あの女に金を渡してはダメだ!』の意味が、こうも早く解るとは……
このお金はリューノちゃんの涙で出来ているんだ!
無駄遣いは絶対にさせない!

『マーニャさん……俺達は今すぐ出立するんだ。この場でカジノから出ないのなら置いていく……じゃぁね!』
ウルフさんは感情を込めない口調で言い放ち、マーニャさんの前から立ち去って行く。
勿論俺達も彼の後に続き、彼女の前から……カジノから出て行く。

『や、やぁ~ね冗談よウルフちゃん! 私も行くから……勇者様~、私も一緒に冒険するから! 置いてかないで~……マーニャちゃん頑張るぅ~!』
あはは、完全ダメ人間かと思ったけど、彼女も面白い人なだけだね。

実際マーニャさんとミネアさんは、結構強い女性だ。
メラ・ギラ・イオと幅広い攻撃魔法を駆使するマーニャさんに、回復系やバギ・ラリホーを使うミネアさん。
俺が前衛を務めれば、実にバランスの良いパーティー構成になる。

でもウルフさんが戦ってくれない……
戦闘が始まると後方へ下がり、リューノちゃんを守る様に身構えている。
彼女(リューノ)は戦闘が苦手なので後方待機も納得するが、ウルフさんは見るからに強そうなのに何で戦ってくれないんだろう?


「ちょっとウルフ! 何でアンタは戦わないのよ!? アンタこう言うときのために、お父さんから剣術指南を受けてんでしょ!」
どうやらリューノちゃんも俺と同じ事を思っていたらしく、言い出しにくい俺の代わりに言ってくれた。

「え~……だって~……めんどいじゃん! 俺が戦わなくても勝てるんだから、俺が面倒な事する必要ないじゃん!」
凄い理由が出てきたぞ!
え、ウルフさんてこんな人なの!?
もっと真面目な人かと思ったのに……

「はぁ!? ぶっ殺すわよアンタ! みんな真面目に命をかけてるのよ……ふざけてんじゃないわよ!」
案の定反応したのはリューノちゃんだった。

「この台詞を俺に教えたのは、君のお父さんだ。文句があるなら父親に言えよ」
「な、何でお父さんの名前が出てくるのよ!?」
うん。未だ掴めないリューノちゃんのお父さん……
どういう事なんだろう?

「落ち着いてリューノちゃん……ウルフさんは私達の為に、あえて戦闘には手を出さないでいるのよ。今後私達が強敵と戦う時の為に!」
「はぁ? 私達の為ぇ~?」
これ以上ないくらい胡散臭そうな思いを顔に出すリューノちゃん。折角の美人が台無しだ。

「ふぅ……リューノ、よく聞け。リュカさんやティミーさんに比べれば、俺なんてまだまだ弱っちぃ! それはちゃんと自覚している。だけども、今の君達……つまりリューノ・シン君・マーニャさん・ミネアさん達に比べたら、俺の方が圧倒的に強いだろう! 別に自惚れで言っているワケじゃないぞ。何だったら、今すぐ4対1で戦ってみるか?」

「そ、それは……解っ「是非お願いします!」
ウルフさんの事を知っているリューノちゃんは、彼の台詞に納得して引き下がろうとしたけど、俺としては彼の強さを知りたかったから、負ける事を前提で戦いを挑んでみる。

「え~……しくじったぁー! “やる”って言う奴が居るとは思わなかったよ~」
本気でめんどくさがるウルフさん。
でも言質を取った以上、手合わせをしてもらわないと……

「ふ~ん……面白そうじゃない。私もアンタの強さを実感したかったし、是非戦ってもらいたいわね!」
目のやり場に困る美女マーニャさんが、俺の気持ちに同意してくれた。

「くそっ……リュカさんがトコトンまで惚ける理由が解ったよ。圧倒的に強いとか言っちゃうと、腕試ししたがる奴が必ず居るのね……はぁ~、ホント…リュカさんは凄いなぁ……」
ウルフさんは大分嫌々みたいだが、既に4人が臨戦態勢に入っている為、渋々身構えてくれた。

流石に4対1だ……
ある程度は良い勝負が出来ると思っていたのだが……
蓋を開けたら大完敗だった。

リューノちゃんのヒャドと、マーニャさんのメラで、先制攻撃を開始したのだが、即座に唱えたウルフさんのバギマにより、二人の魔法は掻き消され、同時に突っ込んで来た重い一撃でミネアさんが吹き飛ばされる。

俺も反撃を試みたのだが、ウルフさんが唱えたボミオスと言う俺の知らない魔法で素早さが下がり、何も出来ないままリューノちゃん・マーニャさんが足払いで倒されてしまう……
やっとの思いでウルフさんの下に近付いた時には、俺の首筋に彼の剣が当てられており、身動きする事も出来なかった。


「満足かい?」
ウルフさんは爽やかで格好いいスマイルのまま、息も切らさず俺達に話しかける。
俺達4人は、たった1分くらいの戦闘で息が上がっており、彼の顔をまともに見上げる事すら出来ない。

「言っておく……俺なんてザコだ! 俺の尊敬する義兄……ティミーさん相手だったら、お前等と協力しても1分で負ける! 更に師匠のリュカさん相手だったら、ティミーさんを仲間に加えても、1秒未満で瞬殺されるだろう」

「そ、そんな強い人が居るなんて……お、俺…勇者なのに……自信無くすなぁ」
「大丈夫だシン君。今後俺達が相手にする敵に、リュカさんやティミーさんのような化け物クラスは存在しない!」
それは安心して良いのか?

「だけど……そのリュカさんですら、多少は手こずる相手が居るかもしれない。そんな相手が現れたら、今のお前達で勝てるのか? その時は俺も手伝うけど、俺だって最強でもなければ万能でもない! 俺一人の力じゃ勝てる訳ないんだ。だからこそ周囲の敵が弱いウチに……まだ敵が俺達を潰そうとしてこないウチに、実践を多くこなして強くならなきゃいけないんだ! そのチャンスを、俺が出しゃばって潰しても良いのか?」

凄い……凄いよこの人!
強いだけじゃなく…先の事も、俺達の事も考えて一緒に行動してくれているよ!
俺、この人から色々学ぼう!
立派な勇者になれるよう、ウルフさんから学んでいこう!

シンSIDE END



 
 

 
後書き
困ったねぇ……
シン君が悪い道に踏み込んでしまったかもしれない。
ウルフの延長線にはリュカが居る……
折角の勇者が(笑) 
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