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魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

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Epic10-Bゲームセンター☆なのは『魔法少女の挑戦』~The EmperoR~

†††Sideなのは†††

「テスタメントっ! あたしとダンスダンスパーティで勝負よ!」

早速アリサちゃんがテスタメントちゃんを呼んで、挑戦状を叩きつけた。ダンスダンスパーティは、楽曲に合わせて矢印オブジェがモニター内に流れてきて、指示されたとおりに足元の前後左右の矢印パネルをタイミングよく踏むゲーム。プレイヤーがパネルを踏むその動きが踊っているみたいだからこの名前になったみたい。

『レッツダンスパーティ♪』

ピエロさんがゲーム開始を告げる。アリサちゃんとテスタメントちゃんのダンス対決が始まった。応援したいけど、私とすずかちゃんは、フェイトちゃんとアルフさんにゲームを教えないといけない。ユーノ君たちを応援に残して、私たちは自分の役目を果たす。

「フェイトちゃん、来て」

「え、あ・・・」

フェイトちゃんの手を引いて、私は太鼓マスターっていうゲームの筐体の前に。すずかちゃんはアルフさんと一緒に、次々と筐体から顔を覗かせるイノシシにゴムボールをぶつけてスコアを出す、痛快!イノシシ退治っていうゲームへ。

「じゃあフェイトちゃん。プレイしながら説明するから見ててね」

私が得意なゲームを、フェイトちゃんに教える。その方が効率が良いと思うから。まずは難易度や曲が簡単なものから。モニターに表示されるマークに合わせて、太鼓の面やふちを打つ。マークが大きい時は強く打つ。連打するときもあるから気を付けるように。結構疲れが出るから、抑えるために腕じゃなくて手首で打つように、などなど。

「――って感じなんだけど。フェイトちゃん、やってみて」

バチを受け取ったフェイトちゃんが、「え・・・うん」太鼓の前に立つ。そしてプレイ開始。初めてのプレイなのにフェイトちゃんは順調にスコアを伸ばしてく。フェイトちゃんってリズム感覚がすごい。プレイを終えたフェイトちゃんに「どうだった?」って訊いてみる。

「・・・うん。これなら何とかなりそう」

「よかった。それじゃあもうちょっとレベルを上げるね。テスタメントちゃん、どれだけ上手か判らないから」

「判った。私だってテスタメントに負けっぱなしは嫌だから」

フェイトちゃんに了承を取って、難易度と曲のレベルを一段階アップ。何度か練習してみた結果、フェイトちゃんにはこの太鼓マスターがとてもハマることが判った。プレイすればするほどに正確さが増していって、コンボも途切れないし、8曲ほどプレイした頃にはノーミス連発。

「負けたぁぁーーーーッッ!!」

アリサちゃんの悲痛な叫び声が聞こえてきた。私はフェイトちゃんに「待ってて。テスタメントちゃんを呼んでくる!」そう告げて、アリサちゃん達のところへ。私に気付いたアリサちゃんが「ギリギリで負けた!」って悔しそうに地団駄を踏む。テスタメントちゃんがピエロさんを引き連れて「次は誰?」って、早速別の対戦を望んで来たんだけど・・・。

「なによ。もうちょっと嬉しがりなさいよ、あんた」

「勝ち星は私が4、あなた達が2。わ~い」

「それはそれでムカつくぅ~~~~!!」

万歳するテスタメントちゃんのそんな態度にアリサちゃんは不機嫌に。アリサちゃんを落ち着かせてから、「次はフェイトちゃんと、太鼓マスターだよ」テスタメントちゃんに挑戦。そう言うわけでフェイトちゃんとテスタメントちゃんによる、太鼓マスターの対戦。難易度や曲はフェイトちゃんが決めていいってことになって、選んだ難易度はむずかしい、曲はさいたま2000。

「それじゃあそれで。手加減はしないから。フェイト・テスタロッサ」

フェイトちゃんはもう答えることもしないでバリアジャケットのマントを外して、ゲームを始めた。メロディが流れ始めて、フェイトちゃんとテスタメントちゃんが太鼓を打ち始める。2人とも良ばかり出して、コンボを途切れさせない。そんな中、「あー、マントがすごい邪魔。蒸れる~」テスタメントちゃんから愚痴っぽいのが聞こえた。フェイトちゃんみたいに外せばいいのに。それが原因なのかな。テスタメントちゃんが先に可を出すようになった。

「さっきのあたしとのダンス対決でも、マントがバサバサはためていたのよね」

「すごい動きにくそうなのに、なんであんな軽やかに動けるのか謎すぎる」

アリサちゃんとセレネちゃんがテスタメントちゃんを見て、心底呆れてる。フェイトちゃん達の対戦はそこから動きを見せた。お互いにコンボを途切れさせたり、可を出すようになって。そしてこの対戦の結果は、「フェイトちゃんが勝った!!」後半にはフェイトちゃんもコンボを途切れさせたりしたけど、テスタメントちゃん程じゃなかった。

「負けたぁ~。4対3か。・・・次は誰?」

負けたのに楽しそうに言うテスタメントちゃんを見ていたら、「次は、アルフさんです」自信満々な表情で合流したすずかちゃんが告げた。全員でアルフさんの待ってる筐体へ向かう中、「ありがとう」フェイトちゃんが囁き程度だけどお礼を言ってくれた。それがとても嬉しくて。きっと判り合える日が来るって強く思えることが出来る一歩。テスタメントちゃんがチーム分けや勝負を仕掛けてくれたおかげで、ちょっとは近付けたかも。

「今度はあたしがコテンパンにしてやるよ、テスタメント!!」

アルフさんが仁王立ちで待ち構えてた。これから始めるゲームは、痛快!イノシシ退治。テスタメントちゃんがこのゲームのルールを確認して、じゃんけんで先攻・後攻を決める。

「よし。あたしからだね!」

「頑張って。アルフ」

アルフさんが先攻。縦長の筐体の奥の壁には段々畑のセットが在って、そこから顔を出すイノシシにゴムボールをぶつける。単純なゲームほど勝負は唐突に決まるって思ってる。ちょっとしたミスが、敗因になるんだから気が抜けない。初回のアルフさんの成績はパーフェクト。

「どうだい?」

「サドンデスと行こうか。私もどうせパーフェクトだから」

そう言って鼻を鳴らして満足そうなアルフさんに向かって、挑発した後攻のテスタメントちゃんがプレイ開始。バサバサとマントをはためかせてボールを投げまくる。全てが的確にイノシシに当たって、スコアはアルフさんと同じパーフェクトだった。テスタメントちゃんの言う通り。サドンデスに突入して、どっちが先にミスするかになっちゃった。

「上等だよ!」

アルフさんが牙を剥いて、2回目のチャレンジ。そしてこの2回目もドロー。最終的に13回。勝者は「残念だったね。アルフ」テスタメントちゃんだった。

「ごめん、フェイト。それと、すずか、だっけ? 負けちまったよ」

「ううん。アルフは頑張ったよ」

「そ、そうですよ! 十分すぎると思います!」

しょんぼりしてるアルフさんを、フェイトちゃんとすずかちゃんが慰めてる。そんな中でもテスタメントちゃんは「5対3。さぁ、次!」弾む声で、次の挑戦を待ってる。次はすずかちゃんで、「エアホッケーでお願いします」ゲームを指定した。テスタメントちゃんは「またそういう系かぁ」ってうんざりしてる。

「「動きにくいなら脱げばいいじゃん」」

セレネちゃんとエオスちゃんにそう言われても、テスタメントちゃんは「このままでいい」って聞かない。そんなに素顔とか見られたくないのかなぁ。もしかして、私たちと顔見知りだから? でもそんな考えはすぐに振り払う。ユーノ君やセレネちゃん、エオスちゃん以外の異世界の人なんて心当たりがないもん。

「ねぇ。座ってプレイするゲームにしない?」

「却下よ。すずか。あんたの実力を見せてやんなさい!」

「頑張ってね、すずかちゃんっ!」

「うんっ♪」

すずかちゃんが脱いだ上着を預かる。完全に本気だ。エアホッケーの台に移動して、すずかちゃんVSテスタメントちゃんのゲームが始まった。序盤は探り合うように緩い打ち合いだったけど、ゾワッと妙な悪寒が奔ったと思えば、「せいッ!」テスタメントちゃんがパックを勢いよく打って、枠に反射させてジグザグな軌道になるように返した。
でもすずかちゃんは何てことないって感じでパックを上から押し付けるようにして止めて、「えいっ!」真っ直ぐ打った。テスタメントちゃんは真正面から来たパックを余裕で打ち返して、また枠を使っての反射攻撃。

「テスタメントちゃん、枠にバウンドさせてばっかりだね」

「真正面からぶつかっても勝てそうにないし。あなた、見た目によらずかなり運動神経いいでしょ。それに、こういうテクニックを駆使して相手のゴールに入れるのが醍醐味だと思う・・よっ!」

テスタメントちゃんの高速の一打が、すずかちゃんのゴールを狙う。けどすずかちゃんはちゃんとついて行って、カウンターの一打をお見舞いした。テスタメントちゃん側のゴールに近い枠のところで一度反射して、そのままゴールに入っちゃった。

「私のことはどう見てくれてたのかな?」

「お金持ちのお嬢様。メイドの居るお屋敷に住んでいて、楽器の習い事とかしてそう。頭は良くて、冗談かと思えるほどの運動音痴・・かな!」

対戦再開。お互いに枠に反射させての軌道変更の一打を狙い始める。それに、一度パックを止めてからの全力打ちやわざと空振りする牽制とかも。

「えっと、頭の良さや運動音痴以外はほとんど当たってるよ。バイオリンを習ってます。テスタメントちゃんは、何かやってた?」

「特には」

「ご家族のことを訊いてもいいかな?」

「・・・両親、そして姉と妹が1人ずつ」

今度はテスタメントちゃんがすずかちゃんのゴールにパックを入れて、同点。

「そうなんだ。私は、両親とお姉ちゃん。あと、メイドのノエルとファリン、それに猫をたくさん飼ってます」

「犬を飼ってるって思った」

「犬は私じゃなくて、アリサちゃんが飼ってるよ。テスタメントちゃんのお家は何か飼ってるの?」

万年発情狼娘(イヌ)を1頭。ヨルムンガンド(ヘビ)が1匹」

ここですずかちゃんが2点目を取った。テスタメントちゃんが「やるね」って嬉しそうに笑う。それにしても「すずかにかかればテスタメントもペラペラ喋るのね」アリサちゃんの言う通りだ。家族のこととかペットのこともお話ししてくれてる。テスタメントちゃんとも近付けたかも。そしてすずかちゃんは「じゃあ本当の名前を教えてください」核心をついた。

「残念。それは秘密」

この質問と応答で2人のお話が終わって、ほとんど無言でプレイに集中し始めた。最終的にすずかちゃんが7点先取することで、テスタメントちゃんを打ち破った。

「5対4かぁ。まだまだガッツリ遊びたいけど、そろそろ帰らないと。結界外の時間においてもそろそろ18時前だろうから、15歳未満は出ないとね。というわけで、次のゲームで決着にしたいんだけど。何か良いゲームある?」

今の私たちとテスタメントちゃんの勝ち星の差。最後の1回で逆転できるゲーム。それを聞いた時、パッと閃いたから挙手して「作戦会議をお願いします!」ってお願いすると、「いいよ」って認めてくれた。

「私に考えがあるんだけど。でも、上手くいくとも限らないから、ちょっと自信ないけど」

みんなを集めて、私が考えたテスタメントちゃんに勝つゲームとそのルールを話した。最後まで黙って聴いていてくれたみんなの返事を、「えっと、どうかな・・・?」待つ。

「あたしはそれでいいわ。それが一番いいと思う」

「私もなのはちゃんの提案に賛成」

「私とエオス、ユーノは任せるよ」

残るはフェイトちゃんとアルフさんだけど。2人にとって、私の提案に出たゲームは未経験のものだから、すぐには答えは出ないってことは判ってた。だから「テスタメントちゃん!」にお願いしてみようと思う。みんなを待たせて、私ひとりで向き合う。

「どのゲームか決まった? どれにする」

「そのことなんだけど、練習させてほしいんだ」

都合が良すぎるかもしれない。でも「いいよ。その方が面白いし」テスタメントちゃんは快諾してくれた。自分が不利になるかもしれないのに許してくれたことに「ありがとう、テスタメントちゃん」お礼を言って、みんなのところに戻ろうとして・・・

「ねえ。なんのゲームを選択したの?」

テスタメントちゃんからの質問。あとで判るし、練習を許してくれたお礼もあるから、私は振り返って答える。

「マリオカートで勝負だよ、テスタメントちゃん!」

それが私が選択した逆転のゲーム。4台4台が向かい合うように置かれてる、計8台のマリオカートの筐体。もうここでテスタメントちゃんに伝えておこう。

「今までは1対1だったけど、今回は私、アリサちゃん、すずかちゃん、フェイトちゃんの4人が参加するつもりなんだ」

「つまり私ひとりに対してあなた達は4人。マリオカートは確かアイテムでの妨害あり。数では圧倒的に不利だよね、私。いくら楽しむのが目的になってる私でも、それはちょっと不利すぎると思う」

「ううん。テスタメントちゃんにはジュエルシードの幻、ピエロさんが居る」

テスタメントちゃんはジュエルシードが作り出したピエロさんと通じ合ってる。ピエロさんは増殖するから、テスタメントちゃん側のプレイヤーとして参加すればいい。戦力が同じになるようにするために、アルフさんに頼んで外れてもらったんだから。続けて、キャラクターは好きに、カートは標準、獲得できる勝ち星についても話す。

「――つまりは、上位3位までが勝ち星を手に入れることが出来るわけか。順位によっては勝ち逃げ出来るし、あっと言う間に逆転もされる。・・・・乗った」

今の成績はテスタメントちゃんが5、私たちは4。1位~3位を独占できれば私たちは逆転で勝てる。でも独占できなかったら負け。ギリギリの綱渡りだけど、これ以上こちらに有利なことを言うと、ゲームを変更されちゃうかもしれないから妥協する。テスタメントちゃんと別れて、私たちはフェイトちゃんと練習を開始することに。まずアリサちゃんが「じゃあフェイト。車って、あんたの世界でもある?」なんて質問をした。

「・・・ある。乗ったことはないけど・・・」

「ちょっとアリサ。私たちの出身世界、ミッドチルダの科学力は、この世界と比べるのも馬鹿馬鹿しい程に圧倒的に勝ってるんだけど」

セレネちゃんが馬鹿にするなって不機嫌になっちゃって、ユーノ君とエオスちゃんがセレネちゃんを落ち着かせるために、どこかに連行して行った。フェイトちゃんとアルフさんも、今ので不機嫌になっちゃったんじゃないかって心配になった。

「ごめんね、フェイトちゃん。アリサちゃん、悪気はないんだ」

「悪かったわ」

「別にいい。そんなことより練習がしたい」

フェイトちゃんは気にしていない様子で、マリオカートの筐体の座席に座った。私たちも続いて座って、早速プレイ開始。まずはキャラクターを選択。アリサちゃんは迷いなくクッパを。すずかちゃんはキノピオを。私は手堅くマリオ。フェイトちゃんには、「まずはコレで練習しようか」初心者用のピーチ姫を。アリサちゃんがコースを決めてる間に、右隣の筐体に座るフェイトちゃんに話しかける。

「フェイトちゃん。テスタメントちゃんに、私は、私たちは勝ちたい」

「・・・私も勝ちたい」

「うん。だから、力を貸してほしいんだ。一緒に勝とう!」

握手を求めて、右手を差し出す。フェイトちゃんはちょっと私の手を見てから、「うん」小さく頷いて握手に応えてくれた。このまま友達になれればいいな。そんな期待を胸に、テスタメントちゃんに勝つぞ作戦を開始した。

†††Sideなのは⇒ルシリオン†††

マリオカート。いつ以来のプレイになるだろう。思い出を振り返りながら、フェイト達の練習を見守っているんだが、さっきからアルフから向けられる視線が痛い。明らかに私を監視している。何か訊きたそうにしているため、「話があるなら今の内にした方が良いと思うよ」話を振ってみる。

「・・・あんたさ。なんかの組織に属してるのかい? テスタメントって人の名前じゃなくて、コードネームみたいじゃないか」

そんな質問を投げかけてきたアルフ。確かにコードネームだが、契約執行中以外では偽名とも言える。ま、今のところは私の手の平の上で踊ってもらいたいため、このまま騙し続ける事にした。

「テスタメントっていう部隊に所属してる。0thから10thの11人が居て、私は4番目のテスタメント、4th・テスタメント」

「あんたのような魔導師があと10人もいるってわけかい・・!」

疑うこともせずに信じた。私の正体を晦ますにはちょうどいい誤解だ。ちなみに、と前置きしてから「私の実力は、下から数えて3番目なんだよね~」と実際に陥っている真実も告げる。“界律の守護神テスタメント”における黒の第四の座は、最強と最凶を意味する概念だ。なのに今の私は、下から3番目という下位に落ちぶれている。情けないな、本当に。

「テスタメントちゃん。お願いします」

なのはが代表として呼びに来た。私はアルフに「行こうか」と声を掛け、なのはの後についてマリオカートの筐体へ向かう。なのは達の座る4台の筐体と向かい合うように置かれている4台の筐体に、私は道化師3体と一緒に座る。

「それじゃあ、最後のゲーム、マリオカート対戦を始めますっ!」

なのはが戦闘開始の号令を下し、プレイを開始する。私は無難にルイージを選択。3体の道化師は、ドンキー、ワリオ、クッパと、上級者向けのキャラばかり選んでいた。上手く乗れれば良いキャラだが、ミスばかりすれば後ろから尻を蹴っ飛ばしたいほどに鈍臭い。しかも対戦するコースは難しさで有名なレインボーロードと来た。道化師の腕に懸かっているな、私の勝利は。

「さぁ、行くわよ! 打倒テスタメント!!」

「「「「「オオーー!!」」」」」

なのはとすずか、ユーノ達はアリサに応えたが、フェイトとアルフは無言のようだ。まぁ、すぐになのは達のノリのついて行けるわけがないだろうし、仕方ないよな。ハンドルを握り直し、アクセルに足を掛けて、スタート1秒前でアクセルを全開。ロケットスタートを成功させるも、「甘いわよ、テスタメント!」アリサ達も無事にロケットスタートを決めていた。

「って、道化師ぃぃーーーーッ!!」

フェイトですらロケットスタートを決めていたのに、道化師3体はのろのろとスタート。一瞬にして置いてけぼりを食らっている連中を放って、私は2位を突っ走る。前を行くの1位はマリオで、操作しているのはなのはだ。アイテムを取り、車体の後方にバナナの皮を出す。ピッタリ後方についてはいてはスピンさせられる可能性があるため、車線をズラした・・・その瞬間、

「ミドリ甲羅、ファイア!」

(フェイトも結構ノリがいいな・・・)

フェイトのそんな掛け声とともに、私のルイージにぶつけられたミドリ甲羅(すごい命中率だ)。コースの縁ギリギリでスピンしているところに「おりゃぁぁーーーッ!」アリサのクッパが突っ込んできやがった。
いま居る地点には壁がないため、「あっ、やりやがった・・・!」突撃されたルイージはコース外に落下。順位が5位へ転落。いつの間にかすずかにも抜かれていた。というかアリサが落ちてないってなんだ。当て逃げ上等、その上わざとだとか。まぁ、これはこれで楽しめるが。ジュゲムにコースへ戻してもらって、いざ再スタートというところで、

『『『「あ」』』』

追いついてきた道化師3体の操るドンキー・クッパ・ワリオに次々と追突され、今度は揃ってコースアウト。一番最後にコースへ復帰されたことで一転してビリになってしまったが、道化師(バカ)どものキャラは加速力が低いため、すぐに追い抜けるだろう。アイテムを取り、スターを出す。落下地点が多すぎるレインボーロードでのスター使用はある種の自滅行為だが、

「そうも言ってられないよな」

スターを使用し、道化師3体をクラッシュさせて5位に返り咲き。コースアウトしないよう注意し、次のアイテムをゲット。手に入れたのはトリプルダッシュキノコ。直線やコーナーの角度が緩い場所で使い、ぐんぐんと4位のすずかを捉える。が、「あ、落ちた」すずかのキノピオがコースアウト。視界から消えて行った。
順位を4位に上げ、次は・・・「なのはのマリオか」トップから転落していたなのはを捉えるためにひたすら追い縋る。そんな時、頭上から雷が降って来た。キャラが小さくなりスピードも落ちてしまう。

(誰だ、いいところで雷なんて使ってきた子は・・・?)

その犯人はすぐに知れることに。元のサイズに戻りかけていたルイージを突き飛ばしながら抜いて行ったのは「お前か、ドンキぃぃーーーー!!」道化師のドンキーだった。まさか味方に妨害されるとは思いもしなかった。とりあえず八つ当たりの意味を込めて、引き当てたアカ甲羅で撃墜。コーナー途中だったため、あえなくコース外へ落下したのを見送って・・・。

「はっ。もしかしてこのチーム分けって私にメリットがなくないか?」

今さらながらに失態を思い知る。なのは達はアイテムを手に入れても味方に撃つ真似はしないだろう。私たちに抜かれた際に使うってところだが、道化師はあくまで参加しているだけで、私の味方になるとは言ってないし、頼んでもない。実質7対1だ。隣の筐体に座る道化師どもに「協力してくれ」と頼むと、揃って『???』首を傾げて、返事もしないでプレイに戻った。

「さっきまで普通に話していたくせに・・・」

役に立たないどころか完全に敵だと判断。次に私の前に出たら、問答無用で潰す。獲得したダッシュキノコを使い、なのはのマリオに追い縋る。マリオの周囲にはトリプルミドリ甲羅が回転していて、下手に接近すればクラッシュだ。様子を見ていると、マリオがダッシュ板に乗り急加速したんだが、スピードが乗り過ぎてコーナーを曲がりきれずにコースアウト。

「やっぱり難しいよな、このコース」

3位となり、2位であるフェイトのピーチ姫を標的として捉える。だが「ファイナルラップか」となってしまう。このままゴールすれば、勝ち星の数では同点となってしまう。
道化師の誰でもいいから上位に来てくれればいいんだが。そう思った瞬間、「今度はキラーか!」コースいっぱいに突っ込んで来る巨大ミサイル、キラー。私のルイージがまたもやコースアウト。なのはかすずかのどちらかならいいなぁ、と考えながらコース復帰。

「今度はお前か、ワリオ・・・」

最下位だったワリオが前を走っているということは、さっきのキラーがワリオということになる。怒りを通り越して笑ってしまう。いっそ参加させなければよかったなぁ。だがこれはそんなに悪い状況じゃない。私とワリオがフェイトを抜いてゴールすれば、勝ち星2で勝ち越しだ。今回のジュエルシードの回収は譲ってもいいというのは本音だ。が、回収できるに越したことはない。

「・・・って、今度は誰だ!!」

アカ甲羅をぶつけられてスピン。私を追い抜いて行ったのはなのはのマリオだ。マリオはそのまま最後のアカ甲羅でワリオを攻撃し、悠々と追い抜いて行った。これで終われば私は、こんなものか、で済んだのに、後方からスター発動中のキノピオ、すずかが突っ込んで来た。私はギリギリで避けることが出来たが、ワリオはその餌食になってコースアウト。哀れだな、と思ったら、またも私を急襲するキラー。そして何度目かのコースアウト。

「イジメか!!」

この瞬間、私たち・・・いや、私がなのはチームに完敗したことが決定した。1位はアリサ。2位はフェイト。3位はなのは。4位はすずか。5位は私。以下はどうでもいい。完全勝利を収めたことでハイタッチを繰り返して喜び合っているなのは達を眺めていると、

『これにてジュエルシード争奪戦を終了するよ☆ この僕を封印する資格を得たのは、高町なのは、フェイト・テスタロッサの2人さ♪』

道化師は今までの彼女たちのやり取りからして理解しているんだろうな。なのはとフェイトがそれぞれの勢力のリーダーであることが。道化師が拍手しながら消滅すると、その場からジュエルシードが姿を現した。

「おめでとう、高町なのは。フェイト・テスタロッサ」

拍手しながら2人を労いつつゲームセンターの出口へ向かう。すると「どこへ行くの!?」なんて見れば判るようなことを訊いてきたなのはに振り返る。

「どこって、ジュエルシードの封印はもうあなた達の役目になったから、帰ろうかと」

実際はトイレに戻って結界を解かないといけないため、なのは達が去るのを待たないと。

「テスタメントちゃん。その、今日はありがとう。一緒に色んなことが出来て、嬉しかった」

「ま、あんたが怪しいだけの敵じゃないって判ったのは良かったわ」

「またテスタメントちゃんとお話ししてみたいな」

笑顔でそんなことを言ってくる3人。手を振って改めて別れようとした時、フェイトが動いた。“バルディッシュ”をシーリングモードにし、一直線にジュエルシードへ突撃。私と同様にいち早く気付いたユーノが「させない!」と、ジュエルシードとの間にラウンドシールドを展開して、フェイトを妨害。遅れてスクライア姉妹が、アルフを拘束するためにチェーンバインドを発動させた。

「フェイトちゃん!? アルフさん!?」

「ちょっと! あたし達に黙って勝手に封印するなんて何考えてるわけ!?」

アリサがデバイスの柄元にある引き金を引くとカートリッジがロードされ、刀身に炎が噴き上がった。一触即発の事態。こうなる前に多少の話し合いくらいはすると思っていたが、やはり今のフェイトは問答無用だ。

「ごめん。でも、ジュエルシードがどうしても必要なんだ」

「なのはっ! 今のうちにジュエルシードの封印を!」

ユーノがそう叫ぶと同時、フェイトはラウンドシールドから一度離れ、ブリッツアクションでユーノ達の背後に回り込んだ。アルフはアルフでチェーンバインドを引き千切って対処し、「悪いね! でもやっぱ仲良しこよしは無理なんだよ!」そう謝りながら、アリサに向かって拳打を繰り出した。

「スノーホワイト!!」

――アイスミラー――

すずかがアルフとアリサの間にラウンドシールド?(縁が氷に覆われている)のような障壁を展開して、アリサを護った。しかし「バリア・・・ブレイク!!」アルフの十八番であるバリアブレイクによって破砕され、その衝撃でアリサとすずかが別々に吹き飛ばされた。

「フェイトちゃん!」

「・・・ごめん」

なのはもまた“レイジングハート”をシーリングモードにし、フェイトが“バルディッシュ”をジュエルシードに伸ばすと同時、“レイジングハート”をジュエルシードに突き出した。脳裏に過ぎる、かつての記憶の光景。ジュエルシード。膨大な魔力を宿した2つデバイスの衝突。場所も日付も違うが、それは間違いなく・・・ジュエルシードの暴走の引き金。

「今すぐそこから離れろっ! なのはっ、フェイトっ!!」

2人のデバイスに大きくヒビが入ったかと思えば、ジュエルシードが覚醒して衝撃波と共に魔力を放出。なのはとフェイトどころか、彼女たちの近くに居たユーノ達を大きく吹き飛ばした。


 
 

 
後書き
ドブレー・ラーノ。ドブリー・ジェニ。ドブリー・ヴェチェル。
前話と同じで、予想外に文字数が増えてしまった事で前後編となりました。
午前2時までずっと執筆していて、もう眠くて眠くてたまりません。

今話はゲームセンターでのジュエルシード争奪戦となりました。
本当はもっといろんなゲームやなのは達の会話を取り入れたかったのですが、上手くまとまらずに断念。
と言うより月曜日の午前8~9時帯の投稿に合わせるためにカットカットカットカット!です。
最後のマリオカートですが、アーケードではなくてWiiのレインボーロードをイメージしました。
アーケードはやった事なく、Wii版すらも未プレイ。そもそもWii持ってないorz
えっと、あと何かあったかな・・。ダメだ、もう頭が働かないです。おやすみなさい。

 
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