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魔法少女リリカルなのはViVid~英雄の意思を継ぎし子達

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九話~試合開始!

 
前書き
バルディッシュ[暇ですねー]

レッドブランチ[全くです。確かに魔法訓練はデバイスに頼らない方が効果的ではありますが……]

バルディッシュ[いや、あなたの場合はライバルのゲイボルグに出番取られてるだけでしょう?]

レッドブランチ[言い返せねェ……]

バルディッシュ[ま、そんなブランチは放っておいて、第九話、試合開始!始まります]

レッドブランチ[放っておくな!] 

 
side アインハルト


ルーテシアさんに案内されて着いたところは森の中だった。
しかし、ただの森ではなかった。
なぜなら、相当な大きさの広域結界が張ってあったからだ。


「結界……ですか?」
「そう。これがないととんでもないことになるからね」


そう言って結界の中に入っていく私達。
進んでいくとさらに結界があった。しかも認識阻害もあるのか内部は見えない。
その近くには何かの機械が置いてある。


「さて、入っていいのはここまでよ。これ以上行くと間違いなく巻き込まれて死ぬわ」
「「………へ?」」


事情を知らない私とリオさんはいきなりの死ぬ発言に頭が付いて行かない。


「それじゃモニター出すよー」


呆然とする私たちを差し置いてルーテシアさんが機械の操作を始めた。
そして映し出されたモニターには……
大量の機械兵を白と黒の鉈のような剣で切り裂くヴィヴィオさんのお父様と、真紅の槍で数体の機械兵をまとめて相手どるランスさんが映っていた。


「あの……これのどこが危険なんですか?至って普通の訓練ですよね?」


リオさんが聞く。私もそう思う。
なぜたかが機械兵と戦っているだけなのに危険なのだろうか?


「それは見てれば……っと、丁度その理由がわかるぞ」


ノーヴェさんがそう答えたのでモニターを見る。するとランスさんが上空に跳び上がって体を弓形に逸らせた。


突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)!!」


そう言い放って投擲された槍は機械兵を15体破壊した。
これだけを聞くと何でもないように思えるが、その衝撃は結界外にいる私達までも吹き飛ばした。
なんとかみんな無事のようだが、私は何が何だか分からなくなる。


「な、なんですか今のは……?」
「今のはですね……!?まずい!!あれが来るよ!!みんな!伏せて!!」


私に説明しようとしたヴィヴィオさんがモニターを見た瞬間に慌てだす。
訳が分からないままに伏せると、ヴィヴィオさんのお父様の声が聞こえてきた。


投影、重装(トレース、フラクタル)I am the bone of my sword.(我が骨子は捻じれ狂う)偽・螺旋剣Ⅱ(カラドボルグ)!!」


その言葉と共に結界の外からでもわかるほどの高魔力が機械兵を破壊する音が聞こえた。
そして、ゆっくりと紡がれる一言。


壊れた幻想(ブロークンファンタズム)


その言葉と共に大爆発が起きた。


「み、みんなー……無事?」
「な、なんとか……」
「あ、あれは一体?」


そう言っているみんなを余所に私はモニターを見る。
すると700体は居たであろう機械兵は300体近く数が減っていた。残る機械兵もボロボロになっている。


「な、なんて威力……」
「な?あの二人は規格外だろ?」
「はい……」


ノーヴェさんの言葉に頷く。すると近くにいたルーテシアさんが情報の補足をしてくる。


「ちなみに、あの機械兵は一体一体がSランク魔導士と対等くらいの強さだからね。ランスさんがやってる方に至ってはSSだし」
「……はい?」


聞き間違いだろうか。
もし聞き間違いではないとすると、Sランクの強さを持つ機械兵がおよそ300体も一撃でやられてるのだ。


「聞き間違いじゃねーぞ。あれはあたし達だと一体でも倒せるかわかんねーレベルだ」


ノーヴェさんが何か言っているが全く耳に入らない。
ただ私はどうすればあの高みに上れるのか、それだけを考えてモニターに喰らい着いていた。




side 士郎


機械兵での実戦訓練を終え、皆の元に戻る。去年まではS200が限度だったのに、今年は2000まで設定できるようになっていた。本当にルーテシアのスペックと執念には驚く。
そんなことを考えていると、丁度スターズとライトニングも模擬戦を終えて戻ってきた。
なのはとフェイトは明日の事に向けて調整などがあるらしいので訓練場に残ったらしい。
そんな私達が宿舎に戻ると、可愛いお出迎があった。


「おとーさん、おねーちゃん!おかえり!」
「ああ。ただいま」
「ただいま、優」
「お母さんは?」
「ママはまだ訓練場だよ。まだやることがあるんだって」


ヴィヴィオも混ざり一家で会話する。
ランサーはアリシアを肩車してさっさと戻っていった。


「さて、この後はみんなで大浴場に集合ね。ヴィヴィオはどうする?士郎さんたちと男湯に入る?」
「ちょっと!?私もみんなと入るよ!」


ルーテシアの冗談に顔を少し赤くしたヴィヴィオがそう言うと、エリオが安心したような顔をしていた。
ヴィヴィオが来ればほかにも乗り込んできそうな人物(キャロ)がいるからだろう。


「それじゃまたあとでね~」


その場は一旦解散となった。
とりあえず優を連れて大浴場へと向かった。





…………………………………………………………………


「ありがとうございます。わざわざ手伝っていただいて」
「いえ、これくらいはお安いご用ですよ」
「それに、女の子たちの入浴は長いですからね」


現在、エリオと共にメガーヌの手伝いをしている。
優はアリシア共々ランサーと遊んでいる。
と、途中でセインがやってきた。


「セイン?来ていたのか」
「お、旦那。あたしも一泊してくことになったんだ~。料理係でだけどね」
「そうか。それは頼もしいな」
「任しといて!」


こうしてセインも加わり、四人で準備を進めていった。
余談だが、セインが泊まっていくことになった理由を聞いたとき、思わずなのはと二人でOHANASHIをしそうになったのをヴィヴィオ達に止められることになったのはご愛嬌、と言ったところだろう。




side フェイト


「これが明日の組み合わせ?」
「そう。ノーヴェが作ってくれたの」


私となのはは合宿2日目の恒例行事、陸戦試合のチーム分けを見ている。
チーム分けは、


赤チーム


フロントアタッカー
・アインハルト
・ノーヴェ


ガードウイング
・私
・ランス


センターガード
・ティアナ


ウイングバック
・コロナ


フルバック
・キャロ


青チーム


フロントアタッカー
・ヴィヴィオ
・スバル


ガードウイング
・エリオ
・リオ


センターガード
・なのは


ウイングバック
・士郎


フルバック
・ルーテシア



と言う布陣だ。ちなみに士郎はポジションの数合わせのためにウイングバックになっている。


「中々バランスのとれたチーム分けだね」
「でしょ?ノーヴェが考えてくれたんだ~」
「明日は負けないよ、なのは」
「私だって負けないからね」


明日に向けて気合も十分。さて、どんな結果になるのかな……?




side アインハルト


翌日。朝食を終え、全員が陸戦場に集まったところでヴィヴィオさんのお母様が話を始める。


「全員揃ったね。それじゃあルール説明は今回の試合プロデューサーのノーヴェさんからです」
「あ、あたしですか!?」


話を振られ、慌てるノーヴェさん。しかし、そこは大人組の一角。
しっかりと役目を果たすために解説を始めた。


「えー、ルールは昨日説明したとおりに七人のチームでのフィールドマッチになります。ライフポイントは今回もDSAA公式試合用タグで管理を行います。それと士郎さん、ランスさんは例年通り身体強化系魔法と稀少技能の使用禁止です。あとは怪我の無い様に「ちょ、ちょっと待ってください!?」……」


リオさんが慌てて口を挟んだ。それはそうだろう。リオさんが挟まなければ私が挟んでいた。


「身体強化使用禁止って……いくらお二人が強くてもそれはあんまりじゃ……」
「その件に関しては問題ないぞ。二人は身体強化しなくても十分過ぎる身体能力があるからいいんだ。バリアジャケットまで禁止してるわけじゃあないから安全面は気にしなくていいしな」
「そ、そうなんですか………」


それでも十分なほどのハンデのはず。つまりそこまでしてようやく対等、という事なのだろう。
それほどの人と戦える。そのことで私の頭はいっぱいだった。


「それじゃあいくよ。青組、準備は良い?」
「赤組もOKかな?」
「「「「「「「「「「「「「セットアップ!」」」」」」」」」」」」」


全員の準備が完了する。そこでそれぞれの組で分かれて作戦会議を行う。
私達赤組はというと、


「序盤は同ポジション同士の争いになると思う。だけど、コロナじゃ士郎さんの相手はきついから……」
「私が引き受ける。で、コロナがリオに当たって」
「わかりました!」


おおよその方針が決まったところで青組を見る。
するとどうやら向こうは既に相談を終えて待っていた。


「それじゃあ……試合開始~」


メガーヌさんの掛け声と銅鑼の大きな音で試合開始が告げられた。




side ヴィヴィオ


現在、単独行動中のエリオさんとスバルさんを除いた私、リオ、パパの三人で戦場の中央に向かっている。


「リオ、ヴィヴィオ。向こうは1オン1を狙ってくる。作戦開始前にできるだけ体力を減らさないようにな」
「OK!」
「はいっ!」


中央に近づいていくと見えてきた赤組メンバーは………
アインハルトさん、コロナ、フェイトさんだった。


「ほう、エリオにはランサーが行ったか。てっきり君が行くと思っていたのだがな、フェイト」
「ふふっ、偶にはいいでしょ?」
「そうだな。では、行くとしようか!!」


パパはフェイトさんと共に飛んで移動していった。
それに伴い、どうやらリオとコロナも移動していったようだ。


「さて、始めましょうか!」


私の宣言と共にアインハルトさんが構える。
今の私は鎧を外し、青いドレスのようなバリアジャケットのみの姿に片手でエクスを構えている。
この状態で魔法も有りの私は今回は一味違う。
パパに教わった戦技は取れる選択肢が増えれば増えるほどに強くなるのだから。




…………………………………………………………………


先手は私。


「ソニックシューター!」


小手調べに三発放つ。
それに対してアインハルトさんは回避を選択。だが……


「それは下策ですよ!」


回避した先には新たなシューターを五発飛ばしてある。
回避ルートは二カ所。
一カ所にはバインドを仕掛けてあり、もう一カ所には私が砲撃のチャージを終えて待ち構えている。
ライフは1000は持っていけるだろう中々の策だ。


「……」


しかし、アインハルトさんは避けない。
全方位から来るシューターをどうする気なんだろうか?


「覇王流『旋衝破』」
「へ?」


アインハルトさんのとった予想外の行動に思わず間抜けな声が漏れた。
なんと、私の放ったシューターを二つ掴んだ状態で回転して残りの六個とぶつけて相殺させたのだ。


「ッ………ディバインバスター!!」


我に返った私はすぐに砲撃を放つが避けられてしまう。そして外したことで隙を生んでしまう。
殴り掛かってくるアインハルトさんの攻撃を右手の剣で逸らしつつ蹴りで反撃。
更に左手で魔法による追撃も行うが、お互いに一進一退、と言ったところだ。
そんな状況に変化が訪れるのはもう少し先の話になる……。




side エリオ


「やるじゃねえか。ここまで粘られるとは思わなかったぜ」
「そんな…、余裕そうに……、言われても……、説得力ありませんよ……」


開始3分。ランスさんと僕の戦闘はというと……


ランスさん
LIFE 2300(-500)


LIFE 1000(-1800)


といった具合に圧倒的不利である。
その理由はランスさんの編み出したトンデモ魔法『集束打撃』の所為である。
この集束打撃。魔力コントロールがかなり難しいうえに時間がかなりかかるのが本来の物なのだが……
ランスさんはその問題を打撃面に攻撃の瞬間にのみ集束を行うことで解決させた。
その難しさは本来の集束打撃の10倍以上らしい。(なのはさん談)


「さて、そろそろ……っと、不味いな…」


ランスさんは突然後方を向くとそう呟き、


「一旦引かせてもらう。勝負はお預けだな、エリオ」


そう言い残して高速飛行で去っていった。
一体何が……?




side ルーテシア


「ふっふっふ……。さて、そろそろ始めますか」


今回の作戦。確実に赤組に勝つために用意した策のキーはなのはさんと士郎さん。
ランスさんがどちらかを抑えに行った場合は誰かに囮をしてもらう手はずだったのだが、それもいらなくなった。


「さあ、始めましょうか!名付けて『弾丸の舞い(バレットダンス)作戦』を!!」


なのはさんの準備が出来た時、それが赤組の終わりの時よ!! 
 

 
後書き
まずは身体強化の事に着いて補足したいと思います。

私個人的に魔導師って身体強化は基本中の基本だと思うんですよね。

高速飛行とか普通の人間の体でやったら内臓がアカン事になるのとかはバリアジャケットが何とかするのでしょうかね?
だとしても普通にビルから飛び降りとかバリアジャケットなしでやってたりしてますし、身体強化って必要不可欠ですよね。

そう言うわけで魔導師は身体強化は必ず行うもの、というオリ設定を入れさせてもらいます。

それでは~ 
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