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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜

作者:カエサル
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GGO編ーファントム・バレット編ー
  52.接触

 
前書き
第52話投稿!!

ついに開幕するバレットオブバレッツ本戦バトルロワイヤル!!
 

 


「はぁ......はぁ......チッ!」

息を切らしながら木の陰に息を潜め、舌打ちをする。左手首の高精細な地図と現実の時刻が表示されるデジタルウォッチをみやる。その地図上には幾つもの輝点(ブリップ)が点灯している。その数.........二十四。

「.......そろそろか」

大きく深呼吸をし、その時を刻一刻と待つ。

三......二.......一!

地図上の輝点の位置が一斉に移動する。それと同時に俺は木の陰から飛び出す。

俺が駆け出すと同時に俺の体に伸びる無数の赤いラインが出現する。

暗剣のスイッチを押し短い小さな筒から漆黒の刃へと姿を変える。無数の赤いラインなど気にせずラインが伸びる先めがけて刹那のごとく駆ける。

弾道予測線が実弾へと変わり、赤いラインめがけて無数の弾丸が俺の体へと飛んでくる。それを暗剣で叩き落としながら敵めがけて進行をやめない。

俺が近づくに連れて相手の動揺が手に取るようにわかる。動揺によって生まれた大きな隙。暗剣を今一度強く握りしめ、敵めがけて突き刺そうとする。.......が、微かに相手が笑みをこぼしたように見えた。

瞬間的に俺は地面を強く蹴飛ばし後ろへと飛び退く。するとさっきとは比べものにならない数の無数の赤いラインが俺の体を貫く。

無数の弾丸が俺の体を貫く寸前に木の陰へと身を潜める。

「クッソ!何だよあいつ」

銃弾の嵐が止み、そっと顔を木の陰から出すとそこには、両手にアサルトライフルを構え、こちらを狙う敵プレイヤー《オーダー》。

ここからどうするか.........
先に動かれれば俺は確実に殺られ、このまま対処方が見つからなくても俺の負け。どっちにしろここで対処方が見つからなければ俺は《死銃》に合わずして負ける。

それなら.......!!

一気に木の陰から疾駆!
すると体中に数十を超える赤いラインが貫く。

そんなことお構いなしに俺は疾駆をやめず、オーダーとの距離を詰める。弾丸が無数に飛び交う。その合間を感を頼りにくぐり抜ける。全てをくぐり抜けることなど不可能で所々当たるがそれでも疾駆をやめない。

.......その距離、残り......四メートル

さらに暗剣を強く握りしめ前へと突き出す。

「これで終われ!!」

一直線の暗剣の突進がオーダーの体を貫き、そのまま振り上げる。両手のアサルトライフルが手から落ち、そのままオーダーの体も崩れ落ちる。

「はぁ.......はぁ.......」

HPを見やるともはや風前の灯の状態となっている。応急処置用アイテムでHPバーを完全に近い形まで回復させる。

「さて.....!」

左手首のデジタルウォッチの地図を確認する。先ほどの見てからさっきの戦いで十五分経過しているため地図上の輝点は移動している。

輝点を一つ一つ押していき奴を探す。

違う......違う......違う......あれ?

全ての輝点を押したが奴......《スティーブン》の姿がどこにも見当たらない。数を数えてみるが数が合わない。生き残っているプレイヤーが二十人。暗い死んだプレイヤー七人。合計、二十七人。

「どういうことだ?」

地図上のシノンとキリトを探す。
.......見つけた。

だが、キリトの姿がどこにも見当たらない。

あいつのことだから変な方法でスキャンを回避する方法を見つけてそうだけどな。

とりあえず、シノンの元へと目指すか。




この男の行動には驚きよりも呆れることの方が多い。先ほどの《サテライト・スキャン》に捕捉されなかった理由が、防具を全て外して川の中を潜っていたからという何ともすごい理由だった。

「......ともかく、川の底に潜ってれば《サテライト・スキャン》には捕捉されないってことね。覚えておくわ。でも、あんたがそこまでして追ってたきたペイルライダー、強いことは強いけど、そう大した奴でもなかったみたいよ。一発大きいのを喰らっただけでビビって立てなくなるようじゃ、とてもこの先.......」

するとキリトの言葉が遮る。

「いや......、ビビってる、ってのは違うそうだぞ......。よく見ろ、あいつのアバターに、妙なライトエフェクトが......?」

「え......」

慌ててスコープで確認すると、夕日で判別がしにくくなっているがペイルライダーの青白い迷彩服を、スパークが覆っている。

あのエフェクトは!

「で......電磁スタン弾......!?」

「な、何だよそれ?」

「名前のとおり、命中したあとしばらく高電圧を生み出して、対象を麻痺(スタン)させる特殊弾。でもかなりの大口径ライフルでないと装填できないし、そもそも一発の値段がとんでもなく高いから、対人戦で使う人なんかいない。パーティーの大型Mob狩り専用の弾なの」

びくん、というその振動が、私とキリトの体を伝わる。

私たちの潜むブッシュから、北に二〇〇メートル離れた地点で、東西に掛かる大きな鉄橋。その西側にすでに死亡判定されている私がうちとったダインのアバターが転がり、東の森からスタン弾を撃たれたペイルライダーは、さらに五メートルほど北で横倒している。

その二人のちょうど間くらいに橋を支える鉄柱の陰から、黒いシルエットが現れる。

一瞬、プレイヤーかどうかもわからないくらい輪郭がぼやけている。スコープ越しに目を凝らすと姿が現れる。全身を覆う灰色のボロボロのフードマント。《ギリーマント》というべきだろうか。

「......いつから、あそこに.......」

無意識に呟いてしまう。
先ほどまでボロマントの姿はなかったはずだ。

だが、そんなことも吹き飛ばす衝撃が襲う。ボロマントが歩み始めると同時に右手のメインアームが露わになる。

「......《サイレント・アサシン》」

喘ぐように声が漏れる。

ヘカートに迫る全長を持つ、大型ライフル。正式名称、《アキュラシー・インターナショナル・L115A3》。最大射程、二〇〇〇メートル以上。撃たれた者は、射手の姿を見ることなく、死に行く間際にも銃声を聞くことすらない。ゆえに、与えられた通り名がーー《沈黙の暗殺者(サイレント・アサシン)》

何者なの、あのボロマント?
 
 

 
後書き
次回、ボロマントと接触したシノンとキリト。
その正体とは?

そしてついに《死銃》の弾丸がプレイヤーを貫く!! 
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