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恋姫~如水伝~

作者:ツカ
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十一話

街の郊外 曹操軍陣地

華琳は主だった将を集め、今回の戦役についての報告を語らせた。
全ての報告を聞いた後、華琳は新たに曹操の臣となった者について話した。
「どういった者達だ」
「如水はまだ知らなかったわね、この街で義勇軍として黄巾党に戦った者よ。秋蘭の言う通りなら、まだ荒削りながら鍛えれば、今後の有能な将となるでしょう。入って来なさい」
華琳の呼びが掛かり三人の女性が入って来た。
「紹介するわ、楽進、李典、于禁よ。三人共、改めて挨拶しなさい」
「この度曹操様の軍に加わりました楽進です、以後曹操様の為に我が武を持って尽くす所存です。よろしくお願いします」
「うちは李典ちゅうんや、以後よろしゅうお願いしますわ」
「私は于禁てゆうのー♪、二人と同じくよろしくお願いするの」
三人の紹介を終わり、如水はある事に気づいた。
「そこの李典という女性。もしかして以前、カゴ売りをしていなかったか」
「あら、気づいたようね。李典だけでなく他の二人も以前に陳留でカゴ売りをしていたそうよ。そうよね、春蘭、秋蘭」
二人が同意すると、李典が如水に話しかけてきた。
「あん時の兄ちゃんか、この前はおおきにな」
「いや、私こそあの時は安く売って貰って感謝している」
一通り雑談を済ませた処で華琳は三人に向き合って話しかけた
「三人に私の真名を授けるわ。以後、華琳と呼びなさい」
「では、私の方も、私の真名は凪といいます。以後そうお呼び下さい」
「うちの真名は真桜ちゅうんや。以後そう呼んでや」
「私の真名は沙和っていうの。よろしくおねがいしますなのー♪」
「三人についてだけど、如水の指揮下に入ってもらうは。三人共、如水の命を聞き、指導を受けなさい」
「私はかまわんが、三人はどう思う」
「うちは異存ないは、この前教わった事意外も知りたいし」
「華琳様の命とあれば私も異存ありません。それに真桜がそこまで信頼している御仁です、喜んで御指導を願います」
「二人がいいなら私もかまわないのー♪」
「如水、三人の教育は任せたわよ」
「了解した、期待に応えるように指導しよう」

その後、華琳は今後の方針について決める為、軍議を開いた。
「この付近の黄巾党は一掃したわ。これからどう動こうかしら。桂花、糧食の残りはいくらほどある」
「十ヶ月程かと思われます、更に、今回如水殿が持って来た物を含めると三年と程かと」
「華琳様、闇雲に動いてもどうしようもありません、一旦引き上げた方が良いかと思いますが」
「そうね、その通りなのだけど何か気になるのよね、如水何か掴んでいない」
「かなり遠方だが、南東の方に一万程黄巾党が集まっている、私が拠点と食糧を奪ったせいと、この辺を一掃したせいででまだ増えている」
「どういった所なの」
「街道を集める交通の要所だ、いわゆる衢地に当たるところだな。そこの砦に黄巾党が集まっている」
「そんな場所に兵を置くとはね、そこに張角がいるのかしら」
「どうだろう、士気も低く、軍としての統制が取れていないようだ。おそらく各地の敗残兵が逃げて来たと言った方がいいのかもしれん」
「ここからどれくらいかかるの」
「最短で五日、だか兵の現状を考えると三日は休息が必要だと思う。それを含めると、十日と見たほうが良いかもしれん」
「如水の言う通りです。負傷者も多いですし、この所強行軍が続きました。兵の疲れも目立っています。それに街の父老らは中で休んで貰って構わないと言っています、今はその厚意に沿うべきかと」
「そうね、少し厚意に甘えさせて貰いましょう。四日後に出陣するわ、ひとまず休息を取りましょう。では解散」

軍議が終わり全軍が街に入り休息を取るように命じた。華琳は街の父老に兵の狼藉をさせない事約束し、住民にその旨を高札に掲げて安堵させた。
全部の仕事を終えた後、如水は新たに軍に加わり自身の部下となった三人を集めた
「改めて、挨拶をしよう。私が君達を指導する黒田官兵衛孝高だ。真名は無いが如水と呼ばれている。三人共これからよろしく頼む」
「はい、凪と呼びます。隊長、これからの御指導よろしくお願いします」
「沙和なのー♪よろしくお願いしますなの隊長」
「真桜や。よろしく頼むで先生」
「…隊長はともかく、先生とはどういう意味だ真桜」
「この前、教えて貰った事でうちの発明がすごく増えたんや、せやから先生って呼ばせてもらうわ」
「まあ、いいだろう。初めに言っておくが、私は春蘭や秋蘭に比べて格段に腕力で劣る。正直、自分の身を守れるかすら危うい。華琳はおそらく君達を私の護衛の意味でも就けてくれたのだろう。私の身を守ってくれると助かる」
「ずいぶんとあっさり自分が弱いって言うんやな、ええでうちらで先生を守ったる」
「はい、隊長の護衛はお任せ下さい」
「そうなの、その代わりしっかり指導して欲しいの」
「わかった、凪、真桜、沙和これからよろしく頼む」
その後しばらく如水は部下の三人と共に話をし親交を深めた

四日後

街を出陣する曹操の軍を住民は名残惜しそうにしていたが出陣の際には、皆が曹操軍に声援を送り今回の事に感謝していた。

それを見た季衣は感心した
「すごい声援ですね、春蘭様」
「当然だろう季衣、何せ華琳様なのだから」
「姉者、言いたいことは何となく分かるが、それでは説明にならん」
「華琳様の名を慕う者は遠方にも多く居ると言う事よ季衣」
桂花は季衣に分かりやすく説明した
「やっぱりそうなんですか、ボクの村でも華琳様を悪く言う人は居なかったし」
「そう言うのを人徳って言うのよ、覚えておきなさい」
「はい!」

一方で、如水は行軍中の部隊の指揮を凪達に任せ、自身は華琳と馬首を合わせ、現在の黄巾党の動きを報せた。
「目的地の黄巾党は増える一方だそうだ、三日前は一万だったが現在は五万以上に膨れ上がっている。おそらくまだ増えるだろう。それだけの規模なら敗残兵だけでなく黄巾党の上層が送った兵も居るだろう。ここを討てば首領の張角の居場所が分かるかもしれん」
「そう。なら、次の戦いが連中の総力と見てもいいのかもね」
「しかし、こちらの兵力は各地の義勇軍を合わせても、二万七千。その内頼りになるのは君が連れてきた本軍二万。相手が賊の群れとはいえ少々危険だと思うが」
「その心配なら大丈夫だと思うわ、官軍が今の状況を見逃すとは思えない」
「しかし、官軍が当てになるかな。このまま増えていけば少なくとも相手は十万を超える大部隊になるだろう。それに兵の錬度はともかく、それを指導している者は今までとは比べ物にならんと思うが」
「有力な諸侯の内、見る目のある者はその場所を見逃さないはず。かならずその場所に来るわ」
華琳の予想に如水は疑問を持った。
「失礼だが、その根拠は一体何処から来ているのか教えて欲しい」
その質問に華琳は笑って答えた
「私の勘よ」
その言葉に納得がいった如水だった
「そうか。なら安心だ」
そう言った後、如水は自身の部隊に戻った
 
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