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ソードアート・オンライン stylish・story

作者:黒神
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第三十六話 橋での戦闘

 
前書き
やっと更新できました。では、どうぞ!! 

 

「セア・ウラザ・ノ、ノート?」

三人は数分の飛行を行った後に山脈を抜ける唯一の道【ルグルー回廊】にやってきた。中は薄暗く何時モンスターの奇襲があってもおかしくはなかったが中を徒歩で進んで行くが気配はなかった。
その途中でキリトが魔法の詠唱を練習しているみたいだったがどうも暗記系は苦手のようだった。

「まさかゲームの中で英語の勉強みたいな事をやる事になるなんて思いもしなかったよ」

「ぶっきら棒に覚えようとするからだ。その呪文の意味を理解し、それを発動させようと力を込めてハッキリと声に出して詠唱すると早く覚えられるモンだ」

シュウが魔法呪文を覚えるためのコツをキリトの説明しているとリーファも横槍をいれる。

「シュウ君の言う通りだよ。それに言っておきますけど上級スペルなんて20ワードくらいあるんだからね」

「うへぇ・・・勘弁してくれよ」

「まあ。キリトの実力なら魔法なしで渡り合えそうだが、やっぱ回復みたいな必須は覚えた方が良いと思うぜ」

「善処するよ」

シュウがキリトに言い聞かせている間にリーファの元にメッセージが届いた。差出人はレコンのらしく、その中身を開くと・・・

『やっぱり思った通りだった。気を付けて、s』

と意味が分からないまま途中で切れていた。

「なんだこりゃ?Sって何?さ、し、す・・・」

リーファはSの付くサ行の言葉を順に辿っていくがやはり意味が分からないままだった。
シュウはその内容と塔で出会った時にレコンが気になる事があるから残ると言っていた事とあの時の事を思い出していた。

(待てよ?レコンは気になる事があるって言っていたよな?そしてレコンは【あいつ】のパーティメンバー・・・って事はこの『S』ってのは)

シュウの思考を遮り、キリトの胸ポケットに隠れていたユイが出てくると警告を言い放つ。
「パパ、おじさん!接近する反応があります!この反応は・・・プレイヤーです!!そして数は12人です!!」

「「っ!?」」「じゅ、12!?」

キリトとシュウは少し驚愕の表情を浮べていたがリーファは声を張り上げていた。ただのパーティにしては多すぎで、ましてやこんな所にそれだけの人数が集団で動いているのは不可思議な事だった。
シュウは先程、投擲ナイフで倒したトレーサーの事を思い出し、苦虫を噛む様な表情を浮べる。

「ちっ、さっきの倒したトレーサーは一体だけじゃなかったって事か。詰めが甘かったか・・・」「キリト君!シュウ君!町まで走るよ!!」
「ああ!!」「おう!!」

リーファの叫び声を共にキリトとシュウは中立の地下街に向かって走り始めた。トレーサーが付いていると言う事は幻惑などで隠れても無意味なので中立の町に逃げ込めば追跡している奴等も諦めが付く筈だった。
数分間の疾走を続けていると地底湖の上に小さくではあるが町が見えた。そして湖と町を繋ぐ橋を渡っているとその途中から三人の行く手を阻むように土で出来た巨大な壁が現れた。

「これ位!!」

キリトは背負っていた大剣を引き抜くと飛び上がり勢いを付けるとその壁を壊そうとしたが・・・

ガキィィィン!!!

「何!?」

キリトの斬撃は弾かれ、その反動で地面に倒れ付した。

「キリト!大丈夫か!?」

「ああ。この壁・・・なんで壊れないんだ?」

「無理よ。この壁は土魔法で出来てるから物理攻撃には凄く強いよ」

「なら!!シム・二ジャーリムス・テネブリス・フェチート・オルティオーネム・アド・オルチシェンダム・ノービス!!」

シュウは【ミラージュ・ソード】の詠唱を五秒も掛からない内に詠唱すると背後に10本の魔力刀を展開すると一斉に飛ばす。
しかし突き刺さってはいるが崩れる気配は無かった。シュウは魔力の無駄遣いを抑えるため破壊できない事を悟ったのか切り上げた。

「これでもダメか。クソ・・・こんな時にルシフェルかべオウルフがあればこんな壁一発で壊せるのによ!!」

シュウはSAOで使用していた武器達の事を愚痴っていたが直にリーファに尋ねる。

「リーファ。湖に入って向こうに渡る事は出来るのか?」

「それも無理ね。ここの湖には強力な水中モンスターが住んでるの。ウンディーネのサポートも無しに飛び込むのは自殺と同じ事よ」

それを聞いたキリトは跳ね起きて大剣を構えるとシュウも帯刀していたムラマサから閻魔刀に替え、左手に持った。

「リーファ。俺とシュウが突っ込むから君は後ろでサポートを頼む」
「前衛は俺達に任せてくれれば良い。行くぞ!キリト!!」

キリトはリーファにバックアップを頼み、シュウと一緒に斬りかかった。しばらくすると赤を象徴した種族【サラマンダー】が見えたがサラマンダー達は素早く体制を整え、迎撃に当たった。
そして大きな盾を持ったサラマンダー三人が一つに纏まり、キリトとシュウの斬撃を防いだ。

「こいつらの盾は硬ぇな。なら・・・っ!?」

シュウが後ろの連中に斬りかかろうとしたが盾のサラマンダーがそれを許さない。そして後ろの連中が爆裂魔法を唱えると大きな火球が複数、二人に襲い掛かった。

「うわっ!?」「ぐはっ!!」

反応に遅れた二人は火球の直撃を受けてしまい、吹き飛んだ。

(ちぃ、こいつら・・・隙がねぇな。敵の攻撃を鉄壁の盾で防ぎ、傷ついた盾をその後ろのヒーラーが回復させ、その隙をついてさらに後ろのメイジが高威力魔法で仕留める・・・シンプルだがこれ以上に厄介な戦法はねぇな)

「キリト君!!シュウ君!!」

リーファはすぐに回復魔法をかけ、ふたりのHPを回復させる。
回復したキリトはすぐさま敵に斬りかかるがシュウに居たっては斬りかからなかった。どうやら敵の陣形と攻撃のパターンを読み、その隙を分析しているみたいだった。しかしキリトとシュウが傷つく事に変わりは無かった。

「もう良いよ、キリト君!シュウ君!!またスイルベーンから何時間か飛べば良いことじゃない!奪られたアイテムだってまた買えばいいよ!」

リーファが二人の傷ついて行く姿に我慢出来なくなったのか悲痛な声を張り上げるが・・・

「嫌だ」「Decline(断る)・・・」

キリトとシュウは顔だけをリーファに向けると真剣な視線を送る。

「ゲームだとしても・・・俺は失いたくないんだ!!」

「俺達はまだやられてねぇ・・・このまま何もせずにただやられて後悔する位なら俺はやる事をやって後悔した方が百倍マシだ・・・それに」

左手に持っていた閻魔刀を鍔をピンと弾くと刀身を少し出して【居合い】の構えを取る。

「勝利のイメージは俺の中に出来たからな・・・ユイ。作戦をリーファに伝えてくれ」

「了解です!」

ユイはキリトの胸ポケットから出て、シュウが考えた作戦を伝えた。
そして作戦の時が来た。まずは最後衛のサラマンダーが爆裂魔法を放ってきた時が第一だった。リーファはキリトとシュウを守るように防御魔法を張る。
防壁と火球がぶつかった瞬間火柱が立ち、キリトとシュウの姿は火柱に完全に消えてしまった。

「キリト!!」

「おう!!」

シュウの掛け声と共にキリトは大剣を掲げ、呪文の詠唱を始めた。それはキリトの種族【スプリガン】特有の幻惑魔法の一種で外見をモンスターに変える事が出来、攻撃力も底上げする事が出来る。
こんな状況下の中でそのような魔法を使用しても何の意味があるのかリーファには理解できなった。しかし次の瞬間リーファの思考は途絶える事になった。火柱が消え始めるとそこにはヤギの頭をした巨大なモンスターが雄叫びをあげながら立っており、その右肩にはシュウが立っていた。

「キリト君・・・なの?」

「さあ・・・反撃開始だ。行くぞ、キリト・・・」

静かにシュウが呟くとモンスターと化したキリトは雄叫びを上げながら前衛の盾に向かって走り始めた。
前衛達は巨大なモンスターとなったキリトに恐怖を抱いたのか態勢を崩す。その隙をキリトは見逃さずに鋭い爪と掌で前衛を蹴散らした。

「俺も行くか・・・」

シュウはキリトの肩を踏み台にすると魔法攻撃を仕掛けている最後衛のグループの中央まで一瞬で飛び掛かった。

「あの距離を一瞬で!?」

「Did you finish the ・・・ prayer(さあ・・・御祈りは済んだか)?」

シュウはすぐに【居合い】の構えを取ると閻魔刀を神速のように抜刀し、真空波を飛ばした。そしてゆっくり納刀して行った。

「あっ?今、何をしたんだ?」

「どうせ、ハッタリだろ?今の内に吹き飛ばそうぜ?」

最後衛のメンバーは体に異常が無い事を確認すると再びシュウに向かって爆裂魔法を唱え始めるが・・・

「It should go by an invisible blade(見えない刃で散ると良い)・・・」

カチン!!

「ガァ!?」「ギャッ!?」

シュウの呟きと納刀の音が響き渡るとサラマンダー達の体に斬撃の跡が出来ると軽い悲鳴を上げながら消えて行った。そしてその場に残ったのは指揮官だけとなった。

「俺の部下が一瞬でやられただと!?」

「さて・・・テメェはすぐには殺さねぇ・・・じわりじわりと苦痛を味合わせながら殺してやる・・・」

シュウは今まで自分と仲間を傷つけられた怒りと憎悪を眼に込めながら鋭い眼光を指揮官に送り、ゆっくりと近づいた。それに恐れ慄いたのか指揮官はその恐怖から逃れるために自ら、橋から飛び降りた。しかしその指揮官はリーファが話していた水中モンスターの餌食となり、意識の炎と化した。

「自ら覚悟を決めたか・・・その心意気は称賛モノだな。さてとキリトは・・・あっちも終わるな」

シュウがキリトの方を見るとサラマンダーをボリボリとかじったり、鋭い爪で串刺しにしており、一方的だった。そして最後の一人となった時にリーファの声掛けによってその戦闘は終わりを告げた。 
 

 
後書き
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