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遊戯王GX-音速の機械戦士-

作者:蓮夜
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―ジェネックス Ⅳ―

 国際大会ジェネックスも中盤となったことにより、デュエル・アカデミアにもプロデュエリストの姿が目立つようになってきていた。
先日俺がデュエルした数学デュエリストの異名を持つマティマティカや、かのカイザー亮などはジェネックス開催と聞くや否や駆けつけたらしく、まだ序盤早々にこの島に来ていたが、大多数のプロデュエリストは先程入島したところだ。

 いくら三幻魔を巡る影丸理事長の思惑があったと言えども、こんな海の真ん中に学校を作るものだから、外来のプロデュエリストも来るのが大変なのだろう。

 プロデュエリストは、海馬コーポレーションが作ったデュエリストの聖地であるこのデュエル・アカデミアの中を見学していったりする者や、生徒たちに無双してるかと思えば、甘く見て万丈目などに手酷くやられる者など様々だった。

 そんな後続のプロデュエリストの中でも、入島するや否や俺とのデュエルをするために島内を散策する者がいた。

 その名はタイタン。
かつて十代を狙ってこのデュエル・アカデミアを訪れ、なんだかんだあって今は無き廃寮で俺と共に化け物とタッグデュエルをした友人だ。

 自身のマジシャンとしての技を使い、インチキ闇のデュエリストとして仕事をしていたが、あの黒い泡のような化け物に襲われてから本物の闇のデュエルを知ったため、タイタンはその業界からは足を洗ったのだった。
そして一念発起して、昔目指していたというプロデュエリストを目指すことにしたタイタンは、いつかプロデュエリストになってからデュエルするという約束をしてこの島から去っていった。

 結果として彼は、マティマティカや亮やエドのような上位のランクではないものの、ついに最近プロデュエリストの末席へと名を連ねることとなったのだった。
亮やエドと言ったプロデュエリストの知り合いがいるため、プロリーグの記事や雑誌を持っていた俺は、いち早くそのタイタンがプロデュエリストになったことを知ることが出来た。

 そして別れる時にした約束を果たさんと、俺とタイタンは廃寮跡の前でデュエルすることにした。

 セブンスターズとなった高田が破壊したこの場所は、影丸理事長が三幻魔などについて研究するための隠れ蓑だったことを後から聞いた。
影丸理事長が三幻魔を求めないのであれば、もう直す必要も無いのだから、いつか完全にこの場所は更地になることだろう。
あの、俺たちにタッグデュエルを挑んできたり高田を操ったりした黒い泡の化け物たちも、もういないことを祈りたいものだ。

 まあそんな辛気くさい話は、これから始まるタイタンとのデュエルの前に、もはや何の意味も無しはしない。
タイタンと二、三言葉を交わした後、どちらからという訳でもなくデュエルの構えを取った。

 久々の世間話よりもデュエルを優先するとは、俺も亮にデュエル馬鹿などと言えないか、などと思いながら。

『デュエル!』

遊矢LP4000
タイタンLP4000

「私のターン、ドロー!」

 タイタンの格好は黒マントに仮面という、改めて見るともの凄く不審者だったが、闇のデュエリストやプロデュエリストには格好から来るイメージというのも大切な要素なのだろう……恐らくは。

「私は《闇の誘惑》を発動し、二枚ドローして闇属性モンスターを一体除外する。そして、《トリック・デーモン》を守備表示で召喚するぅ」

トリック・デーモン
ATK1000
DEF0

 手札交換をした後に守備力が0のデーモンを守備表示とは、手札事故ではないだろうと思われるので、破壊されることが仕事のモンスターか。
そしてその現れたデーモンの名前からすると、タイタンのデッキは以前の【チェスデーモン】ではないのだろうか、ということも考えられる。

「さらにカードを一枚伏せ、ターンエンド」

「楽しんで勝たせてもらうぜ! 俺のターン、ドロー!」

 タイタンのデッキが何であろうと、【デーモン】であることは確かだろう。
とりあえず攻め込むために、俺は手札にいるアタッカーへと手を伸ばした。

「俺は《マックス・ウォリアー》を召喚!」

マックス・ウォリアー
ATK1800
DEF800

 三つ叉の槍を持った機械戦士のアタッカーが現れ、その槍の狙いをトリック・デーモンへとつける。

「バトル! マックス・ウォリアーで、トリック・デーモンに攻撃! スイフト・ラッシュ!」

 マックス・ウォリアーの槍の乱れ突きに、トリック・デーモンはあっさり破壊されたものの、その破壊された身体から現れた怨霊がタイタンのデッキに宿った。

「トリック・デーモンが墓地に送られた時ぃ、デッキから《デーモン》と名前がついたカードを一枚手札に加えるぅ」

 やはりトリック・デーモンはサーチャーだったようだが、サーチの効果範囲が広すぎて、若干破壊したのを後悔した。

「カードを一枚伏せて、ターンエンド」

「私のターン、ドロー!」

 さて、トリック・デーモンのサーチ効果で何を手札に加えたのだろうか。
ここはやはり、《デーモン》には必須のフィールド魔法を更にサーチ出来るデーモンか……?

「私は手札から《ジェネラルデーモン》を捨て、デッキからフィールド魔法《万魔殿-悪魔の巣窟》を手札に加えてそのまま発動するぅ!」

 読み通りアカデミアを侵食して辺りに広がっていく、悪魔の住処たる地獄の一丁目を一瞥し、タイタンの次なる手を待つ。
《万魔殿-悪魔の巣窟》は確かに強力なフィールド魔法だが、その効果はあくまでも受け身なため、今は警戒する必要はない。

「そしてリバースカード、オープン! 《デーモンの雄叫び》! ライフを500払いぃ、墓地のデーモンを特殊召喚するぅ! 蘇れ《トリック・デーモン》!」

タイタンLP4000→3500

 先程マックス・ウォリアーに破壊されたサーチャーのデーモンが蘇り、その効果やデーモンの雄叫びのデメリットと万魔殿-悪魔の巣窟のことを思うと、エンドフェイズ時にかなり厄介なことになるだろうと考えた。

「私のフィールドには《デーモン》がいるぅ……よって、《ジェノサイドキングデーモン》を召喚!」

ジェノサイドキングデーモン
ATK2000
DEF1500

 《チェスデーモン》の一種であるアタッカーの登場に、タイタンのデッキは純正【チェスデーモン】ではないにしろ、未だデッキにはチェスデーモンが入っているようだ。
チェスデーモンを代表すると言っても過言ではないジェノサイドキングデーモンは、破壊した相手モンスターの効果を封じるという効果と、不完全ながらも対象をとる効果に耐性を持っている。

「バトル! トリック・デーモンで、マックス・ウォリアーに攻撃!」

「リバースカード、《くず鉄のかかし》を発動する!」

 マックス・ウォリアーに攻め込もうとしたトリック・デーモンの目の前に、俺のデッキの防御の要ことくず鉄のかかしが攻撃を防ぐ。
本来ならば、攻撃力が高いジェノサイドキングデーモンへと発動させたいところなのだが……

「なるほどなぁ……ジェノサイドキングデーモンで、マックス・ウォリアーに攻撃! 炸裂!五臓六腑ぅ!」

 ジェノサイドキングデーモンの腹から飛び出た、虫のような小型悪魔がマックス・ウォリアーを襲い、ただでさえ攻撃力が下がったマックス・ウォリアーは破壊されてしまう。

「くっ……!」

遊矢LP4000→2800

 ジェノサイドキングデーモンの効果である対象をとる効果を確率で無効にする効果がなければ、あるいはタイタンが外すことに賭けることが出来る精神力が俺にあれば、ダメージを抑えたことが出来ただろうが、無かったことを言っても仕方がない。

「そしてエンドフェイズ、罠カード《デーモンの雄叫び》のデメリット効果により《トリック・デーモン》は自壊しぃ、その効果で《デーモン》と名の付いたカードを手札に加え、《万魔殿-悪魔の巣窟》によってレベル3未満の《デーモン》を手札に加えるぅ。ターンエンドだぁ」

「俺のターン、ドロー!」

 デーモンお得意の自壊によるサーチコンボを身を持って体感することになったものの、トリック・デーモンのレベルが3と低いため、サーチ出来たとしても《ヘルポーンデーモン》や《デーモン・ビーバー》クラスのデーモンしかサーチ出来ないのは不幸中の幸いか。
……代わりに、その《トリック・デーモン》のサーチ効果が優秀であるのだが。

「俺は《スチーム・シンクロン》を守備表示で召喚」

スチーム・シンクロン
ATK600
DEF800

 蒸気を出している人型のシンクロンを召喚したものの、手札が悪く攻勢に出ることは出来ないため、シンクロ召喚は出来ないただの壁である。

「カードを一枚伏せ、ターンエンド」

「私のターン、ドロー!」

 ジェノサイドキングデーモンをリリースして大型のチェスデーモンをアドバンス召喚するか、下級を並べてビートダウンをしてくるか、タイタンはどちらの手を使うか……

「速攻魔法《サイクロン》を発動して伏せてある《くず鉄のかかし》を破壊しぃ、《デーモンの騎兵》を召喚するぅ!」

デーモンの騎兵
ATK1900
DEF0

 相変わらず二回目の発動をさせてもらえない《くず鉄のかかし》を破壊する竜巻と共に、下級モンスターたる悪魔の騎兵が召喚される。

「くず鉄のかかしは破壊したぁ。バト……」

「待て! お前がバトルフェイズに入る前、伏せてある《シンクロ・マテリアル》を発動する。このカードは、相手モンスターを使ってシンクロ召喚をすることが出来る!」

 スチーム・シンクロンが突如として光の輪となりデーモンの騎兵を包むと、デーモンの騎兵やタイタンの意志には関係なくシンクロ召喚の体勢をとった。
《デーモンの騎兵》の効果は詳しく知らないものの、その名前からしてチェスデーモンではないだろうし、実際対象にされた時に発動する効果はないようだ。

「加えて《スチーム・シンクロン》は、相手ターンにシンクロ召喚が出来る! レベル4のデーモンの騎兵に、レベル3のスチーム・シンクロンをチューニング!」

 デーモンの騎兵はスチーム・シンクロンが変化した光の輪から逃れられず、スチーム・シンクロンと共にレベル7のシンクロモンスターの素材となる。

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ! シンクロ召喚! 《パワー・ツール・ドラゴン》!」

パワー・ツール・ドラゴン
ATK2300
DEF2500

 《スチーム・シンクロン》と《シンクロ・マテリアル》の効果により、シンクロモンスターのラッキーカードたるパワー・ツール・ドラゴンのシンクロ召喚に成功する。

「ぬぅ……ジェノサイドキングデーモンを守備表示にしてターンエンドだぁ」

「俺のターン、ドロー!」

 手札は相変わらず攻勢には向かない手札なものの、今の俺のフィールドにはパワー・ツール・ドラゴンがいる。
このモンスターがいるのならば、この状況でもどうとでもなる……!

「パワー・ツール・ドラゴンの効果を発動! デッキから三枚の装備魔法を選び、裏側で相手が選択して手札に加える! パワー・サーチ!」

 デッキから選んだ装備魔法《団結の力》・《パイル・アーム》・《ダブルツールD&C》の三種類を裏側でタイタンに見せると、見えるわけでもないだろうに妙に見つめてから選んだ。

「……右だぁ」

「お前が選んだカードはこいつだ! 装備魔法《パイル・アーム》をパワー・ツール・ドラゴンに装備し、効果発動! このカードが装備された時、相手の魔法・罠カードを破壊する! 俺が破壊するのは、当然《万魔殿-悪魔の巣窟》!」

 パワー・ツール・ドラゴンの右手に装着されたパイルバンカーから、パイルが飛び出して何もない空間に穴を開けると、周囲を侵食していた万魔殿-悪魔の巣窟がその穴に吸い込まれて消えていく。

「バトル! パワー・ツール・ドラゴンで、ジェノサイドキングデーモンに攻撃! クラフティ・ブレイク!」

 右手に装着されているパイルバンカーの二発目がジェノサイドキングデーモンを貫き破壊するが、残念ながら守備表示のためにタイタンにダメージは無い。

「これでターンエンドだ!」

「私のターン、ドロー!」

 万魔殿-悪魔の巣窟を破壊された今、再び張り直さない限りはチェスデーモン系列は両刃の剣となってしまう。
万魔殿-悪魔の巣窟がタイタンの手札に無いことを願うが、タイタンはそんなことは関係なく新たな戦術を用意していたのだった。

「フィールド魔法《伏魔殿-悪魔の迷宮》を発動するぅ!」

「……伏魔殿!?」

 新たにこの世界を侵食し始めたのは、俺が想像していた悪魔の巣窟ではなく悪魔の迷宮。
その効果は俺は知らず、まったくの未知数だった。

「巣窟が一丁目ならば、ここは二丁目とでも言っておこうかぁ……そして、《戦慄の凶皇-ジェネシス・デーモン》をリリース無しで召喚するぅ!」

戦慄の凶皇-ジェネシス・デーモン
ATK3000
DEF2000

 先程破壊した《ジェノサイドキングデーモン》が更に巨大化したような、まさしく凶皇の名に相応しいデーモン……戦慄の凶皇-ジェネシス・デーモンが妥協召喚される。

「攻撃力3000……だが、こういうモンスターのお約束は……」

「その通りだぁ。妥協召喚したジェネシス・デーモンの攻撃力は半分となる。だが、伏魔殿-悪魔の迷宮がある時、フィールドの悪魔族は500ポイント攻撃力が上がるぅ……」

 よってジェネシス・デーモンの攻撃力は、伏魔殿-悪魔の迷宮の力を借りて2000ということになるが、切り札のような威圧感を持ったデーモンが妥協召喚しか効果が無いとは考えにくい……!

「ジェネシス・デーモンの効果を発動……墓地の《デーモン》と名前が付いたモンスターを除外することで、フィールドのモンスターを一体破壊するぅ! パワー・ツール・ドラゴンを破壊せよ、デーモン・バーストぉ!」

「……ならば、こちらもパワー・ツール・ドラゴンの効果を発動する! 装備された装備魔法《パイル・アーム》を墓地に送ることで、その破壊を無効にする!」

 ジェネシス・デーモンから放たれた悪魔の光を、パイル・アームを盾にすることで防ぎ、そのおかげでパワー・ツール・ドラゴンは破壊されずに終わる。
パイル・アームが破壊されたことで上昇していた攻撃力は元に戻ったものの、それでも2300とジェネシス・デーモンより攻撃力は高い。

「フフフ……バトル! ジェネシス・デーモンで、パワー・ツール・ドラゴンに攻撃するぅ! ヴィシャス・エッジ!」

「……迎撃しろ、パワー・ツール・ドラゴン! クラフティ・ブレイク!」

 攻撃力の劣ったモンスターで攻撃する際に裏がないわけがなく、タイタンの手札から《収縮》などのコンバットトリックが来ることを予想していたのだが、そんなことはなくジェネシス・デーモンはあっさりと破壊された。
だが代わりに、ジェネシス・デーモンが破壊された背後から龍のような影が徐々に浮かび上がり始めたのだった。

タイタンLP3500→3200

「私はジェネシス・デーモンが破壊された時、速攻魔法《デーモンとの駆け引き》を発動ぅ! デッキから《バーサーク・デッド・ドラゴン》を特殊召喚するぅ!」

バーサーク・デッド・ドラゴン
ATK3500
DEF0

 攻撃力は破格の3500という数値であり、更に全体攻撃を持ったドラゴン……《デーモン》どころか悪魔族ですら無いが、相性の良さは今見た通りだ。
専用特殊召喚カード《デーモンとの駆け引き》は、サーチャーである《トリック・デーモン》からサーチが可能で、発動条件のレベル8モンスターは妥協召喚が可能なジェネシス・デーモンが務めるというコンボだ。

「まだ私のバトルフェイズは終了していなぁい……バーサーク・デッド・ドラゴンで、パワー・ツール・ドラゴンに攻撃!」

「……パワー・ツール・ドラゴンが破壊されるか……!」

遊矢LP2800→1600

 俺の攻めの起点だったパワー・ツール・ドラゴンがあっさりと破壊されてしまい、その上、ライフもタイタンの半分ほどとなってしまう。

「私はこれでターンエンドだぁ」

「俺のターン、ドロー!」

 タイタンのエンドフェイズ時にはバーサーク・デッド・ドラゴンの攻撃力が3500から3000となるが、まだ高いことには変わりなく、依然として俺が不利だと言って良いだろう。

「まず速攻魔法《手札断殺》を発動! お互いに二枚捨て二枚ドロー!」

 手札を交換することで打開策を引くことに賭けて手札断殺を発動するが、その前に確実に発動するカードはある。

「墓地に送った《リミッター・ブレイク》の効果発動! デッキから守備表示で現れよ! マイフェイバリットカード《スピード・ウォリアー》!」

『トアアアアッ!』

スピード・ウォリアー
ATK900
DEF400

 気合いの雄叫びをあげながら、俺を護るように特殊召喚されたマイフェイバリットカードに導かれたかのように手札に来た、打開策としては充分なカードをデュエルディスクにセットする。

「俺は《マッシブ・ウォリアー》を召喚!」

マッシブ・ウォリアー
ATK500
DEF1200

 盾を構えた要塞の機械戦士の召喚をトリガーにし、背後から黄色いミサイルをつけた機械が共に発進する。

「通常召喚に成功しているため、手札から《ワンショット・ブースター》を特殊召喚出来る! 来い、ワンショット・ブースター!」

ワンショット・ブースター
ATK0
DEF0

 この二体がフィールドに揃った時点で、バーサーク・デッド・ドラゴンがいくら強力なモンスターだろうと、運命は決まっていると言って良いだろう。

「バトル! マッシブ・ウォリアーで、バーサーク・デッド・ドラゴンに攻撃!」

「ぬぅ!?」

 皮肉にも先のターンでタイタンが行った自爆特攻の再現となり、タイタンが困惑している中バーサーク・デッド・ドラゴンが、攻撃してきたマッシブ・ウォリアーを返り討ちにした。

 だが、要塞の機械戦士はこの程度では破壊されない。

「マッシブ・ウォリアーは一ターンに一度戦闘では破壊されず、ダメージも受けない。そしてメインフェイズ2、ワンショット・ブースターの効果を発動! このカードをリリースすることで、戦闘で破壊出来なかったモンスターを破壊する! 蹴散らせ、ワンショット・ブースター!」

 ワンショット・ブースターに装備された二発のミサイルが火を噴いて発射され、バーサーク・デッド・ドラゴンに着弾すると、大きく爆発を起こしてバーサーク・デッド・ドラゴンを破壊した。

「よし、カードを一枚伏せてターンエンド」

「私のターン、ドロー!」

 このワンショット・ブースターの攻撃が文字通り反撃の狼煙となれば良いのだが、相手はれっきとしたプロデュエリストなのだ、フィールドが空の状態から何が来てもおかしくはない……

「私は装備魔法《デーモンの斧》を、マッシブ・ウォリアーに装備するぅ……」

 なにが来てもおかしくはないと言ったが、実際に来たのは万能な装備魔法の代表格《デーモンの斧》を俺のモンスターであるマッシブ・ウォリアーに装備するという、まったく予想外の事態。
《デーモン》と名前がついている以上、《トリック・デーモン》の効果でサーチをすることが可能であり、効果も優秀なために入っていてもおかしくはない……

 《デーモンの斧》も《デーモン》という名前がついていると考えた際、俺の脳裏に一枚のカードが閃いたが、もはや対抗する術はない。
そして、俺の脳裏に閃いたカードと同じカードをタイタンは発動した。

「装備魔法《堕落》発動し、同じくマッシブ・ウォリアーに装備するぅ!」

 盾の他にデーモンの斧を装備したマッシブ・ウォリアーだったが、そのデーモンの斧から黒色の煙のようなものが吹き出し、その煙に操られてタイタンの側についてしまった。

「マッシブ・ウォリアーは頂いたぁ……そのマッシブ・ウォリアーをリリースし、《デーモンの将星》をアドバンス召喚!」

デーモンの将星
ATK2500→3000
DEF1200

 初期にあったレアカードであり、今でも《真紅眼の黒竜》のように一部で根強く人気を誇る、悪魔族の代表格たる《デーモンの召喚》に似たモンスターがアドバンス召喚される。
俗に言うリメイクモンスターであるらしく、元となったデーモンの召喚のデザインを維持しつつ、更に悪魔らしく禍々しく変貌を遂げていた。

「《デーモンの将星》がアドバンス召喚に成功した時、墓地からレベル6のデーモンを特殊召喚出来るぅ。蘇れ、《迅雷の魔王-スカル・デーモン》!」

迅雷の魔王-スカル・デーモン
ATK2500
DEF1200

 デーモンの将星の起動効果によって特殊召喚されたモンスターは、またもや《デーモンの召喚》のリメイクモンスターである《迅雷の魔王-スカル・デーモン》だった。
悪魔族の代表格が二体並ぶのを見るのは壮観だが、迅雷の魔王-スカル・デーモンの方は守備表示の上、《万魔殿-悪魔の巣窟》がないために毎ターン維持コストを支払わなければならないといけないので、見た目ほど今は脅威ではない。

「フッフッフ……ここで《伏魔殿-悪魔の迷宮》の効果を発動するぅ」

 タイタンの背後にあった迷宮に《迅雷の魔王-スカル・デーモンが飛び込んで行ったが、その迷宮に迷いでもしたのか、何故かそのまま帰って来ずに終わる。
だが、悪魔の迷宮は不吉なことを自らアピールするように胎動し、俺に嫌な予感をひしひしと感じさせる。

「《伏魔殿-悪魔の迷宮》は私のフィールドのデーモンを一体選び、選択しなかったデーモンをリリースすることで、選択したデーモンと同じレベルのモンスターを特殊召喚するぅ! 現れろ、《暗黒魔族ギルファー・デーモン》!」

暗黒魔族ギルファー・デーモン
ATK2200→2700
DEF2500

 両肩に翼を持ち、炎を身体に纏わせた悪魔が、迅雷の魔王-スカル・デーモンの代わりに迷宮から飛翔する。
スカル・デーモンより攻撃力は下がったものの、俺のフィールドのスピード・ウォリアーよりは遥かに高いことは確かだった。

「バトル! 暗黒魔族ギルファー・デーモンで、スピード・ウォリアーに攻撃! ギルファーフレイム!」

「くうっ……!」

 守備表示のため俺にはダメージがないものの、自慢のマイフェイバリットカードは地獄の炎の前に焼き尽くされてしまう。

「トドメだぁ! デーモンの将星で遊矢にダイレクトアタック! 魔降雷撃!」

「リバースカード、オープン! 《戦士の誇り》! 墓地から、戦闘で破壊された戦士族モンスターを特殊召喚する! 守備表示で蘇れ、《スピード・ウォリアー》!」

 デーモンの将星が出した雷の前に、蘇ったスピード・ウォリアーが守備表示で再び俺を護るように立ちはだかった。

「……ならば、スピード・ウォリアーを攻撃するぅ!」

「残念だが、《戦士の誇り》で特殊召喚されたモンスターは、このターン破壊されない!」

 スピード・ウォリアーが自身に目標を変えられて放たれた雷に向け、得意技たるソニック・エッジを浴びせて雷を消し、結果的には俺もスピード・ウォリアーも無傷に終わる。

「くぅ……カードを一枚伏せ、ターンエンドだぁ」

「俺のターン、ドロー! ……《貪欲な壷》を発動して二枚ドロー!」

 デュエルはお互いに手札も少なくなってくる中盤を迎え、俺のフィールドには一時の戦闘破壊耐性を失った《スピード・ウォリアー》であり、タイタンのフィールドには《伏魔殿-悪魔の迷宮》の効果により攻撃力が上昇した《デーモンの将星》と《暗黒魔族ギルファー・デーモン》が二体に、リバースカードが一枚という布陣。

 見るからに俺が圧倒的に不利であるものの、優秀なドローソース《貪欲な壷》によって逆転の一手へと成りうる手札を得た。

「俺はスピード・ウォリアーをリリースし、《サルベージ・ウォリアー》をアドバンス召喚する!」

サルベージ・ウォリアー
ATK1900
DEF1600

 リリースを要求する上級モンスターとしては、タイタンのフィールドにいるデーモンたちと比べると余計見劣りするが、サルベージ・ウォリアーの本分は戦闘ではない。

「サルベージ・ウォリアーがアドバンス召喚に成功したため、墓地からチューナーモンスター《チェンジ・シンクロン》を特殊召喚!」

チェンジ・シンクロン
ATK0
DEF0

 サルベージ・ウォリアーの手によって墓地から引き上げられた、機械の小人のようなシンクロンが輝き、シンクロ召喚の態勢をとっていく。

「行くぞ! レベル5の《サルベージ・ウォリアー》に、《レベル1の《チェンジ・シンクロン》をチューニング!」

 チェンジ・シンクロンが分裂し、その小さい身体ではなんとか一個の輪にしかならないものの、サルベージ・ウォリアーを包み込んでいく。
今回は、そちらの方がこちらにとっても好都合だ……!

「集いし拳が、道を阻む壁を打ち破る! 光指す道となれ! シンクロ召喚! 現れろ、《マイティ・ウォリアー》!」

マイティ・ウォリアー
ATK2200
DEF2000

 機械化した片腕が巨大化している機械戦士、マイティ・ウォリアーがその自慢の腕で大地を砕きながらシンクロ召喚され、ゆらりと立ち上がって二体のデーモンのことを見据える。

「それで、そのシンクロモンスターでどうする気だぁ?」

「こうするのさ。《チェンジ・シンクロン》がシンクロ素材となった時、フィールドにいるモンスターを守備表示に出来る! 俺は《デーモンの将星》を守備表示にする!」

 マイティ・ウォリアーの背後から半透明の《チェンジ・シンクロン》が現れ、モンスターを守備表示にするための力を発射し、デーモンの将星を守備表示にすることに成功する。

「そして装備魔法《ニトロユニット》を、《デーモンの将星》に装備する!」

「ぬぅ、《ニトロユニット》……!」

 デーモンの将星の胸に爆薬が設置され、俺の攻撃への布石はこれで一旦幕を閉じることになる。

「バトル! マイティ・ウォリアーで、デーモンの将星に攻撃! マイティ・ナックル!」

 守備表示のデーモンの将星へと、軽々としたフットワークで接近したマイティ・ウォリアーが、《ニトロユニット》がついている胸を狙ってアッパーカットを喰らわせる。
破壊した《デーモンの将星》は俺が《チェンジ・シンクロン》の効果で守備表示にしたため、タイタンに戦闘ダメージは無い。
だが、装備された《ニトロユニット》と《マイティ・ウォリアー》の相手を破壊した時の効果ダメージ、併せて持って行ってもらおう……!

「相手モンスターを戦闘破壊したことにより、マイティ・ウォリアーの効果を発動! 破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える! ロケット・ナックル!」

 マイティ・ウォリアーの片腕が飛んでいき、デーモンの将星の胸についている《ニトロユニット》を爆発させようとその場所を狙う。
これで二つの効果を併せたバーンダメージ、3750のダメージをタイタンは受ける……!

「墓地から罠カード《ダメージ・ダイエット》を発動ぅ! このターン受ける効果ダメージを、全て半分にするぅ!」

「なっ!?」

 シンクロ素材にした《チェンジ・シンクロン》と同様に、俺の《手札断殺》の際に墓地に送られていた罠カードの効果により、タイタンの前に薄いバリアが起きる。
そのせいでニトロユニットとマイティ・ウォリアーの効果が併せて発動しても、俺の思惑通りにトドメを刺すまでには至らなかったのだった。

タイタンLP3200→1375

「……カードを一枚伏せ、ターンエンド」

「私のターン、ドロー!」

 確かに大ダメージを与えることには成功したものの、目論見通りであればトドメを刺せていたと考えれば、成功とは言い難い。
まだタイタンのフィールドには《暗黒魔族ギルファー・デーモン》もいるため、先のターンの攻撃ははっきりと失敗と言って良いのかも知れない。

「私は《インフェルノクインデーモン》を守備表示で召喚するぅ!」

インフェルノクインデーモン
ATK500
DEF1600

 チェスデーモンの一種であり、いつかのタッグデュエルでも決め手となったタイタンのフェイバリットカードだが、効果が発動するのはスタンバイフェイズ時のため、今のところは驚異ではない。

「さらに私はリバースカードを発動! 《闇次元の解放》! 除外していた闇属性モンスター、《戦慄の凶皇-ジェネシス・デーモン》を特殊召喚するぅ!」

 初手に使っていた《闇の誘惑》で除外していたらしく、タイタンが使っているデーモンの中ではまさしく切り札という、最強のデーモンが除外ゾーンから帰還した。
それも今度は妥協召喚などではなく、《闇次元の解放》という余計な重りは背負っているものの、本来の能力を発揮している。

「ジェネシス・デーモンの効果を発動。 墓地のデーモンを除外することで、マイティ・ウォリアーを破壊するぅ! デーモン・バースト!」

 悪魔の光を放つジェネシス・デーモンを相手にしても、効果破壊への耐性を持たないマイティ・ウォリアーでは相手にならず、呆気なく破壊されてしまう。

「バトルぅ! ジェネシス・デーモンで、ダイレクトアタックぅ! ヴィシャス・エッジぃ!」

「《速攻のかかし》を捨て、バトルを終了する!」

 なんとかジェネシス・デーモンの強靱かつ凶悪な爪を、《速攻のかかし》が庇ってくれたおかげで避けることが出来たが、もう手札は残り一枚と後がない。

「ふん……ターンエンドだぁ」

「俺のターン、ドロー!」

 ドローしたカードを見て、残り一枚の手札とフィールドのリバースカードも併せて次の戦術を考えるものの……やはり、攻撃力3500……いや。

「お前のスタンバイフェイズ、《インフェルノクインデーモン》の効果が発動するぅ! ジェネシス・デーモンの攻撃力を、さらに1000ポイントアップ!」

 攻撃力4500のデーモンを始めとするモンスター群を有するタイタンに、今や勝つ手は一つしかない。

「俺は《ガントレット・ウォリアー》を召喚!」

ガントレット・ウォリアー
ATK400
DEF1600

 《スピード・ウォリアー》や《マックス・ウォリアー》・《ワンショット・ブースター》と共に、他の機械戦士よりはあまり目立った活躍はしないものの、昔から機械戦士を支えてくれた仲間たる手甲の機械戦士を召喚する。
その攻撃力は僅か400であり、ジェネシス・デーモンとは比べることも出来はしない。

「そのモンスターで、どうジェネシス・デーモンを倒すのだぁ?」

「いいや、こいつじゃ倒せないさ。ガントレット・ウォリアーの仕事はいつだって、他の仲間へと繋げることだ……魔法カード《モンスター・スロット》を発動!」

 魔法カード《モンスター・スロット》により、俺とガントレット・ウォリアーの間にスロットが現れ、三つのルーレットがあるのが見て取れる。
一つ目のルーレットには《ガントレット・ウォリアー》が描かれており、二つ目には墓地にいる《スチーム・シンクロン》、そして三つ目は未だに回っていた。

「《モンスター・スロット》は、フィールドにいるモンスターと同じレベルのモンスターを除外することで、一枚ドロー出来る魔法カード。そして、ドローしたカードが同じレベルであれば、そのモンスターを特殊召喚出来る! レベル3の《スチーム・シンクロン》を除外し、一枚……ドロー!」

 俺がデュエルディスクからカードを一枚引き抜き、《モンスター・スロット》の効果でタイタンに掲げて見せると共に、スロットマシンの三つ目も止まっていた。

 三つ目のルーレットに描かれたモンスター、つまり今ドローしたモンスターは――

「――《ドリル・シンクロン》を特殊召喚する!」

ドリル・シンクロン
ATK800
DEF500

 ドリルを頭にくっつけたシンクロンが召喚されるや否や、ドリル・シンクロンとガントレット・ウォリアーは即座にシンクロ召喚の態勢をとってくれる。

「俺はレベル3の《ガントレット・ウォリアー》と、同じくレベル3の《ドリル・シンクロン》をチューニング!」

 ドリル・シンクロンについているドリルが高速回転をした後、三つの光の輪になると、自らをチューナーモンスターに指定するシンクロモンスターとなるため、ガントレット・ウォリアーを包み込む。

「集いし力が大地を貫く槍となる。光さす道となれ! シンクロ召喚! 砕け、《ドリル・ウォリアー》!」

ドリル・ウォリアー
ATK2400
DEF2000

 専用チューナーモンスターのドリル・シンクロンと同じく茶色のボディを持ち、幾つもあったドリルが全て合体したかのような、巨大なドリルが目を引くシンクロモンスター。

「ドリル・ウォリアーは自身の攻撃力を半分にすることで、このターン、相手プレイヤーにダイレクトアタックが出来る!」

「なるほどなぁ……だが、攻撃力を半分にしては私のライフにはギリギリ届かんぞぉ?」

 タイタンのライフは、先の《ダメージ・ダイエット》のせいで1375という微妙な数値となっており、確かにこのままではドリル・ウォリアーの攻撃は届かない。

「バトル! ドリル・ウォリアーで、タイタンにダイレクトアタック! ドリル・シュート!」

 そんなことは解っている上に関係はなく、ドリル・ウォリアーは三体のデーモンをすり抜けてタイタンに肉迫する。

 そして、これが最後の駄目押しだ……!

「リバースカード、《リミット・リバース》を発動! 墓地から《ガントレット・ウォリアー》を特殊召喚する!」

 シンクロ素材となったガントレット・ウォリアーが再び蘇生されたが、またもフィールドからその姿を消そうとしていた。

「ガントレット・ウォリアーの効果を発動! ガントレット・ウォリアーをリリースすることで、ドリル・ウォリアーの攻撃力を500ポイントアップさせる!」

「なっ……なんだとぉ!?」

 ガントレット・ウォリアーがその名の通りにつけていたガントレットと、同じガントレットがドリル・ウォリアーについて攻撃力と守備力をアップさせ、タイタンのライフを削りきれる攻撃力となる。

「終わりだタイタン! ドリル・シュート!」

 バトルフェイズ中に、《ガントレット・ウォリアー》が特殊召喚されたことによって巻き戻しが発生したものの、そんな些細なことは問題ではない。
大事なことはただ一つ、ガントレット・ウォリアーの力を得たドリル・ウォリアーは、タイタンのライフを0にしたということだった。

「ぶらぁああああああ!」

タイタンLP1375→0


 ドリル・ウォリアーのダイレクトアタックにより、俺はなんとかタイタンとのデュエルを制した。
タイタンのデッキてある【デーモン】の特色である、最上級モンスターを何体を呼び出す戦術に押し負け、全てを破壊できなかったのは残念だったが。

「楽しいデュエルだったぜ、タイタン」

「むぅ……負けたか。ところで遊矢ぁ」

 デュエルのフィニッシュの影響で、尻餅をついたタイタンが起き上がるのに手を貸すと、タイタンが俺の背後を指差した。

「あそこにいる青い制服の者は、お前の友人かぁ?」

 タイタンの言葉につられて背後を見ると、デュエルで勝利した良い気分が一瞬で吹っ飛んで行ってしまうほどの衝撃を受けた。
光の結社事件が起きている今、このデュエル・アカデミアで青い制服を着ているのは俺と三沢に吹雪さん、そして模した服を着ている亮と……その事件の、中心となっている者だけど。

「友人なんかじゃなく、敵みたいなもんだ……斎王!」

 ジェネックスが始まってから、輪に掛けてホワイト寮から出て来なくなった斎王が、なぜこんなところにいるかは解らない。
しかし、理由などは今はどうでも良いことであり、明日香たちを助けて海馬ランドでの借りを返すチャンスだ……!

「黒崎遊矢……」

 俺から発散される明確な敵意を前にしても、いつも通りまったく萎縮せず……いや、どこかいつもより柔らかな雰囲気を持って斎王は俺に近づいてきた。

「最近、あなたのデュエルを見ていました……あなたならば、この鍵を託せる」

 そう言って俺の腕に何かを握らせ、斎王は他に何をするわけでもなく俺から離れていった。
手を開いてみると、そこにあるのは斎王が言った通り、一つの鍵。

「それはこの世界を滅ぼす光を封じた鍵……必ず、守ってください」

 俺から離れる前に最後にそう言い残すと、フラフラと覚束ない足で斎王は去っていく。
まさかあれが三沢から聞いた、美寿知が言っていたという優しかった頃の斎王だろうか……?

「……まあ、良いか」

 世界を滅ぼすものを封じた鍵を守ることならば、もう既に一年生の際に経験済みなのだから、二回目ともあれば慣れている。
昨年の七精門の鍵と同じようについている紐で首に引っかけると、これ以上の細かいことは後で考えることにした。
 
 

 
後書き
VS.タイタン……少々遅れてしまいました。

それも念願のPS3にエクバ、ACfaを手に入れ、暦物語などなどがあるからいけないんだ……

感想・アドバイス待ってます。 
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