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ONE PIECE NOVEL -SHISHI BREAK STORY-

作者:伝龍
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第06話 危険視

「ほう…やるな。」

「あんたもな!!」

互いに刀身で鍔迫り合いをしながら、相手の実力を確かめ合う2人。

「…だが、それでは俺を越えることはできない!!」

『鷹の目』がそう言うのと同時に刀を上へ払い、そのまま袈裟斬りの形で俺へと振り下ろすが……

「させるか!!」

俺は払われた刀を盾にして攻撃を防ぎ、続けて『鷹の目』に胴切りを見舞った。

「!」

俺の攻撃に『鷹の目』は同じように刀を盾にして防ぐが、その目は依然、鋭い獲物を見る目つきのままである。

「良い腕をしている…良い勝負になりそうだ。」

「『良い勝負』…ね。それじゃあ、困るんだけど……な!!!」

そんな『鷹の目』の言葉に俺はさらに力を込めて、そのまま振り抜くと『鷹の目』は一度、後方に飛んで間合いを取った。

「言ったろ?俺はあんたを越えるって……ゾロ、悪いが技借りるぜ?一刀流…」

そう言うと俺は刀を左手に持ち替え、右手で左腕関節の内側を押さえて左腕に力を込める。

「『三十六煩悩鳳』!!!」

左手の力を一気に解放して『明』を振ると、螺旋状の斬撃が発生し、相手に向かって飛んでいく。

「!!」

一瞬、驚いた『鷹の目』だが、迫り来る斬撃に『鷹の目』も同じように刀を振り、斬撃を発生させて相殺する。

「あー……やっぱり、これじゃダメか。」

放った斬撃が簡単に相殺される様を見た俺はやっぱりなという感じで手に持った刀を見る。ゾロの使っていた『三十六煩悩鳳』はゾロ曰く『大砲』並の威力と射程があると言っていたが、さすがは世界最強の大剣豪と呼ばれる男、剛柔共に桁外れの力を持っている……決してゾロの技が弱い訳ではない。実際に空島ではこの技でブラハムを仕留め、エニエス・ロビーでは二刀流で放った『七十二煩悩鳳』はカクの嵐脚と互角の威力を見せているのだ。

「(さて、どうするかねー……ん?ちょっと待てよ?『鷹の目』がここにいるってことは……)」

「どうした?これで終わりか?…ならば、こちらからも行くぞ!」

対抗策を考えていると、ふと原作の事が頭をよぎったと同時に『鷹の目』はその隙をついて、刀を振るって複数の線状の斬撃を飛ばしてくる。

「!!……ふっ!!」

思案している俺に向かって飛んでくる斬撃を全て『明』で薙ぎ払う…その光景を見た『鷹の目』は俺に声を掛けた。

「考え事か…?随分と余裕だな。」

「ん、いや大した事じゃないさ…ただ、そろそろ時間だなと思ってな。」

「時間?」

「ああ…」

そう言いながら、俺は白ひげがいる場所の遙か後方を見る。原作が崩壊しつつあるにしても恐らくあの作戦は実行されるだろう。海軍にとって、白ひげ海賊団を一網打尽にするにはパシフィスタと包囲壁は必要不可欠。しかも、俺の存在も考慮するといくら智将のセンゴクと呼ばれる男でも、作戦の展開をすぐにでも始めるだろう。

「(そうなれば、同時に白ひげのイベントも発生する…その前にケリをつけねーとな。)」

俺は一度鞘に『明』を納めて、目を閉じて精神統一を行う。

「!何の真似だ?」

『鷹の目』は突然、武器をしまって目を閉じる俺の姿に警戒し、両手で自分の刀を握り直す…その間も俺は精神を集中させる。

「………」

「勝負を捨てたか…残念だ。これで終わりにさせてもらおう!」

俺が勝負を諦めたとでも思ったのか『鷹の目』が刀を振るい、先程より数倍巨大な斬撃を俺に向かって放った。

「全ての障害取り除き、振るうわ業断つ浄化の炎……一刀流『不動明王』!」

迫り来る斬撃を感じた俺は即座に目を開き、刀をゆっくりと抜き、正眼の構えを取って、気迫を強める……その姿は憤怒の炎を身に纏ったかのような仏の化身!!

『火楼鴉陀』(がるうだ)!!」

俺が刀を振り下ろすと『鷹の目』と同じ大きさの斬撃が向かっていくが、徐々に斬撃は形を変えて巨大な鳥の形となり、さらに全身に炎を身に纏って『鷹の目』の斬撃とぶつかり合うと、そのまま絡み合って飛散した。

「これは!!」

『鷹の目』が驚きの声を上げるも、すかさず次の攻撃に移ろうとするが……

「『鷹の目』!!悪いが、少し本気にならせてもらった。こっちも時間の都合があるんでな!!次の一撃で決着を着けようじゃないか!!…あんたも薄々気付いているんじゃないのか?」

「!!………」

そんな俺の提案に『鷹の目』は攻撃に移ろうとしていた手を止め、俺と周りを一瞥すると刀を一旦背中に戻し、そのままの状態で柄を掴んだ。

「さすがにあんたもこの提案には賛同せざるを得ない訳か?」

俺も同じく刀を鞘に納め、攻撃体勢に移る途中に『鷹の目』が口を開いた。

「勘違いするな。確かにお前は心力以外の強さを秘めている…だが、こちらにも海軍との協定がある。お前にだけ構っている暇はない。」

「それは…ルフィを追うためか?」

「…あの次世代の申し子の命は運命が握っている。この後に兄を救出するのか…それとも、この刃によって果てるのかはそれ次第だ。」

俺の言葉に否定で返す『鷹の目』の気迫がさらに増し、それに合わせて俺も同じように気迫を強めた。

「そうか……なら、あんたの運命は俺が握ってやる。俺の攻撃を耐えるか、それとも……ここで終わるかだ!!」

俺はそこまで言い終わった瞬間に『鷹の目』に向かって走り出す。

「『強き者』!!お前如きに俺の運命は変えられん!!」

同時に『鷹の目』も俺に向かって、走り出した。

「人の心の境地を分類し、天・人・修・畜・餓・地…人の迷界六道に声・縁・菩・仏の四聖、これら合わせて十界と称す。一刀流『連撃』…!!」

徐々に間合いを詰めながら俺は素早く刀を抜き、連続して刀を振るう……『鷹の目』もそれに気づき、手に掛けた刀を振るった。

『十界降魔枷』(じっかいごうまかせ)!!」

「残像!?」

しかし『鷹の目』の攻撃は俺の攻撃を捕らえることなく、全て空を切り、その隙をついて懐に入り込み、俺は『鷹の目』の体を上に切り上げた

「ぐっ!!」

刀を杖代わりにして膝をつき、傷口を押さえながら俺を睨みつける『鷹の目』…そんな姿を見ながら俺は刀を鞘に納めると踵を返した。

「言ったろ?本気になったって?まあ、この程度で俺はあんたを越えたとは思わない…だから、その役目はゾロに譲る。あんたも傷を治して、万全の状態でゾロと戦うんだな。」

「ま、まさか……『鷹の目』が負けたぁ!!??」

「『七武海』の1人が敗れたぞぉ!!!!!」

「さて、それじゃ世界政府の『人間兵器』ってやつを見に行くか。」

膝をつく『鷹の目』の姿を見た海兵や海賊達はその重大な出来事は直ちに知れ渡るのを確認すると、俺は湾頭へと急いだ。


























「センゴク元帥!!準備が整いました!!」

「そうか…湾岸と湾頭の準備もか?」

「はい!全てです!!」

処刑台へ報告に来た海兵に再度、確認をするセンゴク…シシの読み通り、湾岸の包囲壁作動と湾頭のパシフィスタ配置が完了し、あとは作戦を実行するのみになっていた。

「ん!?おい!処刑の準備が始まったぞ!!」

「本当だ!でも、予定された時刻よりだいぶ時間が早いぞ!!」

シャボンティ諸島に映像電伝虫によって映し出された映像を見ていた人々は処刑台の部分が映し出された時、処刑人が準備をし始めるのに気づき声を上げた。

「あいつら……!!エースに何するつもりだ!?まだ、処刑の時間には早いぞ!!」

戦っていた海賊達も海軍側の予想外の行動に驚いて、戸惑っている。

「本当にエースの処刑早めるつもりなんだ!!待ってろー!!エースーーーーーーー!!!」

ルフィも処刑台の様子に気付き、声を上げて走るスピードを早めた……その頃、処刑台では再びセンゴクの言葉が飛び交っていた。

「直ちに映像電伝虫の通信を切るんだ!!この作戦によって起きる惨劇を何も世界に見せる必要はない!!不信感を持って貰っても困るからな!!」

処刑台の下にいる赤犬と青キジもセンゴクの言葉にじっと耳を傾けている。

「生ぬるい世間にとって、余りにも刺激が強すぎるだろう!だから、数時間後………再び伝えられる情報は我々の『勝利』……その二文字だけでいいんだ。」

神妙な顔で言い終えるセンゴク…確かにこの作戦によって、海軍にとっては白ひげ海賊団の殲滅とエースを処刑することによって、海軍にとって今後、脅威となりうる頭痛の種を取り除くことが出来る。だが、同時にこれは海軍による虐殺行為に等しい作戦でもあるため、今後『世界』が海軍に疑いを持つ可能性が出てくるものでもある。

そのためにセンゴクは映像電伝虫の通信を切ることによって、世界の人々に『過程』を伝えずに、自分達の都合の良い『真実』だけを伝えるつもりなのだ…正義のためなら、裏ではいくら非道な事を行う……これが海軍本部のやり方なのだ。

だが、そこへ……

「せ、センゴク元帥!!大変です!!」

「何だ?どうした?」

慌てて走り込んでくる海兵にセンゴクはギロリと睨みつける…これから始まる作戦には一瞬の油断も許されないのだ。

「は、はい。それが……」

センゴクの睨みに恐れる海兵だが、自分の持つ情報を伝えるため姿勢を正した。

「『王下七武海』の1人である『鷹の目』がジンドウ・シシに敗れました!!!」

「!!な、何だとぉ!!!」

「「!!」」

海兵の報告にセンゴクと2人の大将は驚きの声を上げ、表情を歪ませた…海軍大将の1人を退けただけでなく、『王下七武海』の一角を落としたとなれば、もはや見過ごすことが出来なくなってきていた。

「それで!そいつの足取りは!?」

「はっ!『鷹の目』との戦闘後、湾頭方面へ向かったとの情報が入っております!!」

「『黄猿』に伝えろ!!ジンドウ・シシを見つけ次第、パシフィスタは最優先で排除対象として処理しろ!!他の海賊達は後回しでも構わん!!」

「りょ、了解しました!!」

怒号のような声でセンゴクは苦々しい表情で歯軋りを起こし、海兵に命令を下すと、海兵は逃げるようにその場から立ち去った。

「……くそっ!!」

「センゴクさん、大丈夫なんですか?俺にはその男、『白ひげ』以上に危険なような気がするんですけどね?」

苛立つセンゴクに青キジはさっきの報告を聞いた感想を述べた…青キジも最初にシシの姿を見たときは、そんなに危険性はないと判断していた。しかし、同じ大将である『黄猿』が退けられ、今また『王下七武海』の1人が落とされたと聞いてはそんな考えは頭の中から無くなっていた。

「もう1人俺達のどちらかを回した方が……!」

「クザン!!」

言葉の途中で赤犬が青キジの名前を叫んで遮った。

「わしらの役目はこの処刑台を守ることじゃあ!黙って、ここを守っとりゃあええんじゃ!!」

赤犬が帽子を被り直して、腕を組み青キジを睨みつけた。

「だけど、サカズキ…あんたは気にならないのか?あの男は俺達や『七武海』の連中を退けたんだぞ?」

「そんなこたぁ、分かっちょる!だが、ここの守りをしっかりせんといかんのは分かっちょろうが!!」

「………」

赤犬の言葉に青キジは黙り込んだ……確かに赤犬の言うことにも一理はある。もし、ここの守りが手薄になれば、それだけエースの救出率を上げてしまう結果になってしまう。エースの処刑を行うためにもそれだけは避けなければならない。

「赤犬の言うとおりだ。」

2人の会話を聞いていたセンゴクはやや落ち着いた様子で赤犬の言葉に賛同する言葉を述べる。

「ここで戦力を減らす訳にはいかん。相手はあの男1人ではない…『白ひげ』やその傘下の海賊、それとドラゴンの息子もいる。」

「……分かりました。」

センゴクのその言葉に青キジは渋々ながらも納得したが、不安はぬぐいされなかった。 
 

 
後書き
というわけで、第6話でした。
戦闘描写を文章で表すのってホントに難しいです。戦闘描写されている他の小説家さん達はすごいなぁとも思いました。

最後にオリジナル技を紹介です。

名前:一刀流『不動明王・火楼鴉陀』(ふどうみょうおう・がるうだ)
説明:刀1本で放つ斬撃。放った斬撃は鳥の形となり、さらに炎を纏う。その大きさはウソップの火炎鳥より遙かに超えている。名前の由来は不動明王が背中に背負った迦楼羅炎と呼ばれる炎を吐く迦楼羅から。

名前:一刀流『連撃・十界降魔枷』(れんげき・じっかいごうまかせ)
説明:刀1本で連続して斬撃を放つ。しかし、その斬撃は全て残像であり、相手が気を取られている間に懐に飛び込み、攻撃を行う。名前の由来は『十回誤魔化せ』。 
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