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ONE PIECE NOVEL -SHISHI BREAK STORY-

作者:伝龍
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第01話 援軍到着

ドガアァァァァァァン!!!

ドン!!ドン!!ドン!!

砲撃や銃撃の音が辺り一面に鳴り響いた……その場所は偉大なる航路(グランドライン)の「マリンフォード」と呼ばれる三日月型をした島にある『海軍本部』…世界中にある正義の名を持つ戦力の最高峰と呼ばれる場所でもある。

事の発端は新世界で四皇と呼ばれ、『海賊王』ゴール・D・ロジャーと唯一互角に渡り合ったとされる海賊エドワード・ニューゲート…通称『白ひげ』と呼ばれる男の2番隊隊長であり、『火拳のエース』と知られるポートガス・D・エースが元白ひげ海賊団の団員であり、現七武海でもあるマーシャル・D・ティーチ…通称『黒ひげ』と呼ばれる男に捕らえられ、深海の大監獄と呼ばれるインぺルダウンに収監、その後、処刑をマリンフォードで行うと発表される。

この処刑には大きな意味があった……それはエースの父親の存在だった。実の父親が白ひげではなく、あの『海賊王』ゴール・D・ロジャーだったという真実……それは海賊次世代において、新たな『海賊王』の再来を意味していた。

かくしてエースの救出とその処刑を食い止めるべく、『白ひげ』率いる新世界の海賊艦隊47隻がマリンフォードに集結し、グラグラの実の能力者であり地震人間でもある白ひげが起こした海震による津波によって、その戦いは始まった。

場面は津波は海軍の最高戦力である大将『青キジ』のヒエヒエの実の力によって、氷漬けにされた氷上での戦い。

「フフフフフ!!何がおかしいのかってか!?教えてやる…今!!この時代の中心にいる感じだ……フッフッフッ!!」

愉快に笑いながら話す、金髪にサングラスとピンク色の羽で出来たコートを身につけた一人の男がいた…名前はドンキホーテ・ドフラミンゴ、黒ひげと同じ七武海の一人であり元懸賞金3億4千万ベリーの大物海賊でもある。

「今この場所こそ『中立』だとは思わないか!?白ひげ海賊団13番隊隊長水牛アトモス!!」

目の前のバイキングヘルムを被り、2本の湾刀を持った大男に問いかけるドフラミンゴ…そう言って右手を動かした。

「………!しまった!!?お前ら!今すぐ俺から離れろ!!」

「!?」

突然、慌てながら警告する隊長の言葉に驚く隊員達……次の瞬間。

「うわぁ!」

「ぎゃあっ!」

自分達の隊長であるアトモスがまるで操られているかのように手に持った湾刀で斬りつけてきた。

「ぐっ!やめろぉ!!ドフラミンゴ!!!お前ら、俺に近づくんじゃねぇ!!」

「アトモス隊長!?」

突然の隊長の行動に動揺する隊員達。

詳細は不明だが、他人の体を自由に操る……これがドフラミンゴの能力だった。先程もオーズの攻撃を難なくかわし、宙に舞いながらオーズの右足を軽々と切断した。

「海賊が悪!!?海軍が正義!!?そんなものはいくらでも塗り替えられて来た!!」

大口を開けながら話すドフラミンゴ。

「『平和』を知らねぇガキ共と『戦争』を知らねぇガキ共とでは持つ価値観が違う!!誰が正義の反対は悪だと決めた!?何故、悪だと滅ぼされなきゃいけねぇ!?正義は勝つ!?そりゃそうだ!!」

戦争が続き、常に死と隣り合わせの状況で育った子供はこれが当たり前の事だと思い、平和で裕福な状況で育った子供はそれが当たり前だと思う。

人が認識するものは常に変わる……そこまで言うと、ドフラミンゴは最後に自分自身が持つ「力が全て」の考えを声高らかに上げた。

「どれが正義か悪なのか関係ねぇ!!勝者だけが正義だ!!!」
















その頃、別の場所では……

「この機を逃すなぁ!!オーズの開いた道から湾内へ進めぇ!!!」

「こんな氷塊、あたしにとっては朝飯前だよ!」

そんな言葉の後、すぐに白ひげ海賊団の傘下である『氷の魔女』の異名を持つホワイティベイが乗る砕氷船が湾頭を突破し、青キジによって凍らされた氷の海を進もうとしていた。

「報告します!!湾頭の2ヶ所を突破されました。このままでは大きく攻め込まれる事になります!センゴク元帥!!」

「……問題はない。」

海兵からその様子を伝えられた海軍本部のトップであり全海兵を束ねる最高権力者でもあるセンゴクは処刑台から眉一つ動かさずに答えた。

「そろそろ頃合いだな……」

そう言って電伝虫を手に取ると、ある人物に通信を入れた。

「おつるさん、作戦に移るぞ。」

センゴクが通信を入れたのは海軍本部中将であるつるであり、大参謀としての役目を担っていた

「"そろそろかい?分かったよ……全艦全兵に通信を!"」

その言葉を機に至るところで、海兵達が持つ電伝虫に通信が入った……その様子を一人の男だけが気づいていた。

黒のバンダナに三日月の様な白いひげ、常人と比べ遙かに大きい体に大小の傷をあり、右手には巨大な薙刀を持った白ひげ海賊団船長『白ひげ』エドワード・ニューゲートであった。

「グラララララ……あいつめ、何か企んでやがるな………。智将…『仏のセンゴク』……!!」

そう言いながら白ひげは処刑台にいるセンゴクを睨みつけていた。















一方、通信を終えたセンゴクは再び口を閉じ、処刑台から白ひげを監視していた。その隣には膝をつき、後ろ手に海楼石と呼ばれる手錠をはめられて傷ついたエースの姿があった……そこへ

「ジジィ……」

「何の用だ?ガープ…まさかお前……」

「心配せんでも海賊の悪党にゃ同情せんわい。」

後ろから姿を現したのはつると同じ海軍本部中将で、過去にセンゴクと共に何度もロジャーを追い込んだ実績から海軍の『英雄』と称され、ルフィの祖父でもあるモンキー・D・ガープであった。

「ならば何をしに来た?」

「ここにおるくらいいいじゃろうが!!」

そう言って、エースの隣まで進み、あぐらで座り込んだ。

「……悪党に同情はせんが、家族は違う…!!!」

そう言ったガープの頭に過去の記憶が浮かんでいた。

『死ぬ間際に産まれてくる子供の事を頼むロジャーとの場面』

『その子供の出産に立ち会う場面』

『友人の元へ預け、ルフィを紹介する場面』

その他にも様々な記憶が浮かぶ中、ガープは再び口を開いた。

「わしは……一体、どうすりゃいいんじゃっ……!エース…!貴様、何故言うとおりに生きなかった!!」

ガープは目に涙を浮かべながら、頭を押さえ込んだ……エースとルフィは共に世界最悪の血を受け継いだ存在だった…だが、二人とて受け継ぎたくて受け取ったわけではない。子供は親を選べない……その事をガープは理解していた。

だからこそ、ガープはその存在を隠すために二人を海兵にしようとした。

海兵になれば、自分の部隊に配属することも可能であり、例え正体がばれても庇ってやることが出来る…海軍の英雄と呼ばれるほどの実績があれば、センゴク以外の説得なら容易に出来るだろう。センゴクに関しても「海兵になったのなら、問題はないじゃろ?」ぐらいのノリでゴリ押しするくらいはするだろう。

だが、二人は共に海賊になってしまった……一人は白ひげ海賊団の隊長となり、一人は赤髪に憧れ、数々の事件を起こした存在になった…こうなれば、もう手の打ちようがなかった。

海賊になれば自分は海軍本部の中将であり、二人を捕まえなければならない。

「ジジィ……!!!」

エースは今まで見たことないガープの顔に驚きを隠せなかった。

「…言っておくが、今、妙な行動を起こせば……ガープ……貴様とて容赦はせんぞ。」

「ふんっ、やるんならとっくの昔にやっとるわい。」

釘を刺すセンゴクにガープは感情を抑えながら言った。













戦いが激しくなる中、二人の若い海兵がさっきの電伝虫の通信で伝えられた作戦について話していた。

「聞きました!?今の作戦!!!」

「ああ。」

ピンク色の髪をした青年が金髪にオールバックの青年に話しかけた。彼らの名前はコビーとヘルメッポ…ガープ中将の部下であり、共にルフィ達とは知り合いであり、彼らもこの戦争に招集されていた。

つい先程、電伝虫から通信が届き、その内容に驚いていた……その内容は……

「エースさんの処刑を予定を無視して行うって……!?……そんな事したら、海賊達がますます……」

「分かってるけど、己等じゃどうしようもねえだろ!?」

伝えられた作戦に顔を引きつらせているコビーにヘルメッポは慌てながら返答し返した。さっきの通信の内容は『エースの処刑予定時刻を無視して行う』とのことだった。もし、そんなことをすればますます海賊達が処刑台に向かってなだれ込んでくる……そんな内容にコビーは信じられなかった。

「と、とにかく、しっかりしないと……」

「そ、そうだな…………ん?」

ふとヘルメッポが空を見上げると、何か黒い点の様な物が見えた。

「どうしました?」

「何か空から降ってくるぞ?」

「え?」

そう言ってコビーも上を見上げた。


















「おい!何だあれ!何か降ってくるぞ!!」

氷上で戦っている多くの海兵達にも空から何か降ってくる光景に目をとめ、一人の海兵が指さした。

「え」

その声に処刑台にいるエースも思わず空を見上げた。その時、上の方から声が聞こえてきた。

「いた!!おーーーーーーーーーい!!!エーーーーーーーースーーーーーーーー!!!」

そんな呼びかけをしながら笑顔で手を振る麦わら帽子の男。

「おい!麦わらァ!!てめェ、何暢気に手ェなんか振ってんだァ!!」

その横でギャアギャア叫びながら文句を言っている赤鼻の男。

「大きな声出すんじゃないガネ!!気付かれたらどうするカネ!!」

さらに横で慌てた表情で、赤鼻にツッコミを入れる髪の毛を数字の3に結った男。

「ふん、もう遅せえよ……バカが。」

右手で葉巻を持ちながら、左手のフックを持ち上げて、下を睨みつける黒の分厚いロングコートを来た男。

「どうやら間に合っチャブルね!でも…さすがに総力戦だけあって数がハンパじゃナッシブルね!!」

麦わら帽子の男の反対で戦場を見る紫のパーマヘアーに厚化粧をした巨大な顔の(オカマ)

「…………」

その隣で無言で腕を組みながら、同じく戦場を見るちょんまげを結い、着物を来た魚人の男。

そして……

「しししし!!ありがとな!!シシのおかげで無事に降りられそうだし。でも、お前…ほんとにシャンクスに似てるよな!」

そう言って麦わら帽子の男…モンキー・D・ルフィは帽子を押さえ、振り返りながら船首にいる男の名を呼び、礼を言った。

「全く、その顔を見てるとだんだん腹が立ってくるぜェ!!だが……礼だけは言っておくぜェ!!ぎゃはははははは!!」

赤鼻の男…道化のバギーはふてぶてしく笑いながら、同じくシシの方に首を向ける。

「とにかく落ちずに済んだガネ。こう見えても私は義理堅い男でネ…礼はいずれするガネ。」

髪の毛を3に結った男…Mr.3は右手の人差し指でメガネを持ち上げる。

「……ふん、あとで覚えておけよ。」

ロングコートの男…クロコダイルは葉巻に火をつけ、煙を出しながらシシを睨みつける。

「しかし、ヴァナタ……一体何者なブル?」

巨大な顔の(オカマ)?…エンポリオ・イワンコフは訝しむようにシシを見やる。

「この度のエースさん救出への助力……感謝する。」

そう言って着物を来た男…ジンベエは頭を下げた。

「礼なんかいらねーよ。俺はただエースを救出したいだけなんだからよ。それとクロコダイル、相手なら終わってからしてやる。」

そう言うと男は船首からルフィ達へと歩み寄る……身長は180、青のTシャツにデニム生地の黒の長ズボン、白い靴を履いており、歩く度に白銀の髪の毛が揺れていた。

彼らは今、インぺルダウンから脱獄した際に奪った軍艦で空を落ちていた……否、降りていた。

「まあ、そう言うなって…なっ?シシ!!」

ルフィの前で歩みを止めた男……名前はジンドウ・シシ…この世界に来る少し前までは仁道獅子と呼ばれていた男だった。 
 

 
後書き
前書き通り本編に突入いたしました。とはいっても、まだほとんどシシは出ていませんが、次回をご期待下さい。 
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