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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第4章:モンバーバラの姉妹は狼と行く
  第6話:俺の方がイケメンっす!

(コーミズ西の洞窟)
ミネアSIDE

お父さんが作り出した“エレベーター”と言う装置で、フロアの移動をする私達。
「このエレベーターって装置は凄いなぁ…仕組みを教わって我が国にも取り入れたいなぁ!」
一つの部屋が床ごと昇降移動し、階段を使わずに階を移動出来る装置にウルフさんが驚き感心する。
やっぱりお父さんの事を褒められると嬉しいですね。

それにウルフさんは機嫌を直してくれたみたい。
姉さん程大きい胸ではないけれど、男性はコレが大好きなんですね。
モンバーバラ劇場の座長さんも大好きでしたし…

何より彼には協力して頂かないと!
私は以前、自分の運命を占った事があります。
その時に出た結果は…

小さな光の私と姉さんが、やはり小さな光の勇者様に出会い、私達と同じように小さな光の仲間を残り5人集め、強大な暗黒に立ち向かう事でした。
そしてウルフさんの事も占ったところ…
一つ一つが私達より大きい光で、一際大きな恒星に集結し私達を守り続けてくれるものでした。

つまり私達には何かの大きな使命があり、その使命を達成させる為にウルフさんの力が重要不可欠な事だと思われます。
占いを信じない姉さんに言っても馬鹿にされ、わざと違った道を進もうとするはずです…
だから相談した事はありませんが、絶対にウルフさんは必要な存在だと確信してます。

ミネアSIDE END



(コーミズ西の洞窟)
ウルフSIDE

下手な事が言えなくなった俺は、取り敢えず二人の父親の発明を大声で褒め、先程の事を無かった事にしようとしている。
マリーが居れば、彼女の柔らかさで記憶を上書きして、何事もなかった様に振る舞えるのだが…
あぁ………マリーとシたい!

しかし、取り敢えずで褒めたエドガンさんの造ったエレベーターだが、本当に良くできた装置だと感心させられる。
リュカさんが無理矢理造らせた国…アリアハンにも、こんな様な装置は存在したが、あっちのは神様が造った装置だ。
人間でこんな物を造れるなんて、我が国にスカウトしたいところだよ!

ミネアパイの感触を忘れる為、懸命に他の事に意識を向けていると、何時の間にか地底湖が広がるフロアへと辿り着いていた。
そして地底湖の中央を見ると、小屋の様な建物がポツンと…

え…もしかしてアレが秘密の研究室?
もっとゴテゴテしたのを想像してたから、ちょっとばかり拍子抜け。
するとそこから一人の男が姿を現し、此方を見て大声を上げる!

「も、もしかしてマーニャお嬢さんとミネアお嬢さんですか!?」
「わ! 声がデカいよ馬鹿…モンスターが近寄ってくるだろ!」
二人の事を知っている筋肉ダルマが、大声を上げながら近付いてくる…間髪を入れずマーニャさんがツッコミを入れる。
ティミーさん程のツッコミではない。

しかし、実際に声が大きすぎてダンジョン内のモンスターに見つかり攻撃されてしまう。
本来ならば俺は見守るつもりだったのだが、今回に限り率先して敵を駆逐する。
腰の鞘から剣を素早く抜き放ち、多数の(ザコ)を格好良く殲滅し、しなやかな動作で納刀すると、ニヒルな笑みで女性方を見詰める。

うん。両手に花状態を邪魔されない様に、新たに合流した男を牽制したんです。
“やっぱ顔馴染みの方が頼りになるし安心する”なんて言われたくないじゃん!
だって俺の方がイケメンだし…

「あの、お嬢さん方…此方の男性は……?」
「え!? あ、うん…しょ、紹介するわね…彼はウルフ。はぐれてしまった家族を捜す為、私達と行動を共にしているの。見ての通り頼りになるのよ」

俺は髪をかき上げ、紹介してくれるマーニャさんを見詰め近付く。
薄暗い洞窟内の為、ハッキリとは判らないがマーニャさんは顔が赤くなっている…
俺に惚れちまったか?

「そうですか…お嬢さん達がお世話になった様で…私からもお礼を言わせていただきます」
「いやいや…美しい女性が困っていたら、イケメンとして協力するのは当然の事!」
マーニャさんがとろける様な瞳で俺の事を見詰め、それを見た筋肉ダルマが悔しそうに顔を引きつらせて俺に礼を言ってくる。

どうやらマーニャさんに気があるらしい…俺の事を“生意気なガキ”とでも思っているんだろうなぁ…
う~ん面白い…
リュカさんから学んだテクニックを総動員させ、本気でマーニャちゃんを落としてみようかな?

「あのウルフさん…紹介しますね。此方はオーリンさん…お父さんの一番弟子をされていたんです」
エドガンさんの弟子って事は、錬金術の弟子って事だろ!?
錬金術って…結構頭を使う学問だよね?

このオーリンって奴、どう見ても筋肉馬鹿なんだけど…
それでも弟子なの?
きっと荷物持ちとか雑用係的な役割として使われてたんだよね?
危険な秘密の研究室に来る時のボディーガード的な…

「ちょっとオーリン。今まで何をしていたのよ!? まさかずっと此処に隠れていたの?」
「いえ…バルザックからお二人を逃がした時、深手を負ってしまいまして…傷が癒えるまでは此処で身を潜めておりました。しかし傷が癒えてからは、バルザックの行方を捜す為、色んな場所へ行き情報を集めていたのです!」

「で、バルザックの行方は判ったの!?」
「確証は無いのですが…どうやら『キングレオ城』に居るらしいのです」
お城に!?
エドガンさんから盗んだ錬金術を手土産に、城に仕官したのかな?

「じゃぁ早速キングレオ城に入って、バルザックの奴を倒しましょう!」
簡単に言うな、このねーちゃんは……
城に入って、そこで働いている者を倒すなんて…かなりの難易度な出来事なんだぞ!

「マーニャお嬢さん…簡単に言わないでください!」
ほら…流石の筋肉ダルマだって理解しているんだ。
それがどんなに危険な事かって…

「城は特殊な鍵が掛かっており、勝手に入る事が出来ないのです! 簡単に入れれば、とっくの前に私が実行してましたよ」
違うだろ! 困難な事ってそこじゃないだろ!

「困りましたねぇ……ではどうすれば?」
あれ? 問題なく話が進んで行くよ…
俺がおかしいのか? 俺の方が非常識なのか!?
リュカさんとの付き合いが長すぎて、常識が判らなくなって来ちゃったのか?

「ミネアお嬢さんご安心下さい! 以前師匠に見せて頂いたのですが、『魔法の鍵』があれば城の扉は開くらしいのです!」
「まぁ! ではその『魔法の鍵』は何処ですか?」

「何処にあるかは判らないのです……お師匠様がここの研究室に隠したと思うんですけど。ですがご安心を……私も錬金術師の端くれ。作り出してみせますとも!」
そう言って俺達を研究室(小屋?)に招き入れ、魔法の鍵制作状況を見せつけるオーリン。
ただ………俺には散らかった室内しか目に映らないのだが?

ウルフSIDE END



 
 

 
後書き
キター!!
みんな大好きオーリン君!
彼の活躍に乞うご期待。 
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