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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第4章:モンバーバラの姉妹は狼と行く
  第5話:俺の義父はやっぱすげぇッス!

(コーミズ西の洞窟)
マーニャSIDE

あぁ…憂鬱だ。
何が憂鬱って…この環境だ!
ジメジメジトジトで薄暗い洞窟…
父さんは何を考えてこんな所に研究室を造ったんだ!?

もっと簡単に行き来出来る場所に造れば、私達が困らなくても済んだのに。
何が一番困るって…モンスターの数だよ。
何でこんなに沢山居るの?
別にアイツ等の縄張りを奪うつもりは無いのだから、気楽に通してくれてもよくね?

そして更に腹立つ事がある!
ワン公が戦わないんだよ!
敵が現れると、そそくさと後方へ下がり援護魔法だけを唱え始める。
時折回復魔法も唱えてくれるけど…それよりお前も戦えよ!

「ちょっとウルフ! アンタも少しは戦いなさいよね!」
「はぁ!? 何で俺が戦わなきゃいけないんだよ!?」
「何でって…アンタは私達より強いんだから、率先して前衛をこなすのが当然でしょう!」

「意味解んね! この洞窟の奥に行く事が、俺にどんな関係があるんだよ。親父さんの秘密の研究室を捜したいのは俺じゃねーよ! 敵討ちを切望しているのは俺じゃねーよ! はぐれた彼女と合流する為に、一緒に世界を旅すると言ったけど、直接俺に関係ない事まで負担する気は無い! 友人として二人が大怪我をしない様に守ってあげるけど、全てを俺がやってやる気は無い!」

む、むかつく…
確かにウルフの言う通りだけど、か弱い美女の為に率先して戦ってくれても良いじゃんか!
ジェントルマンじゃないわね!

「お父さんの敵を討つってのは、二人にとって重要な事なんだろ!? 他人である俺がそれを行っても良いのか? もし二人の気持ちが『どんな形でも、(バルザック)を殺せればいい』って言うのなら、いきなり暴漢に襲われる危険を冒してまで冒険に出ずに、体でも売って金を稼いで殺し屋を雇えば良かったんだよ」

か、体を売って…
「ふざけた事言わないでよ! 憎いバルザックを私達の手で倒すのが、この旅の目的なのよ! 体売って金稼ぐとか、馬鹿にすんじゃないわよ!」

「解ってるよ。だから俺は一緒に行動しているんだ。敵討ちの手助けが出来ればと思い、俺には一切関係ない『化粧道具』とかが入った重い荷物を持って、後方から援護魔法を唱えて…一生懸命サポートをしているんじゃないか! “もっと前衛で戦え”とか舐めた事を言ってきたり、それを指摘したらキレたり…我が儘が過ぎるぞ」

くそぅ…
ワン公如きに説教されるとは!
言っている事が尤もだから、一層ムカツクぞ!

マーニャSIDE END



(コーミズ西の洞窟)
ウルフSIDE

「姉さん…ウルフさんの言う事は尤もです。バルザックは私達が倒さなければならない相手…そこへ辿り着くのも、私達自身で到達しなければ意味が無いと思います」
「そ、それは………解ってるわよぉ~………」

妹に甘いねーちゃんだ…
何処ぞの双子とは違った面白さがあるね。
あっちの妹は(こえ)~からなぁ…

しかし、今回の冒険は勉強になる事が盛り沢山だ。
同じ立場になって初めて解る…リュカさんの偉大さ。
アリアハンを旅立って間もない俺達は、今のマーニャさん達よりも弱かった。
そんな俺達が此処まで強くなれたのもリュカさんのお陰だろう。

常に戦闘には参加せず、後方で援護だけを行うリュカさん…
あの頃の俺達では、ゾーマどころかバラモスですら倒す事は出来なかっただろう。
それを理解して俺達を鍛えてくれたんだ…まぁ、めんどくせーって気持ちもあったのだろうけど。

「ウ、ウルフ…怒鳴って…ゴメン…」
(ミネア)さんに窘められたマーニャさんが渋々謝ってきた。
彼女は馬鹿ではない。
俺の言いたい事…言おうとしている事は重々承知しているんだ。

でも前衛で戦う妹が、掠り傷とは言え血を流すシーンを見たくないんだろう。
そして見てしまったから俺に八つ当たりをしているんだ。
姉妹だと妹思いなのが良く分かる。

兄と妹だと、変態的シスコンと思われ迫害を受ける事が暫し…
ティミーさんとマーニャさんに性別以外で相違なんて無いのだろうに…
女って得だな!

「マーニャさん…本当に悪いと思ってる?」
「お、思ってるわよ!」
「じゃぁ謝罪の気持ちを行動で示してよ」

「こ、行動で!?」
「うん。オッパイ見せて(笑)」
「……………」

おや? リュカさんみたいにエッチな事を言って場を明るくしようと試みたのだけど…
何故だか一気に静まりかえったぞ?
これは一体………!?

(パァン!!)「ふざけんな馬鹿イヌ! 死ねアホ!」
強烈な平手打ちを俺の左頬へ喰らわせて、マーニャさんが怒りながら先へ進んでいまった。
この程度のジョークも通じんとは…
これだから処女は扱いづらい。

「あ、あの…ウルフさん、ごめんなさい」
身構えてなかったので、ガチで痛がり蹲る俺にミネアさんが近付き、左頬をさすりながら謝ってきた。
ミネアさんは悪くないのに…

「我が儘なお姉さんですね(笑)」
「本当に…ごめんなさい…」
謝るミネアさんをフォローしたつもりだったのだが、余計悲しそうに謝ってきてしまった。

「乳見せるくらい良いじゃんか…本当は揉ませろって言うつもりだったんですよ、俺(笑)」
もう後には退けない俺は、しつこくエロネタで攻め続ける。
悲しまれるくらいなら、ミネアさんにも怒ってもらったほうが救いがあるからね。

「あ、あの…姉さんよりは小さいですけど…これで…」
だが俺の予想は柔らかい感触と共に裏切られた。
姉の無礼を許して貰いたい妹は、乳を揉みたいと言った男の望みを自身の体で叶えたのだ。
つまりミネアさんは、俺の右手を自分の胸に押し当て揉ませてくれたのだ!

男の身体は不思議なメカニズムで出来ており、手の平に柔らかい感触があると自動的に指が動き出すのだ。
暫く混乱しながら乳を揉み続けると、ミネアさんが俺の手をソッと離し笑顔で語りかけてくる。

「男の人はこう言う事が大好きだと伺っております。姉さんは、ああいった性格なので大変ですけど、私で出来る事があれば何でも言ってください。今の私達にウルフさんは必要なんです! どうか見捨てず私達をサポートしてください」

そこまで言い終えると、先行してしまったマーニャさんに追いつくべく、駆け足で洞窟の奥へと進んでいくミネアさん。
俺は手に残る柔らかな思い出を見詰め、心の中でマリーに謝罪する。

ごめんなさいマリー…
俺…本気で浮気するつもりは毛頭無いんだよ…
君の独占欲を刺激して、俺だけを見詰めていてほしかったんだよ…

どうしよう…
もう怖くてミネアさんに下手な事言えない!
冗談半分でセクハラ出来ない!

助けてリュカさん!
貴方ならこう言う場合、どうやって切り抜けるんですか!?
『二人とも喰っちゃえば?』って答え以外で俺を助けて下さい!

ウルフSIDE END



 
 

 
後書き
彼の師匠に、その答え以外は無いと思う。
『取り敢えず喰べてから考えよう』とか言い出しそう。 
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