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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第四章 空白期編
  第九十二話    『アングラー達』

 
前書き
今回のお話は前の話と比べて書いている内容が程度の低いことに悩みました。
クオリティーの違いが激しいという。 

 


Side シホ・E・S・高町


本日はリンディさんもアースラの艦長の任から降りてクロノに艦長が移されてからのなのは、フェイト、はやて、士郎との久しぶりの合同任務である。

「今日はまたこのメンバーでとあるロストロギアの回収任務をやってもらう。気を引き締めて任務に勤めてくれ」
「わかったの!」
「わかった!」
「わかったで!」
「了解よ」
「了解した」

私たち五人はクロノに返事を返す。
それに各サーヴァント達も返事を返す。

「にしてもまだ新米艦長様は前線に出るのね~」
「そうだが、なにか不服か? シホ」
「いえ、何事も経験も大事だからね。クロノもまだ前線に出るのもいいだろうしね」
「そうか…」

私達が会話している中、エイミィさんから、

「クロノ君はまだこういった艦長の現場に慣れていないから優しくしてあげてね? みんな」
『はーい!』

全員で返事を返す。
それに当然クロノは反論の声を出すがエイミィさん専用のマグダラの聖骸布で縛り上げられるという悲惨な状況。
クロノ、哀れね。
そこに士郎が、

「なぜ、エイミィ嬢がマグダラを…?」
「私があげたのよ? 今はいい具合にクロノの躾に使っているみたい」
「シホ。お前は変わったな。私は同情の念しか沸いてこないぞ?」
「そう? ま、いいじゃない。楽しければ…」
「これがもう変わってきたということなのか? シホがどんどん私と別離していくな…」

士郎がぶつぶつと呟いているが一応今はそっとしておく。
私とてイリヤやシルビアさんのおかげ(のせいでは…?)で汚染されてきているという自覚はあるから。



………………
……………
…………



それから私達はとある世界に降りてきていた。
その星は無人の惑星で動植物しか住んでいない未開の地だった。

「…報告によるとこの世界に動物を巨大化させるロストロギアがあるらしい。
この星には調べた結果、最高でも五メートル以上の生物はいないというからそれ以上のやつが出てきたらそいつでアタリというわけだ。
方法は簡単で吐き出させるかそのままそいつを捕獲するかの二択くらいだろう。
後は管理局本局で調べられるらしいが簡単な任務だ。この人数で来るほどのものかが迷いどころだがな…」
『気をつけてね? 一応そのロストロギアは凶暴化させる力もあるというから』

エイミィさんの報告で私達はそれぞれ任務に取り掛かる。

「でも、小さいとはいえこの星の中から見つけ出すのは針の糸を通すくらい難しいと思うんだけど…目星はついているの? クロノ?」
「ああ、どうもそのロストロギアは水棲生物にしか反応しないというから湖くらいにしかないだろうという話だ」
「また限定的な話ね。この星に湖のある場所ってあったっけ? 確か砂漠ばっかりだったわよね?」
「それを調べるのも任務のうちだ」
「―――ならここは俺の釣りテクを見せる時か?」

ランサーがずいっと私達の話を聞いて出てきてその手に釣竿を出す。
…どこに持っていたんだ?

「何を言う。ここはミッドで仕入れた最高級の釣竿で釣り上げるのが妥当だろう?」

そこに士郎が口を挟んできてその手に以前私と士郎で向かったミッドチルダ一番人気の釣りショップで全部解析した中で一番の代物が握られていた。
なんとその釣竿は魔法製で獲物が掛かれば魔法で教えてくれてさらに魔法の力を付与してリールが勝手に巻き上げられ獲物を釣り上げることができるという釣り師にとってとってもいい道具なのだ。
まぁ、それは投影品だから買ったものではないが士郎はアングラーの血が騒いでいるのかいつもより楽しそうだ。
私もちょっぴり混ざりたかったり…。

「…あぁ? 士郎、お前はやっぱアーチャーと同類だったのか?」
「今更何を言う。私はあいつと同じ存在なのだぞ? ならば答えは一つだ」
「ぜってー負けねぇからな?」
「望むところだ…!」

それで火花を散らせる士郎とランサー。
私も参加しようかなー?

「それじゃ数は多いほうがいいから僕も参加するとしよう」

そこにいい感じにクロノも参加するという。
チャンスね。

「クロノ、それじゃ私も参加するわ!」
「いいだろう」

それを聞いていたなのはが、

「シホちゃん達も好きだね。それとクロノ君、懲りてなかったんだ…」
「あれくらいで僕の釣り魂は砕けはしない! 今度の獲物は僕が釣り上げる!」
「おう、クロノの坊主! いい根性だ! どうやらお前は俺の仲間みたいだな! 一緒に頑張るとしようか!」
「ああ、ランサーさん」
「ならばシホ。私達であの二人を負かしてみせようか」
「…え? いつの間にか勝負になってるの?」
「シホ…諦めた方がいいと思うんだ」
「そうやね。それより私達はさっさと湖を見つけるとしようか。この世界だと多分オアシスやね」

フェイトとはやてにそう言われて仕方がなく私達はまず湖を見つけることにした。
それから捜索は続き、一つのでっかい湖が見えてきた。

「ビンゴですね。ご主人様(マスター)、たぶんここにその生物はいると思います。タマモの直感がそう告げています!」
「奏者よ。余にも竿を貸してくれぬか? 余も釣りをしてみたい」
「わかったわ、ネロ」

それで私は釣竿を投影してネロに渡す。

「ふむ。これが最新式の釣竿か。余は楽しくなってきたぞ!」

それでネロはルアーを飛ばしてさっそく釣りを開始した。
なのはやフェイト、はやての三人はモノが出てくるまではここでバカンスをするらしく湖の低地に足をいれて楽しんでいる。

「では、私達もいくとしようか、シホ」
「負けねーからな。いこうぜ、クロノの坊主!」
「ああ!」

なぜか勝負となってしまい私達はそれぞれ二手に分かれた。
それからというもの、

「フィィィシュッ!」

士郎が何度も魚を釣り上げては叫んでいる。
その近くで私は少し恥ずかしがりながら魚を無言で釣っている。
そこになのはがやってきて、

「シホちゃんは今日は叫ばないんだね…?」
「あの時は頭に少し血が昇っていただけであって今は正常だからね」
「そうなんだー。またシホちゃんの意外な一面を見れると思ったんだけどなぁー」
「そこは諦めてもらうしかないわね」
「なのはちゃんの話やとシホちゃんは釣りでは人が変わる言うたけどそうでもないんやね。むしろ士郎が変わっとるな」

そう、士郎はもう何度も魚を釣っては叫びを上げている。
まるで童心を取り戻した子供のように。
ヒャッホーウ!と叫ぶのがどうかと思うのよ…。

「…さて、いいかげんヒットしてもいいと思うがその巨大な水棲生物は本当にいるのか?」
「さぁ? でも多分いるんじゃない? 観測されたんだから…」

士郎に適当にそう返しておく。

「そうか。ではもう少し頑張るとしよう。おっと、フィィィィシュッ!!」
「あはは…もしかして私もあの時あんな風になっていたのかな?」
「うんうん。なってたよシホちゃん」

それで私はまた非常に恥ずかしくなった。
それとランサー達の方はどうなっているのだろう?
ちょっと見てこようかしら。

「なのは」
「なに?」
「ちょっとクロノとランサーの方を見てくるから代わりに魚を釣っておいてくれない?」
「…え? 私でいいの?」
「ええ。大体はわかるでしょ」
「うん。わかったの」
「シホ。私もしてみたいので竿をもらっていいでしょうか?」
「わかったわ。オリヴィエ陛下」

それでオリヴィエ陛下にも竿を投影して渡した。
その後、私はその場をなのは達に任せてランサー達の方を見に行った。
そこではフェイトが二人を応援していた。

「クロノ! ランサー! 頑張って釣ってね!」
「おうよ、マスター!」
「任せろ!」

二人は意気込んで釣りをしているが、でも桶の中を見てみると、

「…二人共、あんまり釣れていないわね」
「…ん? シホの嬢ちゃんか。…敵情視察か?」
「ま、そんなところ。で、なにかいいものは釣れそう?」
「ま、ボチボチだな。ここは意外といいものが釣れるからな」
「その割にはあんまり釣れていなさそうだけど…?」
「ばぁか、逃がしてるんだよ。まだ小さいのばっか釣れやがるからな」
「そうなんだ…」
「それよりそっちはいいのか? こんなところでかまけていてよ」
「ああ…、あっちは士郎が相変わらず調子いいからなのはに任せてきちゃったわ」
「そうか」

それでクロノの方を見てみるとなにやら難しそうな顔になっている。
どうしたのだろうか…?

「クロノ、難しそうな顔をしてどうしたのよ?」
「…あ、ああ。シホか。いや、やっぱり竿一本じゃなかなか釣れないなと思ってな」
「意地を張らないで最新式を使えばいいのに…」
「そこは僕のプライドが許さないんだ。だから僕はこれ一本で行かせてもらう」
「そ。まぁ、頑張りなさい」
「奏者よ。少しこっちに来てくれ! 大物が引っかかったみたいだ」
「わかったわ、ネロ!…それじゃフェイト。二人をよろしくね」
「うん、わかった」

それでここの二人はフェイトに任せて私は戻っていった。
それから時間はお昼時になり、

「ちょうどいい。この魚で食事を作るとしようか」

士郎は鍋やら台やら食器類などを投影して魚を焼きだした。

「…こういう時に士郎やシホの嬢ちゃんの魔術は便利だよなー」
「なんていうのですか? こう、実用的みたいな?」

ランサーとキャスターの言葉に私と士郎は揃って少し不服そうな表情をする。
まぁそれでもこうして食事にありつけている以上そう思われても仕方がないので口を出さないことにした。
それでみんなして魚を食べながら、

「でも、クロノ…。本当にこんなところにそのロストロギアはあるのかな?」

フェイトの疑問の声で全員は魚を食べながらもクロノに注目する。

「…確定はできない。でもいるのだけは確かなんだ。だから今日は見つけるまで帰れないかもな」
「そっか…」
「そう落ち込むなマスター。必ず釣り上げてやるからよ!」
「うむ。余の皇帝特権で魚を引き寄せてみるか!」
「一度、湖になにか落としてみてはどうでしょうか…?」
『それだ!』

オリヴィエ陛下の提案に全員は賛成した。
それで昼食後に私達は湖の上空に飛んで、

「それじゃ一斉にいくわよ? なのは、フェイト、はやて?」
『うん!』
「それじゃ…I am the bone of my sword(我が骨子は捻じれ狂う)―――……偽・螺旋剣(カラド・ボルク)!」
「ディバインバスター!」
「サンダーレイジ!」
「いくで! クラウソラス!」

私は魔法製の魔力でできた投影ではないカラド・ボルクを放ち、なのははディバインバスター、フェイトはサンダーレイジ、はやては砲撃魔法のクラウソラスをそれぞれ発射した。
それによって起こった勢いで飛び散った湖は一瞬中心だけ水がなくなり底が見える。
そしてそれに呼応したのか体長十メートル以上はある巨大な緑色のヒレがついている竜が姿を現した。

「ガノ○○ス!?」
「はやてちゃん、ゲームのやりすぎだよ!? 私も一瞬そう思ったけど…!」
「なのは、はやて! お遊びをしていないで掃討にかかるわよ! クロノ、こいつで間違いない!?」
「ああ! さっさと終わらせるぞ!」

そして戦いが始まる。
なのはとフェイトとクロノがバインドで縛り上げて、はやては後方から砲撃を幾度も放ち魚竜を攻撃していく。
私や士郎、ネロ、オリヴィエ陛下、ランサーが魚竜が陸に上がったのをいいことにオーバーキル攻撃をしていきキャスターが隙を見て呪術で丸焼きにしていく。
しかし意外にしぶとく何度も潜っては飛び出してを繰り返して私達はその度に湖に攻撃を繰り返した。
そして…、

「これで、最後だぜ!」

ドスッ!

「ギャアァァァッ!!」

ランサーの一突きでついに魚竜は力尽きて地面に倒れる。

「…こういうのは剥ぎ取るのが基本やと思うんやけど、どうやろうか?」
「君は何を言っている…? ゲーム脳か…?」

士郎のツッコミではやてはなぜかツッコまれた事に喜びを覚えたのか「えへへ~♪」と笑った。
ゲームのやり過ぎだと思うのよ。絶対…。

「とりあえずこの生物の体の中にそのロストロギアがあるはずだから慎重に運ぶとしよう」
「別に、吹き飛ばしてしまっても構わないのだろう…?」
「それだけはダメだ。ロストロギアは危険なものだってことはもう知っているだろう? 少しでも刺激を与えたら暴走する危険性がある」
「しかしよー。本当にコイツの中にその危険物があんのか…?」
「そのはずだ。ロストロギアセンサーにも反応しているんだから」
「確かめてみませんかねー?」

キャスターが呪符を構えて一気に近寄る。

「だからダメだと言っているだろう!」
「ちぇー…」
「やれやれ、まったく…。君達はロストロギアくらいでどうにかなるとは思わないが人間にも限界はあるんだからそこは見極めてくれ」

それで全員はクロノの言う事に大人しく従った。
その後はクロノを中心にしてバインドをしていきエイミィさんに連絡を入れて転送ポートを開いてもらった。
そしてアースラへと戻ってきて早速巨大生物が運び込まれていきこれで任務は終了となった。

「しっかし、どうにも釣りの決着がつかなかったな」
「そうだな、ランサー」
「それでは今度の休日に三人で釣り勝負でもしましょうか?」

クロノの提案に士郎とランサーは快く頷いた。
そしていざ、釣りの日だと繰り出してみたら港に一人の男の影があったらしい。
その新たな暇人とは…!?
…その後、士郎とランサー、クロノはそれが誰なのかは一切語ろうとしなかった。
ただ、すごいショックを受けていたとフェイトとはやてに後に聞いた。
…私は参加しなくてよかったわね。



 
 

 
後書き
三人を負かした暇人の設定などはありませんw 
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