| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レインボークラウン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十五話

第十五話  魔女となると
 魔女には絶対に使い魔達が従者としている、華奈子にとっても美奈子にとっても他のクラウンのメンバーもそれは同じだ。
 それぞれタロとライゾウ、タミーノとフィガロがいる、無論今田先生も今日子先生もそれは同じである。それでなのだ。
 今田先生は六人にこう話したのだ。
「今度の転校生の娘ですけれど」
「はい、どんな娘ですか?」
「一体」
「使い魔は華奈子ちゃんと同じ種類ですよ」
「犬と猫ですか?」
 その華奈子が先生に言って来た。
「そうなんですか?」
「はい、そうなんです」
「犬と猫だと」
 華奈子は先生の話を聞いて考る顔になった、そして言うのだった。
「わかりやすいですね」
「そうでもないわよ」
 すぐに隣にいる美奈子が華奈子に言って来た。
「犬と猫でも」
「だってタロとライゾウでしょ」
「犬と猫でも種類が多いから」
 その犬と猫自体がだというのだ。
「だからね」
「あっ、そうよね」
「そう。タロは甲斐犬でライゾウはスコティッシュフォールドだけれど」
 それぞれそうした種類の犬と猫だ。どちらもわかりやすいと言えばかなりわかりやすい種類の犬と猫である。
「それだけじゃないから」
「犬も秋田犬とかシェパードとかいるしね」
「猫もよね」
「じゃあタロやライゾウと同じって考えなくて」
「全然別のものと考えてね」
 そのうえでだというのだ。
「どんな使い魔か考えていきましょう」
「何か余計にわからなくなってきたわね」
「来週転校してきますよ」
 ここでまた言う先生だった。36
「楽しみにしておいて下さいね」
「ううん、何か余計にわからなくなってきたわね」
 華奈子は先生の言葉に首を傾げさせた。
「本当にどんな娘なのかしらね」
「若しかしたらね」
 ここで言ったのは美奈子だった。
「私達がもう知ってる娘かもね」
「あたし達が?」
「そんな気もするの」
「まあ天本博士の関係者じゃなかったらいいけれど」
「あの博士女性関係はないわよ」
「そういうのは興味ないのよね、あの人」
「だから博士の関係じゃないのは確かよ」
 そのことを確かめたうえで果たして誰なのかを考るクラウンの面々だった、転校生は果たして誰なのかということを。


第十五話   完


                              2013・3・3
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧