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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第3章:武器屋トルネコと幼女騎士リューラ
  第9話:恋文配達

(エンドール)
トルネコSIDE

早朝に謁見を申し込んだにも拘わらず、我々がお姫様に書簡を渡す事が出来たのは昼過ぎであった…
それでもリック王子からの手紙を渡し内容を伝えた事により、現在ボンモールが攻め込んできそうである危機的状況な事は解ってもらえた。

何より、両国の王子・王女が愛し合っているという事が、平和的解決に繋がる切っ掛けだと王様が考えてくれ、戦争の回避を図ってくれた事は大きいだろう。
ただ…何故私達が、もう一度ボンモールへと舞い戻り、王様の書簡を届けなければならないのだろうか?

だが仕方ない…
これも大きなコネクションを築く為の布石…
これが無事に片付けば、褒美としてエンドールで店を出せるかもしれない…
そうなったらネネとポポロを呼んで、世界一の武器屋を目指そうではないか!

因みに、王様の前を去ろうとした時、モニカ姫が渡しに向かい『トルネコ様…リック王子にお会いしたら伝えてください。“モニカは貴方を愛しております”と…』とメッセージを託してきました。
勿論、私に向けて言っている訳では無いのですが、美女に“愛してる”と言われると顔が綻んでしまいます。

でも…
『オッサンに言ってるんじゃねーよ…キモイからニタニタするんじゃねーよ』
と、小声で私にだけ悪態を吐いてくる馬鹿狐。
何時か狐汁にしてやる!

トルネコSIDE END








(エンドール)
アローペクスSIDE

愛しのリューラが活躍したお陰で、無事エンドールとボンモールの仲を取り持つ事が出来たトルネコ…
その褒美として、エンドール城下で店を出す許可を貰った。
何で一番何もしてない親父が、一番の褒美を貰えるのか…?

何とも納得はいかないが、リューラは何とも思ってないみたいだからオイラも我慢しようと思う。
でもオイラだって活躍したと思うんだ…
ドン・ガアデって奴を騙し足止めをしなかったら、もっと早い段階で戦争になってたワケだし…



王様からの許可を得た事で、トルネコは城下で良さそうな物件を探し歩いている。
と言っても、都合の良い物件など早々見つかるはずもなく…
1日中歩いてオイラもヘトヘトになっちまったよ。

「ありませんね…安くて、既に建造されていて、大変広く、持ち主が居らず、立地条件の良い物件」
ある訳ねーだろ!
贅沢すぎるよ…取り敢えず、立地条件の良い土地を捜し、そこに自ら店を建てて行くしか無いのでは?
そう思い、言ってやろうとしたのだが…

「トルネコ…あそこ…閉まってる…けど…人の気配が…ある」
そう言ってリューラが一軒の店を指差した。
そこはまさにトルネコが言っていた贅沢な条件その物で、あとは価格がどうなのかが残るだけ…まぁ尤も、彼方さんに売る気が無ければ意味がないだろうが。



「何と!? お前さんはワシの店を買いたいのじゃな?」
「は、はい…お値段次第ですが…」
「うむ…そうじゃなぁ…ワシとしても早く売りたい気持ちでいっぱいじゃ。あまり高値を吹っ掛けるつもりは無い。じゃが、老後の為にある程度の金額はほしい…何より、孫に色々買ってやりたいからのぉ…」

まさか売る気があるとは思ってなかった。
結構真新しい建物で、広く立地条件も良い物件…
しかも家主は吹っ掛ける気がないと言い切る老人。

「……どうじゃ、35000ゴールドで手を打たぬか?」
狐のオイラには金銭の感覚はよく分からない…
でも、今まで交渉してきた連中の中で、一番安値を提示してきたのはこの爺さんだ。
次に安くても、200000ゴールドだったから。

「ぜ、是非私に売ってください! 直ぐにでもお金を用意してきますから…どうか他の人には売らず、私の売って頂きたい!」
今は金が無いのかよ!?

「うむ…じゃが早くしてくれよ。ワシは早く息子夫婦の下に行って隠居したいんじゃから…」
そこまで聞くとトルネコは急いで店を後にし、町を出て何処かに向かおうとする。
何処へ行くんだよ!?

「お、おい…何処へ向かうんだよ!? オイラ達にも説明しろよ…」
「え? …あぁ失礼しました。初めてエンドールに到着した日に、町中で色々と情報を仕入れていた時、エンドールの北にある洞窟に、『銀の女神像』というアイテムがあると聞きました。それをコレクターに売りつければ、かなりの高値で買い取ってくれるらしく、あの店の購入資金に充てたいと考えております」

か~…事前に金儲け情報は仕入れておいたのかよ。
あんなに目を輝かせやがって…
もうちょっとこっちに気を使えよ!

「ちょっと待てよ…オイラは構わないけども、少しはリューラの事を考えろよ。トルネコと一緒に一日中歩き回ったんだ…今晩は宿屋で休んで、明日の朝から洞窟には赴こうぜ!」
自分の事ばっかり考えてるんじゃねー!

「ありがとう、アロー…でも…私は大丈夫だよ…これくらいで根を上げてたら…お父さんに…笑われちゃう…」
か~っ! 何と健気で心優しい女なんだ!?
種族の壁とかどうでも良い! オイラ、リューラの為なら何でもするね!

「ありがとうリューラさん。では早速出発しましょう! 他の誰かにあの店を奪われる前に…」
こ、この親父は…

アローペクスSIDE END



 
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